FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

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第39話 鳳仙花の夜

ハルトたちはある砦に潜伏していた盗賊の討伐のクエストを受けた。

無事に倒した帰りにある人物と出会った。

 

「ロキ?」

 

「あれ?」

 

「偶然だなぁ」

 

「お前もこの辺で仕事か?」

 

「みんなも?」

 

そこにルーシィは鍵を拾ってくれたロキにお礼を言おうと前に出るが……

 

「あ…ちょうどよかった!!この前は鍵……」

 

「ルーシィ!!?」

 

ルーシィに気づいたロキはビクつき冷や汗を垂らす。

 

「じゃ……仕事の途中だからっ」

 

ロキは逃げるように走り、ルーシィは置いてけぼりにされた。

 

「何よあれェ〜」

 

「お前、あいつに何したんだ?」

 

「何もして無い〜」

 

ルーシィが不満そうに言うが、ハルトはどこか悲しそうにロキを見ていた。

 

 

ハルトたちは盗賊たちがいた砦の近くにある温泉で有名な村、鳳仙花村。

クエストを達成し、その帰りに鳳仙花村の温泉を満喫しにきたのだ。

ルーシィとエルザも十分に満喫していた。

 

「はぁ〜最高……♪」

 

ルーシィが背伸びして、湯気がかかっている夜空を見上げた。

そこでふと昼間のロキのことを思い出し、不満そうな表情を浮かべた。

 

「まったくなんなのよ。ロキの奴……」

 

温泉から上がり部屋でまったりとしているとナツが枕を持って大声を出した。

 

「よーし!やるぞー!!!」

 

「ぞー」

 

グレイが気怠そうに振り向く。

 

「なんだよ。やかましいな……オレぁ眠ーんだよ」

 

「オイ!!見ろよ!!旅館だぞ旅館!!!旅館の夜っつったら枕なぐりだろーが!!!」

 

「枕なげだろ」

 

「物騒でごじゃる」

 

ナツがはしゃいぐがハルトはウンザリしたような顔をしてツッコむ。

 

「ふふ……しつのいい枕は私が全て押さえた。貴様らに勝ち目はないぞ」

 

「質って……」

 

エルザもやる気なようで数多くの枕を抱えており、ルーシィは苦笑いしている。

 

「オレはエルザに勝ーーつ!!!」

 

ナツはその言葉に俄然やる気をだす。

 

「やれやれ……」

 

「とう!!」

 

「甘い!」

 

「ぐべほっ!!……ナツ!!てめェェ!!!」

 

グレイも仕方なく枕投げをやろうと立ち上がるがナツがエルザ目掛けて投げた枕はグレイの顔面にあたり、グレイの頭に血が上り、投げあいが始まった。

 

「あははははっ!よーしあたしもまざるか!……ハルトはやらないの?」

 

ルーシィもまざろうとすると隅に避難していたハルトが目に入り、尋ねるとハルトは疲れた顔をした。

 

「評議院から送られた前の仕事で街を半壊させた罰のクエストが終わってすぐに今回のクエストについて来たんだ……流石に疲れちまった……今日はもう休みたいんだ」

 

ハルトがそう言った瞬間、ハルトの顔面にナツの豪速球の枕がぶつかり、さらに隅っこにいたので壁に頭が少しめり込んだ。

 

「ハ、ハルト……?」

 

「…………ナツぅぅぅぅぅっ!!!!いい加減にしろよテメェェぇぇぇぇぇっ!!!!」

 

「ぎやぁーーー!!!!!?」

 

ハルトは鬼の顔になり、ナツに枕を持って殴りかかる。

 

「むっ?……ハルトも参戦か!!よし!かかってこい!!」

 

「エルザもだ!……止める側ならしっかりと止めやがれ!!何気にお前が一番手に負えないんだよ!!」

 

ハルトは普段の怒りが爆発したようでエルザにも飛びかかる。

そこにグレイも混ざるが…

 

「へっ!ハルトにも負けねーぞ!!」

 

「…………よし!いくぞオラぁ!!」

 

「なんか言えよ!?」

 

ハルトも参戦してより激しくなる。

 

「よーし!あたしも……」

 

ルーシィも腕まくりして参戦しようとするが誰かの枕がルーシィの顔にぶつかり、そのままの勢いでルーシィは庭に飛び出てしまった。

 

「や…やっぱやめとこーかな。死んじゃう……」

 

涙目になったルーシィの呟きはハルトたちの喧騒にかき消された。

 

 

ルーシィは旅館から離れて鳳仙花村を散策していた。

 

「はあー…あいつら本当に人間なのかしら………ハルトも混ざっちゃうし……」

 

「プーン」

 

「あ、マタムネとハッピーは猫だっけ? プルーも犬だしねー」

 

「ププーン」

 

ルーシィの不満に一緒に歩いていたプルーはルーシィに受け答えするように返事をする。

すると……

 

「オイラ……本当は人間なんだプーン」

 

「へぇー……えええっ!!!? 人間!!?てか…アンタしゃべれるの!!?」

 

「あい」

 

「……あい?」

 

ルーシィはプルーの言葉に驚き後ずさるが、「あい」という言葉に固まる。

 

「オイラは聖なる石を持つ勇者の使いプーン。プクク……」

 

「ハッピー殿。次はせっしゃでごじゃる」

 

ハッピーとマタムネがプルーを使ってルーシィをからからっていたのだ。

 

「はいはいもういいから、あんたらしょーもないことしてないで出てきなさい」

 

マタムネとハッピーも連れて村の散歩をしようとするとルーシィは声をかけられた。

 

「ハーイ、お嬢さん」

 

「浴衣似合うじゃん。観光?」

 

「オレたちオシバナから来たんだけどサ。どう?一緒に呑みに行かない?ファンキーにサ」

 

やたら首をカクカクと動かす男とチャラい男がルーシィをナンパしてきた。

 

「わるいけどツレいるからごめんね〜」

 

「ツレってそこの猫たちと………」

 

ルーシィが軽くあしらうが男たちはマタムネ、ハッピーとプルーを見るとしばらく考えた。

 

「ま…まあ、このファンキーなツレも一緒でいいからサ」

 

「行こうじゃん」

 

「強引だなぁー……マタムネ、ハッピーなんとかしてよぉ」

 

ルーシィがマタムネたちに助けを求めるが……

 

「「にゃー」」

 

「にゃーってアンタら!!」

 

マタムネたちは面白くなる展開だと思い、わざと猫のふりをする。

すると、ルーシィは自分の体の異変に気づいた。

 

(アレ……!!? 何これ……体が……動かない……!!?)

 

「遊ぼうじゃん。オレたちと」

 

「ファンキーな夜にしようぜ」

 

(こいつら魔導士!!? ヤバ……)

 

万事休すの状態に立ち上がった男がいた。

 

「待つでごじゃる!」

 

「なんだヨ?」

 

「ルーシィ殿を離すでごじゃる」

 

流石にマズイと思ったマタムネは木刀を抜き、構える。

 

「はっ!猫に何ができるじゃん?」

 

「ルーシィ殿はせっしゃたちの仲間でごじゃる!」

 

「マタムネ……」

 

ルーシィは普段欲望に素直なマタムネに珍しく感動した。

 

「今からオレたちはこの嬢ちゃんといいことをするんだヨ。邪魔すんなヨ!」

 

その瞬間マタムネの頭に「いいこと」という言葉だけが反響し、凄まじい速さで回転し始め、どうするか決断が出た。

 

「………ギリギリで助けるでごじゃる!!」

 

「このエロネコーー!!!」

 

その瞬間、横から人影が現れ、片方の男を殴り倒した。

 

「!!!」

 

「え?」

 

あっという間に現れた人影はもう1人も倒した。

 

「ケガはない?」

 

「ロキ!!!」

 

 

ルーシィはロキに危機一髪のところを助けられ、そのお礼に近くのお店を寄ったのだが、

 

「…………」

 

「…………」

 

カウンター席でルーシィとロキの間の席は5つくらい離れていて、とてもじゃないが話そうという距離じゃない。

 

「あ、あのロキ……?」

 

「っ!……あ、いやゴメンね」

 

ルーシィが話しかけるだけで体をビクつかせるロキにやきもきするルーシィは思い切って席を詰めた。

 

「ル、ルーシィ!?な、なんでそんなに詰めて来るんだ!!女性として恥ずかしくないのかい!?」

 

「普段口説いてる男に言われたくないわね……」

 

慌てるロキにルーシィは苦笑いをしながら言うと、ここでルーシィは踏み込んだ質問をしてみた。

 

「ねぇ……なんでそんなに星霊魔導士が苦手なの? 昔何かされたの?」

 

「………」

 

しかしロキは一点を見つめ、何も答えない。

ルーシィはそれを見ると無駄だと悟り、ため息を吐き立ち上がり、席を離れる。

 

「ゴメンね。突然こんなこと聞いちゃって……さっきはありがと。何だかんだ言ってもやっぱり仲間なんだなぁって思った。それじゃ、あたしそろそろ……」

 

ルーシィが後ろを向き、去ろうとした瞬間、ロキは座ったままルーシィの腕を掴んだ。

 

「待って」

 

「!? ……どうしたの?」

 

ロキは立ち上がり、突然ルーシィを抱きしめた。

 

「!!!? な…なに!?」

 

「ルーシィ……」

 

突然のことで顔を少し赤らめ慌てるルーシィ。

 

「ちょっ……ちょっと!放して!あたしはハルトが……」

 

「僕の命はあとわずかなんだ……」

 

「え!?」

 

突然のロキの告白に固まるルーシィ。

ロキはルーシィを放すが、2人の間には重い空気が流れる。

 

「……どういう事?」

 

「……………あはははははっ!」

 

ルーシィが質問するがロキは黙ったままでいると突然笑い出す。

 

「ひっかかったね。これは女の子を口説く手口さ。泣き落としの一つでね……どう?結構ビックリしたでしょ?」

 

次の瞬間、ルーシィはロキの頬を叩いた。

 

「あたし、そういう冗談キライ!!! 行くよ!!マタムネ、ハッピー、プルー!!!」

 

ルーシィが怒りながら出ていくのをロキは悲しそうな目で見ていた。

 

 

「ててて……あいつら本気でやりやがって」

 

ハルトは枕投げという名の戦いを終え、鳳仙花村の散策に出かけていた。

すると目の前にルーシィが横切っていくのが見えた。

 

「おっ!ルーシィ……」

 

声をかけたが気づかず、怒った様子でそのままどこかに行ってしまった。

 

「どうしたんだ?」

 

ルーシィが通って行った道をたどるとある店に着き、入ると暗い表情でたたずむロキがいた。

 

「ロキ」

 

「っ! ハルトか……ハハッ!ルーシィを口説いてみたけど見事失敗したよ。やっぱり彼女には君が……」

 

「ロキ。ルーシィに何を言ったんだ?」

 

ロキは無理矢理に笑いながら言うがハルトは真剣な顔で聞くと、観念したのか申し訳ない顔をした。

 

「ごめん。最後ってなると未練がましくなっちゃってね……」

 

「なぁ、ロキ。やっぱりみんなに相談しないか? みんなも手伝ってくれるはずだ」

 

ハルトはそう提案するがロキは首を横に振る。

 

「ハルトならわかるだろ?罪にどれだけ苦しんでも償わないといけないという気持ちが……僕と同じで自分のせいで大切な人を死なせてしまった君なら……」

 

ロキはそう言って店から出て行き、ハルトは悲しそうに呟く。

 

「お前もそんな風に思ってるのか?………エミリア」

 




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