FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS 作:マーベルチョコ
これからも頑張って面白くかけたらなと思っています。
よろしくお願いします。
戦況は妖精の尻尾がやや不利だった。先のファントム戦で負傷者も多く、さらにはジョゼが作り出した幽兵は言わば人形だ。疲れを知らず襲いかかってくる。戦いは続き時間はどんどんと過ぎていく。
「ナツは何してんだ!!」
「もう時間がねえぞ!!」
「あんた達!黙って戦いな!! ナツを信じるしかないんだよ!!」
カナが仲間に叱咤するが時間はもうない。徐々に砲台に魔力が集まり始める。
「やべーぞ!!」
「みんな伏せろー!!」
撃たれようとした瞬間、砲台は内部から爆発し、破壊された。
「よっしゃー!!!」
「ジュピターは壊されたぞー!!!」
「これで恐れるものはなくなったよ!! 敵を殲滅しろォオ!!」
ジュピターがなくなったことで勢いがつき、幽兵を倒していく。
「マ、マスタージョゼ……」
「クソガキどもが……」
それを見ていたジョゼはさらに怒りで震える。そして次の指令を出す。するとファントムのギルドは突然立ち上がった。
「な、なんだ……?」
「次は何だってんだよ……」
次々と変形していくギルドはついには人の形、超魔導巨人ファントムMk-Ⅱになった。
「何よこれ……冗談じゃないわよ……」
妖精の尻尾のメンバー冷や汗を流す。ファントムMk-Ⅱはまっすぐギルドに向かってくる。
「ギルドを踏み潰すつもりかっ!!!?」
「マジかよ!?」
怯えるメンバーにカナは喝を入れる。
「目の前の敵に集中しろ!! あの巨人はナツが必ず止めてくれる!!!」
「いやでも……ナツは乗り物に弱いんじゃ……」
「あっ」
○
一方ナツはジュピターの発射を阻止したが、ファントムMk-Ⅱになり、動き出したことで乗り物酔いになってしまった。
「う…うぷ……」
「こいつ乗り物に弱いのか! チャンス!!」
ファントムのエレメント4の1人、『大火の兎々丸』はナツに攻撃しようとするが突然全身が凍りつき、巨大な腕に掴まれ投げられた。その先にいた剣士が剣を振り、斬り伏せられた。
「情けないぞ!ナツ」
「何してんだよ。ナツ」
「漢なら逆に酔わせてやれぇ!!」
そこにはエルザ、グレイ、エルフマンが立っていた。
「お、お前カッコ良すぎだぜ……」
「しかしなにが起きてんだ?」
「おいら見てくる!」
グレイが動いているファントムのギルドを見て疑問を持ち、ハッピーが里に出て様子を見に行った。
○
ファントムMk-Ⅱはギルドの前に立ち、右腕を上げ空中に魔法陣を書き始めた。
「な、何だ!?」
「これは……」
「魔法陣だ!! この建物自体が魔導士だというのかい!!?」
驚く妖精の魔導士を他所に巨人は魔法陣を書き続ける。
「この魔法陣は煉獄砕破……!!? 禁忌魔法の1つじゃない……!」
「このサイズはマズイぞ!! カルディア大聖堂辺りまで暗黒の波動で消滅する!!」
○
「大変だーー!!ギルドが巨人になって魔法を使って街を半分消そうとしているよー!!」
「嘘つけー!!」
「嘘なんかつくかー!!」
「しかし、それならマズイな。どうにかして魔法を止めねば…… 手分けしてこの巨人の動力源を見つけて、破壊するんだ!」
エルザたちはそれぞれ別れ行動に移した。しばらくしてエルザはファントムMk-Ⅱの下のほうを探索していると白い扉を見つけた。警戒しながら入ると突然扉が閉まり出れなくなってしまった。
「ようこそ妖精女王」
声が響き、その方向を見るとそこにはレイピアを腰に携えたルシェドが立っていた。エルザはすぐに構えを取る。
「貴様は……」
「あぁ…まだ名乗っていなかったな。俺の名前はルシェド・マクガイア。まぁ、巷では指揮者(コンダクター)と呼ばれたいる」
「貴様があの指揮者か。なら話は早い。この巨人の動力源はどこだ?」
「煉獄砕破のことか? あれは火、水、土、風の四元素の魔法を元にしている魔法だ。このギルド内のどこかにいるエレメント4を全員倒せばあの魔法は止まる」
「聞いといてなんだが……いいのか? そんなに話してしまって」
「別にいいさ。何故なら……」
ルシェドは腰のレイピアを抜き、エルザに向ける。
「俺が勝つからな」
○
その頃、外で戦っているカナたちは迫る魔法の完成に緊張していた。
ミラとカナはギルドの
「ミラ、あの魔法どれくらいで完成する?」
「約10分ってところかしら…」
「中に入ったエルザたちに任せるしかないね…」
「入ったのは誰なの?」
「ナツにハッピー、エルザ、グレイ、そしてエルフマンよ」
「エルフマン!? 何でエルフマンがいるの!!? カナは知っているでしょ!!エルフマンは……!!」
「そんなこと言ったて仕方ないでしょ。……エルフマンだって前に進んでるんだよ」
ミラはそれを聞いて考えてしまう。2年前の悲惨な事故から自分は前に進んでいるのか、と。弟のエルフマンが1番辛いのにみんなのために戦いに参加している。ミラは決心しファントムMk-Ⅱの前に躍り出た。
「ミラ!! なにしてんの!?」
「早く戻って!」
みんなの制止を無視して、ミラは両腕を広げ叫んだ。
「あなたたちの狙いは私でしょ!!!今すぐギルドへの攻撃をやめて!!!」
ファントムの狙いはルーシィであり、ルーシィに変身しているミラが前に出てくれば攻撃を躊躇してしまうと考えたミラだったが、
『消えろニセモノめ』
ジョゼがら言われたの全てを看破した言葉だった。
『初めからわかっていたんですよ。ルーシィがそこにいないことは。狙われている本人がこんな前線にいるはずがない……とね』
それを聞いて、変身が解けてしまったミラは膝をついて涙を流し自分の無力を恨んだ。
(私はなんて無力なの……!)
すると突然ファントムMk-Ⅱの腕が伸びてきてミラを掴み上げた。
「きゃあっ!!」
「ミラ!!」
カナたちが助け出そうとするが幽兵がそれを邪魔をする。
「うぅ……」
『我々を欺こうとは気に入らん小娘だ。潰してしまえ』
腕に力が入り、ミラを潰そうとする。
「くぅっ……!」
すると突然、ファントムの前の部分が爆発し、壁が破壊された。そこにはうつ伏せに倒れたエルフマンがいて、その後ろにエレメント4の1人ムッシュ・ソルがいた。エルフマンはムッシュ・ソルと戦ったがムッシュ・ソルの方が強く、勝つには自身のトラウマである全身接収をする必要があった。しかし使おうとした瞬間、脳裏に自分が全身接収を失敗したために死んでしまった自分の妹、リサーナの顔がよぎった。そのためトラウマが蘇り、接収は失敗し魔力を大幅に失うだけになってしまった。そこにムッシュ・ソルの魔法が放たれ今の状態になってしまった。
「おや? あれは貴方の姉上ではありませんか?」
「ぐぅっ…… !! 姉ちゃん!!? なんで姉ちゃんが!!」
立ち上がってミラを助けに行こうとするエルフマンだがムッシュ・ソルがそれを許さない。
「ノンノンノン。敵を前に背を向けるとはいけませんぞ!!」
ムッシュ・ソルはエルフマンに強烈な蹴りを浴びせる。
「がはっ!!」
ミラとは真反対の方向に蹴られ、壁に激突して倒れてしまう。ミラのほうに目を向けると苦しそうにしていた。
「姉ちゃん……」
エルフマンは自分に問いかける。また家族を死なせてしまうのか、何もできずに終わってしまうのか、エルフマンの中ではまた理性を失ってしまう恐怖とミラを助けたいという気持ちが葛藤している。
「あぁ……」
ミラの苦しむ声にエルフマンは覚悟を決めた。立ち上がり、全身に魔力を行き渡させる。
「俺は姉ちゃんをカミナのように守れる漢になりたいんだっ!!!!
姉ちゃんを放せええぇぇぇえっ!!!!」
徐々に体はその姿を変えていった。全身から毛が生え、頭には威圧感のある角が2本ある。かつて各地で暴れ回った凶悪な怪物“ビースト”へと姿を変えたのだ。
「へ…?」
「オオオオォォォォォォッ!!!!!」
ビーストへと変身したエルフマンはその圧倒的な強さでムッシュ・ソルを一方的に攻撃し、戦闘不能にした。
「エ、エルフマン?」
ミラがエルフマンに呼びかけるが何も反応せず、倒れたムッシュ・ソルのほうを向いたままだ。そして近づき、ムッシュ・ソルを殴り続ける。その姿に恐怖を覚えたミラは今度はエルフマンを大声で呼んだ。
「エルフマン!!」
すると、エルフマンは攻撃をやめ、ミラのほうを向く。その目には理性が宿っているかは分からなかった。破壊された壁から腕を伝ってミラに近づく。
「エ、エルフマン…… あなたまだ理性が……」
ミラに手を近づけると、ミラは反射的に目をつぶってしまう。しかし、それはミラを拘束していた指をどかすだけだった。
「ごめん姉ちゃん……俺のせいでリサーナは……」
ミラはエルフマンの顔を見るとそこにはちゃんと理性があった。エルフマンがトラウマを克服し、前に進めたことに喜び、慈しむように抱きしめる。
「ううん、あれはあなただけのせいじゃないわ。それに貴方は前よりも強くなって私を守ってくれたじゃない…… ありがとう、エルフマン」
それを聞いたエルフマンは大泣きしてしまった。
「うおおぉぉおっ!! よがっだー!! 姉ぢゃんが無事でよがっだー!!」
「もう、そんなに泣かないの。強い漢になるんでしょ?」
「だっで……だっで……」
ミラは仕方ないなぁ、といった顔したが、ふと魔法陣に目が行った。そこであることに気づく。
「あれ……?」
「ど、どうしたんだ、姉ちゃん?」
「魔法陣を書くスピードが遅くなってる……」
そうファントムMk-Ⅱが魔法陣を書くスピードが明らかに遅くなってるのだ。ミラはそれを見てブツブツと何かを独り言を始めた。
「煉獄砕破……四元素の魔力……エレメント4……もしかして……」
ミラはエルフマンのほうを向き聞いた。
「エルフマン! エレメント4はあと何人残ってるの!?」
「え? えっと…ナツのところで1人倒して、さっきもう1人倒したから、あと2人だ。それがどうしたんだよ?」
ミラは描かれている魔法陣を見て言う。
「多分あの魔法はエレメント4がいてできている魔法なんだと思うわ。だからエレメント4を全員倒せば止まるはず」
「マジかよ!? じゃあ他のやつも探さねえと!!」
「ええ!急ぎましょう!!」
ミラとエルフマンは奥へと走って行った。
○
そのころナツとハッピーは廊下を走っており、突然ナツが思いついたように話し出した。
「なぁ! いいこと思いついたぞ!」
「なぁに?」
「ジョゼを倒しちまえばこの戦い終わんじゃねえのか!!」
「何バカなこと言ってんのさ!! 出来るわけないよ!! ジョゼはマスターと同じくらいの魔力を持ってんだよ!!」
「でも、じーちゃんいねぇじゃねえか」
あっけらかんに答えるナツに衝撃を受けてしまうハッピー。
「ナツのバカー!! 考えないようにしてたのにー!!」
ハッピーはナツに怒鳴るがすぐに元気が無くなってしまう。
「そうだよ……煉獄砕破を止めて、エレメント4を全員倒して、ガジルを倒してもジョゼがいるんじゃ意味がないよ……」
落ち込むハッピーの頭にナツは手を置き、いつもの陽気な笑顔を見せた。
「俺がいるだろーが!!」
ハッピーはその笑顔を見て、絶望的な状況なのに頼もしく思えてしまう。するとそこに声が響く。
「悲しい…」
「!!」
ナツは素早く後ろを見ると、突風が吹き、溶け込むかのようにゆっくりとエレメント4の中で最強の男、アリアが姿を現した。
「炎の翼は朽ちて堕ちてゆく…嗚呼……そこに残るのは竜の屍……」
「こいつは……」
「エレメント4だ!!」
○
グレイはファントムMk-Ⅱの肩部分を探索していた。外に出ると何故か雨が降っていた。
「雨なんか降ってたか?」
「しんしんと…」
声がするほうに目を向けるとそこには傘を差した女、エレメント4の1人、ジュビアがいた。
「なんだ?」
「しんしんと……」
○
ここはエルザとルシェドがいる部屋、部屋というにはあまりに広くなにてもない。ただ白い壁に覆われている。
「ソルがやられたか……あいつも中々強かったんだがやるな。それにあっちこっちで魔力の衝突を感じる。……そろそろ終わりにするか?なぁ、妖精女王?」
「はぁっ……! はぁっ……!はぁっ……!」
そこには荒い呼吸で剣を杖にして片膝を付き、鎧が所々破損し、傷だらけの状態のエルザとそのエルザの首元にレイピアを突きつける無傷のルシェドがいた。戦いはより激化していく。