FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS 作:マーベルチョコ
ハルトとカミナはジョゼと対峙する。
ジョゼは多少怪我を負っているがそれでもハルト並ではない。
しかし、ルーシィの目にはあの二人が並んで立っていることが何より頼りになるように見えた。
「じゃあ、先に行かせてもらうぜ」
ハルトが一歩前に出て、そう言うがカミナが待ったをかけた。
「待て、お前、前のクエストでもそう言って失敗しただろ。あんなのは二度とごめんだ。俺が行く」
「お前のひ弱な攻撃じゃジョゼの障壁を破けないだろうが、俺が行くから引っ込んでろ」
ハルトの言葉に若干カミナの眉間に皺ができた。
「誰の攻撃がひ弱だ。どこぞの体力馬鹿より、攻撃が洗練されているだけだ」
「……おい、その体力馬鹿ってのは誰のことだ?俺か?俺なのか?」
「そうだ」
「隠しもしねえのか!?」
いつの間にか口喧嘩が始まり、周りのみんなは呆れたように見ている。
「ね、ねえ……なんか口喧嘩が始まっちゃったんだけど……」
「あー、あれはいつものことだから仕方ないでごじゃるけど、今は時と場合を考えて欲しいでごじゃるな。おーい!二人とも!ケンカなんてしてないで、ジョゼのほうに集中するでごじゃる!!」
見かねたマタムネは二人にそう言うが、ヒートアップしている二人にとってそれはまずかった。
「うるせぇ!エロ猫!」
「黙ってろ。すけべ猫」
飛び火したマタムネは無言でむせび泣いた。
「あらら……でも大丈夫かしら……二人揃ったからってジョゼに勝てるの……?」
ルーシィのつぶやきは心配な気持ちでいっぱいだった。
ジョゼは何度おおきなダメージを与えてもゾンビのように立ち上がってくるのだ。
「大丈夫だ。ルーシィ」
「エルザ……」
「あの二人は妖精の尻尾の最強のタッグだ」
「最強の……タッグ……」
今も口喧嘩を続けている二人に目を向ける。
すると、今まで黙っていたジョゼが動き出した。
「貴様ら……敵の前で随分と余裕だな」
「よーし、わかった!じゃあどっちが先にジョゼを倒すか競争しようぜ」
「いいだろう。俺の方が強いという証明になる」
「私を倒すだと? さっきまでの戦いを思い出してみろ。お前たちに勝ち目なんて……」
「後で相性が悪かったなんて文句を言うなよ」
「誰が言うか!」
「貴様らいい加減にしろ!!」
ジョゼが魔力弾を放つ。
ハルトとカミナはそれを避け、一気にジョゼに近づく。
先に近づいたハルトは攻撃する。
「覇竜の剛拳!」
「ぐっ!?(さっきより重い!?)」
カミナの式神、繭姫のおかげで回復したハルトの攻撃は断然強くなっていた。
ジョゼは押し返され、空中で体制を整えながら振りかぶったハルトに魔法を放とうとするが、それよりも速く、ハルトの後ろで待機していたカミナが魔法を放つ。
「白雷」
「ぐはっ!」
空中で防御もできずに受けてしまい、その場から地面に落ちる。
しかし、ハルトはそこに追撃する。
「覇竜の……墜尾!」
空中に飛び上がり、前転することで勢いをつけたかかと落としがジョゼの溝にはいる。
なす術なく落ちたジョゼは立ち上がろうとするが、目の前でカミナが手を開く。
「白炎」
ジョゼに白い炎が襲いかかる。
「ギャアアァァァァッ!!」
ジョゼは火を消そうと転がり回る。
それを見たハルトがカミナに近づき、話しかける。
「あいかわらず容赦ないな。おっかないわ」
「敵に手加減しろって言うのか? 悪いがそれは無理だ」
「そうは言ってねぇよ」
ようやく火が消えたの煙を上げながら、ジョゼが蹲っている。
「き、貴様ら……よくもこの私を……」
ジョゼの声は小さくうまく聞き取れないが言葉に激しい憎悪が含まれていることは二人は感じ取った。
「許さないぞ」
立ち上がったジョゼは魔法陣を展開する。
ハルトとカミナは何かされるよりも速く倒してしまおうと、速攻をかける。
しかし、ハルトが殴りかかるがジョゼはそれをかわし、ハルトの後ろに出来た影に触れる。
ハルトの後ろから斬りかかってきたカミナの斬撃もかわし、同じように影に触れる。
「影幽兵(シャドーシェイド)」
するとハルトとカミナの影が盛り上がり、二人の形とそっくりの影が立ち上がった。
「行け!」
ジョゼの号令とともに二人の影は襲いかかってくる。
「チッ、こいつら俺たちと同じ動きをするぞ! カミナ!お前の魔法で
どうにか出来ないのか!?」
「待て。今考えている」
二体の影は二人とほぼ同じ動きをして翻弄する。
そしてその間ジョゼは魔力を貯めている。
それに気づかない二人ではないが影が邪魔して対応できない。
「縛道の四、這縄」
光の縄はハルトの影を捕まえ、カミナの影にぶつけ、二体同時に捉えた。
「六条光牢」
二体の影を光で捉えて動けなくし、ジョゼに向き直ると、もう魔力を貯め終え、放とうとしていた。
しかし、それはハルト達のほうではなくルーシィ達がいる方に向かってだ。
あの魔力の量では断亀の結界も破れてしまう。
「くそっ!」
「チッ!」
「デッドリーコロナァ!!」
二人がジョゼとルーシィ達の間に割り込もうとした瞬間、ジョゼは魔法を放った。
なんとか間に入った二人は防御魔法を使う暇も無く、全身に魔力を巡らせ受け止める。
「ガアァッ!!」
「ぐうぅっ!」
二人はなんとか耐えるが押されてしまう。
「ハルト!」
「カミナ!」
「「ウオォォォォォッ!!!」」
ルーシィとミラがハルトとカミナの名前を呼ぶと二人はさらに力を入れ、魔法をかき消す。
しかし、真正面から受け止めたせいで怪我を負い、魔力もだいぶなくなってしまった。
「ヤバイな。あと一撃くらいしか魔法使えないぞ」
「……一撃もあれば十分だ」
カミナは小声でハルトに作戦を伝える。
「それで本当に上手くいくのか?」
「今はこれくらいしか思いつかない。これにかけるぞ」
カミナはクナイを数本だし、ジョゼに向けて放った。
ジョゼは当たり前のように弾くがそのクナイは意志を持ったかのように地面に刺さり、そこから地面に魔法陣が描かれる。
魔法陣から白い鎖が出て、ジョゼに巻きつく。
「ふん……こんなもの」
ジョゼは鎖状鎖縛とは違い、簡単に引きちぎる。
「ジョゼェェェェッ!!」
ハルトはジョゼに近づき、殴りかかるがジョゼが魔力の波動をだし、近づけさせない。
ハルトは飛ばされる瞬間、ジョゼに向かって何かを投げた。
それはクナイでジョゼの眼前で白く輝き、爆発した。
「ぐっ!」
ほぼ目くらまし目的なので殺傷性は無く、ダメージはないが、確実に視力を奪った。
「今だ!」
カミナの合図でハルトとカミナは最後の攻撃に出た。
「竜牙弾!!」
「白絶斬!」
黄金の弾丸と白い斬撃が迫る。
「馬鹿が」
瞑っていた目を開くとその目は暗く染まり、笑みを浮かべる。
「ゴーストタイフーン!!」
ジョゼを中心に怨霊の魔力が竜巻状に巻き起こり、二人ごと巻き込む。
竜巻は天井を突き破り、制御室をも巻き込んだ。
竜巻が収まるとそこには傷だらけの二人が倒れていた。
「どうやら魔力が尽きたようだな。もう立つ体力もないだろう?」
ジョゼはハルトの頭を踏む。
ハルトは抵抗して立ち上がろうとするが、体力がなく立ち上がれない。
「お前の次はそこの白髪を殺してやる」
ジョゼは手に魔力を貯め、トドメを刺そうとするが、ハルトはそれを見て笑う。
「何がおかしい?」
「いや……あんた最後まで油断してたなって思ってよ」
ハルトの目線の先にはカミナが飛びかかってきていた。
それに気づいたジョゼは凄まじい速さで魔力弾を放つ。
しかし、魔力弾が当たったカミナは霧のように消えた。
その瞬間、本当のカミナは手に白雷を纏わせ、ジョゼの懐に入っていた。
「白雷掌!」
掌打に加え、白絶の威力が合わさり、ジョゼの体に電撃が響き渡る。
「ガアァッ!!」
掌打の勢いで飛ばされたジョゼにカミナは刀に魔力を込め、さらに追撃する。
しかし、ジョゼは態勢を整え、切り掛かってきたが、カミナの刀を防ぐ。
「ハハハッ! お前の策もこれで終わりか!?」
「いいや、まだだ」
その時カミナの後ろからハルトが竜牙弾を拳に付加させた状態で走ってくる。
ジョゼは避けようとするが、カミナは自身と共にジョゼを鎖状鎖縛で動けなくする。
「くっ!貴様!!」
ジョゼがもがくがカミナは笑みを浮かべ、逃さない。
ハルトの拳がカミナの背中に当たる瞬間、カミナは消え、ジョゼだけに拳にが突き刺さる。
「行けえェェェェッ!!」
ルシェドを一撃で倒した拳はジョゼを壁にぶつけその後ろの壁を激しく崩壊させ、ジョゼはそれに巻き込まれた。
「ハァ…ハァ…ハァ…」
ハルトはその場に座りこみ、右腕を抑える。
血だらけの腕はピクリとも動かない。
すると、後ろからカミナがやってくる、
「すごい威力だな」
「まあな。お前もぶっつけ本番でよく転身なんて難しい魔法使えたな」
「ほぼ賭けだったが上手くいった」
作戦は二段構えで一旦ジョゼを油断させて、威力が強いハルトの魔法でトドメを刺すという作戦だった。
その作戦を成功させるために自身の魔力を込めた物とその位置を交換するという、超高難度魔法『転身』を使う必要かあり、カミナでも成功できるかわからなかった。
しかし見事に成功させ、ジョゼを倒した。
すると、後ろから足音が近づいてくる。
「ハルトー!!」
ルーシィとマタムネがハルトに飛びついてくる。
「うおっ!? お前ら落ち着け……痛ででで!! マタムネ!右腕に強く抱きつくな!! お前ワザとだろ!?」
「さっきの仕返しでごじゃる……」
「やっぱりか!」
ハルトとマタムネがそんなコント染みことをしている間、ルーシィはずっとハルトの胸に顔を埋めて震えていた。
それに気づいたハルトはルーシィのアタマに手を乗せる。
「どうした?」
「……ハルトが死んじゃうかと思った」
ルーシィは顔をゆっくりとあげると目に涙が溜まっている。
「そんなことないって信じたけど、どうしても不安で仕方なかった……ごめんね。私のせいで……」
ハルトはそれを聞くと申し訳ない表情をした。
そしてゆっくりと頭を撫でる。
「俺もみんなも仲間を助けたいからやったんだ。だからそんな言葉を聞きたかったんじゃないんだ」
ルーシィは涙を拭き、笑顔を浮かべた。
「……うん! ありがとう、ハルト!みんな!」
その言葉にみんなが笑顔になる。
「さて、そろそろ戻ろう。ナツも回収しないとな」
「そういや、ナツの奴どこで何してんだ?」
「上で戦っていたらしいが、もう終わってるな。魔力の衝突が感じられない」
みんながギルドに戻ろうとした瞬間、背後から瓦礫が崩れる音がした。
振り向くとそこには傷だらけで満身創痍のジョゼが立っていた。
「ハァ…ハァ…許さないぞ…ハァ…餓鬼ども…ここで…ハァ…殺してやる……」
全員が信じられない顔をする。
「そ…そんな……」
「あれを食らってまだ立つのかよ……」
全員が身構えるが、ハルトはその場に崩れ落ちる。
「ハルト!?」
「ハァッ…ハァッ…! 魔力と…体力が…!」
(ハルトはもう限界だ……他の全員もジョゼがあの状態だからって勝てる確率のほうが低い……俺もだ。あのゾンビみたいに何度も復活する奴に勝てるのか?)
カミナは冷や汗をかく。
「フ…フフ……私は絶対に倒されない! 私の『リビングデッド』がある限りな!」
「復活の魔法!? そんな魔法があるなんて!?」
ミラはジョゼの言葉におどろく。
『リビングデッド』はダメージを受けて、立てなくなっても行動できるまで回復する魔法だ。
これのおかげでジョゼは聖十大魔導士になれたのだ。
それは何度でも復活する魔法。
幽鬼の支配者のマスターにとって相応しい魔法だ。
さっきまでの戦いでもジョゼが何度倒れても立ち上がったのはこれが理由だ。
「これで終わりだ……妖精の尻尾ぅぅぅっ!!」
ジョゼはハルトたちに向かって大きな魔力弾を放つ。
カミナが前に出て盾になろうとし、当たる瞬間、辺り一面が神々しい光に包まれ、ジョゼの魔力は霧散した。
「何だ!?」
「間に合ったか!」
ジョゼは突然のことに驚く。
すると靴の音が響く。
「いくつもの血が流れた……子供の血じゃ……出来の悪い親のせいで子は痛み、涙を流した……もう十分じゃ……」
白い聖十大魔導士の上着を纏い、威圧感もありながら優しい雰囲気を放っているその存在は……
「終わらせばならん!!!」
妖精の尻尾のマスター、マスターマカロフだ。
「「「「「マスター!!」」」」」
「マカロフ……!こんなときに……!」
「ジョゼ……貴様はやりすぎた。よくもワシのガキ共を傷つけてくれたの……」
マカロフとジョゼは互いに魔力を高めていく。
「天変地異を望むのか……?」
「それが家族のためならば」
マカロフは空中に魔法陣を描きながら、力強く叫ぶ。
「全てのガキ共に感謝する……よくやった。妖精望むの尻尾であることを誇れ!!」
その瞬間マカロフの背後にいくつもの魔法陣が現れ、そこから光弾がジョゼに向かって放たれる。
「チィッ!!」
ジョゼは障壁を張るが容易に破壊されジョゼに当たる。
煙が立ち込め、晴れると倒れたジョゼがいたが、体が光り、立ち上がる。
「凄まじい魔法じゃな……自身を復活させるとは……しかし、それも無限というわけではないじゃろう。復活するたびに魔力が弱くなってきておるぞ」
「ほざけぇっ!!」
ジョゼが攻撃をするが全て防がれる。
「多対一というハンデがあったとはいえ、ハルト達はよくぞここまで追い込んだ。あとはワシに任せい」
マカロフは後ろで待機していたハルト達に優しく語りかける。
その言葉に全員が安心した。
「それではこれで終わりとしようか……ジョゼ!」
マカロフはよりいっそう魔力を高める。
すると、マカロフ自体が神々しく光り始めた。
「妖精の尻尾の仕来りにより、貴様に三つ数えるまでの猶予を与える……」
マカロフは体を大きくし、ジョゼを見下ろす。
「ひざまずけ」
「は?」
マカロフの言葉に訳がわからない表情をするジョゼ。
「何かを言うと思ったら、ひざまずけだと?」
「一つ」
マカロフは胸の前に手を構え、魔力を集める。
「王国一のギルドが貴様に屈しろだと!!?冗談じゃない!!私は貴様と互角に戦える!!いや!非常になれる分、私のほうが強い!!」
「二つ」
手の間に輝く魔力の塊が発生する。
「ひざまずくのは貴様らのほうだ!!!消えろ!!!チリとなって歴史上から消えろ!!!フェアリィテイルゥゥゥゥッ!!!!」
「三つ」
その瞬間、魔力は溜まりきった。
「そこまで」
ジョゼが攻撃しようとするがそれよりも早く、マカロフの超魔法が発動する。
「『妖精の法律』、発動!!!」
辺り一面が眩しいほどの光に包まれる。
その光はファントムのギルドだけでなく、マグノリアまで巻き込む。
「何だ!?この光は!?」
「眩しいっ!!」
「『妖精の法律』だ」
「『妖精の法律』……?」
ルーシィが不思議そうに呟くと、エルザが答えてくれた。
「術者が敵と認識した者だけを討つ聖なる光。もはや伝説に数えられる超魔法だ」
光が収まるとそこには白く干からびたような状態になってしまったジョゼが気絶しながら立っていた。
「二度と妖精の尻尾フェアリーテイルに近づくな。ここまでハデにやらしちゃあ評議員も黙っておらんじゃろ。これからはひとまず、テメェの身の心配をすることだ。お互いにな」
マカロフが去ろうとし、後ろを振り向くとその背後から、音もなくアリアが忍び寄った。
(悲しい! またもこの手でマカロフを討てるとわっ!!)
マカロフにその手が届きそうになった瞬間、神速の斬撃がアリアを襲った。
「俺がいるんだ。そんなことさせるか……」
「やめい、もう終わったんじゃ」
カミナが動けないアリアに刀を容赦なく突き立てようとするとマカロフが止めた。
「ギルド同士のケジメはつけた。これ以上続けるならば、それは最早『掃滅』。跡形もなく消えると思え」
その言葉とともにアリアは気絶した。
「ジョゼを連れて消えろ。今すぐに」
マカロフはカミナ達を連れて去っていった。
○
日は沈みかけ、夕日がボロボロになったギルドを照らしている。そこに戦いでボロボロになったメンバーが全員集まっていた。
しかし、ルーシィだけは申し訳なさそうにしていた。
「しかし、まぁ、派手にやられたもんじゃのう……」
「あ…あの……マスター……」
ルーシィはマカロフに声をかける。
その声は申し訳ない気持ちと妖精の尻尾を辞めさせられるという恐怖が混じっていた。
しかし、マカロフは気の抜けた声で返す。
「んー? お前も大変じゃったのう……」
マカロフはルーシィに気負わないようにそんな言葉をかけるがルーシィの中では罪悪感でいっぱいだった。
「そんな顔しないの!ルーちゃん!」
そんな時、ルーシィに声をかける人がいた。
「みんなが力を合わせた大勝利だよ!」
「ギルドは壊れちまったけどな」
「またみんなで直せばいいさ」
「ウイ」
ガジルに襲われたレビィ、ジェット、ドロイ。
そしてルーシィを守るために戦ったリーダスだった。
「レビィちゃん…リーダス…ジェット…ドロイ…」
「ごめんね。心配かけて」
「違…う…それは私の……」
ルーシィにとってそう言われるのがつらかった。
今回の件は明らかに自分のことがきっかけで起こったことなのだ。
「話は聞いたけど、誰もルーちゃんのせいだなんて思ってないんだよ」
涙を流すルーシィは何も言わず、ただ首を横に振る。そこにマカロフが優しく語りかける。
「ルーシィ…楽しいことも悲しいことも、全てとはいかないがある程度は共有できる。それがギルドじゃ」
マカロフの話にルーシィだけでなく全員が耳を向ける。
「一人の幸せはみんなの幸せ。一人の怒りはみんなの怒り。そして一人の悲しみはみんなの悲しみ。自責の念にかられる必要は無い。君にはみんなの心が届いてるはずじゃ。顔を上げなさい」
そう言ってルーシィに微笑む。
「君は妖精の尻尾の一員なんだから」
その言葉にルーシィは大声を上げながら泣いた。
みんなもそれを見て、漸く安心できた表情をした。
「なはははっ!これで一件落着だなっ!!」
「あいっ!」
ナツが大声で笑いながら、ボロボロになったギルドに近づく。
「まっ!これからギルド直さなきゃいけないけどな!!」
そう言ってナツがペシッと叩いた瞬間、ギルドはグシャッと潰れた。
『…………』
全員が言葉も出ず、唖然とする。
ナツは汗を大量に流しながら、逃げようとするがその肩を思いっきり掴まれる。
「ナツぅ……お前何してんだ……?」
「あ……いや……その……」
ハルトが掴む肩がギリギリと鈍い音がなる。
ナツは顔色が青色になった。
「おい、ハルト、俺も混ぜろ。せっかく倒壊を止めたのに仲間に壊されるとは思ってもなかった……」
そして明らかに怒っているカミナも混じる。
ナツは青色を通り越して、土色の顔色になった。
「ナツぅぅぅっ!!!」
「覚悟しろ」
「ごめんなさぁぁぁぁぁい!!!」