FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS 作:マーベルチョコ
ハルトは評議会の依頼で行方不明の調査をしていたが、村長のルベトにの策略で村人を人質にとられ追い込まれるが、なんとかルベトを倒したがその先には奇妙な木があった。
「何だこれ…」
よく見ると枝には何かが簀巻きにされたものが何体もぶら下がっていた。
「ヒヒヒ…それはゼレフ書の悪魔だ…」
湖の近くで顔が腫れたルベトが言う。
ハルトは近付き、胸ぐらを掴みあげる。
「あれがゼレフ書の悪魔だと?」
「ぐっ…あぁ、そうだ。 たまたま見つけてなぁ。丁度人目がつかない村があったんで、ここで儀式をしたんだよ」
「儀式だと?」
「あぁ、あれは魔力を栄養にして復活するんだ。見えるだろ? あのぶら下がってる繭が。あれは行方不明になった魔導士や評議会の人間だ。まだ魔力を吸ってる途中だ」
「何故こんなことを?」
ルベトは嫌らしい笑みを浮かべ大声で言う。
「全てはゼレフのため!! この世界を浄化するためさ!!ハーハッハツハッ!!」
その笑いが気に食わなかったハルトはもう一度ルベトの顔を殴り黙らせる。
「この木をぶっ壊して、お前を評議会に突き出せば終わりだ」
殴られたルベトはうつ伏せになりながらも不敵な笑みを浮かべる。
「それはどうかな?」
「何?………がはっ!?」
ハルトと後ろの地面から鋭く尖った白い枝がハルトの腹を貫いた。
その枝には血がべったりとついていた。
「これ……は……あの木か……!」
すると、ハルトを貫いているところから根のように身体に侵入し、魔力を吸い始める。
「ぐく…くそ!」
ハルトは体から力が抜けながらも、何とか覇竜の断刀を後ろに向けて放ち魔力の吸収を阻止したが、元からダメージを受けた状態で多くの魔力を吸われてしまい、危険な状態になった。
「ハァ…ハァ……」
「ヒャハハハハ!! いいぞ!! 素晴らしい!!流石、滅竜魔導士の魔力だ!! もうほとんどの魔力が溜まったぞ!これであともう少しだ!残りの魔力も貰おうか!!」
ルベトの合図で白い木から尖った枝が一斉に飛び出してくる。
しかし、それはハルトを貫くのではなくルベトを貫いた。
「な…なぜ……」
『ご苦労だったな、ルベトよ』
低い声が洞窟に響くなか白い木が薄く光りだす。
「ど、どういう……?」
ルベドは口から血を流しながら、聞く。
『お前は私を操るつもりでいたが、操られていたのはお前だというわけだ。 誰がその種を与えたと思っている?』
どうやらルベトはこの木から生えていた種を使って村人を操っていたようだ。
『最後の仕事だ、その命を我に捧げよ!!』
「があぁ……ぁ…」
ルベトの魔力がどんどんと吸われていき、ルベトはミイラみたいに干上がって死んでしまった。
『フハハハハッ!! 魔力が溜まった! 漲ってくるぞ!!』
木から放たれる光がより増していき、その光が頂上にある巨大な繭に集まっていく。
すると、繭にヒビがはいり割れる。
そこにいたのは巨大な翼を4枚持ち、頭が鳥の化け物だった。
「ようやくこの姿に戻れたか…。まだ名を名乗っていなかったな。我はゼレフ書の悪魔、グリフィドだ。しかし貴様の魔力は良かったぞ。今まで吸収してきた中で1番だ」
グリフィドは自身の体を大切に撫で上げながら、ハルトに話す。
「何でルベトを殺した?」
「あの男は元から使い捨てるつもりだったのだ。生かしておいても何の利益もない」
ハルトはグリフィドの物言いに嫌悪感を露わにする。
ハルトは痛む腹を抑えながら立ち上がる。
「繭に捕まえている人達を解放しろ…」
「それはできん、奴らは我の魔力となるのだからな」
「じゃあ、テメェをぶっ倒して助けるだけだ」
「それも無理だな」
グリフィドは羽を広げハルトに向かって構えを取る。
「貴様も我の一部となるのだからな!!」
木の頂上から低く滑空しハルトにすごい速さで向かって行く。
あまりの速さにハルトは防御も何も出来ずに体当たりをもろに受けてしまい、吹き飛ばされ地面に転がりながら止まる。
「ぐぅ…」
「まだだ」
グリフィドはハルトの頭を掴み高く飛上り、ハルトを地面に向けて投げつける。
ダメージが大きく、ハルトは思うように体を動かせない状態で地面に激突し、そこにグリフィドが追い打ちをかけるように落下しハルトを踏みつける。
「がはっ…!」
「これで仕上げだ!」
グリフィドが口に魔力を溜め、放つのをハルトは寝転がった状態からバク転の要領でその場から飛び退き、グリフィドに向かって魔法を放つ。
「覇竜の咆哮!」
しかし、グリフィドはハルトの咆哮を飛んで躱す。
しかも、咆哮も弱々しい。
どうやら思った以上に魔力を吸われたらしい。
「どうした?弱々しいぞ?」
「うるせー…ハァ…まだまだこっからだ…ハァ…ハァ……」
「そうか、だがもう終わりだ」
ハルトの背後から白い蔦が体中に巻き付いてくる。
ダメージを負いすぎて反応が出来なくなってしまって気配に気づかなかった。
「なっ!?」
「そろそろ次の魔力が欲しいのでな。終わりにしよう」
蔦からハルトの魔力が吸われていき、ハルトは次第に項垂れていく。
「やはりな、滅竜魔導士の魔力は格別だな。それに貴様の魔力はさらに違うようだ」
グリフィドは舌舐めずりしながらハルトを見る。とうとうハルトは気を失ったように頭を落としてしまう。
「もう終わりか……万全の状態ならまた結果は変わっていたかもしれないな」
しかし、突然蔦に流れている魔力がハルトに向かうように逆に流れ始めた。
「何!? 何が起きてる!!?」
グリフィドが狼狽えるのをよそに、次第にハルトの傷が癒え始めてくる。
「ふう〜なんとか出来たな」
「貴様何をした!!」
ハルトは体の調子を確かめながらグリフィドに向かって言う。
「魔法って属性ごとに特徴があるだろ? 俺の魔力は無属性なんだけど
ある特性がある」
「特性だと?」
「『統合』って俺は呼んでる。相手の魔法に俺の魔力が加わるとその魔法の魔力を俺の魔力にして吸収しちまうんだ。さっきお前の魔力を吸収したのはお前が吸い取った俺の魔力が他の魔力を統合して俺のものにしたってわけだ」
「そんなバカなことが…っ!!」
「現にお前の目の前で起こっただろーが………覇を轟かし全てを統べる……これが俺の魔法、覇の滅竜魔法だ」
グリフィドは睨んで来るハルトの後ろに覇気溢れる竜を幻視してしまう。
僅かに後ずさりしてしまうが未だに自分が有利な立場にいることに気づき強気になる。
「例え魔力と体力が癒えたとしても貴様に勝ち目などない!!人間と悪魔では超えられない壁がある!!」
グリフィドは急降下してハルトに体当たりをしてくる。
ハルトはなんとか防ぐがグリフィドの攻撃の余波で地面にヒビが入る。
ハルトはグリフィドを見据えて足に魔力を集中させ、グリフィドの目の前まで一気に跳躍し、グリフィドを睨みながら拳を握りしめる。
「人間と悪魔では超えられない……何だ?」
魔力を纏わせ思いっきり殴る!
「覇竜の剛拳!!」
「ぐはぁっ!!?」
グリフィドは地面に向かって落ち、余りの力にグリフィドが落ちたところには穴ができ、そこから這いずり出てくるとハルトを睨む。
「どうした? こんなもんかよ?」
グリフィドはハルトにそう言われ怒り、上空に飛び上がり翼に魔力を溜めると風が生み出された。
「失敗したな人間!! 我にこれを使わせるとは!我が呪法『崩風』をとくと味わえ!!」
「呪法…?」
翼をハルトに向かって羽ばたかせると翼に纏っていた風は唸りながらハルトに向かってくる。
ハルトは防御しようとするが、ぶつかる瞬間横に飛び退いた。
風が当たった場所はドリルのように削られている。
「よく躱したな!我が呪法は全てを崩す風!! いかにお前の魔法がどこまで強くなろうとも無意味だ!!」
グリフィドはさっきよりも速い竜巻を生み出しハルトに向ける。
避けようとするが風の勢いが強くその場から動けず、竜巻に飲み込まれてしまう。
竜巻が止み、ハルトの姿が見えるが服はズタズタに切り裂かれ、体中に傷ができており、血だらけだ。
「ぐっ……」
「ハハハッ! さっきまでの威勢はどうした!? まだまだいくぞ!!
人間!!」
グリフィドはまた竜巻を生み出し放とうとした瞬間、ハルトの体から魔力が溢れ出す。
「流石ゼレフ書の悪魔だな……この前のとは大違いだ」
「これで終わりだ!!人間!!」
グリフィドは竜巻をハルトにむける。
「だからこっちも本気でいくぜ」
その目には覚悟の火が灯っている。
「覇竜の剛腕!!」
ハルトは両腕に剛腕を出して防ぐが少しずつ削られていくのがわかる。
「どこまで持ちこ耐えれるか見ものだな!」
どんどんと剛腕は削れて行き、ハルトも苦しそうな顔をする。
ここでハルトは勝負をかけた。
両腕に全力をかける!
「ウオォォォォォォッ!!!!」
両腕を振るい風をそらしグリフィドに続く道ができる。
ハルトはそこに飛び出し拳を振るうが、空を自由に移動できるグリフィドは容易く躱す。
「くそっ!」
「拳を振るうことしかできない貴様に勝ち目はないぞ!!」
ハルトはそれを聞き、不敵な笑みを浮かべる。
「誰が拳は飛ばないって決めた!!」
ハルトは空中にいるグリフィドに向かって拳を振るうとグリフィドに
拳から飛んだ魔力が当たった。
「ぐっ!!?何だ!?」
「威力は幾分か落ちるが空中にいる相手には効くな。覇竜の飛燕拳ってところか?これでお前が空中にいようと関係なくなったな」
「っ!舐めるな!!」
グリフィドは風を飛ばしてくるが、ハルトはそれを躱し飛燕拳を連打で当て続け翻弄する。
「ぐおぉぉぉぉっ!?」
余りの速さにグリフィドの視界は閉ざされてしまう。
煙を晴らすとハルトは地面の何処にもいなかった。
「何処だ!?」
「ここだ!」
空中から声がきこえ、そっちに目を向けると落ちてくるハルトがいた。
「バカめっ! 空中では躱せまい!!」
グリフィドは風をハルトに向かって放つが、ハルトはそれに突っ込んで行く。
「滅竜奥義……」
ハルトは全身に魔力を滾らせ、空中て全身を高速回転をする。
「覇牙竜螺旋!!」
ハルトの攻撃は風と拮抗するが突き破りグリフィドに向かって行き、体に風穴を開けた。
「そんな……バカな……」
グリフィドはあり得ないと言った顔をしながら湖に落ち、塵となって消えた。
「ハァ…結構ヤバかった…」
ハルトは全身から煙のようなものを出し、その場に座り込み、安心した顔をした。
○
そのあとはハルトが評議会に知らせ、行方不明者の救助と操られた村人の治療を頼んだ。
行方不明者はミイラみたいに枯れていて一見死んでるように見えたが湖の水が魔力が液状したものだとわかり何とか一命は取り留めた。
さらに今回の事件の主犯がゼレフ書の悪魔だと伝えると評議員は頭が痛そうな顔をした。
依頼自体は1日で終わったがその後の事情聴取に丸1日かかってしまい、ハルトがギルドに帰って来たのは2日後だった。
「ただいまーいやー今回の依頼は早く済んだぜー」
ハルトが気楽にギルドに入るが全員何かを話しこんでおり、反応してくれない。
「………」
誰も反応してくれず、ハルトは片腕をあげた状態で固まってしまう。
その反応にハルトは若干泣きそうになった。
「それでは行ってまいります」
「う、うむ。ほどほどにの…」
すると、カウンターでマカロフと話していたエルザがこちらにやってくる。
「ハルト、戻ったのか」
「お、おうエルザ。みんな反応してくれないから無視されているのかと思ったぜ」
ハルトに気づいたエルザが挨拶をしてくれたので、なんとか持ち直したが目尻にキラリと光るものが見えた。
「ちょうどいい、一緒に来てくれ」
エルザは有無も言わさずハルトの腕を掴みギルドの出口に向かう。
「お、おいっ! どういうことだよ!? 説明しろ!」
「それは後で話す」
エルザの表情は鬼気迫るもので、ハルトはこれ以上聞くのは無理だと思い、マカロフのほうを見るがハルトに向かって全身でジェスチャーをした。
『ま・か・せ・た・ぞ』
「どういうことだー!!」
感想待ってまーす