FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS 作:マーベルチョコ
ヴィダルダスたちがハルトたちを探し回っているなか、ハルトが突然姿を現し、梟とジュビアに攻撃を仕掛ける。
「覇竜の剛拳!!」
「姿を現したが、奇襲とは卑怯な!!」
「お前にだけは言われたくない!!」
「ハッハァ!!バラバラにしてやるよ!!」
梟とジュビアはそのままハルトに応戦する。
ハルトは本調子では無いため、若干押されている。
「ヒャッハァ!!!!そのままヤッちゃってジュビアちゃぁん!!!!!」
ヴィダルダスはその後ろ煽るようにギターをかき鳴らす。
すると、ヴィダルダスの後ろにある通路からルーシィが緊張した表情で戦いを覗いていた。
(やるしかないわね……)
○
ハルトたちは隠れて作戦を立てていた。
「ジュビアを操っているのはあのキモロン毛だ……あいつさえ倒してしまえば、ジュビアは元に戻って、3対1になって一気にこっちが有利になる……はず」
「じゃあ最初にあのロン毛を倒すのね?」
「ああ、そこでルーシィがあのキモロン毛を倒すんだ」
ハルトのその言葉に驚くルーシィ。
「えっ!?アタシが!?む……無理よ!あいつってヤバい奴なんでしょ!」
「今の俺はあの梟とジュビアを抑えることしかできない。どっちも倒すなんて無理だ。だからルーシィ。お前がやるしかないんだ」
○
「アタシがやるしかない……」
ルーシィは鍵を握りしめ、覚悟を決める。
ヴィダルダスの後ろに姿を現し、鍵を向ける。
「開け!!巨蟹宮の扉!!キャンサー!!!」
「エビ!!」
「ホワッツ!!?」
「キャンサー!あのロン毛を倒しちゃって!!」
「了解エビ!!」
ルーシィはキャンサーを呼び出し、すぐさま攻撃をするように指示をだした。
キャンサーはヴィダルダスに迫るが、その瞬間ヴィダルダスはいやらしい笑みを浮かべた。
ヴィダルダスは頭を激しく振り、髪が意思を持ったかのようにキャンサーにまとわりつき、束になってキャンサーを滅多打ちにする。
「暗殺部隊の人間がただ操るだけの魔法しか使えねーわけねーだろ!!」
「キャンサー!!?」
「ルーシィ……すまないエビ」
キャンサーはダメージを受けすぎて星霊界に帰ってしまった。
「次はお前だぜ!子猫ちゃぁん!!」
ヴィダルダスがルーシィを指差すとハルトと戦っていたジュビアがルーシィに襲いかかる。
「ルーシィ!!がっ!?」
「よそ見とは余裕だな!!ホーホホゥ!!!」
「力が出ねぇ……!!!」
ハルトがルーシィのほうを見るが梟はそれを許さず、追撃するが、ハルトは腕を組んで受け止める。
しかし梟の力が強いのか、ハルトが弱って受け止めきれないのか梟の勢いに負けて、押されてしまう。
「負けるか、よぉっ!!!」
ハルトは重心をずらし、梟の勢いを利用し、投げ飛ばす。
「ホホウ!やるな!ならばこれはどうだ!!」
梟はすかさず受け身をとり、低姿勢の構えを取る。
「ミサイルホーホホゥ!!!」
梟に背負われていたミサイルは2つとも同時に飛び出しハルトに迫る。
「くっ!」
ハルトはなんとか屈んでかわすが、ミサイルは急な旋回をし、ハルトの背中に張り付いた瞬間、アームが伸びハルトを捕まえる。
「なっ……うぷっ……おえぇぇぇっ!!」
滅竜魔導士は極端に乗り物に弱く、すぐに酔ってしまう。
しかも毒が回っていつもよりひどくキラキラと口から出てしまう。
「弱ってきたようだ。今だ!キャプチャーホーホホゥ!!」
「ウソ!?ハルト!!」
梟の真上に運ばれたハルトは口を大きく開け、落ちてきたハルトを飲み込んだ。
「何してるのよ!ハルトを放して!!」
ジュビアの大波から抜け出したルーシィが梟に鍵を向ける。
「開け!金牛宮の扉!!タウ……」
「覇竜の剛拳!!」
ルーシィが言い終わる前に梟はルーシィの懐に入り、ハルトと同じ魔法を放った。
「かはっ!」
「ホーホホゥ!素晴らしい魔力だな!!力が溢れる!!」
梟の頭部の毛はハルトと同じオレンジ色になり、目つきもハルトに似ている。
「ううう………な、なんで……ハルトと…同じ魔法を……」
痛む腹を抑え蹲り、苦しみながらルーシィは梟に問いかける。
「ホーホホゥ!私は捕食した者の魔力を消化し自分の物にできるのだ」
「そんな……」
「おい!梟!!テメーがトドメ刺そうなんてしたんじゃねぇぞ!!!オレはキャットファイトを見てーんだよ!!!!」
「ならば早くしろ。他の者たちを倒さねばならん」
「オゥケェーー!!ジュビアちゃん!やっちゃって!!!」
「ヒャッハァー!!覚悟しろよメスブター!!!」
またジュビアは大波になり、ルーシィを巻き込み苦しめる。
(息が…できない……!)
(ルーシィさん。こんなのはジュビアじゃないです!!!)
(!!ジュビアの声!? そうか!!ここがジュビアの中だから…)
(ジュビアは仲間をキズつけたくない……仲間…なんておこがましいかしら……確かにアナタは恋敵だけど……)
(違うけど……)
今の操られて下品な物言いとは全く違う悲しそうな声でルーシィに語りかける。
(ジュビアは妖精の尻尾が大好きになりました。仲間想いで……楽しくて……あたたかくて……雨が降っててもギルドの中はお日様が出てるみたい……せっかくみなさんと仲良くなれそうだったのに……ジュビアはやっぱり不幸を呼ぶ女……)
ジュビアは残虐な笑みを浮かべているはずなのに、ルーシィには涙を流しているように感じた。
大波から抜け出したルーシィは立ち上がり、ジュビアに挑戦的に指を指す。
「仲間のために涙を流せる人を!妖精の尻尾が拒むはずがない!!胸張っていいわよ!!アンタのおかげでいいこと思いついちゃった!!!」
「くだんねぇな!!!とっととイカしてやりなジュビアちゃんよォ!!!!」
「水流激鋸でバラバラになりなァ!!!!」
ジュビアは回転する水流になりルーシィに迫る。
ルーシィはその水流に鍵をもちながら、その手を突っ込んだ。
手は切り刻まれながらも、力強く叫んだ。
「開け!!!宝瓶宮の扉!!!!アクエリアス!!!!!」
ジュビアの体からルーシィが持つ最強の星霊アクエリアスが現れた。
「ジュビアの体から星霊を呼んだ!?」
「水なら最強の星霊アクエリアスが呼べる!!アンタのおかげよ!!アクエリアスお願い!!」
「やかましいわ小娘どもがあぁぁぁっ!!!!」
アクエリアスは突然激昂し、ヴィダルダスではなくルーシィめがけて水を放った。
「ヒィィィ!!!」
「やあああ!!!」
「ぬおおおおおおっ!!!?」
その水はルーシィたちを巻き込んだが、確実にヴィダルダスにも届く。
しかし、水を吸収するヴィダルダスの髪はアクエリアスの水さえも
吸収してしまう。
「ジュビア!!」
「ルーシィ!!」
ルーシィとジュビアはアクエリアスの荒波の中でも互いに手を伸ばし、握りしめる。
その瞬間、2人の魔力が爆発的に跳ね上がる。
「なに……この魔力の感じは……まさか……」
監視していたジェラールはヴィダルダスと梟の2人に弱っているハルトも含めて3人ともすぐにやられるだろうと考えていたが、爆発的に上がった魔力を感じ取り冷や汗を流しながら驚く。
「合体魔法だと!!?」
ルーシィとジュビアの魔力は合わさり、星霊魔導士特有の金色の魔力と水流が合わさり、ヴィダルダスを吹き飛ばした。
「やった!!」
「ジュビア!元に戻れた!!!」
2人は喜びを分かち合い、互いに抱きしめ合う。
しかし、そこに怒りを孕んだ声でアクエリアスがルーシィに声をかける。
「つーかとんでもないトコから呼び出さんじゃないよ。しまいにゃトイレの水から呼び出す気じゃねえだろうな?……殺すぞ、てめえ」
「ご…ごめんなさい……」
「素で怖い……」
アクエリアスに睨まれ詰め寄られたルーシィは震えながら謝った。
「ホウ……ヴィダルダスめ、遊んでいるからやられてしまうのだ」
奥でアクエリアスの荒波を避けていた梟が現れる。
「なんだ。もう1人いたのか?」
「う…うん。アクエリアスやっつけちゃって!!」
「命令すんな。言われなくてもやってやるよ。だけど……」
アクエリアスは相手の魔力を感じとって冷や汗を流す。
ハルトをキャプチャーした梟はハルトの魔力を吸収し、さらに魔力が大きくなっている。
「ホーホホウ!いくら増えようとこの梟には敵わないぞ!!」
まだ、戦いは終わらない。