FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

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日常 篇
第56話 新しいギルド


ギルドに戻ったハルトたちの目に入ったのは全く新しくなったギルドの姿だった。

 

「おおーこれは……」

 

「すごい!」

 

「新しくなっているでごじゃる!!」

 

妖精の尻尾のギルドは昔の宮殿みたいな建物から、城みたいな大きな建物になっていた。

 

「さっそく中に入りましょ!」

 

「…………」

 

みんなが中に入って行く中、ナツだけはムスッとした顔で腕を組んで動かない。

それに気づいたハルトは声をかける。

 

「どうした?中に入らないのか?」

 

「………前と違う」

 

「ん?ああ、ギルドか」

 

ハルトに促され、ナツは渋々と入っていくと先に入っていったルーシィたちがギルド内にできた庭の売店に集まっていた。

 

「何したんだ?」

 

「見て欲しいでごじゃる!せっしゃたちのフィギュアでごじゃる!」

 

そこには多くの妖精の尻尾の魔導士たちのフィギュアが売られていた。

 

「お!ハルトとナツか!おかえりー」

 

売店で売り子をしていた妖精の尻尾の魔導士の1人、マックスはハルトとナツに挨拶しながらフィギュアを見せてくる。

 

「どうよ!なかなかの出来栄えだろ!」

 

「おう。確かによくできてるな」

 

ハルトはマックスに渡されたルーシィのフィギュアをまじまじと眺める。

 

「は、恥ずかしいからやめてよ〜」

 

「さらになんと……」

 

ルーシィが自分のフィギュアを見られるのが恥ずかしいのか、ハルトからフィギュアを取り上げようとすると、

 

「キャストオフ機能付きだ」

 

手が当たった反動でルーシィフィギュアの服が外れ、下着姿のルーシィができた。

 

「キャアーッ!!見ないで!!!」

 

「うおっ!?」

 

ルーシィはフィギュアを取り上げて、顔を真っ赤にして睨む。

 

「う〜」

 

「わ、悪かったって」

 

「マックス殿。せっしゃのフィギュアは売れてるでごじゃるか?」

 

「マタムネのは女性に不人気だから売ってないよ」

 

「ガーン……!」

 

 

そしてギルドの中に入ると、中は前よりさらに広くなっていた。

 

「わあ、キレイ!」

 

「おーお主ら帰ってきたか」

 

出迎えたのは妖精の尻尾のギルドマスター、マカロフだ。

 

「どうじゃ!キレイになったじゃろう!」

 

「あの落書きみたいな設計図からよくできたな……」

 

「じっちゃん!前と形が違えぞ!!」

 

マカロフが自慢気にするが、ハルトはマカロフの下手な設計図図からこんな立派なギルドができるとは思えなかったので驚きを通り過ぎて少し呆れ、ナツはまだなっとくがいかないのかマカロフに食ってかかる。

 

「当たり前じゃろうに……他にも色々と増えたからのぉ。プールに地下遊技場、さらに二階に行けるようにもなった!しかしS級クエストに行く時はS級の者と同伴しなければいかん」

 

みんなが新しくなったギルドを眺めているとマカロフはあることに気づいた。

 

「おお、そうじゃった!新しく入ったメンバーを紹介せねばのぉ。ほれこっちじゃ」

 

マカロフの合図でハルトたちの前に現れたのは、

 

「新メンバーのジュビアじゃ、かわええじゃろ」

 

「よろしくお願いします」

 

ハルトたちと共に楽園の塔で戦ったジュビアだ。

 

「ははっ!!本当に入っちまうとはな!!」

 

「ジュビア……アカネでは世話になったな」

 

「ん?知り合いか?」

 

「みなさんのおかげです。ジュビアは頑張ります!!!」

 

「よろしくね!」

 

マカロフはエルザとハルトに小声で話しかける。

 

「ならば知っとると思うが、こやつは元々ファントムの……」

 

「気にしねえよ。もう仲間だ」

 

「ええ……心配には及びません」

 

それを聞いてマカロフは安心する。

 

「それならもう一人の新メンバーも紹介しとこうかの。ホレ!!挨拶せんか」

 

マカロフがあるテーブルを向くと鉄を砕く音を鳴らしながら何かを食べている男が座っていた。

それを見たハルトたちは驚く。

 

「ガジル!!!?」

 

「なんでコイツが!!!」

 

元ファントムの魔導士であり、ハルトやナツと同じ滅竜魔導士であるガジルだった。

 

「ジュビアはともかくコイツはギルドを壊した張本人です」

 

「あ、あの!ジュビアが誘ったんです!!放っておかなくて……」

 

「まあまあ。昨日の敵は今日の友というじゃろ」

 

すると柱に隠れながらこっちを見ていたレビィも気にしていないと言うが震えて怖がっているのがわかった。

さらにはレビィと同じチーム、シャドウギアのメンバーであるジェットとドロイはガジルを鋭く睨んでいた。

 

「安心せい。もしもの時のためにカミナがいてくれておる」

 

「まあ、それならば……」

 

マカロフがそう言うと奥から不機嫌そうなカミナが歩いてきた。

 

「ふん……もしもの時とか言いながら何も起こっていないじゃないか。マスター、俺はいい加減仕事に行くぞ」

 

「まあ、待て、お前は働きすぎじゃ。たまには休むのもいいじゃろ」

 

カミナはマカロフにそう言われ、渋々とだが承諾した。

するとマカロフは冷汗を流しながらカミナに小声で話しかけた。

 

「本当はナツが帰ってから面倒くさいと思っての……ハルトと共にあやつらを止めてくれい。あともう少しの間だけでいいから!」

 

「やっぱりそれか……あと少しだけだからな」

 

カミナは呆れたようにため息を吐く。

 

「よお珍しいな。お前がギルドにいるなんて」

 

「黙れタンポポ頭。なんでバカンスに行ってきて傷だらけで帰ってきたんだ。羽目を外しすぎたのか?髪だけじゃなく、頭の中も春なのか?」

 

ハルトがカミナに話しかけるが、カミナは流れるように悪口を言う。

 

「……相変わらず機嫌が悪いと口がクソ悪くなるな、別にそういうわけじゃねえよ」

 

「うう〜〜なんか居心地が悪りぃな……新しいギルドは……」

 

ナツは新しいギルドが落ち着かないのか、ガジルがいるのが嫌なのか、ソワソワとしている。

 

「まあ、そんなとこで突っ立てないで座ったらどうじゃ?そろそろメインイベントが始まるぞ」

 

マカロフにそう促され座るハルトたちはもう各々自分がしたいようにしている。

ナツはガジルを睨み、グレイは服を脱ぎ、エルザはケーキを食べている。

そこであることに気づいたマタムネはカミナに話しかけた。

 

「そういえばカミナ殿、ミラ殿と一緒じゃないのでごじゃるか?いつも一緒にいてラブラブなのに」

 

カミナがギルドに帰ると暴走してしまうミラが珍しくカミナの側にいなかったのだ。

 

「お前には関係ないだろ。エセ侍ネコ」

 

機嫌が悪いカミナには何を言っても辛辣な言葉で返ってくるだけで、メンタルご弱いマタムネは涙目になってルーシィに抱きつく。

 

「うぐっ……エセ侍って……ルーシィ殿〜なにか言い返して欲しいでごじゃる!」

 

「ええっ!?なんでアタシなのよ?ハルトに頼めばいいじゃない!あと顔を胸に埋めるな!!」

 

ルーシィがそう言うがマタムネはルーシィの胸に顔を埋めながら答えた。

 

「ハルトに頼むのはちょっと……お願いでごじゃる!」

 

「お願いって……アタシ、カミナさんと話したことないし……」

 

マタムネに頼まれたルーシィは涙目のマタムネを見て渋々ながら了承した。

なんやかんやルーシィはマタムネに甘かった。

そして恐る恐るカミナに話しかける。

 

「えっと……あの……か、カミナさん?」

 

「なんだ?」

 

ルーシィは勇気を出して話しかけたがカミナの抜き身の刀のように鋭い眼光にたじろぐ。

 

「なんでもありません!すいませんでした!!」

 

「えっーー!!?」

 

勢いよく頭を下げ謝るルーシィに、マタムネは驚く

 

「何しているでごじゃるか!!言い返さないと!!」

 

「無理よ!殺されるかと思った!!」

 

ルーシィは泣きながらマタムネと言い合いになる。

 

「おい、あんまいじめんなよ」

 

「別にいじめたわけじゃない。勝手にあっちが怖がっただけだ」

 

「ちょっと静かにしなさいよ!そろそろ始まるわよ」

 

一緒に座ってきたカナがそう言うとギルド内の明かりが消え、ステージにかかっていたカーテンが外された。

そこにはギターを持ったミラが座っていた。

 

「ミラさん?」

 

「何が始まるんだ?」

 

「いいから黙って聞いてろ」

 

ミラは美しい声で歌いだし、その歌は危険な所に行く仲間の安全を思っての歌でみんな聞き入っていって、みんなから惜しみない拍手が送られた。

 

「最高〜!!!」

 

「いいぞー!!!」

 

「フン……」

 

みんなが感激の叫びをあげると、つまらなさそうにしていたガジルはわざとナツの足を踏んだ。

 

「痛えー!!!!」

 

「ギヒ」

 

「何すんだよ!この野郎!!」

 

「あ?」

 

「おい!聞こえねだろうが!!!」

 

ナツがガジルに怒鳴るとミラの歌が聞こえないと誰かがナツとガジルに向かって空き瓶を投げぶつけた。

 

「誰だ今投げたのは!!!」

 

「ヒィィッ!!」

 

激昂したナツがテーブルをひっくり返して喧嘩を始めた。

その余波でグレイ、エルザと周りのほとんどが喧嘩に加わる。

そしてそのとばっちりハルトにも届いていた。

 

「おい!お前ら暴れるな……だっ!?」

 

「邪魔だー!!!」

 

ナツに殴り飛ばされたエルフマンがハルトにのしかかり、潰されてしまった。

 

「ちょっ……!ちょっと!ハルト大丈夫!?」

 

なんとか巻き込まれなかったルーシィはハルトを心配し近づくとエルフマンが邪魔だった。

 

「ぐっ!喧嘩は漢のはなー!!?」

 

立ち上がったエルフマンがナツたちに向かって威勢良く吠えようとしたが背後に立ち上がったハルトがエルフマンの肩を掴み、外に投げ捨てた。

 

「は…ははっ……いいぜ。お前らがその気ならこっちもやってやるよ!!!」

 

額に血管を浮かび上げたハルトは全身に魔力を滾らせ、完全にキレていた。

 

「えー!?ハルトまで!!?」

 

「案外ハルトも沸点が低いでごじゃる」

 

驚くルーシィを尻目にハルトは喧嘩をしている群衆に飛び込み、何人もの人を吹き飛ばす。

それをそばで見ていたカミナはため息を吐いた。

 

「バカが……止める側のお前が喧嘩してどうするんだ」

 

カミナは巻き込まれるのは御免だと言い、その場から離れようとしたがその呟きは喧騒の中にいたハルトにしっかりと届いていたらしく、ゆっくりと振り向きカミナをギロリと睨んだ。

 

「あぁ?何か言ったかコラ?すましてんじゃねぞ。このムッツリスケベが」

 

「何……?」

 

ハルトのムッツリスケベという言葉に立ち止まる。

 

「水着姿の女見るだけで顔を赤くするようなお前のことだよカミナ!」

 

気づけばさっきまで喧嘩していた全員が動きを止め、ミラも盛り上がりバラードからロックに変え、演奏していたがそれを止め冷汗を流しながらハルトとカミナを見る。

 

「え?みんなどうしたの?」

 

「まずいでごじゃる……」

 

ルーシィは急にみんなの様子が止まったことに疑問をもち、戸惑うが側にいたマタムネも冷汗を流す。

 

「未だにミラに迫られると慌てるもんな。お前は!!」

 

「そ、そうなの?カミナさんってすごくクールな感じがするんだけど?」

 

「いや、それは……」

 

カミナはわざとらしくため息を吐く。

 

「キレて自分が何を言っているかわかっていないようだな。この単細胞が……」

 

振り向いたカミナの顔は明らかにキレかかっていた。

 

「今も傷だらけなんだ今さら傷が1つや100増えても変わらないな」

 

カミナも全身に魔力を滾らせ、刀を抜く。

まずいと思ったグレイは慌てて止めに入る。

 

「お、落ち着けってカミナ!ハルトもわざと言ったわけじゃ……」

 

「黙れ」

 

カミナは無慈悲にも刀の石突き部分で脳天を打ち抜き、再起不能にした。

 

「ぐ、グレイ様ー!!?」

 

「あ〜あ、これは止まらないでごじゃるな」

 

「ね、ねえ!いったいどうなっているの!?」

 

ジュビアが頭から煙を出して気絶したグレイに駆けつけ、わけがわからなくなったルーシィはマタムネにたまらず聞いた。

 

「普段は仲はいいでごじゃるが、2人の喧嘩となるとギルド全員で止めないと収まらない勢いになるでごじゃる」

 

「えぇ!?常識人のハルトとカミナさんが!?」

 

「キレると2人とも恐ろしく怖いでごじゃるからな。まぁ、カミナは自分の本当のことを言われて恥ずかしいだけ……」

 

マタムネがそれ以上の言葉を続けようとした瞬間、短刀がマタムネの頭目掛けて放たれ、頭頂部の毛を刈り取り柱に刺さった。

短刀が飛んできたほうを向く。

カミナが左手をこっちに向けた状態で睨んでいた。

 

「黙れ」

 

「「ハイ」」

 

あまりの恐ろしさにカタコトになって固まる。

 

「おい。八つ当たりしてんじゃねえよ」

 

「はっ。虫が飛んでいたから潰してあげただけだ。タンポポ頭」

 

「それを言うんじゃねえよ!!!!ムッツリスケベがぁ!!!!!」

 

「お前もそれを言うな!!!!タンポポ頭ぁ!!!!!」

 

2人の喧嘩が始まり、周りら巻き込まれ吹き飛んでいく。

最早一種の嵐のようだ。

それを見ていたマカロフは涙を流して膝をついて、悲痛な叫びをあげた。

 

「お前らぁっ!!!明日には週刊ソーサラーの記者が取材に来るのじゃぞぉっ!!!!」

 

しかしマカロフの叫びは誰にも届かなかった。

 

「あ!マスター!!片方の壁が吹き飛んじゃいました!!」

 

「イヤァァァッーーー!!!!!」

 

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