FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

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お久しぶりです。
テストやら色々あったので更新が遅れてしまいました。
途中でやめないことは決めているので暖かく見守ってくれれば嬉しいです。
それではどうぞ!!


第53話 竜の逆鱗

「ほう…俺を倒すか」

 

ハルトの言葉にジェラールはニヒルに笑う。

まるでできるはずがないと言っているようだ。

 

「なっ…!ハルト!いくらお前でも聖十の称号を持つジーク……ジェラールを倒すなんて無理だ!早く逃げろ!!」

 

「あまり大口を叩かないほうがいいぞ?お前はあのカミナと二人掛かりでも俺と同じ聖十のジョゼに苦戦したんだからな」

 

エルザはハルトに逃げるように必死に言い、ジェラールは小馬鹿にした口調でハルトに言うがハルトはそれらを一切聞かず、ジェラールに向かって歩く。

 

「ふん……あの覇王と言えどやはりただの愚か者か……少し楽しみにしていたんだが、これで終わりだ!!」

 

ジェラールは光を纏い、歩いてくるハルトに迫り、魔力を込めた手刀を突き刺そうとしたが、

 

「オラァッ!!!」

 

「がっ!!?」

 

手刀がハルトの顔に突き刺さろうとした瞬間、ハルトは手刀を体をよじってかわし、カウンターでジェラールの顔に拳を叩き込んだ。

 

「舐めるなよ……ジョゼの時は二人とも魔力も体力も削った状態で戦ったんだ。万全の状態なら負けねえぞ」

 

柱に吹き飛んだジェラールを睨みながらハルトは魔力を滾らせる。

 

「それにな。俺は怒っているんだ」

 

拳を血が出そうになるほど握る。

 

「よくもエルザを泣かせたな」

 

吹き飛んだジェラールは柱の瓦礫に埋まりながらハルトを睨み、また流星を纏ってハルトに迫る。

しかも今度はさっきとは段違いの速さだ。

 

「はあぁぁぁぁぁっ!!!」

 

ジェラールは高速にハルトを攻撃し続ける。

ハルトはその攻撃を腕を交差して防ぐ。

 

「ハハハッ!さっきまでの威勢はどうした!!?」

 

ジェラールは挑発するように言いながら、手刀をハルトにめがけて振り下ろすがハルトはその腕を掴み、さらにもう一方の腕も掴んで、ガラ空きになったジェラールに向かって頭突きを放った。

 

「らぁっ!!」

 

「ぐっ!!」

 

もろに食らってしまったジェラールはたたらを踏み、ハルトはすかさず魔力を纏った蹴りを放った。

 

「覇竜の施尾!!」

 

吹き飛ぶジェラールを見たハルトはナツを見る。

 

「ナツ今だ!行け!!」

 

「待ってくれ!ナツ離してくれ!!」

 

ナツは動けないエルザを背負い、その場から離れた。

 

「これでゼレフへの生贄がいなくなったな。お前の負けだ」

 

「別に生贄はエルザじゃなくてもいい。エルザ同様に高い魔力の素質があればな。そうだな……例えばお前とかな」

 

ジェラールは上着を脱ぎ捨て、魔力を高めてハルトを睨む。

ハルトも拳を自分の前に作ってジェラールを睨む。

 

「できるものならやってみろ」

 

二人は同時に動き出し、ぶつかった。

 

 

ナツは自分が登ってきた階段をエルザを背負いながら、降りていた。

 

「ナツ離してくれ!私がジェラールを止めなくてはいけないんだ!!」

 

口ではそう言っているが背負われても抵抗しないので、まだスーネークバイトが溶けていないのだろう。

そして背負っているナツはエルザの言葉を聞いてプルプルと震えている。

 

「だー!!!ウルセェ!!!」

 

「なっ……」

 

「動けないなら行っても仕方ねえだろうが!!!俺だって残ってジェラールと戦いたいのによォ……」

 

「………」

 

エルザはナツにそう言われ何も言い返すことができなかった。確かに動けない自分が戻っても何もできないのは明らかだ。

しかし、エルザの心には今だにジェラールを救いたいという気持ちが残ってどうしようもなかった。

 

「エルザ!!ナツ!!」

 

すると二人を呼ぶ声が聞こえ、振り向くとダメージを受けて動けなかったシモンがいた。

 

「シモン!もう大丈夫なのか?」

 

ナツはエルザを降ろし、シモンに話しかける。

 

「ああ、なんとかな。エルザも無事でよかった」

 

「……ああ」

 

エルザの元気のない声に一瞬、シモンは訝しげにしたが気のせいだと思い、気にしなかった。

 

「ハルトはどうした?」

 

「上でジェラールと戦っているよ。オレだって戦いてぇのに……」

 

今だにナツはブツブツ言っているが、それを聞いたシモンは少し難しい顔をした。

 

「大丈夫か?あの覇王と名高いのは知ってるがジェラールは聖十の称号を持つほどだぞ。勝てるのか?」

 

シモンの言葉にナツは自信に満ちた顔で返す。

 

「当たりめーだろ!!ハルトが倒すって言ったんだ。絶対勝ってくる!」

 

理由は不確かなものだがその言葉には確かな信頼があった。

シモンもそれを信じることにした。

するとあることに気づいた。

 

「おい。エルザはどこにいる?」

 

「エルザなら後ろにいる……」

 

ナツが振り向くと壁に背中を預けるように座らせたエルザの姿はどこにもなかった。

 

「……って、いねぇ!?どこに行ったんだ!!?」

 

「まさかジェラールのところか!?」

 

「はぁ!?」

 

「エルザは未だにジェラールのことを想っているんだ。自分の命を引き換えにするくらいだ。戻ってもおかしくない……」

 

「じゃあ探すしかねえだろ!!」

 

「ああ!俺はこっちを探す!ナツはそっちを頼むぞ!!」

 

その頃ハルトとジェラールの戦いは激しさを増していた。

二人がぶつかり合うたびに光が弾け、空気が震え、巨大魔水晶が崩れる。

 

「オオオォォォォォッ!!!!!」

 

「ハアァァァァァァッ!!!!!」

 

二人は一進一退の戦いを続けるが、ハルトがジェラールを押し始めた。

 

「覇竜の剛拳!!」

 

「ガハッ!」

 

重い一撃がジェラールの腹に刺さり、ジェラールは苦しそうに声を出す。

 

「ならこれならどうだ!」

 

ジェラールはハルトの頭上を飛ぶとジグザグに動く。

 

「7つの星に裁かれよ!!!『七星剣』(グランシャリオ)!!!!」

 

ジェラールが軌道を描いた光は北斗七星の形をとり、その光から7つの巨大な光球が振り落とされる。

その光球ははハルトを中心に落ち、地面を大きくえぐるほどの爆発を起こした。

 

「ふぅ……少しやり過ぎてしまったか。ラクリマから魔力が漏れ出し始めたな」

 

ジェラールがラクリマに目を向けるとラクリマから魔力が漏れ出してきている。

そして、七星剣が落ちたところに目を向け、ハルトがどうなったかを確かめる。

七星剣は隕石と同様の威力を持ち、それがハルトに直撃したのだ。

常人ならば確実に死んでいるだろう。

ジェラールは死にはしないだろうが、気絶はしているだろうと考えたがその考えは外れていた。

 

「!!」

 

煙が徐々に晴れるとそこには何本もの覇竜の剛腕がドーム状に形作っており、それにヒビがはいり割れると無傷のハルトが立っていた。

 

「覇竜の剛腕・包華」

 

「チッ!」

 

「覇竜の断刀!!」

 

「ガッ!?」

 

ハルトは足から魔力を噴出し、一気にジェラールに近づき断刀で斬り、動けなくなった瞬間に魔力を極限まで拳に貯め、解き放つ。

 

「竜戟弾!!!」

 

一直線に解き放たれた魔力はジェラールを突き刺し、壁に打ち付けた。

新技『竜戟弾』(りゅうげきだん)は竜牙弾を拳に付加することで、威力を一点集中することに成功した技だ。

ルシェド、ジョゼとの戦いで偶然思いついたものを磨き、完全に自分のものにしたのだ。

 

「アアアアアアアッ!!!」

 

もろに技を貰ったジェラールは叫び声を上げ、服は竜戟弾が食らったところは大きな穴が空き、ジェラール自身もボロボロだ。

ジェラールは立ち上がろうとするがダメージが大きすぎて立ち上がれない。

 

「これで終わりだ」

 

(ここまで強かったのか……!? ハルト・アーウェングス!!!)

 

ジェラールはハルトの圧倒的な強さと静かに感じるハルトの怒りに体が震えてしまう。

拳に魔力を貯めながら、ゆっくりと歩いてくるハルトと倒れたジェラールの間に割り込んでくる者がいた。

 

「エルザ?何してんだ。そこを退け」

 

「頼むハルト。ジェラールは私に任せてくれないか?」

 

エルザの言葉に一瞬呆然としてしまったがすぐに意識を戻す。

 

「ダメだ。お前はジェラールを斬れなかったんだろうが。だから俺が代わりにそいつを殴る」

 

「頼む!ジェラールは過去に囚われているだけなんだ!!私が未来に導いてやらなければいけないんだ!!!」

 

エルザの心には過去の後悔が強く残っていた。

自分が強ければジェラールは狂うことがなかった、仲間をつらい目に合わせることがなかったといつも考えていた。

 

「エルザ……」

 

エルザの叫びを聞いて、ハルトは動きを止めてしまう。

その瞬間、エルザの後ろで倒れたジェラールは立ち上がりエルザの首を絞める。

 

「うあっ!」

 

「エルザ!!」

 

「動くな!!!動くとエルザの首を折るぞ!!!」

 

ジェラールはエルザの首に力を加え、ハルトを牽制する。

 

「助かったぞエルザ。お前のおかげでアーウェングスの動きを封じることができた!!」

 

ジェラールはそう言い、魔力弾をハルトに放ち、ハルトはそれを受けて耐える。

 

「ハルト!!」

 

「ふん」

 

「あっ!」

 

ハルトを呼ぶエルザをジェラールはラクリマの壁に叩きつけると、ラクリマは再びエルザを取り込み始めた。

 

「愚かだな。最早お前の声など俺には届かん。ただ仲間をピンチにしただけだった」

 

ジェラールは魔法弾の雨をぶつけながら取り込まれるエルザにいやらしげな笑みを浮かべてそう言い、エルザは自分の決意をバカにされ、さらには仲間を危険に晒したことにまた涙を流す。

 

「だから………」

 

魔法弾の雨にずっと耐えていたハルトの口からボソッと言葉が溢れ、ジェラールがハルトに目を向けると戦慄した。

 

「エルザを泣かすんじゃねえ」

 

血管が浮き上がるほどの怒りを顔に浮かべたハルトに恐怖を感じてしまい、一瞬動けなくなってしまいその隙を見て、ハルトは一気にジェラールの懐に入り込み、拳を振るう。

 

「ぐっ!!」

 

ジェラールはなんとか拳を避けたが、拳の勢いで風ができ、勢いが強く飛ばされてしまう。

強い風を感じてジェラールは違和感を感じた。

 

(こいつ……さっきより力が上がってないか……?)

 

最初に戦いだしてから力が益々上がってきているのを感じた。

そしてあることに気づいてしまった。

 

(アーウェングスの体から魔力がラクリマに流れてる……?いや……これはまさか!!?)

 

「貴様!!楽園の塔の魔力を吸い取っているのか!!?」

 

ラクリマに蓄積された様々な属性の魔力がハルトに向かって黄金の魔力に変わっている。

ハルトの滅竜魔法の特性、『統合』。

くらった魔力がどの属性であれ自分の魔力にしてしまう能力があり、そのためハルトの魔力は珍しい『無属性』の魔力なのだ。

それはさておき、普通なら自分から摂取していない魔力が勝手に集まることなんてありえない。

 

「あ?知るかよ。今はお前だけをぶっ飛ばすことができればいいんだからよ」

 

(自覚がないのか……?怒りでハルトの滅竜魔法が勝手に動いているのか……?)

 

ジェラールの考えは当たっており、怒りがハルトの魔力を底上げし、溢れた魔力が勝手にラクリマの魔力を集めているのだ。

ジェラールは竜の逆鱗に触れてしまったのだ。

益々上がるハルトの魔力にジェラールは冷汗を流す。

 

(このまま魔力を吸われてしまっては計画が全て台無しだ!!ここはアーウェングスを一撃で殺すしかない……!!)

 

 

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