FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

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第36話 戦後処理

ファントムとの戦いが終わり、ナツがギルドを破壊し、ハルトとカミナに折檻されている時に大勢の集団が現れた。

 

「全員その場を動くな!!我々は評議院傘下強行検束部隊『ルーンナイト』だ!!」

 

「評議院!?」

 

「やばっ!」

 

「やっぱり嗅ぎつけたか……」

 

ギルド間の戦闘を禁止している評議院は妖精の尻尾と幽鬼の支配者との戦いを検挙しにきたのだ。

それに気づいたガジルとの戦いよりもボロボロになり、顔がパンパンに腫れ上がったナツはルーンナイトに泣きついた。

 

「たしゅけてふれ〜!!」

 

「なんだ!?」

 

「お前、妖精の尻尾の魔導士だろ!?」

 

するとナツの両肩に手が置かれた。

ナツにはその手が一瞬死神の手にも見えた。

 

「ナツぅ……」

 

「まだ話が終わってないぞ」

 

「ぎゃあぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

みんながハルトとカミナのお仕置きに青ざめている中、マカロフの頭にはこれからのことでいっぱいだ。

 

(ギルド同士の戦いは禁止……しかも評議院にバレた……賠償金……始末書……)

 

「うわあぁぁぁぁぁん!!!」

 

「ま、マスター!気を確かに……!」

 

「あらあら……」

 

エルザがなだめるがマカロフは涙を流すだけだった。

 

 

その後ルーンナイトの調書に作るために妖精の尻尾のメンバーへの質問が何日も続いた。

そしてやっとその調書も終わり、ようやく壊れたギルドの再建を始めた。

 

「あー体が怠い……」

 

みんなが頑張っているなか、ハルトは積まれた木材の上で怠けていた。

 

「おい、ハルト。何サボってんだよ。お前も働けって」

 

それに気づいたグレイがハルトを注意するがハルトは気怠げに視線を向ける。

 

「ファントムの戦いで無茶しすぎた……しばらく怠さが取れないんだ……」

 

ハルトの魔法は強力だがその分、フィードバックがひどく、限界以上の力を使うとこうなってしまうのだ。

 

「へっ……情けねぇなハルト……!」

 

ナツは大量の木材を苦しそうな表情で運びながらハルトに勝ち誇ったかのように言う。

 

「おまえがトドメ刺したんだから馬車馬のように働け」

 

ハルトはナツの挑発に物ともせずにそう言い返し、ナツはバツの悪そうな顔をする。

 

「へ〜い」

 

「自業自得だね、ナツ」

 

「情けねぇなぁ」

 

それを見たグレイはすかさずいつものようにナツをバカにし、またいつものようにナツが怒る。

 

「なんだとグレイ! オメェは根性ないからこんなに運べねぇだろ!!」

 

「なんだとぉっ!!」

 

「また始まったよ」

 

ハッピーも呆れてため息を吐く。

そのやりとりを見てハルトはファントムとの戦いが終わっていつもの感じが戻ってきたな、としみじみと感じていた。

するとあることに気づき周りをキョロキョロと見渡す。

 

「どうしたでごじゃる?ハルト」

 

「いや、カミナの姿が見えないなって思って……」

 

ハルトのとなりで一緒に怠けていたマタムネが見かねてたずねると、カミナのことを探していたようだ。

カミナは長期の仕事をまとめて受けるのがスタイルだが、ギルドが再建するまでは工事を手伝う予定なのだが姿が見えない。

そこで近くを通りかかった木材を運んでいたエルフマンに聞いてみた。

 

「エルフマン。カミナがどこ行ったか知らないか?」

 

「カミナか? カミナは……姉ちゃんに3日前に連れ去られて以来見てねえ……」

 

その一言でハルトは全てを察したようで遠い目で空を眺めた。

 

「そうか……あいつ生きて帰ってくるかな……」

 

「いや、まだ死んだわけじゃないでごじゃる」

 

まるで死地に赴いた仲間を心配するような言葉にマタムネもツッコンでしまう。

するとマタムネは木材の影からこちらを覗く女性に気づいた。

その女性は熱い視線を向けてくる。

 

(はっ!……まさかせっしゃのファンでごじゃるか!?)

 

女性はエレメント4の一人、ジュビアでマタムネに熱い視線を向けているのではなく、マタムネの向こうにいるグレイに向けているのだ。

 

(ふふふ……とうとうせっしゃの魅力に気づく女性が現れたでごじゃるか。それに見た感じ、だいぶといいお胸をしてるでごじゃる。あの胸に飛び込めば……ぐへへへ……)

 

 

「おいどーした。気持ち悪いぞ」

 

「マタムネー、目が血走ってるよ?」

 

「な、なんでもないでごじゃる!」

 

「涎垂れてるぞ」

 

マタムネが慌てて涎を拭いてると、グレイがナツに対抗して大量の木材を抱えたが、それを見たジュビアが拍手をして、それに気取られたグレイは木材に木材に潰れてしまった。

 

「だせぇな!グレイ!!」

 

「うるせぇ!」

 

「お前たち!何遊んでいるんだ! ハルトもだ!怠けていないで働かないか!!あとマタムネ!にやけ顔が気持ち悪いぞ!!」

 

土木作業のツナギを着て、安全帽を被ったエルザが怒りにきた。

 

「げっ!エルザ!」

 

「サボってねぇよ……体がだるくて仕方がねぇんだ」

 

「ひ、ひどいでごじゃる……」

 

ナツとグレイは慌て、ハルトは気怠そうに返事をし、マタムネはエルザの容赦ない言葉に打ちひしがれた。

 

「マスターも働いているのだ!お前たちも働け!」

 

エルザが目を向ける先には巨大化して骨組みを組み立てているマカロフがいた。

 

 

「働けってもよ……」

 

ハルトはそばに置いてあった新しいギルドの構造図を見る。

 

「こんな下手な構造図でできるわけねぇだろ!」

 

「そんなもんただの紙切れじゃ。大事なのは創造力じゃ」

 

「これではどこをどうしたらいいか、わからないでごじゃる」

 

構造図に書かれていたのはヒョロい線で書かれた建物らしきものだ。

 

「しかし、腹減ったなぁ。朝から働きぱっなしだ」

 

グレイが木材の山から抜け出し、そんなことを呟くとグレイの前を水が凄まじいスピードで通り過ぎ、グレイの手にはいつの間にか弁当があった。

 

「おっ、なんだそれ?」

 

「弁当か?」

 

「いや、いつの間にかあってよ」

 

「フフフ……照れてグレイ殿に渡してしまったごじゃるか」

 

「? 何言ってんだ?お前」

 

ナツとハルト、マタムネがグレイに近づき、その弁当の中身を見ると、中はグレイのキャラ弁だった。

 

「お!うまそうじゃねえか!」

 

「よく出来てるな」

 

「なんでせっしゃじゃなく……」

 

色とりどりの食材で出来ている弁当は美味しそうだが、グレイは食べようとしない。

 

「どうした?食べないのか?」

 

「いやそれはせっしゃの……」

 

「おまえは黙ってろ。それでどうすんだ?」

 

「……いやだってよぉ。自分の顔なんて食べれねぇよ」

 

グレイの言葉を影で聞いていたジュビアはショックを受けて、涙を流した。

 

「お前たちまだサボって……! ん? なんだそれは?美味しそうだな。

食べないなら私が貰うぞ」

 

そう言ったエルザはグレイからフォークを奪いとり、容赦なく弁当のグレイの顔面部分に突き刺した。

下にケチャップでも入っていたのか、刺したところからケチャップが溢れ出て流血したようになって。より一層グロく見える。

 

「おおっ! 美味しいぞ!」

 

「エ、エルザ……」

 

「容赦ねぇな……」

 

「グロいでごじゃる……」

 

「お前たちどうかしたか?」

 

ハルトたちがエルザの行動に戦慄していると、声をかけられた。

 

「やあ、みんな……」

 

ハルトたちが振り向くと顔色が悪いロキがフラフラしながら立っていた。

 

「ロキ!」

 

「今までどこ行ってたんだよ?」

 

「ははは……ごめんね。これを探してたんだ」

 

そう言ってロキはポケットからルーシィの星霊の鍵を取り出した

 

「それルーシィ殿の鍵でごじゃる!」

 

「探してくれたのか」

 

「うん、まあね。これをルーシィに渡してほしいんだ」

 

ロキはハルトに鍵を渡して帰ろうとするとナツが呼び止めた。

 

「待てよ。お前が渡さなくていいのか?」

 

「知ってるだろ? 僕は星霊魔導士が苦手なんだ」

 

「ルーシィはルーシィだよ?」

 

ハッピーがそう言うがロキは苦笑いをして誤魔化して去って行った。

 

「じゃあルーシィのところに行くか」

 

「戻ったらちゃんと作業をするんだぞ」

 

ナツがそう呼びかけ、いつものメンバーが揃って行こうとするが、ハルトはロキのほうをじっと見ていた。

 

「ハルトどうしたんだよ?」

 

「先に行っといてくれ。あとで追いつく」

 

ハルトはそう言ってロキが去って行ったほうに走って行った。

 

 

「ハアッ……!ハアッ……!くっ……!」

 

ハルトたちの前から去ったロキは路地裏で大量の汗を流しながら胸を抑えつけて苦しそうに蹲っていた。

 

「大丈夫か、ロキ?」

 

「ッ!?ハルトか……」

 

「大丈夫じゃなさそうだな」

 

ロキは声をかけられ驚くが、ハルトだと分かると安心した。

 

「また俺の魔力を分けようか?」

 

「いや……もう無理だ。君の強力な魔力に体が耐えれない。それに……そろそろ潮時なのかもしれない。カレンを殺した僕の罪が清算するときが来たんだ」

 

「………」

 

ロキはどこか悲しそうな顔をし、そう告げた。

ハルトは悔しそうな顔をし、口を開く。

 

「ルーシィ……ルーシィならもしかしたら……」

 

「やめてくれ!」

 

ロキは悲痛な声で叫ぶと、すぐに申し訳ない顔をして謝った。

 

「すまない……だけどもういいんだ……僕はみんなに出会えて十分恵まれているよ。これ以上のことは望んじゃダメだ」

 

幾分か顔色が戻ったロキは立ち上がり、去って行こうとすると何かを思い出したかのようにハルトに振り返った。

 

「彼女を大切にしろよ? 惚れてるんだったらさ」

 

「は? お前何言って……」

 

ロキは意味ありげな笑みを浮かべ、それ以上何も言わず今度こそ去って行った。

 




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