FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS 作:マーベルチョコ
ハルトたちはクロソ草が生えている山の頂上を目指していた。
すると、ハルトは立ち止まり、ルーシィたちを止めた。
「どうしたの?」
「?」
「…来る」
バッ!!!
「ゴアァァァァ!!!」
そう呟いた瞬間、両脇の草むらから人間の大人ほどの大きさの熊みたいな化け物が2体飛び出し襲いかかってきた。
「キャーー!!?」
「ふっ!」
ドガッ!
ハルトは化け物の頭上までジャンプし、足の裏から魔力噴出させて回し蹴りで倒した。
「ハァー ビックリした
ありがとうハルト」
「ふふん、た、大したことないでごじゃる」
「足震えてるわよ?」
「……」
ハルトは倒した化け物をじっと見ていた。
「どうしたのハルト?」
「これを見てくれ、番号札だ」
化け物の耳元には製造番号なのか数字が書かれた紙がつけられていた。
「え?つまりどういうこと?」
「こいつらは作られたかもしれないってことだ。
そうじゃないとしても何か人の手が加えられているな」
「それじゃあ、アソット商会が…」
「ますます怪しくなってきたな」
ハルトたちはさらに奥に進んでいく。
山の中腹でだいぶと開けた場所に出た。さらには奥に行く道が複数に分かれていた。
「広いところに出たね」
「どこに行けばいいんだ?」
とりあえずハルトたちは広いところの中心に行こうとする。
すると、ルーシィの頭上に影がかかる。
ゴシャッ!!
鎖に繋がれた鉄球を持った男が上から鉄球を投げてきたのだ。
男はルーシィを潰したと思ったが、後ろでハルトがルーシィをマタムネごと抱えこんて後方に避けていた。
「大丈夫かルーシィ?」
「あ…あのハルト…触ってる…」
よく見るとハルトはルーシィを横抱きにする際、手がルーシィの胸に当たっていた。
ルーシィは顔が真っ赤になり、ハルトも真っ赤にし慌てている。
「えっ!あっ!ご、ごめん!!」
「う、ううん大丈夫…」
「ラブコメってるでごじゃる」
敵の前だというのにだいぶと気楽である。
そんなことをしていると、鉄球が凄まじいスピードでせまってきた。ハルトはルーシィを抱えたままバク転し、かわす。
すると、鉄球の男が若干イラついた口調で話しかけた。
「いつまで遊んでいる?
お前たちは殺されそうになっているんだぞ?」
「いや…遊んでるわけじゃないんだけどな」
ハルトの後ろで何かが腕を振り下ろす。
ハルトはそれにいち早く気づき、ジャンプしてかわす。
腕を振り下ろしたのはさっきの化け物に似たような化け物がいたが、さっきのより体が大きくいたるところ角が生えている。
「へーよくかわしたね。
この『ベアーMk4』の速さに対応できるなんてさ」
草むらから熊の化け物を引き連れてる男が出てきた。
「猛獣使いか」
「いいや違うね。こいつらは僕が造ったんだよ」
「おいテティ、邪魔をするな」
「そんなこと言わないでよ、ランチア。
もし僕のベアーたちがあいつらを倒したとしても報酬は君にやるからさ」
2対2の状況だが、ハルトはあのランチアという男が強いということが
直感でわかった。
ルーシィを立たせ、ルーシィとマタムネだけに聞こえるように話しかける。
「いいか2人とも、俺があの2人を相手をしている間に後ろの道を進むんだ」
「え? でも相手が2人もいるんだし私も…」
「いや、あのランチアっていう男、多分強い。
お前らを守りながら戦えるかわからないんだ」
「私ってやっぱり足手まとい…?」
ルーシィは気落ちしたのか、悔しそうだった。
ハルトはルーシィの頭を優しく撫でた。
「そうじゃないさ。
ここは俺が戦ってる間にルーシィには薬草を取って来て欲しいんだ。
それに今回の仕事はルーシィの初めての仕事なんだ。
ルーシィが薬草を取りに行かないと意味がないだろ?
だから、お前にしかできないことなんだ…頼んだぞ、ルーシィ」
ルーシィはその言葉に一気にやる気がみなぎってきた。
さっきまでの様子が嘘の様に声をだした。
「まかせてっ!!」
パンッ!
ルーシィはハルトにハイタッチし、後ろの道に走った。
「マタムネ!お前も行け!」
「せっしゃはハルトの相棒でごじゃる。
一緒に戦うでごじゃる!」
ハルトは困ったように頭を掻く。
その気持ちは嬉しいが巻き込まれたら、心配なのだ。
すると、何か思いついたのかマタムネに出来るだけ威厳がでるように話しかける。
「マタムネ… お前は武士だ、
確かに仲間を守ることは大切なことだ。
だがっ!!
仲間の頼みを聞くのも、また武士として大切なことじゃないか?」
「そ、それは…」
ハルトの言うことに思うところがあるのか揺れているマタムネ。
だが、ハルトを思う気持ちは固いようだ。
さらにハルトは追い打ちをかける。
「それに女性を助ける武士ってカッコよくね?」
「行ってくるでごじゃる!!」
あっさりと行ってしまった。
マタムネが行ったことを確認すると2人に向き直る。
「待ってくれるなんて優しいじゃねぇか」
「お前が薬草を取りに行くならまだしもあの女一人なら後でどうとでもなる」
「まだ僕の作品もたくさんいるからね、それに頂上辺りには僕らのボスがいるし」
その言葉を聞き、拳に力を入れ、構える。
「そうか、なら…」
腕に黄金の魔力を纏わせる。
「さっさっとあんたらを倒してルーシィのところに行くとするか…」
○
ルーシィとマタムネは山道を急いでいた。
すると、目の前にテティが造った熊の化け物、ベアーが現れた。
「ルーシィ殿下がるでごじゃる!
ここはせっしゃが相手するでごじゃる!
せっしゃの愛刀、魂平刀が唸るでごじゃる!!
とりゃあ!!!」
マタムネは木刀を構え、ベアーを斬りつけるが斬るというよりは当てているので、ポコポコとしか音がなっていない。
ベアーはゆっくり手を上げ…
ビシッ!
デコピンをした。
マタムネの体が軽いのか、ベアーの力が強いのかはわからないがボールの様に飛んで行った。
数回地面にバウンドし、うつむきになった倒れたまま動かなくなった。
「マタムネ!? 大丈夫!!?」
ルーシィは心配してマタムネに駆け寄ると、マタムネはプルプル震えていた。
「い…」
「い?」
「痛いでごじゃるー!!」
マタムネはおでこを腫らし、泣いているだけで元気そうだった。
ルーシィは抱きついて泣いているマタムネに安心しながら、キーホルダーから金色の鍵を取り出した。
「次は私が相手よ!!
開け金牛宮の扉!タウロス!!」
「MOOOOO!!」
鍵から光が放たれると人型の牛が現れた。
ルーシィの星霊、タウロスである。
「どうしましたかな、ルーシィさん?」
「目の前にいる化け物を倒して欲しいの!」
「そんなのお安いごよ…
MOOOOO!!!?」
「ど、どうしたの!?」
タウロスがルーシィにサムズアップをしようと振り返えると、
突然悲鳴(?)をあげた。
ルーシィが聞いてみると、ワナワナと震える指をルーシィの胸、
いやその胸に抱きついているマタムネを指した。
「そのネコさんはオレの胸に何してるんですかー!!?」
「私の胸よ!!」
ルーシィがタウロスに事情を説明している間も、マタムネはずっと顔を胸に当てて堪能していた。
「むーそういうことですか。
しかし、マタムネさん!
その胸はオレのです!!」
「いーや、せっしゃのでごじゃる!」
「私のよ!?」
乗っかってきたマタムネにツッコミを入れながら体から引き離し、敵を見る。
「そんなことより、こんなことしてたら敵が…
あれ?」
ベアーを見てみるプルプルと震えて、顔を俯かせていた。
突然顔をあげ叫んだ。
「その胸はわしのじゃー!!」
「「「喋ったー!!!?」」」
「なんじゃい? 喋っちゃダメなのか?」
「いや、えっ? 喋れるの?」
ルーシィは戸惑いながら聞くとベアーは当たり前だという顔をする。
「当たり前じゃ。
わしは博士に造られた『ベアーMk5』じゃ、最も人間に近く造られとるんじゃ
だから、胸も好きなんじゃ」
「え〜」
なかなかカオスな状況になってきた。
最初の空気はいったいどこに…
「だからのう、お前らを倒してその胸をもらうんじゃー!!!」
ベアーMk5は腕を上げて、振り下ろすがタウロスがそれを食い止める。
「オレの胸はMO渡さない!」
「もう突っ込まないわ…」
ルーシィは心底疲れた顔をした。
すると、マタムネが話しかけてきた。
「今のうちに進むでごじゃる」
「そうね。
タウロス、後はお願いね!」
「MOお任せください!」
「行かせないで!
出てこい、子分共!!」
ベアーの号令で数匹のベアーが現れる。
「うそっ!?」
ルーシィは必死に逃げるがどんどんど追い込まれて、河原にでてしまう。
ベアーの一体がルーシィに襲いかかり、ルーシィは川の中に飛ばされてしまう。
「きゃあ!!」
「ルーシィ殿!!?」
「ルーシィさん!!?」
川に落とされたルーシィは水の中で悶えていた。
(痛っ! あんなにいたんじゃ、タウロス一体じゃ対抗できない。
どうすれば…ん? 川? 水!)
なにか思いついたルーシィは水の中から出て来て、タウロスに向かって叫ぶ。
「タウロス、閉門して!!」
「ルーシィさん!? しかしそれでは…」
「いいから! お願い!!」
タウロスはベアーを引き剥がし、しぶしぶ閉門する。
タウロスが閉門した瞬間、ベアーが襲いかかるが、それより早くルーシィがあの鍵を水につけ、叫ぶ!
「開け! 宝瓶宮の扉! アクエリアス!!」
現れたのはルーシィ最強の星霊、アクエリアスだ。
「お前よぉ一週間は呼ぶなって言ったよなぁ?
あぁん!?」
「ご、ごめんなさい…」
ルーシィはキレているアクエリアスに震えていたが、意を決してお願いした。
「お願いアクエリアス! あの化け物たちを追い払って!!」
「あぁ? ……ちっ」
アクエリアスは周りを見回し、傷ついたルーシィを見て舌打ちをした。
仕方がないといった顔をしながら、敵を見据える。
「今回だけだからな。オラァ!!!」
アクエリアスが水を巻き起こしたが、ルーシィを巻き込まなかった。
ベアーたちは残らず水の激流に巻き込まれどこかに流されてしまった。
「ありがとう!アクエリアス!」
「ふんっ、2週間は休みを貰うからな」
○
ルーシィ達はベアー達を退け、頂上に続く道を進んでいる。
頂上近くの林を抜けた先には大きな建物があった。
「なんでこんなところに建物が?」
「ルーシィ殿、ここから入れるでごじゃる」
マタムネが見つけた小窓から中に入り、明かりががある方に進むと、
そこには管理され、栽培、収穫されている大量のクロソ草があった。
「何よこれ…誰がこんなことを…」
「私だが?」
ルーシィが後ろを向くと、背が小さい初老の男が立っていた。
その顔には悪どい笑みを浮かべていた。
「あなたは誰?」
「人に名前を聞く時はまず自分から名乗ると教わらなかったのか小娘?」
「くっ… 私は妖精の尻尾の魔導士、ルーシィよ」
「せっしゃはマタムネでごじゃる」
「ふんっ、魔導士か… まぁ、名乗ったのだから私も名乗らなければな
私はアソット商会社長、ワルド・アソットだ!」
ワルドは両腕を高く上げ、そう高らかに言うがいかんせん背が低いので格好がつかない。
「ふんっ! 私の余りの格好良さに動けないか」
「いや違うけど…それより! なんでこんなことをするの!!」
「ふんっ! そんなこと、村の奴らが私に商権を譲らなかったからだ!
私の言うことを聞かないやつなど苦しめばいいのだ」
「そんなことをして商業ギルドや王国が黙っていないでごじゃる!」
「ふんっ! 奴らがそんなことを言う度胸があると思うか?
会ったんだろう? 村の連中に? どいつもこいつも諦めた目をしているわ!」
ルーシィは悔しそうな顔をするがワルドを睨みつけ、叫ぶ。
「そんなことない! 村の人達は絶対に諦めないわ!!」
「ふんっ!なんでも言え! どうせお前達はここで死ぬんだからなっ!
先生! お願いします!」
ワルドは後ろを向いて言う。
すると奥から上半身がほぼ裸の大男が現れた。
「なんだぁ? ただのガキじゃねぇか?」
「ふんっ! そんなことを言わずにお願いしますよぉ〜」
「まぁいいか。少しは遊べそうだしよぉ」
そう言い男はルーシィの体を舐め回すように見る。
ルーシィは嫌そうな顔し、体をかばう。
「なんであんた達はそいつに強力するの?」
「あぁ? そんなの金の為だろうが。
俺達は傭兵ギルド『鋼鉄の人形』(アイアンドール)なんだからよぉ
それに楽しいぜぇ、あいつらをいたぶるのはよぉ。
必死に許しを請う姿なんて爆笑もんだぜぇ!!」
「許せない! 人として最低よ!
開け金牛宮の扉! タウロス!」
「MOOOO!」
「星霊魔導士だったのかぁ」
「お願い、タウロス!」
「お任せMOーー!」
タウロスが自分の斧を構えて走り向かい斧を降り下ろすが、
ガキィィィィン!!
金属と金属がぶつかった音がした。
しかも壊れたのタウロスの斧だった。
「えっ!?」
「なんとぉ!?」
「オラァ!!」
男はタウロスを殴ると、タウロスは後ろまで吹っ飛んでいった。
「そういえば自己紹介がまだだったなぁ…
俺は鋼鉄の人形の魔導士、デュラガ様だぁ」
「デュラガ!? まずいでごじゃるルーシィ殿!!」
「どうしたの!?」
「デュラガは悪名高い魔導士でごじゃる。
戦った相手はグチャグチャになるまでつぶすとかなんとか…」
「そ、そんな…」
デュラガはゆっくりとルーシィに近づくが、タウロスが復活し、ルーシィの前に出て守る。
「ルーシィさんはやらせません!」
「タウロス…」
ドガッ!!
「え…」
デュラガはそれを見て鼻で笑い、一瞬でタウロスの懐に入りこんだ。
すると、タウロスがゆっくりと倒れ、星霊界へと帰ってしまった。
後ろにいたルーシィは何が起こったのか訳がわからず、呆然としていた。
デュラガはゆっくりとルーシィに近づく。
ルーシィは戦おうと立とうとするが、力が抜けてしまう。
(えっ…なんで!?)
「あぁ? 魔力切れかぁ?」
(そんな!? こんな時に!)
ルーシィは魔力が切れてしまい、デュラガを見上げるだけしかできない。
デュラガがルーシィに手を伸ばすが
バシッ!
「ルーシィ殿には手出しさせないでごじゃる!」
「マタムネ…」
「ふ〜んぅ」
デュラガはマタムネとルーシィを見て、何か思いついたのか笑みを浮かべた。
デュラガはマタムネの首を掴み持ち上げた。
「マタムネ!!」
「おいぃ!!嬢ちゃん!
この猫が死んでほしくないなら俺のものになりなぁ!!!」
デュラガは卑劣な事にルーシィがはい、としか言えない状況をつくった。
しかし、この男はマタムネを助ける気なんてさらさらなかった。
ルーシィがどう答えようとマタムネを殺し、絶望させる気だった。
「さぁ!! どうするぅ?」
「くぅぅ…」
ルーシィは悔し涙を流し、口をゆっくりと開いた。
「わか「ルーシィどのぉ…」っ!!」
マタムネは苦しそうにしながらも笑っていた。
「こんな…やつの…言う事なんか…聞かなくて…いいでごじゃる…。
せっしゃは…妖精の尻尾の1人で…ごじゃる…。
こんなやつ…大したこと…ないでごじゃる…」
「なんだとぉ! ごらぁ!!」
「ぐあぁ!」
「マタムネ!!?」
マタムネの言葉に怒ったのかさらに腕に力を入れる。
「それに…ルーシィ殿は…せっしゃらの仲間…でごじゃる…
仲間は絶対に守るでごじゃる!!!」
「マタムネ…」
「どうやらぁ本当に死にたいらしいなぁ?
ならぁ死ねぇ!!」
デュラガがマタムネの首をへし折ろうと、さらに力を入れるが、
ガシッ!
「あぁ?」
ルーシィはデュラガの足元にしがみついていた。
「それは私もだよ…マタムネ…
私もマタムネを、仲間を守る!!」
「ルーシィ殿…」
「どいつもぉこいつもぉ…」
デュラガは遂に切れたのか、ルーシィも首を掴み持ち上げた。
「そんなにぃ! 仲間が大切ならぁ! 仲良く一緒にぃ!
死んじまいなぁ!!!」
デュラガは今度こそ殺そうと力をこめる。
その瞬間!!
ドガアァァァァァン!!!!!!
ハルトが金色の魔力を全身に纏いながら、建て物の壁を破壊し、突入してきたのだ。
「俺の仲間に何してんだ」
ここに怒れるドラゴンが現れた。
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