FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

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今回一番長いっす


第25話 デート

ガルナ島の一件が終わり、ハルトたちは帰路に付いていた。

結局今回はナツたちの勝手な行動なので報酬はもらわなかったが、せめてものお礼で黄道十二門の一つ、人馬宮の鍵をもらい、ルーシィは大喜びしていた。

マグノリアに着いて、ギルドの向かうなか、ナツが話し出した。

 

「でもよーS級クエストは達成できたわけだから、じっちゃんも許してくれんだろ?」

 

「だよね、もしかしたら一気にS級に行けたりして」

 

「そんな訳あるわけないだろう。しっかりと罰は受けてもらう」

 

ナツとハッピーが期待を込めて話すがすかさずエルザがバッサリと切る。

罰と聞いた瞬間、ルーシィを除く違反した者は肩を落とし、この世の終わりのような顔をした。

 

「なっ、何!? そんなに怖いの!?」

 

「今のうちに遺書を用意しとくでごじゃる……」

 

「そこまで!?」

 

しかし、ナツは諦めていなかった。

 

「は、ハルト! エルザに話してなんとかしてくれる約束だろっ!」

 

「えぇっ、マジで……」

 

ナツの泣きそうな顔に流石に居たたまれなくなったハルトはエルザを説得してみる。

 

「あのよ〜エルザ……今回はこいつらも頑張ったわけだし、少し多目に見るってのは……」

 

「あぁん? 何か文句でもあるのか?」

 

「いえ、なんでもありません」

 

ハルトはエルザの凄みに負け、直角にお辞儀し、そのまま後ろに下がった。

そしてナツのほうを向き、

 

「ごめん、無理だった」

 

「アホーー!!」

 

「あんなの無理だろ!? 人殺しの目つきだったぞ!! 怖いわ!!」

 

「そこをなんとかしてくれよ!! ぐわっ!?」

 

いつの間にかナツの後ろに回り込み、襟を掴み引きずりながらギルドに進む。

 

「ふふっ、腕がなるな」

 

「いやーー!!」

 

「何!? 何が待ってるの!?」

 

「骨は拾ってやるよ」

 

 

ガルナ島の一件が終わり、数日後ルーシィはハルトの家の前にいた。

ハルトの家は住宅外にある一軒家だ。1人暮らしの男が住むには些か大きいような気がするが。

それはさておき、何故ルーシィがハルトの家の前にいるかと言うと、

それは数日前に戻る。

お仕置きが終わった後、マタムネが話したのだ。

 

『暫くハルトも療養するらしいでごじゃるから……

デートに誘うチャンスでごじゃる………がくっ………』

 

マタムネの遺言(?)を機会にマタムネとずっと考えていたハルトをデートに誘おうと思ったのだ。

しかし、いざ誘おうと思ったら、緊張してしまい数日たってしまったのだ。

しかし、今日は決心し、家まで来たが扉の前で止まってしまった。

 

(ど、どうしよう……なんて誘おうかしら……!?)

 

また頭がパニックになってしまっている。

頭を振り、気合いを入れ直す。

 

「ルーシィがんばるのよ! 私ならできるわ!!」

 

ルーシィが扉に手を掛けようとしたら勝手に扉が開き、中からハルトが出て来た。

あれだけ騒いでいれば家の中にいる人は気づくだろう。

 

「あっ」

 

「ん? よぉルーシィ、どうした?」

 

「えっ、いや、そのっ!」

 

予想外のことに頭がパニックになってしまった。

苦し紛れに出した言葉は、

 

「き、来ちゃった♪」

 

「………」

 

(何言ってんの私ーー!?)

 

ハルトは呆然とした表情でルーシィを見て、ルーシィは内心失敗したと慌てている。

ハルトは表情を崩し、少し笑いながらルーシィを招く。

 

「何やってんだよ。とりあえず入るか?」

 

「う、うん」

 

ルーシィはリビングまで招かれ、ソファに座りながら、さっきのことを後悔してた。

 

(絶体変な奴って思われた………)

 

「気にすることないでごじゃる。印象には残ったでごじゃる」

 

「そうだけど……………なんでいるの?」

 

いつの間にかマタムネが隣座ってルーシィを励ましていた。

 

「それはせっしゃもここに住んでるでごじゃるからな。

それよりここまで来れば、あとは誘うだけでごじゃる」

 

「そ、そうだけど……」

 

すると、ティーセットを持ってハルトが戻って来た。

 

「紅茶でよかったか?」

 

「え、うん! ありがとう!」

 

紅茶を飲み、一息つくとハルトが話を振ってくる。

 

「それで今日は何のようなんだ?」

 

「うぇっ!? う、うん。実は………」

 

ルーシィがマタムネに助けを求めるように視線を送ると、マタムネはガッツポーズを取って応援した。

 

「よし、今日一緒に出かけようと誘いにきたの!」

 

「なんだそんなことか。 いいぜ、行こうか」

 

(やったーーー!!!!)

 

ルーシィの心の中では天にまで上っている気分だ。

 

「じゃあ、少し待っていてくれ。準備してくる」

 

「うん!」

 

ハルトがリビングからいなくなるとルーシィはマタムネと喜びで抱きしめあった。

 

「「やったーーー!」」

 

「やったわよ!マタムネ!!」

 

「よかったでごじゃるな! ルーシィ殿はクソヘタレでごじゃるから

一時はどうなるかと………」

 

「あんた結構口悪いわね………」

 

喜びも落ち着き、ハルトとマタムネの家を見渡す。

するとリビングに置いてある本棚に目が入った。

 

「へぇーー結構ハルトも読書家なんだぁ」

 

その本棚にはいろいろな本があった。

本を見ているとある本がルーシィの目に止まった。

 

「これって……!?」

 

するとそこにハルトが戻ってくる。

 

「待たせたな。行こうか……どうした?」

 

「ルーシィ殿があの本を見てから固まったでごじゃる」

 

マタムネが指差す方には本を見つめて離さないルーシィがいた。

ハルトは近寄り肩を叩く。

 

「おい、どうしたんだ?」

 

「あっ、ハルト! ねぇ、これって……」

 

「ん? あぁこれか」

 

ルーシィが差し出してきた本はとても古いもので、表紙には英語で

『SEVEN KNIGHTS』と書かれている。

 

「これどこで手に入れたの!? この本ってもう絶版されてるから滅多に手に入らないんだよ!!?」

 

「お、おぉう……一旦落ち着け」

 

ルーシィは興奮が治らず、ハルトに詰め寄り、ハルトは気圧されてしまう。

そこにマタムネが入ってくる。

 

「そんなにその本はすごいのでごじゃるか?」

 

「勿論よ! この本って歴史的にも価値があるらしくて歴史研究家からしたら喉から手が出るほど欲しい見たいなのよ! それで読書家の間では伝説的なものになってるの! まさかこんな近くにあるなんて……」

 

「へぇ、そうなのか……だからレビィのやつあんなに嬉しがってたなか」

 

「レビィちゃんが?」

 

「あぁ、一度この本を借したんだ」

 

レビィは妖精の尻尾の魔導士の1人で、本が好きで本好きのルーシィとは仲が良い。

 

「そうなんだ……、ねぇ私も借りていいかな?」

 

ルーシィは若干上目遣いでハルトにお願いすると、その仕草にハルトは顔を少し赤くした。

 

「あ、ああ、いいぜ」

 

「ありがとーー!!」

 

「照れてるでごじゃる」

 

「うるせー!」

 

 

そのあと、2人は出かけたがマタムネは、

 

『急用ができたので2人で行ってくるでごじゃる』

 

と言い、どこかに行ってしまった。ルーシィは内心マタムネもいてくれて助けてくれると思っていたのだ。今はハルトとルーシィの2人きっりでのお出かけ、つまりデートだ。

 

(ハルトと2人きっりだなんて……!)

 

ルーシィは心臓が爆発しそうだった。

 

「それじゃあ、どうする?どっか行きたいところとかあるか?」

 

「うぇえっ!? あっ、そ、そうね……」

 

突然話しかけられ変な声を出してしまったルーシィは恥ずかしくて少し顔を赤くしながら返事をした。

 

「買い物に付き合って欲しいの。新しい服が欲しいんだけどマグノリアのお店ってあまり知らなくて」

 

「それならいい店を知ってるぜ」

 

2人は店が建ち並ぶ商店街を目指して歩き始めた。

そんな2人を建物の影から窺う影が3つ。

 

「ふむふむ、取り敢えずは出かけたでごじゃるな」

 

「ルーシィはヘタレだからね、ハルトがリードしないと……」

 

「なぁ……なんで俺らこんなとこで隠れてんだ?」

 

さっき出かけたはずのマタムネに加え、ナツとハッピーが影からハルトたちをみていた。

ナツが不思議そうにそう言うとマタムネとハッピーは呆れたように息を吐いた。

 

「もうわかってないなーナツは面白いから隠れているんじゃないか」

 

「そうでごじゃるよ。これをネタにしばらくは弄れるでごじゃる」

 

何気にひどいことを言うハッピーとマタムネ。

それを言われてもやはり納得がいかないナツは首をかしげる。

 

「面白いなら、みんなと遊べばいいじゃねぇーか。おーい!ハル…」

 

「ダメだって!ナツ!! それじゃあ意味がなくなっちゃうよ!!」

 

ハッピーがナツの口を抑えるがそれをどかして言おうとする。

 

「なんだよ? いいじゃねぇーか。おーいハル……」

 

「ちょいやー!!」

 

「ぐはっ!!?」

 

台無しになってしまうと思い、焦ったマタムネはナツのケツに木刀を刺した。

 

「ダメでごじゃるよ!! 全て無駄になっちゃうでごじゃる!!」

 

「止めたのはいいけどむごすぎるよ……」

 

ナツは白目をむいて倒れ、痙攣している。

 

「今回はただ見ているだけなの?」

 

「いいや、恋にはトラブルが付き物でごじゃる! ハルトたちにはいく先々で大変な目にあってもらうでごじゃる!もしかしたら吊り橋効果があるかもしれんでごじゃる!」

 

マタムネは握り拳を作り、力説する。

 

「因みにどこ情報なの?」

 

「この前見た映画でそんなことを言っていたでごじゃる」

 

最初から心配だ。

 

 

ハルトとルーシィはハルトが知っている洋服店で服を買い、歩きながら話していた。

 

「ありがとうハルト。いいお店を紹介してくれて」

 

「いいってことよ。それにしても結構派手目なものを買ったな」

 

「こ、これから暑くなるし、ちょっと涼しめなのをね」

 

ルーシィは自分が欲しかったものとハルトの意識を惹こうと露出がいつもより少し多めの服を買ったが、試着で着た姿を見せたが余りハルトは惹かれなかったように見え、失敗したと思ったが、ハルト自身少し恥ずかしくて直視できなかったのだ。

 

「これからどうする?」

 

「まだ昼まで時間があるし、本屋に寄ってもいいかな?」

 

「おう、わかった」

 

2人は本を目指して歩き始めた。

その後ろをついているマタムネたちは、

 

「次で仕掛けるでごじゃるよ」

 

「あいさー!」

 

「け、ケツが痛ぇ……」

 

 

ハルトたちは本屋に来ており、ルーシィからオススメの本を紹介されていた。

 

「この本の作者はね、恋愛の心理描写を書くのがすごくうまいの。

恋愛ものを読むときはこの作者の本がオススメかな」

 

「へえー」

 

「こっちの本なんかは……」

 

ルーシィは自分が好きな本を紹介できてすごく楽しそうだ。

ハルトも興味深くルーシィの話を聞いている。

そして、その本棚の逆側でマタムネたちは作戦を立てていた。

 

「ハルトたちはこの本棚の逆側にいるでごじゃる。そこでせっしゃ達が本棚を倒してルーシィ殿を危険な状態にするでごじゃる。そこに颯爽と助けに入るハルト。その吊り橋効果で2人の仲は一気に進展するでごじゃる」

 

「なるほどー」

 

「じゃあナツ殿お願いするでごじゃる」

 

「俺がやんのかよ……」

 

ナツは渋ったがマタムネが木刀をちらつかせるとケツを庇いながら渋々やることにした。ハルトたちがいるところの本棚の逆側に回ったナツたちはは気づかれないように本棚を押した。迫る本棚にルーシィは最初気づかなかったが、迫る影でようやく気づく。しかし、避けることはできない。

 

「へっ? ……きゃあっ!!」

 

ルーシィは目を閉じ、本を落とし、しゃがんで痛さに備えようとしたがいつまでたっても痛さがこない。恐る恐る目を開けるとハルトが本棚を支えていた。

 

「ハルト!」

 

「ルーシィ大丈夫か?」

 

ハルトはルーシィが無事なことを確認すると本棚越しに逆側の方を少し見て、勢いよく本棚を戻した。ナツたちは作戦が上手くいって喜んでいたがハルトが勢いよく本棚を戻したので本が飛び出し、ナツたちの頭に直撃した。

 

「「「いでっ!?」」」

 

「なんの音?」

 

「気のせいじねぇか?」

 

 

本屋をあとにしたハルトたちは昼食のため近場の喫茶店に寄っていた。そこには頭にたんこぶをができているナツたちもいた。

 

「次の作戦に移るでごじゃる」

 

「次はどんな作戦するの?」

 

「次はナツ殿にこのラブラブジュースなるものを持っていって貰うでごじゃる」

 

マタムネは事前に用意した二人で一緒に飲まないと飲めないストローが付いている飲み物を出した。

 

「また俺かよ!?」

 

「仕方ないでごじゃる。せっしゃらが変装してもバレるでごじゃる」

 

ナツはマタムネとハッピーに無理矢理変装させられて、ハルトたちが座っている席にジュースを持っていった。

 

「お、お客さま!」

 

「ん?」

 

「こ、こちら俺の、じゃなくてマタムネの、じゃなくて当店のサービスでござる!」

 

「ござる?」

 

ナツは慣れない口調をなんとか誤魔化しながらもジュースをおき、戻っていった。

 

「なんだたっんだ?あの店員?」

 

「………」

 

ハルトが店員が進んだほう見てそんなことを言うが、ルーシィはそんなことより目の前にあるジュースのほうが気になっていた。

 

(こ、これって恋人たちとかが飲むようなものじゃない……! しかも

いらないものもあるし!!)

 

そのジュースに刺さっているストローはハート型に形作られており、添えてある果物にはハルトとルーシィの顔の絵がハートの中にあるし絵が旗のように刺さっている。ルーシィはそれを見て口をアワアワと動かしていた。

 

「まぁ、サービスだしありがたく頂くか」

 

「へっ!? そ、そうね!!」

 

ルーシィはハルトがジュースを見る前に旗を抜き投げ捨てた。

 

「今何したんだ?」

 

「なんでもないわよ!?」

 

旗は勢いよく投げられ、覗いていたマタムネの額に突き刺さった。

 

「ぅぼあっ!?」

 

「「ま、マタムネーー!?」」

 

「ん?なんだ?」

 

ハルトが声のしたほうを向いている間にルーシィは覚悟を決めた。それにこんなチャンスは滅多にないのだ。ここで決めるしかない。そう思った瞬間あることに気づいた、いや気づいてしまった。ハルトの背後の席にカナが座っていたのだ。カナはニヤけながらルーシィたちを見ており、ルーシィは冷や汗を流した。まずい、絶対にまずい、その考えしかルーシィの頭の中にしかなかった。それに気づいたハルトは後ろを向こうとする。

 

「なんか後ろにいるのか? うごっ!?」

 

ルーシィはハルトに見られてはまずいと思い、ハルトの頬を手で挟んでストローに口を突き刺し、自分もジュースを飲んだ。しかし、これで二人の顔は一気に近くなり、側から見ればルーシィがハルトの顔を掴んでキスをしているようにしか見えない。

 

(ち、近いーー!!)

 

ルーシィは顔を真っ赤にしてハルトの顔を見てしまう。ハルトも突然のことで驚いたが顔をルーシィの顔を見て真っ赤にしてしまう。カナはさっきよりもニヤけながら二人を見ていた。

 

 

マタムネは額に旗が突き刺さったため、夕方まで目を覚まさなかった。

 

「……はっ!」

 

「おっ、目ぇ覚ましたか」

 

「よかったー白目向いて倒れたんだよ?」

 

マタムネは夕焼けの空を見て慌ててナツたちに聞いた。

 

「ハルトたちは!?」

 

「もうデートも終わりっぽいよ」

 

「なにーー!?」

 

マタムネは驚いたが、すぐに考え出した。

 

「仕方ないでごじゃる……最後の作戦に移るでごじゃる」

 

「最後の作戦?」

 

マタムネは紙袋をどこからか出し、ナツに渡す。

 

「ナツ殿、これに着替えて欲しいでごじゃる」

 

「これか?」

 

「それに着替えて、チンピラに成りすまし、ハルトたちを襲って欲しいでごじゃる」

 

「はぁ!? 襲うのかよ!!?」

 

「そうでごじゃる」

 

マタムネはあっさりそう言うがナツは嫌そうな顔をする。

 

「ハルトと戦うのはいいけどよ……襲うってのはなぁ……」

 

「何も本当に襲うのではなくフリだけでいいのでごじゃる」

 

ナツはそれを聞き、嫌そうな顔をしたが仕方なく引き受け、紙袋の中身を確認した。

 

「おい! こんなの着んのかよ!?」

 

「そうでごじゃる」

 

「絶対に嫌だわ!!」

 

駄々をこねるナツにマタムネは仕方ないと言った表情をした。

 

「エルザ殿に言っちゃうでごじゃるよ?」

 

「あ? なにをだよ?」

 

「ケーキ」

 

それを聞くとナツは滝のように冷や汗が出る。

 

「いやーしかし、あのケーキはエルザ殿が予約して、一ヶ月も前から楽しみにしていたものだったのにまさかナツ殿が……」

 

「わかった!わかった!やればいいんだろ!」

 

ナツは悔し涙を流しながら建物の影に行った。それを見てマタムネは黒い笑みを浮かべる。

 

「フフフッ……これでハルトとルーシィ殿の仲は一気に良くなるでごじゃる」

 

「やることえげつないね……」

 

ハッピーはそんなマタムネを見て若干引いてしまう。

そんなことを言ってるとハルトたちがチンピラに絡まれ出した。

 

「もうでごじゃるか!早いでごじゃるな」

 

「あれ?なんかおかしくない?」

 

ハルトたちに絡んでいるのは明らかにナツではない。

 

「おうおう兄ちゃん! 見せつけてくれんじゃねぇか!!」

 

「まるで台本通りのセリフだな」

 

「あぁ!?んだとぉ!?」

 

その男は若干酔っ払ているのか顔が赤い。

 

「テメェ、彼女の前だからって調子乗ってんじゃねぇぞ!!」

 

「か、彼女!?」

 

ルーシィはチンピラの言葉に反応してしまう。

 

「面倒くせぇーな……行こうかルーシィ? ……ルーシィ?」

 

「彼女……彼女……」

 

ルーシィは顔を赤くして、壊れたラジオみたいに言葉を繰り返す。

 

「無視してんじゃねぇぞ!!」

 

チンピラは無視されたことに怒って殴りかかってくるがハルトは余裕で避けることができるがトリップしているルーシィはまだ殴り掛かられてることに気づかない。ハルトはルーシィの腕を引っ張って自分のところに連れてくる。その際、ルーシィは意識がはっきりしてなかったので足がもつれハルトの胸に飛び込んでくる形になった。

 

「ご、ごめん!」

 

「あぁ、大丈夫……だ……」

 

ハルトとルーシィの身長は頭一つ分くらい離れているが、偶然にもキスをする形になってしまい、自然と両者の顔が赤くなる。

 

「イチャついてんじゃねぇーよ!!」

 

「なっ!? イチャついてなんかねぇーよ!!」

 

ハルトは慌ててルーシィに離れるが、ルーシィは少し残念そうな顔をした。するとそこに数人の男たちが現れる。

 

「おい!何やってんだよ」

 

「あぁ!?」

 

どうやらチンピラの仲間で全員が顔が赤い。そこでハルトはその男たちの体にあるマークに気づいた。

 

(まずいな……)

 

「ルーシィ行くぞ!」

 

「えっ!?」

 

ハルトはルーシィの手を握り、走り出す。

 

「あっ!おい、待て!!」

 

ハルトたちが逃げ出したのに気づいたチンピラたちは追いかけ出した。その一部始終を見ていたマタムネたちは慌てていた。

 

「ど、どうしよう!?」

 

「どうするって……」

 

そこに変装したナツが戻ってきた。

 

「なんだ? 何かあったのか?」

 

それを見てマタムネは閃いた。

 

「いい考えがあるでごじゃる」

 

 

ハルトたちが走るが、後ろからチンピラたちが追ってくる。

 

「どうして逃げるの!? いつも見たいに倒せばいいのに!?」

 

「 それができねぇー理由があるんだよ」

 

ハルトは逃げ出したのはいいがその後どうするか悩んでいた。ギルドに行ってもいいがこっちの分が悪くなるかもしれない。すると横道からチンピラの仲間が現れた。

 

「いたぞ!」

 

「ちっ!」

 

引き返そうとするが後ろからも来ており、挟み撃ちにされた。

 

「もう逃げらんねぇぞ!」

 

「ん? おい、あの女……」

 

「あぁ、間違いねぇ……」

 

何やらチンピラたちはコソコソと話し合い、こちらを向いた。

 

「兄ちゃん、痛い目に遭いたくなかったらそこの嬢ちゃんを置いていきな」

 

「なんだと?」

 

ハルトは訝しむ。嬢ちゃんとはルーシィしかいない。

 

「いいから置いて行けって!俺たちはなぁ! ファン……」

 

チンピラたちが言葉を続けようとした瞬間、上から炎が落ちて来た。

 

「なっ、なんだ!?」

 

煙が晴れるとそこに居たのは、

 

「俺は正義の味方サマーマン! えーとっ、なんだ……とりあえずお前らをぶん殴る!」

 

「正義の味方なのか悪役なのかわかんない発言だなナツ」

 

「なっ!?ちげー!!サマーマンって言ってんだろーが!」

 

「それよりお前……何て格好してんだ……」

 

サマーマンの格好は顔に変な仮面をつけて、褌一丁の姿で、側から見たら、ただの変態だ。

 

「うるせー! 俺だってこんな格好したくねぇんだよ!」

 

仮面でわからないが若干肩が震えてるので泣いているのだろう。

そこにチンピラの1人が割って入ってきた。

 

「何がサマーマンだ!変態やろ……ワパッ!?」

 

ダサいと言った奴をナツは即座に殴る。

 

「誰が変態だぁ!! 俺だってしたくてしてんじゃねぇんだよ!!」

 

ナツもとい、サマーマンはチンピラを相手に圧倒していく。

ハルトはこの隙に行こうとした。

 

「ルーシィ行くぞ」

 

「えっ、うん」

 

「ナツ任せたぞ!」

 

「おう、って俺はナツじゃねぇ!」

 

 

ハルトたちはマグノリアにある広場に来ていた。

 

「ふぅ、なんとかなったな」

 

「そうね。でもなんだったのかしら、あの人たち?」

 

ハルトはそれを聞いて思い返すが今はルーシィと出かけているのだ。

ハルトはとりあえず頭の中にある考えを払った。

 

「今日はありがとう」

 

「ん?」

 

「買い物に付き合ってくれて」

 

「いいって、俺もいい気分転換になったし」

 

ルーシィが笑顔で話しかけるのを見るとハルトも自然に笑顔になった。夕焼けに照らされた広場は綺麗に色づき、ムードは最高だった。

 

(もしかして今ってチャンス……?)

 

ルーシィは夕焼けを見ているハルトの横顔を見ていると鼓動が早くなるのを感じた。今日一日一緒にいて、少し嬉し恥ずかしいことがあったがハルトとずっと一緒にいたいと思った。

 

(やっぱり私ハルトのことが好きだ……)

 

ルーシィは告白しようと決心した。

 

「ハルト!」

 

「どうした?」

 

「あ、あの……私……ハルトのことが……!」

 

ルーシィが次の言葉を言おうとした瞬間、後ろで爆発音がした。

 

「なんだ?」

 

ハルトがそっちを向くと、ナツもといサマーマンが大暴れしていた。

 

「俺は変態じゃねぇー!! 誰がグレイだぁ!!」

 

ナツは変態と呼ばれ、さらに今回のマタムネの作戦でストレスが溜まりすぎて爆発してしまったのだ。やたらめったら暴れるので広場が滅茶苦茶になってしまう。

 

「あーまずいな……このままじゃ、またじーさんに始末書が来るな。

止めるか…そういえばルーシィ、さっきは何を言おうとしたんだ?」

 

ハルトがナツのほうに向かって歩きだすが、振り向きルーシィが言おうとしたこと聞いた。

 

「えっ!? えーとっ、その……」

 

ルーシィはハルトを見ていると、顔が熱くなってくる。

 

「なんでもないです……」

 

結局ムードも勢いも無くなってしまったルーシィは言葉が尻しぼみになってしまった。

 

「そうか。じゃあ俺、ナツを止めてくるわ」

 

「うん」

 

離れていくハルトの背中を見ながらルーシィは少し思った。

 

(そんなに焦らなくてもいいよね? でもいつか……)

 

ルーシィは暴れているナツを止めているハルトを見て少し残念そうな顔をしたがすぐにいつもの元気のいい笑顔を浮かべ二人に駆け寄った。

 

 

後日、ルーシィはギルドでカナに絡まれていた。

 

「いったい、いつの間にあそこまで仲良くなったんだい?

見てるこっちが恥ずかしくなるくらい大胆じゃなかったか〜」

 

「いや、その……」

 

「へぇー、ルーちゃんハルトとデートしたんだ!」

 

「れ、レビィちゃん……声が大きい……」

 

カナが弄りはじめたことで近くにいたレビィも騒ぎだす。

 

「それで、どこまでいった? キスはしたの?」

 

「き、キス!?」

 

「あら? 何を話しているの?」

 

給仕をしていたミラも気になり話に混ざる。

 

「あ、ちょっと聞いてよミラ! ルーシィたらねぇ……」

 

「わー!わー!ミラさん!何でもないです!!」

 

その近くで頭にタンコブができたナツにグレイがからかっていた。

 

「おめー、褌一丁で暴れまわってたんだってな? まさか変態だったのかよ?」

 

「あれは仕方なくやってたんだよ!! それに変態のお前に変態っていわれたくねぇー!!」

 

「んだとコラァーー!! やんのか!?」

 

「どっちもどっちだね」

 

「服が脱げてるでごじゃる」

 

それを横で見ているハッピーと原因。

 

ハルトはそれを見て苦笑いして、マカロフに話しかける。

 

「じーさん、ちょっといいか?」

 

「ん? なんじゃ?」

 

「ちょっと話しておきたいことがあって……」

 

 

高級感があふれる部屋で一人の男が椅子に座り、紅茶を飲みながら新聞に書いてある記事を読んでいた。その記事は妖精の尻尾の活躍について書かれてあった。それを読むと顔が怒りに染まり、カップを持っていた手が震え、カップ全体にヒビが入り砕け紅茶が溢れる。

 

「おや? また割ってしまいましたねぇ」

 

すると部屋に二人の男が入ってくる。

 

「マスター、偵察に行かせた奴らからターゲットの確認が取れた」

 

それを聞き、口を三日月みたいに歪ませる。

 

「そうですか。ご苦労様です、ルシェド君。

それではガジル君……手筈通りにお願いします」

 

「ギヒッ」

 

静かに悪意は動き出す。

 




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