FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

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第63話 空間の魔女

突然現れた少女にナツたちは呆然とし、少女はナツたちの前に降りた。

 

「なに馬鹿面引っさげてんのよ。邪魔だからどっか行ってなさい」

 

少女はナツたちを見下げたように言い、ナツはカチンときた。

 

「ああ!?なんだテメー!!」

 

「邪魔だからそこで寝てる女を連れてどっか行ってなさいって言ったのよ。何?馬鹿だからわからないの?その頭みたいに頭の中も桜色なの?」

 

「テ、テメェ……!」

 

矢継ぎ早に馬鹿にされたナツは怒りでプルプルと震えてしまう。

そんなことをしていると森の中から化け物が多く現れた。

 

「チッ!またかよ!」

 

「鬱陶しいわね」

 

少女は再び上空に上がり、森を見渡すとクイーン3体を見つけた。

 

「おい!危ねえぞ!!」

 

浮かんだ少女の下から化け物から放たれたミサイルが迫り、着弾して爆発するが煙が晴れると無傷の状態だった。

 

「ふん」

 

「な、なんだ……?何かがあの子を守ったのか?」

 

突然のことが多すぎて訳がわからなくなっってきたグレイと怒りでいっぱいのナツは化け物が少女だけじゃなく、自分たちも狙われていることに気づかなかった。

 

「しまっ……!!」

 

気づいた時にはすでに魔法弾が放たれ、当たりそうなところでグレイとナツは咄嗟に目を閉じてしまう。

しかし、音だけするが痛みはいつまでたっても来ない。

目を開けると透明だがガラスのようにツヤがある立方体にナツ、グレイ、エルザは囲まれて守られていた。

 

「なんだ…これ?」

 

「あんたたち邪魔だからそこ動かないでよね!」

 

グレイが立方体に触れ確かめていると、少女が上からそう言い、クイーンがいるほうを向くとすでに逃げようとしていた。

 

「アタシから逃げられると思ってんの?」

 

少女が手をクイーンのほうに向けると立方体と同じ壁がクイーンたちの行き先を阻んだ。

少女は右手を手を下から持ち上げるような仕草をすると3体のクイーンが浮かび上がった。

クイーンは足をバタつかせ抵抗するが空振るだけで意味がない。

 

「すげぇ……」

 

「お、おい……あれ見ろよ」

 

ナツがあんな巨大なものを三体も持ち上げたことに驚いていると同時に下にいた化け物たちも浮かび上がった。

そして手のひらを上に向け、ゆっくり握ると浮かび上がったクイーンと化け物たちは一箇所に集まり中心に集まるように潰れていく。

 

「潰れなさい」

 

少女はそう言い右手を思いっきり握りしめ、化け物たちはありえないくらい小さくなり爆発した。

少女は呆然としている2人のほうを向いて上から偉そうに見下ろしていた。

 

「さあ、行くわよ」

 

 

ハルトは先にクイーンを倒し、残りの化け物も倒し終えたところだった。

 

「ふう……やっと終わったな」

 

「ハルトお疲れ様!……ゴメンね。アタシも魔力が残ってれば一緒に戦えたのに……」

 

カルバートと一緒に岩陰に隠れていたルーシィが出てきてハルトを労うが戦えなかったことに申し訳なさそうにしていた。

 

「いや、カルバートを見ててくれてこっちも助かった。ありがとなルーシィ」

 

「……うん」

 

ハルトはそう言い、ルーシィは少し複雑そうな表情をしていた。

 

「ハルトー!誰かがこっちに来てるでごじゃる!」

 

マタムネがそう言い、そっちのほうを向くと現れたのはエルザを抱えたナツとグレイだった。

 

「ナツ!グレイ!無事だったんだな!!……エルザはどうしたんだ?」

 

「…………」

 

「…………」

 

ナツとグレイに聞いても何も言わない。

 

「まさか……!」

 

ハルトはナツからエルザを奪い、地面に寝かせ脈と呼吸を確認した。

 

「くそ!心臓が止まってから何分たった!!?」

 

「え?心臓が止まった……?」

 

ルーシィたちはハルトの言葉に呆然とする。

 

「わかんねぇ……でも少なくても5分は経ってる」

 

「ギリギリかよ……!」

 

ハルトはその場で心臓マッサージを始めた。

 

「起きろ!エルザ!!」

 

「無駄よ。心臓に電気が走って痙攣させてるわ」

 

「じゃあ、どうしろってんだよ!!」

 

ハルトは誰かかわからない言葉に咄嗟に怒鳴るが、ふと横を見るとナツとグレイを助けた少女が浮いていた。

 

「ラナ!!?」

 

「久しぶりね、ハルト。邪魔だから退きなさい」

 

「え、誰?あの子?」

 

「知らないよ」

 

ルーシィがそう呟くがハッピーもわからず首を傾ける。

しかしマタムネは少女、ラナを見ると今までにないくらい震えていた。

 

「あ、あの方は……!!!」

 

「ど、どうしたの!?」

 

「あばばばばば………!!」

 

「マタムネ!?」

 

とうとうマタムネは泡を吹き出し、倒れてしまった。

 

「治せるのか?」

 

「アタシを誰だと思ってんのよ」

 

ハルトはエルザから離れ、ラナがエルザを浮かび上がらせ自分の目の前に来るようにし、品定めするように眺める。

 

「ふん。顔はまあまあ綺麗じゃない」

 

顔を見て視線を下に下ろして目つきが険しくなる。

ラナが見ていたのはエルザのたわわな胸だった。

次に自分のほぼ真っ平らな胸を見てさらに険しくする。

 

「何よ!こんなもの……!!」

 

そう言ってラナはエルザの胸を鷲掴んだ。

 

「お、おい!何してんだよ!!」

 

「やめろ!下手に逆らえば何もして貰えなくなる」

 

ナツとグレイがラナのいきなりの行動に驚き、止めに入ろうとするがハルトが止めた。

ラナは恨めしそうにエルザの胸を握り潰そうとするが、エルザの胸は柔らかくラナの小さな手の隙間からはみ出てしまう。

 

「アタシだってね!本来ならアンタくらいは……!!」

 

ラナは始終悔しそうにしていたが、ハルトが声をかけた。

 

「な、なあ…そろそろ……」

 

「わかってるわよ!!」

 

ラナはハルトに怒鳴ると目を閉じ、握っていた手に集中すると、突然ドンッと衝撃がエルザの体を貫いた。

 

「かはっ……!!」

 

その直後、エルザの口から空気が漏れ咳き込みだし、目を開けた。

 

「「「「「エルザ!!!」」」」」

 

「ごほっ……お前たちどうしたんだ?私は何を……何故か胸が特に痛いな?」

 

みんなが涙を流しながらエルザに駆け寄り、エルザは事態が飲み込めていない。

 

「エルザ心臓が止まっていたんだって。それをあの子が助けてくれたの」

 

ルーシィが目を向けるほうを向くとラナがそっぽを向いてハルトと話していた。

 

「どうやって助けたんだ?」

 

「簡単よ。無理やり心臓と血流を動かして電気は閉じ込めて消したわ」

 

そこに若干フラついているエルザが入ってきた。

 

「すまない。少しいいだろうか」

 

「何よ」

 

「君のおかげで命拾いをした。ありがとう」

 

「50万」

 

「? なにを……」

 

「謝礼金よ。命を助けたんだから50万J払いなさいよ」

 

「あ、ああ、わかった。喜んで払おう」

 

突然金を請求され、驚くエルザだが命を助けてくれた礼だと思い、快く承諾した。

 

「ハルト!カルバートって男はどこにいるの!?」

 

「カルバート?何だ?あいつに用でもあんのか?」

 

「アタシはあいつに雇われたからここにいるのよ」

 

「なんだ。あいつが頼んだフリーの魔導士ってラナのことなのか」

 

「ラナ?白い髪の少女で名前がラナ?まさか……!」

 

ハルトとラナの会話にエルザはあることを思い出した。

 

「まさか!君があの『空間の魔女』なのか!!?」

 

「ウソ!?」

 

エルザの言葉にルーシィも驚くが、ナツはなんのことだがわからないようで首を傾げている。

 

「『空間の魔女』?なんじゃそりゃ?」

 

「アンタ知らないの!?『空間の魔女』って言えば、魔獣の大群をものの数秒で壊滅したり、巨大津波を押し返したりなんて色々な偉業を残した伝説の魔導士よ!誰も姿を見たことがないから都市伝説みたいなものなんだけど、まさか本当にいるなんて……」

 

「ふーん」

 

「ふーんって、あんまり興味ないのね……」

 

「それより!俺はあのちんちくりんが気に入らねえんだよ!!ずっと上から目線で腹立つしよ!!」

 

「あっ!バカ……!」

 

ラナはナツのちんちくりんに肩をピクリと動かし、顔を向けずにナツに聞く。

 

「ねぇ……そこの桜頭……ちんちくりんって私のこと?」

 

「はあ?お前以外に誰が……ぶへっ!?」

 

ナツが言い返そうとした瞬間、頭上からキューブ状のものが落ちてきてナツを踏み潰した。

 

「フフフ……アタシのことをち、ちんちくりんですって?いい度胸してるじゃない!!」

 

「ま、待て!ラナ!ナツは本気で言ったわけじゃ……」

 

「これが空間の魔女の魔法……」

 

「エルザ!冷静に分析してる場合じゃないわよ!!なんかメリメリいってナツが潰れちゃう!!」

 

なんとかラナを宥め、ナツは解放されたが、

 

「なんか平たくなったね」

 

「うるせー」

 

「で、カルバートはどこなの?」

 

「それなんだがカルバートが重症なんだ。一旦ギルドに戻って治療しないと……」

 

「だけどここからギルドまで相当距離があるぜ?馬車もねえし足だと2日かかるぞ」

 

グレイが潰れた馬車を見ながらそう言うとハルトはラナを見た。

 

「はぁー……わかったわよ」

 

 

「うおー!!!スゲー!!!!」

 

ハルトたちはラナの魔法で宙に浮かび、移動していた。

凄まじいスピードで移動しておりさっきまで不機嫌そうだったナツは興奮している。

 

「凄いな……これほどのスピードで飛ぶことができるのか」

 

「オイラたちの意味が……」

 

「なくなっちゃったでごじゃる………」

 

「何か言った?エロネコ?」

 

「いえ!なんでもありません!!!」

 

マタムネたちのボヤきを聞いていたラナはマタムネだけを睨むように見るとマタムネはいつもの口調を忘れて、それは美しい敬礼をした。

しかしマタムネの顔は青ざめ、また体が震えていた。

 

「いったい何があったの……?」

 

ルーシィはマタムネの変わりようが気になった。

 

「ラナの魔法は『空間』は空間を固定して操ることができるんだ。こうやって俺たちを浮かしたり、固定した空間で相手にを攻撃したりとかな」

 

「こんなに早いのに全く風を感じない」

 

「当たり前よ。防御もなしにこんなスピードで移動したら髪がめちゃくちゃになるわ。それより見えてきたわよ」

 

ラナが見据える先には妖精の尻尾のギルドがあった。




*ラナの容姿は白髪のタツマキだと思ってくれたらいいです。
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