FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS 作:マーベルチョコ
戦いが終わり、帰りの馬車でハルトたちと戦った男はハルトたちと同じ馬車に乗っており、体を色々な機械の拘束具で固められ身動きが取れない状態で気絶していた。
「おい、カルバート。これはどういうことだ。この人は一体何者なんだ?あの鋼鉄の肌みたいなものは何なんだ?」
「ギルドってのは必要以上の詮索はしちゃいけないんじゃないのか?」
エルザがカルバートに聞くがカルバートは何も話す気がないのか、それだけを言って黙った。
「じゃあ、こっちから質問する」
「おい、だから……」
「この人はお前の家族か?」
ハルトのその言葉にカルバートは固まる。
「え?家族?」
「匂いがお前とよく似てる。機械の匂いがするところもな」
「………」
カルバートは何も言い返さず黙ってハルトと目を合わせたままでいると、
「その通りだ……」
気絶していた男が目を覚まし、ハルトの質問を肯定した。
「俺の名前はアルバス。カルバートの兄だ」
「黙れ!お前は兄貴なんかじゃない!!」
カルバートは声を荒げ、男、アルバスの胸ぐらを掴む。
その表情は怒りに染まっていた。
「実の兄に向かってこんなことをするなんてな」
「俺の兄貴は15年前に死んだ!!お前はただの機械だ!!!」
「お、おい。どういうことだよ」
ハルトたちもよくわからず聞こうとした瞬間、馬車の窓が割れアルバスの胸ぐらを掴んでいたカルバートの腕が吹き飛んだ。
「グアァッ!!!?」
「カル!!」
「なんだ!?」
「攻撃だ!!」
「いったいどこから!?」
ハルトたちが突然のことに驚いていると道の茂みから何かが現れ、馬車にぶつかり、馬車は横倒しになってしまった。
○
「いたた……何があったの?」
ルーシィは横倒しになったときに打った頭をさすりながら、起き上がると突然馬車の壁が破壊され、巨大な鉄の爪が顔のすぐ横に突き刺さった。
「きゃあっ!!」
壁は次々と破壊され、爪が迫ってくる。
ルーシィは後ろに下がるが狭い馬車なのですぐに行き止まってしまう。
「ちょっ、ちょっと〜!いきなりなんなのよ!!」
壁が完全に破壊され、現れたのは全身が金属でできた蜘蛛の化け物だった。
「な、なにこれ…?」
化け物は巨大な爪を振り上げ、ルーシィを突き刺そうとし、ルーシィは目をつぶってしまう。
「覇竜の剛拳!!」
しかしハルトがそこに割り込み、化け物を殴り飛ばし、化け物は大きな凹みができ動かなくなった。
「大丈夫か!ルーシィ!!」
「は、ハルト〜」
ルーシィはハルトを見て、安心して体の力が抜ける。
「立ってくれルーシィ!今囲まれてるんだ!!」
「え?」
周りを見ると多くの蜘蛛の化け物が周りを囲んでおり、ナツたちが戦っていた。
「こんなにいるの!?」
「ルーシィこっちだ!」
ハルトに連れられ.岩の陰に行くとそこにはマタムネたちと腕が破壊された他に傷だらけのカルバートが横たわっていた。
「ルーシィ、マタムネたちと一緒にカルバートを看ていてくれ」
「う、うん」
それだけを言うとハルトはナツたちのところに戻った。
「ねえ。カルバートさんどうしたの?なんでこんなに傷だらけなの?」
「馬車から投げ出されたあと、あの蜘蛛の化け物がカルバート殿を狙って襲ってきたのでごじゃる」
「そうなんだ……」
「うぅ……っ」
「あ!目が覚めたよ!」
「大丈夫?」
「あ、アルバスは……」
「そういえばどこにいったのかしら?」
「俺のことはいい……早くアルバスを探してくれ……あいつらの狙いはアルバスだ……」
カルバートはそれだけを言うとまた気絶してしまった。
「あいつらって、あの機械の化け物のこと?」
「なんでアルバスが狙われるんだろう?」
「とりあえずハルトたちに伝えるでごじゃる!」
「うん。ハルトー!!」
ルーシィは岩陰から顔を出しハルトを呼んだ。
「なんだ!!クソッ!」
ハルトは多くの化け物と戦っており、そのうちの何体かが背中から2対の砲門を出し、ハルトに向かって撃ってくる。
「この化け物たちの狙いはアルバスなんだって!!」
「アルバス?なんであいつが……」
「わかんないけど、カルバートが探してくれって!」
「わかった!ナツ、グレイ、エルザ!!聞いたな!!こいつらはアルバスを狙ってる!俺はここでカルバートたちを守る!!先にアルバスを見つけるんだ!!」
「「「おう!!/わかった!!」」」
ナツたちは化け物の隙間を縫ってアルバスが消えて行った森の中に入った。
化け物たちはナツたちに目もくれずカルバートたちのほうに向かうがそこにハルトが立ちはだかる。
「お前たちの相手は俺だ」
○
エルザたちは三手に分かれてアルバスを追いかけた。
エルザがどんどん森の奥に行くとアルバスを見つけた。
「アルバス!!」
「君は……」
「妖精の尻尾のエルザだ。今回はいきなりのことですまなかった」
「いや、こちらこそすまなかった。先に手を出したのは俺のほうだ」
「カルバートがあの化け物たちは貴方を狙っていると言っていた。一緒にいたほうが安全だ」
「安全か……エルザと言ったな。頼みがある」
「なんだ?」
「俺を殺してくれ」
「なに!?」
アルバスの言葉にエルザは驚いた。
「どういうことだ……?」
「奴らの狙いは俺自身というよりこれだ」
アルバスはシャツの胸部分を開き、肌を見せると心臓部分が青く光った。
「それは……?」
「俺の体は脳以外は全て機械だ。そして奴らの狙いはこの機械の心臓だ。この心臓を壊せばそれで終わる」
「私は人殺しなんかしない!!」
「俺は人じゃない。ほとんど機械だ。気にすることなんてない」
「私たちが守る!軽々しく命を捨てるようなことをするな!!」
エルザはジェラールのことが頭によぎり強くそう言うが、アルバスは悲しげに笑みを浮かべる。
「優しいんだな。君は……」
アルバスがそう言った瞬間、横の森に顔をバッと向け、エルザに飛びかかり、押しのけた。
「なにを…!?」
「避けろ!」
次の瞬間アルバスの体は激しく爆発し吹き飛ばされた。
「アルバス!!」
「ぐっ……うぅ……」
アルバスの全身は皮膚が焼けただれ、その下の金属の部分が多く見え、さらに火花が至る所から出ている。
「しっかりしろ!!」
「に、逃げろ……コーサーが来た……」
「コーサー?」
エルザがアルバスを抱き起こすが、アルバスは動くことができない。
すると森の中から黒いコートに黒い手袋、サングラスをかけたスキンヘッドの大男が現れた。
「女。その男を渡せ」
「誰だ貴様は?」
「よ、よせ……」
「機体番号41657、コードネーム『コーサー』だ。もう一度言う。その男をこちらに渡せ」
「いきなり攻撃してきた者に渡すわけにはいかん!」
コーサーは冷たく感情がこもっていない機械的な声で話す。
「これより障害を排除する」