FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

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第24話 師匠と弟子

ハルトはなんとかウルティアの猛攻に打ち勝ち、追い詰めるがウルティアの顔から余裕が消えない。

 

「いいわ、教えてあげる。

私は封印されているゼレフ書の悪魔、デリオラが欲しいのよ」

 

「あれはリオンって奴が倒すために協力してたのじゃねぇのか?」

 

「リオンにデリオラを倒すことなんて不可能だわ。

…… 絶対氷結(アイスドシェル)を使えば別だけどね」

 

「見殺しにする気か?」

 

「利用してただけだもの。そこまで思い入れなんてないわ」

 

ウルティアの言い方にハルトは顔が険しくなり、腕に力が入ってしまう。

 

「お前の目的はわかった。 デリオラはナツとグレイがなんとかしてくれる」

 

「……グレイにできるかしら?」

 

「お前グレイのこと知って……」

 

『グゥオオオォォォォォォォォォォッ!!!!!!!』

 

ハルトが聞き返そうとした瞬間、島中に叫びが響き渡った。

 

「何だ!?」

 

ハルトはその叫びに気をとられ、隙ができてしまい、ウルティアはハルトに一撃をくらわせ離れる。

 

「ぐうっ!?」

 

「フフフ……今回は負けちゃったけど、次は本気で戦いましょ?

お互い本調子でね?」

 

(こいつ気付いてやがったのか……)

 

ウルティアはハルトに背中を向け出口に向かおうとして、何かを思い出したかのように振り向いた。

 

「そうだわ。 今回私に勝てたご褒美に後で何かしてあげる♡

じゃあ、またね♡」

 

「待て!!」

 

ハルトが追うとしたが瓦礫が突然落ちて来て、遮られてしまった。

 

 

ハルトはウルティアを追うのをやめ、ナツたちの元に急いだ。

ハルトが一番下のところに着くと半身だけ氷漬けにされている化け物が叫びながらもがいており、ナツたちはそのすぐ下にいた。

 

「ナツ!!」

 

「ハルト!」

 

「おっ! ハルト!

あの仮面の男倒したのか?」

 

「まぁ、そんな感じだ。 それより……」

 

ハルトは叫ぶデリオラに目を向ける。

 

「ここまで来たらやるしかないなま……」

 

「おい!さっきは俺が譲ったんだから今度は俺にやらせろよ!」

 

「………エルザ」

 

「仲間だからな! 一緒に倒そうぜ!!」

 

あまりの変わり身にさっきまでの真剣な空気がなくなってしまう。

しかし、デリオラはそんなのに関わらず腕を振り上げる。

ハルトとナツが構え、デリオラが振り下ろそうとした瞬間……。

 

ビキッ

 

「「!!」」

 

デリオラの体にヒビがはいり、それは徐々にぜんしんに広がり、ついにはデリオラは粉々に砕けてしまった。

 

「長い間氷に閉じ込められてたおかげで徐々に生命力を奪っていたのかもな………」

 

舞い落ちる結晶を見ながらハルトはそう言う。

それを見てグレイとリオンの胸にはそれぞれ師匠に対する思いがあった。

 

「敵わん………俺にはまだウルを超えられん……」

 

リオンはグレイに負け、砕けるデリオラを見て改めて師であるウルの凄さがわかった。

グレイは自身のトラウマであるデリオラが砕けるのを見ながら、ウルが死ぬ前に残した言葉を思い出していた。

 

『お前の闇は私が封じよう』

 

目から流れる涙を抑えることができなかった。

 

「ありがとうございます………師匠……!!」

 

 

その後、ハルトたちはリオンたちを捕まえ、この島にかかる呪いについて聞き出していた。

元はガルナ島にいる住人が月の呪いで悪魔になってしまうのを調査、解決して欲しいという依頼だった。

しかし、リオンから出て来た答えは、

 

「俺たちは何も知らんぞ」

 

「なにぃーーー!!?」

 

まさかの何も知らないという返事にナツは声を上げ驚き、ハルトたちも驚く。

リオンは関係ないとばかり話を続ける。

 

「そもそも俺たちはデリオラを復活させるために3年間儀式を続けてい

た。ということは少なくても俺たちは3年間月の光を浴びていること

になる。しかしその間に悪魔になった人間なんて俺たちの中にはい

なかった」

 

それを聞き、エルザは考えた。

 

「ということはつまり……」

 

「村人たちがウソをついている」

 

リオンがそう言うが、納得がいかないとナツが詰め寄る。

 

「おめーウソついてんじゃねぇだろうな!!」

 

「ちょっと! リオン様に近づかないで!」

 

「やめろナツ」

 

ケンカになりそうな空気の中、エルザは月を見上げる。

すると何かに気づいたようで、村人たちがいるところに走り出した。

 

「住人たちがいるところに戻るぞ!」

 

「えっ!? うん!」

 

「じゃーな! リオン!!」

 

エルザに続きみんなが走って行く。

 

「ほら、ナツも行くぞ」

 

「いーや、まだこいつから聞き出してねぇ!」

 

「はぁ……仕方ねぇな」

 

「ぐぼっ!?」

 

「じゃーなー」

 

ハルトは腕を振りかぶりナツの首にエルボーをくらわせ、そのまま走って行った。

 

「やれやれ騒がしい奴らだったな……」

 

「まったくですわ!」

 

リオンは疲れたように息を吐き、走り去って行くハルトたちの背中を見る。

それはどこか眩しいものを見るように見えた。

 

「なぁ……ギルドって楽しいところか?」

 

 

エルザたちは村人がいる物置き場に走って行く。

 

「おい!エルザ何がわかったんだ!?」

 

ハルトがナツを引きずりながらエルザに質問する。

 

「それはついてから話す」

 

物置き場に着いたが、村人は誰一人としていなかった。

 

「どういうことなんだ? どこに行った?」

 

「は……ハルト……放してくれ……」

 

「あっ、わり」

 

首がずっとしまっていたナツは虫の息だ。

すると、そこに村人の一人が現れた。

 

「みなさん! よかった! 無事だったんですね!!」

 

「みんなはどこに行ったの?」

 

ルーシィが聞くとハッとし、慌てた。

 

「それがとんでもないことが起きたんです! とにかく着いて来てください!!」

 

村人に連れられて村があった場所に向かった。

村はリオンの仲間の一人であるシェリーのペット(?)のアンジェリカが持って来た溶解性のあるゼリーで跡形もなくなくなってしまい、

その為、外れにあった物置き場に避難していたのだ。

村の周りにあった柵を越えると、そこにはなくなったはずの家屋が全て元通りになっていた。

 

「どういうことなんだ……?」

 

呆然とするハルトたちに村長が近づいて来た。

 

「おぉ! 魔導士殿! 村をよくぞ戻してくれましたな!」

 

「いえ……私たちは……」

 

そのときハルトの頭の中でウルティアの言葉がよぎった。

 

『私に勝てたご褒美に後で何かしてあげる♡』

 

「あいつか……!」

 

「ハルトどうしたの?」

 

「いや……なんでもない」

 

ルーシィは呟いたハルトに聞くがはぐらかされてしまう。

すると、喜んでいた村長は突然険しい顔になった。

 

「それで……いつ月を壊してもらえますかな!?」

 

今回の依頼は村に降り注ぐ呪いの原因である月の破壊だったのだが、いくらナツ達でもそれは不可能だ。

しかし、村人達を悪魔の姿に変えていることは未だに解決していない。

 

「いや、それはいくらなんでも……」

 

対応に困っているルーシィの横をエルザが割って出てくる。

 

「わかりました。月を破壊しましょう」

 

『なにぃーーー!!!?』

 

エルザの一言に全員が驚く。

 

「おい! エルザでもそんなことできんのかよ!?」

 

「わかんねぇけど、あいつならやりそうな気がすんな……」

 

「バケモンじゃねぇか……」

 

ナツ、ハルト、グレイが思ったことを口に出していく。

エルザは全員が見えるところに立ち歩きながら説明を始めた。

 

「今回の依頼は村人たちが月の呪いで悪魔に変えられたの解決することだ。 そしてその悪魔に変化するのは3年前からだ。さらに、リオンたちもの月の雫の儀式を始めたのも3年前だ。しかし、リオンたちには影響がなかった。つまりキャアッ!!」

 

突然エルザが可愛いらしい悲鳴をあげて何故か作られていた落とし穴に落ちた。

 

「お、おい…落ちたぞ……」

 

「あ、あぁ……結構可愛い悲鳴だったな」

 

「あ〜ぁ」

 

「私あんな穴なんて知らない、知らない!!」

 

「ルーシィ殿のせいでごじゃるな」

 

「ルーシィのせいだね」

 

しかしエルザは何もなかったように出て来た。

 

「つまりこの呪いの影響はこの村の住人だけにしかないということになる」

 

(何事もなかったように出て来た……)

 

(健気だな)

 

「だからって月を壊すことと何の関係があるんだよ?」

 

グレイがそう聞くとエルザは笑みを浮かべた。

 

「壊せばわかる。ハルト」

 

「ん?なんだ?」

 

エルザは換装で鎧と槍を出した。

 

「月を壊すのを手伝ってくれ」

 

ハルトは一瞬目が点になったが了承した。

 

「わかった」

 

エルザとハルトは村で一番高い見張り台に登った。

 

「この巨人の鎧は投擲力を高める。さらにこの破邪の槍で月を破壊するが私の力だけでは無理かもしれん。そこではるとに手伝ってもらいたい」

 

「具体的に何すればいいんだ?」

 

「私が投げる瞬間、槍の石突きを全力で殴ってくれ」

 

エルザは槍の刃が付いているほうの逆の先端部を見せながら説明する。

 

「いいけどよ……いくら俺の全力を出したからって月に届くかどうかはわかんねぇぞ?」

 

「構わん。やってくれ」

 

準備が整い、いよいよ月の破壊が始まる。

 

「本当にやる気かよ……」

 

「できるのか?」

 

周りからは不安の声が上がっている。

エルザが投げ用とした瞬間、

 

「今だ!!」

 

「覇竜の螺旋拳!!」

 

エルザの投擲にハルトの攻撃が加わった槍は勢い良く月に向かっていく。

 

「「いけぇぇぇぇぇぇっ!!」」

 

エルザとハルトがそう叫んだ瞬間、月にヒビが入った。

 

「嘘っ!?」

 

「マジかよ!?」

 

しかし、ヒビは月の面積を超え空全体に広がり、割れた。

その先には紫の月ではなく、綺麗に光る月があった。

 

「なっ!どういうことだ!?」

 

「何が割れたの?」

 

見張り台から降りて来たエルザが説明を始めた。

 

「私たちが破壊したのは儀式で作り出された呪いの膜だったのだ。

月の光がその膜を通って月の雫ができていた」

 

すると、悪魔の姿だった村人たちが光出す。

 

「おぉ、呪いが解けるぞ!」

 

「いいや」

 

グレイがそれを見て嬉しそうにするがエルザは即座に否定する。

光が収まるが村人の姿は変わらない。

 

「どういうこと……?」

 

「呪いは解けなかったのか?」

 

「いいや、違う。リオンたちは3年間同じ、環境にいたが何の影響もなかった。つまり人間には影響がなかったということだ。しかし、そうではない者には影響があったようだな」

 

「てっことは……」

 

「つまり……」

 

「そう、彼らは元から悪魔だったのだ」

 

「「「「「「何ぃーーーー!!!!?」」」」」」

 

エルザ以外が驚いた。

それはそうだろう、人間と思っていた人が悪魔だったなんて思いもしなかった。

 

「あっ、そういえば……」

 

「だんだん思い出してきた……」

 

「そうだ俺たちは悪魔だったんだ!」

 

村人たちは徐々に記憶が戻ってきたのか呟きはじめる。

 

「そして月の雫は悪魔に記憶障害を起こさせる副作用があったようだな」

 

みんなが騒然としているとある男が現れた。

 

「みんなやっと思い出してくれたようだな」

 

「あっ、あなたは……!」

 

「おっちゃっん!?」

 

現れたのはナツたちをガルナ島に案内したポポという名の漁師だった。ナツたちがガルナ島に行こうとしたがハルトたち同様、誰も乗せてくれなかったが、魔導士だと知るとガルナ島の事件の解決を約束に島まで運んでくれたのだが、海のど真ん中で突然姿を消してしまい、

村に着くと何と彼は死んでしまった村長の息子だと言われたのだ。

 

「ま、まさか……」

 

「ゆ、幽霊でごじゃるか……」

 

「え”っ!!!?」

 

「なんでハルトがそこまでびっくりするの?」

 

「えっ!? いや、その……」

 

そんなハルトたちを尻目に村長がポポに近づいてくる。

 

「ぽ……ポポなのか……?」

 

「あぁ、みんな記憶が混乱しちまって危なかったからよ。

姿を消してたんだ。悪かったなみんな」

 

「ポ……ポポーー!!」

 

「ハハッ、親父ー!」

 

村長は堪え切れず翼を出し、ポポに抱きついた。

ポポも翼を出し、抱きしめ、空を飛んだ

みんなポポが帰ってきたことに大喜びし、空に飛んで、祝福した。

 

「みんな悪魔なのに、どっちかって言うと天使みたいだね」

 

「だな」

 

ルーシィが言う通り、夜空に飛び回り、喜びを祝福している姿は光り輝き天使のようだった。

 

 

ポポが帰ってきたことと妖精の尻尾が事件を解決してくれたお礼に宴が行われている村を一望できる木の枝に座りながら、その様子を見ている1人の影があった。

 

「今回は随分と気前がいいんだな、ウルティア」

 

彼女はウルティア、水晶玉こしに誰かと話しているようだ。

 

「たまにはいいことをしたいと思ってもいいじゃないですか」

 

「フッ、まぁいい。しかし、デリオラが絶対氷結で命を落としているとは予想外だったな。なぁ、ウルティア(ウルの涙)」

 

それを言われたウルティアは一瞬無表情になり、どこか遠くを見てたがすぐに水晶玉の向こうにいる男に返した。

 

「嫌だわ、意地悪をしないでください。ジェラール様」

 

ジェラールと呼ばれた男はフッと笑みを浮かべ、水晶玉から姿を消した。

ウルティアはそれを確認し、笑みを浮かべた。

 

「利用できるものは何だって利用してやるわ……

貴方もね、ジェラール様……」

 

静かに、そして誰にも気づかれぬように悪意は動き出していた。

 




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