FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

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第3話 薬草を採取せよ!

ハルトたちはルーシィの初仕事のためマグノリアにある駅に向かっていた。列車に乗り込み、座席に座ってるとルーシィがハルトに質問した。

 

「さっきはちゃんと依頼書を見てなかったけどどんな依頼だったの?」

 

「詳しくは書かれてなかったけど、薬草を採取する依頼なんだ。まぁ、難しければ報酬額ももっと良いはずだし、そこんところは仲介しが考えてくれてるだろ?」

 

「そうなんだ」

 

するとマタムネがハルトの袖を引っ張る。

 

「? どうしたんだ、マタムネ?」

 

「魔法をかけなくていいのでごじゃるか?」

 

「……あぁっ! ヤベェ!!!」

 

「ど、どうしたの?」

 

ハルトは何かを思い出したのか慌てて魔力を体内で練る。いきなり魔法を使おうとするハルトを見てルーシィも戸惑ってしまう。マタムネは仕方がないな〜という様子でため息をついていた。

 

「いや、じつはな…『発車致します』あぁっ!待ってくれー!」

 

ルーシィに説明しようとするがアナウンスが鳴ると情け無い声を出してしまう。

 

ガタン

「おぅふっ!」

 

「えぇー!?」

 

列車が発車し、揺れた瞬間崩れるように倒れてしまった。ルーシィは

慌ててハルトを抱きかかえ、様子を見る。

 

「ハルト!大丈夫!?」

 

「ぎ、ぎぼち悪い…」

 

「………へ?」

 

ルーシィは一瞬訳が分からないという顔をした。マタムネはいつものことなのか平然としながら話した。

 

「ハルトは極度に乗り物酔いがひどいのでごじゃる。いつもは乗る時に自分の体に浮遊魔法をかけて浮きながら移動するのでごじゃるが、

今日は話しをしていたから忘れていたらしいでごじゃる。」

 

「そ、そうなんだ…、よかった〜変な病気とかじゃなくて。

それでハルトはどうすればいいの?

このまま放っておくのもなんだし…」

 

ルーシィは訳を知り、安心したが尋常じゃない状態のハルトを見てやはり心配になってくる。するとマタムネは何か思いついたように言った。

 

「膝枕をしてあげてはどうでごじゃろう?」

 

「ひ、膝枕!?」

 

いきなりの提案に驚き、顔を赤くしてしまう。

 

「な、なんでよ!?」

 

「ギルドの酒場で『疲れてるときは膝枕をしてもらうと嬉しい』って言ってたでごじゃる」

 

 

「ハルトが!?」

 

「呑んだくれのオヤジでごじゃる」

 

「それただのオッサンの願望じゃない!!」

 

さすがルーシィ、ツッコミがうまい。

 

「じゃあこのままにしておくでごじゃるか?」

 

「う…わかったわよ…」

 

ルーシィはゆっくりとハルトの体勢を整えて膝枕をしようとする。

その顔には若干緊張が見られた。ハルトの頭を膝の上に持ってきたがそこで止まってしまった。

 

(だ、大丈夫よルーシィ、あくまでこれは看病なんだからどうってことはないわよ! 女は度胸よっ!!)

 

若干混乱している。

 

「えいっ!」

 

掛け声とともに頭を乗せてあげた。膝枕をしてあげたのはいいが、ルーシィはさっきよりも顔を赤くして固まってしまった。

 

「できぃてぇるぅ」

 

「うっさい!!」

 

 

 

ハルトたちは目的の村、クロソア村についた。そのころにやっとハルトの乗り物酔いが治った。

 

「あ〜、ようやく意識がはっきりしてきた。ありがとなルーシィ看病してくれて」

 

「い、いいのよ…仲間なんだし…」

 

「プクククク…」

 

そうは言うが顔は真っ赤にして俯いていた。マタムネはそんなルーシィを見てニヤニヤしている。

 

「さぁてと、依頼主のところに行くか」

 

「うん!」

 

「ぎょい!」

 

村長の家に向かうが村全体に活気がなかった。人々も痩せこけている人も多く、普通の状態ではないことがわかる。

 

「何があったんだろう?」

 

「……もしかしたらこの依頼、ややこしいかもしれないな」

 

ハルトは畑の跡地をみながら呟く。

 

 

村の中でも比較し大きな家についた。

 

「ごめんください」

 

「はいはーい」

 

ドアから出てきたのは若い娘だった。

 

「どうも、依頼の件で来た妖精の尻尾の魔導士です」

 

そう言いながらハルトは右腕、ルーシィは右手、マタムネは背中の紋章を見せる。

 

「あっ! あの件で、どうぞ上がってください!」

 

三人は家に招き入れられて客間に通された。

しばらくして待ってると初老の人とさっきの娘が部屋に入って来る。

 

「お〜!よく来てくださった!魔導士殿!! 村長のホックですじゃ」

 

「娘のシスカです」

 

「初めまして妖精の尻尾の魔導士、ハルト・アーウェングスです」

 

「ルーシィです」

 

「マタムネでごじゃる」

 

「ハルト・アーウェングス? それにそのオレンジ色の髪…

まさかあなたは…! 『妖精の覇王』!!」

 

「えっ!?」

 

ハルトの二つ名に気づいた二人は驚いていた。

 

「あ〜それは…」

 

「やっぱり有名なんだね」

 

「まさか覇王様が来てくれるとは!」

 

「すごいね! お父さん!覇王様が来てくれるなんて!!」

 

「あぁ!すごいぞ!覇王様が来てくださるなんて!」

 

「覇王様が来てくれたからもう安心だね!」

 

「「覇王! 覇王! 覇王!」」

 

「すごい陽気な親子ね…」

 

ハルトが来てくれたことにより、村長親子はテンションが上がりに上がって小踊りしそうな勢いで、ルーシィは若干引いている。

 

「あぁぁ〜、いやその名前はもうな、うん、やめてくれぇ…」

 

「どうしたのハルト!?」

 

ハルトはホックとシスカが覇王と言うたびに、身を悶えさせていた。

 

「覇王って恥ずかしいんだよぉ、なんだよ覇王ってぇ」

 

「えぇっ! この前は自分で名乗ってたじゃない!」

 

「あの時はあの時だよぉ普段は恥ずかしくてぜったい言えないってぇ

この名前だって仲間が酔った勢いで付け足しよぉ〜」

 

「あぁもうしっかりして!」

 

「「覇王!覇王!覇王!」」

 

「あんたたちはうるさい!!」

 

「カオスでごじゃる」

 

 

しばらくして全員が正常に戻って依頼の話になった。

 

「いや〜すいません。つい興奮してしまって」

 

「いや、こちらこそ情け無い姿を見せてしまって、すいません…」

 

「では、依頼内容を説明します。実はこの村はクロソエールの生産地なのです」

 

「クロソエール? あの有名なクロソエールですか? 俺アレ大好きなんですよ。でも、最近は生産されていないって聞いたんですが」

 

村長は苦い顔をした。

 

「ありがとうございます。えぇ実はそのクロソエールの原材料となるクロソ草が突然全て枯れてしまったのです」

 

「それじゃあ、また栽培すればいいんじゃないですか?」

 

ルーシィが質問するが、困った顔をしたままだ。

 

「栽培するにも野生のクロソ草が生えているところが危険なところでして、わしらが行くには厳しいのです。」

 

窓から見える山を見ながら言う村長。

 

「あの山は代々私の家系の者が受け継いできたのてすが、野生の動物が多くいて誰も入りません」

 

村長は頭を下げた。

 

「どうか、どうか薬草をとって来てくだされ。でないと、クロソエールに全ての収入を任せていたこの村は滅んでしまう…」

 

ルーシィの頭にさっきの村の様子が浮かんだ。するとシスカが突然立ち上がり大声で言った。

 

「絶対にあいつらのせいよっ!! エールの商権を渡さないからって…」

 

「これっ! 滅多のことを言うんじゃない!今は彼らのおかげでなんとか村の衆は生きていけるのだから…」

 

「でも! あいつらあんなにやりたい放題に…」

 

シスカの顔には悔しさが表れていた。

 

「あの…何かあったんですか?」

 

「いえ、何もないですじゃ」

 

ルーシィが聞くがホックははぐらかせてしまう。

その間ハルトはずっとシスカを見ていた。

 

 

 

「では、どうかお願いしますじゃ」

 

「はい! 任せてください!」

 

ハルトたちは村長の家をあとにし、山に向かった。

しかし、途中でハルトが立ち止まった。

 

「どうしたのハルト?」

 

「いい加減出てきたらどうだ?」

 

後ろを見ながら言うと建物の影からシスカが出てきた。

 

「シスカさん? どうしたんですか?」

 

「あの…私も連れて行ってください!奴らの悪事を暴いてやりたいんです!」

 

「奴ら? そういえばさっきも言っていましたけど誰なんですか?」

 

ルーシィが聞くとシスカは目をふせて、話した。

 

「2年前あいつらはアソット商会って言って、私たちのクロソエールの商権を寄越せと言ってきたんです。もちろん断りました。

そしたら、すぐにクロソ草が枯れてしまったんです。

仕事がなくなってしまった私たちに仕事を流してきてくれたのはあいつらなんですが、低賃金で大変な仕事をたくさん押し付けてきて、それにこの村でやりたい放題にしているんです…」

 

「アソット商会って…」

 

「悪徳で有名なところでごじゃるな」

 

「絶対にあいつらのせいなんです! だってこんなにタイミングが良すぎるんだもの! お父さんも村のみんなのためにってあいつらに頭を下げて、それすらをバカしてくるのにっ!」

 

シスカはあまりにも悔しいのか手を握りしめ、涙を浮かべていた。

 

「シスカさん…」

 

「………」

 

「うわぁぁぁぁっ!!!」

 

すると後ろのほうで叫び声が上がった。振り向くと男の子が三人の男に襲われていた。

 

「ニルくん!?」

 

シスカは少年、ニルのところに駆け付け、守るように男たちの前に出た。

 

「シスカ姉ちゃん!」

 

「おっ? なんだぁ?」

 

「こいつ村長のところの娘じゃね?」

 

「まじか、結構可愛いじゃん」

 

シスカは男たちの服のマークをみるとそれはアソット商会のものだった。

それを見てシスカは男たちを睨み、大声を出した。

 

「あなたたちいい加減にしてっ!! もうこの村から出て行って!!」

 

「おいおい、そんなこと言っていいのかよ?

この村はオレたちのおかげで食っていけてるんだぜ?」

 

「それによ、悪いのはそのガキだぜ? オレたちから食いモン盗っていったんだからな?」

 

「俺たちが大人のルールっての教えてんだよ」

 

その言葉を聞き、ニルが声を上げた。

 

「ウソだっ!! この食べ物はお腹を空かせて待ってる妹のために森で

取ってきたんだ! そしたらこいつらが小腹が空いたって言って…」

 

「最低ね…」

 

「ウソはいけないなー

だから、俺たちがルールを教えてあげるって言ってたんだよ。

まぁ? あんたが代わりに俺たちの授業を受けるってなら許してやる

けどよ〜

大丈夫だって俺たち大人だから優しくするって」

 

そう言って男たちはシスカの体を舐め回すように見た。

シスカは視線に気づき、逃げ出したくなるがこんな奴らに負けたくないのと、何よりニルを放ってはおけなかった。

ハルトは周りの村人が助けに来ないのか見てみると全員目をそらし、見て見ぬふりをしていた。

男の一人がシスカに手を伸ばすがルーシィが間に入って、手をはたく。

 

「あんたたちいい加減にしなさいよ!!

そんなの大人がすることじゃないわ!!」

 

「あぁっ!? なんだテメェ!!?」

 

「妖精の尻尾の魔導士よっ!」

 

「あ? 妖精の尻尾?」

 

「お…おいまずいんじゃねぇの?」

 

「あそこってよぉ、やばい魔導士が大勢いるって…」

 

男の一人が怯えたように仲間に話しかけるが、仲間は逆にニヤリと笑った?

 

「はっ! そんなの気にする必要はねぇよ!

俺たちには先生がいるんだからよ!!

ちょうどいいぜ! こいつにも相手をしてもらおうぜ!!」

 

男の子はルーシィに殴りかかるが、

 

「せいばいー!!」 ブスッ!

 

「アギャーー!!?」

 

後ろからマタムネがケツの穴に木刀を思いっきり刺した。

刺された男は白目を向き倒れた。

 

「ふっ、またつまらぬもの切ってしまった、でごじゃる」

 

「なっ!? この猫ぉ!!」

 

他の仲間がマタムネを捕まえようとするが、かわされてしまう。

マタムネはこっちに歩いてきてたハルトの足元まで逃げた。

 

「いやーすいませんねー

うちの仲間がやらかしてしまって?」

 

「ふざけんじゃねぇぞ!! ゴラァ!!!」

 

仲間二人がハルトに殴りかかる。

シスカとニルは目をつぶってしまうが

 

ゴスっ!!

 

シスカたちは恐る恐る目を開けると、殴りかかった二人は顔から地面に突っ込んで気絶していた。

 

「あと、女性には優しくしろよ? 大人なんだろ?」

 

気絶してる二人を睨みながら言うハルト。

前を向くとケツを刺された男がコッソリと逃げ出そうとしていた。

 

「おいお前」

 

「はっはい!!」

 

「こいつらも連れてけ」

 

ハルトが指を指す方向には気絶している二人がいた。

 

「ハイィィィィ!!!」

 

男は仲間を引きずって逃げていった。

 

 

場所を移して、ハルトたちはニルの家に来ていた。

 

「あの…ありがとうございました」

 

「いいんですよ、私ほとんど何もしてないし」

 

「せっしゃの一撃が決め手でごじゃたな」

 

「あんたも結構エゲツないことするわね…」

 

シスカからお礼を言われルーシィは恐縮してしまう。

ハルトは少し調べたいことがあると言ってどこかに行ってしまった。

 

「ふぅ」

 

「あっ、おかえりハルト」

 

「おかえりなさいハルトさん」

 

ハルトが帰ってきたが難しい顔をしたままだった。

 

「何かあったの?」

 

「いやな、なんで突然薬草が枯れたのか調べてたんだけどな…

これを見てくれ」

 

取り出したのは土だった。

 

「これ唯の土よね?」

 

「あぁ、見た目はな。だけど中に少量の毒が含まれてた。

この土は今使われてない畑の土なんだ。

多分水に毒かなんかを混ぜたんだろうな。

全部の畑がそうだった」

 

「そんなっ!」

 

あんまりな事実に口を手で覆ってしまうシスカ。

 

「どうしてわかったの?」

 

「この村に入ったときから変な匂いはしていたんだ。

もしかしてと思ってな。

だから、野生のクロソ草を取ってきてもここじゃ栽培できない」

 

「そんな…

それじゃあ、私たちは一体どうすれば…」

 

「…俺たちが依頼されたのは薬草の採取だ。

そこまでは知らない」

 

「ハルト!? そんなこと…」

 

「それにここの村人はほとんどの人が諦めている顔している。

そんな奴らがいるところなんて何やったってできねぇよ」

 

シスカは俯いてしまう。

ハルトは扉から出るときに顔だけをシスカに向けた。

 

「俺たちの仕事は薬草の採取だ。

それは必ずやってみせる。

だから、あとはお前たちがどうするかだ」

 

 

ハルトたちは山に続く道を歩いていた。

ハルトの後ろでルーシィは何か言いたげな顔をしていた。

 

「何か言いたいのか?」

 

「え…? …うん」

 

ルーシィはゆっくりと口を開いた。

 

「何もしなくていいのかなって…」

 

「薬草の採取はしに行ってるだろ?」

 

「そうじゃなくて!

その…アソット商会から村を守らなくていいのかって…」

 

「俺たちが守ったとしても、もしアソット商会みたいな奴らがまた来たらどうする?

また俺たちが守るのか?」

 

「それは…」

 

「あの村自体が立ち向かわないといけないんだ。

きっかけは作ったんだし、後はあいつらが根性を見せるかどうかなんだ」

 

それを聞いていたマタムネがルーシィに耳打ちする。

 

「本当は心配してるけど隠してるでごじゃる。

さっきあんなことを言ってしまったから素直になれないのでごじゃる」

 

 

「聞こえてるぞ」

 

それを聞いたルーシィは笑顔を浮かべた。

 

「ふふっ、そうなんだ」

 

「〜っ! ほら! 早く行くぞ!」

 

ハルトは照れ隠しなのか、歩くスピードを上げた。

 

 

その頃シスカはニルの家で考えていた。

 

「どうしたらいいの…?」

 

このままではいけないことはわかっているが、自分一人では何もできないこともわかっていた。

父親にはあんなことを言ったが対面したとき、恐怖が沸き起こってきたのだ

自分も諦めたのだろうか?

シスカは後ろ向きのことばかり考えていた。

するとニルとその妹がやってきた。

 

「お姉ちゃん!なにやってんだよ!

あいつらに立ち向かおうよ!!」

 

「ニル君… でも危険すぎるよ…

みんなに何かあったら私…」

 

そんなことを考えると手が震える。

 

「お姉ちゃんは立ち向かってくれたじゃないかっ!

それにもしお姉ちゃんが危険な目にあったら、僕が守ってあげる!」

 

 

「ニル君…」

 

「わたしも〜!」

 

「シルちゃんまで…」

 

周りに仲間がいてくれる。これだけで勇気が湧いてきた。

シスカは立ち上がり、二人を見た。もうその目には恐怖はない。

 

「二人ともついてきて! 考えがあるの!!」

 

今こそ立ち向かう時だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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