FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

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第2話 妖精の尻尾

「ボスコに連れて行かれた女の子たちはどうするの?」

 

「あとは国に任せるさ。さすがに他国に攻めこむわけにはいかないからな。戦争になっちまう」

 

ハルジオンで騒動を起こしたハルトたちはルーシィを連れて自分たちが所属するギルド『妖精の尻尾』に向かっている。妖精の尻尾がある街、マグノリアの街なかを抜けながらそんな会話をしていた。

 

「見えてきたでごじゃる!」

 

「「「「ようこそ! 妖精の尻尾へっ!!」」」」

 

「わぁ…! 大っきいね」

ルーシィは喜びの声をあげながら見上げた。そこには妖精の尻尾のギルドがあった。ハルトたちはさっそく中に入る。

 

「ただいまー」

 

「ただいまでごじゃる」

 

「ただいまぁぁぁぁぁっ!!」

 

「ただー」

 

ハルトたちが帰ってきたことに気づいた、ギルドメンバーの一人が振り向き挨拶をしようとするが、

 

「おー、帰ってき…、ぐぺっ!?」

 

「てめーっ!! 火竜の話嘘だったじゃねぇかっ!!!」

 

「えぇー!?」

 

火竜の情報がウソだったので、怒ったナツはすかさず跳び蹴りを情報を教えてくれた仲間にかましノックアウトにした。そのまま周りの人を巻き込んで乱闘が始まってしまった。

 

「あらハルト、ナツ、マタムネ、ハッピー、おかえりなさい」

 

その乱闘に気づいたのか銀髪の美女、ミラジェーンが迎えてくれた。

 

「おー、ただいま、ミラ」

 

「ただいまでごじゃる」

 

「きゃー! 本物のミラジェーンさんだ!」

 

ナツの突然の乱闘に驚いたルーシィは週ソラでトップグラビアアイドルとして有名なミラに会えて感動していると、ミラはルーシィに気づいた。

 

「あら? 新人さん?」

 

「あっ、はいっ!ルーシィです!よろしくお願いします!!」

 

「よろしくね」

 

ドガッ!! バキッ!!

 

すると乱闘がさらにひどくなり、もっと大勢を巻き込み、周りのイスやテーブルが破壊される。

 

「あらあら、ナツが帰ってきたらさっそくギルドが壊れそうね」

 

「いやもう壊れてるから」

 

ミラがそんな呑気な事を言うと、ハルトがすかさずツッコむ。

 

「ナツが帰ってきたてぇ? テメェこの間の決着つけるぞ!コラァ!!」

 

そんなやり取りに反応したのかパンツ一枚の変態、グレイが声を上げた。すると、

 

「グレイ…あんたなんて格好して出歩いているのよ」

 

「うおっ!? しまった!!?」

 

グレイの近くで酒を飲んでいた女性、カナがグレイに注意した。どうやらグレイは無意識に服を脱いでしまうらしい。露出狂だ。

 

「まったくこれだから品のないうちの男は…嫌だわ」

 

そう不満を言いながら、カナは樽で酒を飲んでしまう。カナにお前が言うなと言いたい。それを見て絶句するルーシィの後ろから大きな影ががでてくる。

 

「くだらん」

 

腕を組みながらそう言うのはエルフマン。

 

「昼間っからピーピーギャーギャーと子どもじゃあるまいし…漢なら拳で語れぇ!!」

 

(結局ケンカなのねぇー!?)

 

「「邪魔だっ!!」」

 

(しかもあっさり玉砕!)

 

ルーシィはそんなことを心の中で呟いていた。エルフマンはナツとグレイがケンカしている所に飛び込んで行くがあっさりと二人に倒されてしまったのだ。するとまた一人の男が現れた。

 

「ん? なんだか騒がしいな?」

 

「あっ!『彼氏にしたい魔導士』上位ランカーのロキ!!」

 

「混ざってくるねー♪」

 

「「がんばって〜♪♪」」

 

(はい、消えた!)

 

ロキが二人の女性とイチャつくのを見て、妖精の尻尾にいろいろとショックを受けてしゃがみこんでしまう。

 

「な…なによ、これ… まともな人がいないじゃない」

 

「いや、オレはまともだから」

 

「せっしゃもでごじゃる」

 

「あんたはネコじゃない…」

 

しゃがみこんでいるルーシィにミラは目線を合わせ励ますように言う。

 

「確かにめちゃくちゃだけど楽しいところよ?」

 

「ミラさん…」

 

そのときミラの頭に空ビンが飛んできて当たってしまった。

 

「ね? 楽しいところでしょ?」

 

(怖いです!)

 

頭から血を流しながらも、にこやかに笑いながらそんなことを言うミラに若干引いてしまっている。一方で、ケンカはどんどん過激になってきた。

 

「ね、ねぇ、ハルト! 止めなくていいの!?」

 

「いつものことだからな。止めてもキリがねぇよ。まぁ、落ちついて待ってようぜ? あっ、ミラ、コーヒーちょうだい」

 

「せっしゃはリンゴジュースが欲しいでごじゃる」

 

「は〜い」

 

「落ち着きすぎでしょ!!?」

 

ルーシィがツッコミをしていると、ケンカをしているナツ達はとうとうしびれを切らせたのか魔法を使い出そうとしていた。

 

「あんたら…いい加減にしなさいよ」

 

「アッタマきたっ!」

 

「ぬおおおぉ!!」

 

「困った奴等だ…」

 

「かかって来いっ!!」

 

カナ、グレイ、エルフマン、ロキ、ナツが魔法を使おうと構え出した。他のメンバーも構え、まさに一触即発の状況だった。

 

「あー、これは…」

 

「ちょっとまずいわね…」

 

「ちょっ、ちょっとぉ…やりすぎよぉ…」

 

そんな状況に少し冷汗を流すハルトたち、ぶつかりあおうとした、その時!

 

「止めんかバカタレどもぉーーーーー!!!!!」

 

ギルドの天井に届こうかというぐらいの背丈がある巨人が怒号を上げた。余りにもでかすぎるせいか影がかかってよく見えず、より威圧感が増している。その怒号のおかげかケンカをしていた全員ピタリと動きを止めた。

 

「あら、いらしたんですか? マスター?」

 

「マスター!?」

 

みんなはケンカを止められたのか白けたようにじぶんに用事に戻っていった。そんな中騒ぐバカが一人…

 

「だーはっはっはっ!!! みんなしてビビりやがって!!

この勝負、オレのか…ぴっ!?」

 

哀れナツ、虫の様に潰されてしまった。ズンズンとルーシィのほうに近づいてくる巨人。

 

「む? 新入りかね?」

 

マスターは問いかけるがルーシィはビビりすぎて声が出ずに口をパクパクと開け閉めしかできてない。

 

「ふんぬぅぅぅぅぅ…」

 

すると、巨人の大きさがどんどんと小さくなった。

 

「よろしくね」

 

「えぇーーー!?」

 

そこにはだいぶと背丈が小さい老人が立っていた。

この老人はマカロフ、妖精の尻尾のマスターである。

 

「とうっ!」

 

マカロフはその場で跳躍し回転をしながらギルドの二階の手すりに飛び乗ろうとしたが、頭を打ってしまい地味にいたそうだ。何事もなかったかの様に振る舞い、懐から紙の束を取り出した。

 

「ま〜たやってくれたのう貴様ら、見よ評議員から送られてきた文書の量を」

 

見せびらかせる様に紙を揺らす。そして、紙に書いてあることを、顔をしかめながら読む。

 

「まずは…グレイ」

 

「あ?」

 

「密輸組織を検挙したのはいいが、その後素っ裸で街をふらつき、挙句の果てには干してある下着を盗んで逃走…」

 

「いや、裸じゃまずいだろ」

 

「まずは裸になるなよ」

 

マカロフはため息を吐き次を読む。

 

「エルフマン! 貴様は要人護衛の任務中に要人に暴行」

 

「男は学歴よって言うからつい…」

 

マカロフは首を振り次を読む

 

「カナ・アルベローナ、経費と偽って某酒場で呑むこと大樽15個、しかも請求先が評議会」

 

「バレたか…」

 

「ロキ、評議員レイジ老師の孫娘に手を出す。某タレント事務所から賠償請求がきておる」

 

マカロフは大きなため息をついて、決心したように最後の紙を読む。

 

「そしてナツ…、デボン盗賊一家を壊滅させるも民家を4件も壊滅。

チューリィ村の歴史ある時計台を半壊。フリージアの教会の一部を火事に。ルピナス城一部損壊。ナズナ渓谷観測所崩壊により機能停止。ハルジオンの港半壊」

 

(雑誌に載ってたのって、ほとんどナツだったんだ…)

 

余りの問題の多さに顔が引きつってしまうルーシィ。

 

「こうならないために! ハルト! お前やカミナがついているんじゃろうがっ!!」

 

「これでも頑張ったほうだわ!」

 

ハルトはマカロフに怒鳴るが流されてしまう。

 

「アルザック、レビィ、クロフ、リーダス、ウォーレン、ビスカ…etc…」

 

次々と名前を呼び、余りの怒りのせいか、マカロフの肩が震えている。

 

「貴様等ァ…ワシは評議員に怒られてばかりじゃぞぉ……」

 

ギルドメンバー全員が気まずそうにしている。しかし、

 

「だが…評議員などクソ食らえじゃ」

 

書類を燃やし投げすてる。マカロフはギルド中を見渡し語りかける。

その姿はギルドのマスターとして威厳が溢れるものだった。

 

「よいか、理を超える力はすべて理の中より生まれる。魔法は奇跡の力なんかではない。我々の内にある〝気〟の流れと自然界に流れる〝気〟の波長があわさりはじめて具現化されるのじゃ。それは精神力と集中力を使う。いや、己が魂すべてを注ぎ込む事が魔法なのじゃ。上から覗いている目ン玉気にしてたら魔導は進めん。評議員のバカ共を怖れるな」

 

そう言い終わり、にんっと笑みを浮かべ、叫ぶ!

 

「自分の信じた道を進めェい!!!! それが妖精の尻尾の魔導士じゃ!!!!!!」

 

『オオオォォォォォ!!!!』

 

さっきまでケンカしていたのがウソの様に歓声をあげ、肩を組みあい、笑いあっていた。

 

(これが妖精の尻尾…!)

 

ルーシィは感動した。その光景は自分が憧れた魔導士を見た気がしだからだ。

 

 

「ここでいいのね?」

 

「はい! お願いします!」

 

ルーシィはミラにギルドのメンバーの証である、紋章を入れてもらい、嬉しそうにハルトたちがいるところに向かった。

 

「へぇー、じゃぁ火竜ってナツのことだったんだな。」

 

「らしいな。まぁぴったりだけど…」

 

「ナツがサラマンダーならオイラはネコマンダーがいいな」

 

「なんだよマンダーって…?」

 

「じゃぁ、せっしゃはサムライマンダーがいいでごじゃる」

 

「マンダーってつければいいってわけじゃないからな?」

 

 

ハルトとグレイがナツの食事をしている近くで談笑してるとルーシィがやってきて、

 

「ハルトー!見て見て!妖精の尻尾の紋章入れてもらっちゃった!」

 

これ見よがしに自分の右手の甲を見せてきて、話す。本当に嬉しそうだ。

 

「おー、よかったな。それじゃあ、さっそく初仕事に行ってみるか?

ナツ、お前はどうする?一緒に来るか? ん?ナツ?」

 

辺りを見回してもナツの姿が見えない。すると、グレイが頰杖をつきながら、

 

「バカ炎なら『腹いっぱいになったから帰って寝る』って言って帰ったぞ」

 

「あいつ本当に欲望に忠実だな…」

 

ハルトはナツの生き様に苦笑いをしてしまう。

 

「じゃぁ、オレとマタムネ、ルーシィで行くか?」

 

「うん!」

 

「ぎょい!」

 

ハルトたちはクエストボードを見ていた。

 

「最初は簡単な仕事がいいだろ?」

 

「うん、いきなり討伐系はちょっと…」

 

「じゃあ、これはどうでごじゃる?」

 

マタムネはある依頼書を出した。

 

「採取系のクエストか、まぁ簡単そうだしいいか。ルーシィこれでいいか?」

 

「うん! それでいいわ」

 

「決まりでごじゃる!」

 

こうしてルーシィの妖精の尻尾の魔導士としての冒険が始まった。

 

 




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