FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS 作:マーベルチョコ
ハルトたちは目的の駅に着いたのは良かったが話に夢中になり過ぎて、列車にナツを忘れてきてしまった。
「なんということだ!仲間を忘れてしまうとは…とりあえず誰か私を殴ってくれ」
「そこまでしなくても…」
エルザは自分を責め、訳のわからないことを言って、ルーシィが控えめにツッコミを入れる。
「そうか…おい!そこの駅員、列車を止めてくれ!」
「そんな無茶な!?」
「仲間の為なんだ」
「乗客1人のためにそこまでできませんよ」
「くっ…そうか…」
流石にエルザも無理なことを言っているのがわかっているようだが、この後まさかの発言が出た。
「ハッピー!あのレバーを引け!」
「あい!」
ハッピーが飛んで向かったのは駅に備え付けにされている列車の緊急停止レバーだ。
ハッピーはそれを躊躇なく引き、駅中にベルが鳴り響く。
あまりのことに駅員は絶句している。
「よし、これで列車は止まったはずだ。ナツを迎えにいくぞ」
「私……今まで見てきた妖精の尻尾のみんながまともに見えてきた」
「だろ?」
ハルトとルーシィはその光景を呆然と見ていた。
エルザは見知らぬカップルに多量の荷物を預け、魔導四輪を借りてきた。
それに乗り込むハルトたちだが、SEプラグが何故かハルトの腕に付けられた。
「え?なんで?」
「この中で1番魔力が多いのはハルトだ。 この後のことを考えるとこれが最善だ、出発するぞ!」
「いや、ちょっと待て!まだ浮いてな…」
ブオォン!
「ぐおっ!」
ハルトが言い終わる前に魔導四輪はフルスピードで発進したことにより、ハルトは一瞬で酔ってしまった。
しかも、固定も何もされていないので慣性の法則により吹っ飛ばされてしまったので……
ムニュン
「キャア! ちょっとハルト!?」
対面に座っていたルーシィに突っ込んでしまった。
しかも、顔がちょうどルーシィの顔に突っ込む形でだ。
「やったでごじゃる!ここでハルトにアピールするでごじゃる!」
「それどころじゃないわよ!」
マタムネはルーシィにここぞとばかり応援してするが、ハルトとこんなに近づけた嬉しさと胸を触られている恥ずかしさでパニックになっていた。
その状況に気付いたグレイとハッピーがニヤニヤしながら茶化してくる。
「おうおう見せつけてくれねぇ。お前ら何時からそんなに仲が良かったんだ?」
「でぇきてぇるぅ」
「うるさい!」
結局、ハルトはルーシィにまた膝枕をしてもらうことになった。
魔導四輪を走らせると漸く自分たちが乗ってきた列車が見えてくる。
「見えた!あの列車だ!」
「もう発車しているよ!」
すると列車の窓から見覚えのある桜色の髪が見えた。
しかし、それは列車から飛び降り、車体の上にいたグレイの方にまっすぐ向かってきた。
「ぐはっ!」
「あだっ!」
ナツとグレイのおデコがキレイにぶつかり、2人は車から落ちてしまった。
「なにすんだテメェー!?」
「お前誰だ?クセェ」
「ナツ無事だったか!」
「あっ!エルザ、ルーシィ、ハッピー、ハルト、マタムネ!お前らよくも俺を置いて行きやがったな!」
「おい…随分と都合のいい記憶喪失だな…」
分かれたナツと合流できたのは良かったが、どうやら列車の中でちょっとした事件があったらしく、知らない男に襲われたそうだ。
「そういえばそいつがなんか言ってたな…たしかララバイとかなんとか…」
「「「「「「!!」」」」」」
「バカものぉ!!」
「ぐへっ!」
エルザの鉄拳がナツの頬にぶつかる。
ララバイは今回の事件に関係することなのだが、ナツは聞いてなかったといより、聞けなかった。
「何故私の話を聞いてなかった!」
「お前が…気絶…させたんだろ…が…」
息絶えそうになりながらも突っ込みをするハルト。
「くっ! とにかくあの列車を追うぞ。ナツその男はどんなやつだった」
「んー特徴はあんまなかったな。そういえば気味の悪いドクロの笛を持ってたな、三つ目の」
「三つ目のドクロ!?」
「どうしたでごじゃる?」
「その笛、その笛がララバイだ!呪歌(ララバイ)…死の魔法!」
「「「「「「!!」」」」」」
○
エルザは魔導四輪の限界のスピードを出し続けていた。
少しでも列車に追いつくためだ。
「おい!エルザ!飛ばし過ぎだ!!」
「こうでもしないとあの列車には追いつけん!」
「そうだけどよ…ハルトが…」
グレイが悲痛そうな顔をし、視線をハルトに向ける。
そこには干からびたハルトがいた。乗り物酔いと急速に魔力が奪われ続けるため、よくわからない症状が起こっていた。
「……ぅ……」
「ハルト!しっかりして!」
「死んじゃダメでごじゃるー!」
「いざという時は私がハルトの分まで戦うさ」
「いや、そうじゃなくてだな…」
グレイはハルトが復活できるか心配だったが、とりあえずは頭の隅にやった。
列車を追って駅に着いたが人で溢れていた。
『只今、列車の脱線事故により運行の停止、及び駅への立ち入りを禁止にしております』
アナウンスがそう言ってるが列車を追ってきたエルザたちには直感的に鉄の森の仕業だと感づいた。
駅の構内に入ろうとするがここに二人動けない人がいた。
「ちょっと!ハルトとナツどうするの?」
「しゃーねぇな、担ぐぞ」
グレイがそう言うとハルトに肩を貸し、立たせた。
「えー! 私ナツ!?」
「仕方ねぇだろ。ハルトの方が重いんだからな」
「そうだけど…ぐぬぬぬ…」
結局グレイがハルトに肩を借しルーシィがナツを背負うことになった
「ルーシィ…気持ち悪い…」
「失礼ね!? 落とすわよ!」
○
駅に近づくが人混みが激しすぎて、構内の詳しい状況がわからなかった。
エルザが近くで人を誘導していた駅員に話しかけた。
「駅の構内では何が起こっている」
「なんだねキミは?」
次の瞬間、エルザは駅員の胸ぐらを掴み、頭突きを当てる。
「ぐわっ!」
駅員はそのまま気絶してしまい、エルザは次の駅員に話しかけた。
しかし、突然の質問にすぐに返せるわけでもなく次々に死体(死んでない)が出来上がっていく。
「めちゃくちゃね…」
ルーシィの言葉が全てを物語っていた。
漸く話が聞けて、エリゴール率いる鉄の森が駅を占拠したらしい。
軍も駆けつけたが、未だに応答はない。
エルザたちが無理矢理中に入ると、そこには傷ついた軍の兵士が大勢いた。
「やはり魔導士相手に兵士だけでは相手にならんか…」
幸いにも兵士には死者がおらず、後は救護に来る人に任せ、ホームに進んでいく。
「よぉ、待ってたぜ妖精の尻尾」
そこには数十人の男たちがいた。
「貴様がエリゴールか」
エルザは睨みながら、列車の上で座っていた男、エリゴールに話かける。
「何が目的でこんなことをする」
「最近仕事がなくて暇でよぉ、退屈しのぎに遊びてぇんだよ」
その言葉に鉄の森のメンバーが大声で笑う。
明らかにこちらをバカにしている。
すると、エリゴールは空中を浮いた。
「浮いた!?」
「風の魔法だよ!」
「またわからねぇか、駅には何がある?」
エリゴールはアナウンス用のスピーカーに近づき、持っていた大鎌で小突く。
それを見たエルザはエリゴールの恐ろしい意図がわかった。
「ララバイを放送する気か!?」
「ええ!?」
「なんだと!?」
驚愕するエルザ達を見て面白そうに笑う。
「この駅の周辺には何百、何千もの野次馬どもが集まってる。いや…音量を上げれば町中に響くかな、死のメロディが」
「大量無差別殺人だと!?」
「これは粛清なのだ。権利を奪われた者の存在を知らずに権利を掲げ生活を保全している愚か者どもへのな。この不公平な世界を知らずに生きるのは罪だ。よって、死神が罰を与えに来た。死という名の罰をな!」
エリゴールが訴えるように言うが、その内容は滅茶苦茶で、理不尽な悪意そのものだ。
それに我慢できなくなったルーシィはエリゴールに向かって言った。
「あんた、バカじゃないの!
そんなことをしても権利は戻ってこないわよっ!!
それに元々、アンタたちの自業自得じゃない!!」
しかし、それを聞いても動じず淡々とエリゴールは話す。
「ここまで来たらほしいのは権利じゃない、権力だ。権力があればすべての過去を流し、未来を支配することだってできる」
あまりののことにエルザ達は言葉を無くした。
その隙に列車でナツを襲った男、カゲが魔法を発動する。
「残念だな、妖精ども。闇の時代を見る事なく死んじまうとは!!!」
ルーシィにまっすぐカゲが伸び、ルーシィの間近で影から拳が現れ、ルーシィを襲った。
「しまった!!」
反応が遅れてしまい誰もルーシィを助けれない。
ルーシィは迫りくる拳に目を閉じてしまうが、いつまでたっても痛みが来ない。
恐る恐る目を開けると影の拳を手に黄金の魔力を纏わせ、掴んでいるハルトが前に立っていた。
「ハルト!」
「言ったろルーシィ。俺が守るって」
すると、後ろからいつものの元気な声が聞こえた。
「ありがとなルーシィ。よっしあ! こっからは地上戦だな!燃えてきたぞ!!」
ナツも復活し、睨み合う妖精の尻尾と鉄の森。
しかし、その中でエリゴールだけが不気味な笑みを浮かべていた。
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