FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

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楽園の塔 篇
第42話 アカネビーチ


ロキの一件があった次の日、ギルドのみんなにロキの正体を説明していた。

 

「星霊だぁ!?」

 

ギルドにナツの驚きの声が響く。

 

「まぁ…そういうこと」

 

「しっかし気づかなかったなぁ」

 

「ハルトは気づいていたのでごじゃるか?」

 

「俺は魔法に対しては鼻が効くからな。最初に会ったときから気づいてたな」

 

ナツたちは驚くがハルトはとうの昔に知っていたらしい。

 

「ところで何の星霊なの?」

 

「僕は獅子宮、つまりライオンだね」

 

「ライオン!大人の猫だね!いいなぁ〜、オイラも大きくなればなれるかな?」

 

「無理じゃないかしら……」

 

「せっしゃも大きくなればロキ殿みたいにモテモテになるでごじゃるか!?」

 

「マタムネはまず下心丸出しのところを直さないと無理ね」

 

ルーシィはハッピーのボケに苦笑いしながら答え、マタムネには辛辣に答えた。

 

「ハハハ……これからはルーシィの星霊としてやっていくことになったんだ。ルーシィがピンチになったら颯爽と現れる……さしずめ白馬の王子様かな?そういう訳でハルト。君には負けないよ?」

 

「お?おう…」

 

「ちょっ、ちょっとアンタ何言ってんのよ!!?アンタもう帰りなさい!!」

 

ロキがルーシィの気持ちを遠回しにハルトに言うとルーシィは顔を赤くして、慌ててロキを星霊界に帰そうとする。

 

「あっ、ちょっと待って……はい」

 

ロキはルーシィを止め、ポケットから何枚かのチケットを取り出し、ルーシィたちに渡した。

 

「何これ?」

 

「もう人間界に長居する事もないからね。ガールフレンド達を誘って行こうと思ってたリゾートホテルのチケットさ。君たちには色々世話になったし、これ……あげるから行っといでよ」

 

「おおっ!!」

 

「海!!」

 

「水着のお姉さん!」

 

「こんな高いホテル泊まったことねえぞ!!」

 

「楽しみだな!!」

 

ロキからのプレゼントに興奮するハルトたち。

 

「ああ、あとエルザにも渡しておいたから」

 

「え?」

 

「何をモタモタしているお前たち」

 

ロキが後付けでそう言うと後ろからエルザの声がする。

振り向くとそこには水着の上にアロハシャツを着て、麦わら帽子まで被り浮き輪も装着し、いつも仕事に行く際に大量の荷物を乗せるリヤカーには多くの遊び道具が積まれていた。

 

「さっさと行くぞ」

 

『気が早ぇよ!!!?』

 

 

○

ロキの好意で人気リゾートアカネビーチにやってきたハルトたち。

 

『海だー!!!』

 

「うおー!!遊ぶぞー!!!」

 

「待てよナツ!」

 

「見て見て、海が青いよ!」

 

「すごいでごじゃる!!」

 

ナツたちはさっそく海に入り、はしゃぐ。

 

「うし!俺も行くか!!」

 

一応保護者的ポジションであるハルトも遊びたくてウズウズしており、ナツたちを追って海に行こうとするが腕を掴まれた。

 

「ん? どうしたルーシィ?」

 

「あ、あの…お願いしたいことがあって……」

 

ルーシィはマタムネと相談してこのアカネビーチでさらにハルトとの距離を縮めることにしたのだ。

そして海で定番と言えば……。

 

「サンオイル……塗って欲しいの」

 

「お、おう!」

 

胸を抑えながら、背中のビキニの紐を解く姿はひどく扇情的で、赤くなった顔で頼んでくるのはハルトにとってグッときた。

ドギマギしながら寝そべったルーシィの側に寄るハルトはオイルを手に乗せ、広げるとすぐに背中に塗った。

 

「きゃっ!」

 

「うおっ!どうした!?」

 

ルーシィは冷たいオイルが突然背中に塗られたことにびっくりした。

 

「ううん。オイルが冷たくてビックリしちゃって」

 

「そ、そうか。悪い……」

 

「大丈夫だから、続けて?」

 

ハルトはルーシィに促され、オイルを塗っていく。

 

「ぅん……はぁ、んっ……ふぅ……」

 

(その声はやめてくれー!!!)

 

ハルトの手が背中を撫で回すのと合わせてルーシィはハルトの手の暖かさと背中を触れられるくすぐったさから、口から声が漏れる。

その声にハルトは心の中で叫んでしまう。

 

「お、終わったぞ」

 

「う、うん…じゃあ今度はま、前を……」

 

「ハルトー!!助けて欲しいでごじゃるー!!!」

 

ルーシィが大胆にも攻めようとしたがマタムネがハルトに飛び込んできた。

 

「もう!何なのよ!!」

 

「どうしたマタムネ?」

 

「あのいかつい人に追われているでごじゃる……」

 

ハルトがマタムネが走ってきたほうを向くと2人のガタイが良いがチャラそうな男が向かってきた。

 

「おい!お前その猫の飼い主か!?」

 

「せっしゃはペットじゃないでごじゃる!!」

 

「落ち着けって…えっーと、どうかしましたか?」

 

とりあえず面倒ごとは避けようとハルトは下手に聞いてみると男たちは不機嫌そうな顔になる。

 

「その猫が俺たちのナンパを邪魔しやがったんだよ!!」

 

「嘘でごじゃる!無理やり連れ込もうとしていたでごじゃる!!」

 

どうやら男たちはタチの悪い輩で水着の美女たちの観察中だったマタムネはこの男たちに絡まれていた女の子を助けたようだ。

 

「まぁ…本人も反省しているみたいだし、許してもらえませんかね?」

 

「んだとテメェ…!」

 

「おい」

 

1人の男がハルトに詰めかかろうとするが、もう1人が止め、ルーシィを見ると嫌らしい笑みを浮かべる。

 

「許して欲しかったらよぉ…そこの姉ちゃん貸してくれよ」

 

「え?あたし?」

 

「そうだよ。ほらこっちに来いよ!」

 

男はルーシィの腕を掴み上げ引っ張るが、男の腕をハルトが掴む。

 

「放せ」

 

「んだよ?」

 

「放せって言ってるんだ」

 

ハルトは掴む力を徐々に強めると腕からはギリギリと鈍い音がなると、男は痛がってルーシィを放した。

 

「ってぇ!?」

 

「何すんだよ!」

 

「嫌がっていただろーが」

 

「オメェは彼氏か何かなのかよ!?」

 

「か、彼氏!?」

 

「ああ、そうだ」

 

「へっ?」

 

男の言葉に驚くルーシィだが、ハルトは躊躇することなく答え、ルーシィはそれに呆然としてしまう。

 

「わかったら、さっさっと行け」

 

「うるせぇ!舐めんじゃねぇぞ!!」

 

激昂した男がハルトに殴りかかるがハルトはかわそうともしない。

その瞬間、男の頬を何かが掠れ頬に傷ができ、後ろのヤシの木に窪みができる。

ハルトの腰には握られた拳があり、ハルトは男の頬ギリギリに拳をものすごい速さで撃ち抜いたのだ。

 

「失せろ。これ以上怪我をしたくなかったらな」

 

ハルトの凄みに腰を抜かす男たちは逃げて行った。

それを見送ったハルトはルーシィのほうを向く。

 

「ふぅ…大丈夫かルーシィ?」

 

「かれし……ハルトが……かれし……」

 

「どーした?」

 

「前もこんなことがあったでごじゃるな」

 

 

○

その後、復活したルーシィを連れてナツたちのところに行き、泳いだり、スイカ割りをしたりなど思う存分楽しんだ。

そして夕方になり、各々休んでいた。

 

(ふう……今日はだいぶと遊んだな)

 

エルザも部屋のベランダでビーチチェアでくつろいでいた。

すると疲れからかウトウトとしだし、寝てしまった。

 

 

多くの人がボロ切れを着て、ボロボロになりながら重そうな石を運んでいた。

なにかヘマをすれば監視している者に鞭を振るわれ、怒鳴られる。

そして、目に涙を溜めながら怯えるのは幼い自分の姿が……。

 

 

「はっ!!はぁ……はぁ……はぁ……なぜ今更あんな夢を……」

 

エルザは冷や汗をかきながら飛び起きた。

髪をかきあげ、頭を冷やそうとするが体が震えている。

エルザは部屋の姿鏡の前に立つと自分の水着姿を見た。

 

「やはり落ち着かないな……」

 

エルザは換装し、いつもの鎧姿になると、震えが

 

「やはりこちらの方が落ち着くな。つくづく私という女は……」

 

エルザは自傷するように笑うと、どこか悲しそうだ。

 

「エルザー!!」

 

そこにルーシィが元気に入ってきたが少し様子がおかしいエルザに気づいた。

 

「どうしたの?」

 

「いいや、なんでもない。それよりどうした?」

 

「あ、うん。このホテルの下にカジノがあるんだって!みんなで行こうよ!!」

 

「賭け事はあまり好きではないのだが」

 

「ハルトたちはもうみんな行ったよ?」

 

「やれやれ」

 

エルザはその場で一回転し、綺麗なドレスに換装した。

 

「こんな感じか?」

 

「ラフな感じでいいのに……」

 

「フフ、やるからには遊び倒さなくてはカジノに失礼だろう?」

 

「はいはい、それじゃあ行くよー!」

 

ルーシィに押されエルザは部屋を出るが、その際自分の姿が鏡に映った。

 

(いいじゃないか……たまには自分に優しい日があっても……)

 

 

○

ハルトたちが宿泊しているホテルを一望できる丘にフードを被った怪しい数人の男女が集まっていた。

 

「集まったな……じゃあ仕事に取り掛かろう。まず狙うのは覇王ハルト・アーウェングスだ」

 




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