FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

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色々忙しかったので遅れちゃいました。


第23話 時のアーク

遺跡に続く道を進むハルトたちは道中でグレイから今回の詳しい事情を聞かされた。

「つまり、そのリオンって奴はお前たちの師匠を超えるために封印されたデリオラを復活させて倒すってことなのか」

 

「あぁ……だけどそんなことをしたってウルは超えられねぇ!

それにウルはまだ生きてんだ……なのに、あいつは……」

 

グレイとリオンの師匠ウルはデリオラを封印するため絶対氷結(アイスドシェル)を使い、封印したが、その魔法は使用者自身を氷に相手を封印する捨て身の魔法だったのだ。それによりリオンが氷を溶かすということはウルを殺すということなのだ。グレイはそのことで辛そうな顔をする。すると目の前に仮面を被った多くの人が現れた。

 

「なんだこいつら?」

 

「こいつらリオンの仲間か!?」

 

「零帝様のところに行かす訳にはいかん。 皆のものやってしまえ!」

 

一斉に襲いかかってくる手下達、ハルトたちは難なく倒していくが、数が多く、さらに何度倒してもゾンビの様に起き上がってきては再びハルトたちに襲いかかってくる。まるで執念で動かされてるようだ。

 

「ちっ!キリがねぇな…グレイ!お前は先に行け!!

ここは俺たちが引き受ける!!」

 

「いいのかよ!?」

 

「お前はリオンという者と決着を付けに行け!」

 

「気をつけてね!」

 

「ファイトでごじゃる!」

 

「頑張ってね!」

 

みんなからの激励にグレイは嬉しくなってしまう。

 

「……すまねぇ」

 

「馬鹿野郎! 仲間にはこういう時、礼を言うんだろうが!」

 

ハルトがそう言うとみんな、笑みを浮かべてグレイを迎え出してくれる。

 

「あぁ……ありがとうなっ!お前ら!!」

 

グレイが遺跡に向かおうとするとそれを塞ぐ様に立ちはだかる手下達。グレイと手下達の間にハルトは入り込み、手のひらを頭上で合わせると魔力が剣の様に伸び、手下達に振り下ろす。

 

「覇竜の断刀!!」

 

断刀を振り下ろしたことで発生した衝撃で手下達は吹き飛んでいき、

グレイが進む道ができた。

 

「さてと……なんとか行かすことができたな」

 

ハルトがそう言うも、手下はなお立ち上がる。

 

「しつこいな」

 

「これも零帝様の計画通りだ……」

 

「何?」

 

手下の中でも一番偉い様に見える男は不敵な笑みを浮かべていた。

 

 

そのあと、しばらく戦いが続いたがS級魔導士が2人もいるハルトたちに手下は全員倒された。

 

「ふぅ、やっと全員倒したな」

 

「あぁ、グレイを追うぞ」

 

その時、手下の1人が僅かだが体を動かし、ハルトたちの行く先を塞ごうとする。

 

「れ…零帝様の……ところには……行かせない……」

 

「見上げた忠誠心だな。 だがリオンがやろうとしていることは悪だ」

 

それを見てエルザは感心しない様に言うが、手下はそれを皮肉気に笑う。

 

「忠誠心なんてないさ……俺たちはデリオラに故郷を破壊された奴や家族を殺された奴の集まりだ…… だがリオン様はそんな俺たちの恨みを晴らしてくれると言ってくれた……だから従っていたんだ……!」

 

悔し涙を流しながらそう言うと、遺跡からゴゴゴ……という音が響いた。

 

「なんだ、この音は?」

 

エルザが遺跡の方を向くと地面に埋まる様に遺跡の片方にだけ傾き始めたのだ。

 

「なにが起こっているの……?」

 

「ナツだな、ありゃ」

 

「うん、あんなことをするのナツくらいだもんね」

 

「壊すの得意でごじゃるからな」

 

ルーシィが呟くがすかさずハルト、ハッピー、マタムネは平然とそう返す。

 

「とりあえず遺跡を目指して進むぞ!」

 

 

ハルトたちが遺跡に辿り着く頃にはもうひが沈み始めていた。

 

「誰もいないな」

 

「そうだな」

 

ハルトは辺りを見回している。

 

「どうした?」

 

「いや……(なんでアイツの匂いが……)」

 

するとまた遺跡が揺れ始めた。

 

「何!? 何が起こってるの!?」

 

「ちょっとルーシィ! 揺らさないでよ!」

 

「私じゃないわよ!」

 

傾いていた遺跡がどんどんと元に戻っていく。

 

「遺跡が元に戻った……」

 

あまりの事態に全員が呆然としてしまう。

すると遺跡の奥から光が差し込んできた。

 

「あれって月の光!?」

 

「どうして!?」

 

「誰かが儀式を続けているのか?」

 

「まずいな…ルーシィとエルザは上に行って儀式を止めてくれ」

 

「ハルトはどうするの?」

 

「俺はもし封印が解かれていたらまずいからな。本体を叩きにいく」

 

そう言うとルーシィたちは驚く。

 

「危険よ! デリオラってすごい化け物なのよ!?」

 

「大丈夫だって、それじゃ後でな」

 

ハルトはそう言い残し、穴から地下に降りていった。

 

「あっ! ハルト! もう……」

 

「ハルトの言うことにも一理ある。私たちは上に向かうぞ」

 

「ぎょい!」

 

「あい!」

 

エルザたちは上を目指して進むが、ルーシィは途中で振り返り、ハルトが降りていった穴を見た。

 

「気をつけてね……ハルト……」

 

 

ハルトは遺跡にできた地下へと続く穴を降り続けているが、降りるたびに顔が険しくなる。

 

(あいつめ……いったい何が目的なんだ……)

 

そんなことを考えながら降りていくとひらけた場所に出た。

そこではナツと奇妙な仮面を被った男、ザルティが戦っており、ナツが苦戦していた。

 

「クソッ!! 攻撃が当たんねぇーっ!!」

 

「ホッホッホッ、それではいつまでも終わりませんぞ〜?」

 

ザルティが手をかざすとナツの足元が崩れ、そこに水晶玉を使い、背後ががら空きになっているナツに向かって攻撃しようとするが、ハルトがその間に割り込み水晶を砕いた。

 

「ハルト!?」

 

「ホッホッ……これはこれは……」

 

「よぉナツ 、苦戦してるみたいだな」

 

「してねぇーよ!!」

 

ナツが怒鳴るがハルトは無視し、ザルティを見据える。

 

「ナツ、アイツと戦うの俺と代われ」

 

「はぁ!? なんでだよ!」

 

「お前苦戦してたからいいだろ?」

 

「苦戦なんかしてねぇっ!! こっから有利になってくんだ!!」

 

「苦戦してんじゃねぇか……」

 

ハルトは困ったように頭をかくが、何か閃いた。

 

「ナツ、今回お前らを連れ戻しに来たのは俺だけじゃない、エルザも来てるんだ」

 

「…………マジかよ」

 

「マジだ」

 

それを聞いた瞬間、ナツは顔が青ざめ体が震える。

 

「そこでだ。俺はアイツと戦いたい。お前はエルザにしばかれたくない。もし、お前が譲ってくれるならエルザに言ってやっても……」

 

「おしっ! そいつは任せるぜ、ハルト!! 俺はデリオラを倒してくる!」

 

ハルトが言い切る前にナツは下に続く道に進んだ。

 

「ホッホッホッ、行かせませんぞ?」

 

仮面の男がナツに水晶玉を向けてくるが、またハルトが阻止する。

ナツがいなくなった後、ザルティはハルトに話しかけてくる。

 

「よくもやってくれましたな。貴方よりあの少年の方が倒しやすかったのに……」

 

「下手な芝居はよせよ。 とっくに気づいてるぞ? ウルティア」

 

するとザルティの姿が煙のように消えていき、代わりに美しい女性が現れた。

彼女はウルティア。評議員であるジークレインの秘書をしている。

 

「あら? よく気づいたわね? さっきのサラマンダー君も私の匂いに気づいていたぽかったけど?」

 

「騙すんなら防臭剤でもかけとけ。 女の匂いがプンプンすんだよ」

「嫌だわ、エッチ」

 

「言ってろ」

 

お互いに軽口を叩くが、隙を見せず、すぐに動けるように構えている。

 

「何が目的でここにいる?」

 

「聞きたかったら力づくで聞いてみれば?」

 

ウルティアは怪しい笑みを浮かべ、水晶玉をハルト目掛けて操りぶつけてくる。

ハルトはもう一度壊したが、

 

「がはっ!?」

 

壊したはずの水晶玉は何故かハルトの腹にめり込んでいる。

 

「ぐっ……」

 

「ふふふ……」

 

次はハルトの周りに無数の水晶玉が現れる。

 

「!!」

 

「フラッシュフォワード」

 

一斉に水晶玉がハルトを襲うが、真上に隙がありジャンプしてかわすが、突然天井が崩れ落ちてきた。

ハルトは迫ってくる岩を砕き、難を逃れる。

 

「なんだよ、結構強ぇじゃねぇか」

 

「フフ……ありがとう。お礼にもっと激しくしてあげるわ!」

 

また無数の水晶玉が現れ、ハルトに迫ってくる。

 

「ありがた迷惑だわ!!」

 

ハルトはかわしていくが突然足場が宙に浮き、上にのぼった。

 

「くそっ!」

 

突然足元が崩れたため体勢を整え前に水晶玉がぶつかってくる。

全部防ぎきれず水晶玉がハルトごと地面にぶつかり、煙が上がる。

しばらく煙が立ちこみ、姿が見えなくなるが中から石がウルティアに向かって飛んでくる。

ウルティアはそれを空中で止め崩す。

 

「なるほど再生と破壊って訳じゃねぇのか。

てことは……時間系の魔法か。遺跡を直したのもお前だろ?」

 

煙の中からハルトが出てくるがグリフィドとの戦いでできた傷を巻いた包帯には血が滲み出ている。

余裕そうな顔をしているがダメージが大きいのはわかってしまう。

ウルティアはそれを聞き、一瞬驚いた顔をするがすぐにいつもの妖しい笑みを浮かべる。

 

「フフ……そうよ。 ほんの数回しか使っていないのによくわかったわね。 私の魔法は『時のアーク』、失われた魔法(ロストマジック)の1つよ。でも、私の魔法がわかったからって私に勝てるかどうかは別だけどね!」

 

そう言ってまた、無数の水晶玉を出現させる。

ハルトはそれを見て、目を閉じ精神を集中させる。

 

(連戦が続いたからな……体がそろそろ限界だ)

 

ハルトの体はグリフィドの戦いで大きいダメージが残っており、ウルティアという強敵と戦うには不利な状態だった。

 

(だけど……やらなきゃいけねぇ)

 

頭に浮かんでくるのは今も戦い続ける仲間の姿、ここで倒れては仲間を裏切ってしまう。何よりも……

 

「俺は妖精の尻尾の魔導士なんだからなぁ!!!」

 

目を開き、ウルティアを睨む目は気迫に溢れており、ウルティアはそれに後退りしてしまう。

 

「……っ! フラッシュフォワード!!」

 

水晶玉がまたむかってくるが今度はハルトもそれにむかって行った。

むかってくる水晶玉を魔力を込めた拳で次々と殴り壊していくが、数が多く、取りこぼしがハルトの体に突き刺さって行く。

しかし、ハルトは止まらない。

体が傷つきながらもウルティアに近づく。

その勢いは止まらず、距離が短くなってくる。

それを見てウルティアは少し焦りの表情を見せ、後ろに大きく飛び退く。

それと同時に水晶玉を消し自分の手元に引き寄せる。

ハルトはその隙を見逃さず、一気に距離を詰める。

しかしウルティアもただ見てる訳ではない。

 

「パラレルウェーブ!!」

 

今度は水晶玉が動く訳ではなかったが、1つの水晶玉から無数の水晶玉が出てきて波の様にハルトに迫ってきた。

 

「滅竜奥義……」

 

ハルトは右手に魔力を集中させる。

 

「竜牙弾!!」

 

ハルトはボール状に超圧縮された魔力である竜牙弾を投げ、水晶玉の波にぶつけた。

竜牙弾は水晶玉の波を割いて進んでいきウルティアに迫って行く。

しかしウルティアは間一髪のところで避けて服は竜牙弾の勢いで破れてしまい肌の露出が多くなってしまったが傷はない。

竜牙弾は壁にぶつかったが勢いは止まらず壁を削っていき、遂には爆発を起こし、壁にクレーターができてしまった。

それを見てウルティアは目を見開き、その破壊力に驚く。

しかし、その隙にハルトはすぐ近くまで来ていた。

 

「しまっ……っ!」

 

「これで終わりだな」

 

ハルトは左手の手刀でウルティアの首に魔力を突きつけ、動けない様にする。

 

「さて、話してもらうぞ。お前の目的を」

 

ウルティアは危機的な状況にもかかわらず、その顔に浮かんでいるのは妖しい笑みだった。

 




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