FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

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第70話 弱い自分に

カミナたちが戦っている場所には多くの残骸が落ちていた。

それは黒く焦げたり、火花を散らし、ところどころ食い破られたところがあり、穴が空いているものなのだ様々だ。

 

「ウォータースライサー!!」

 

ジュビアが手から水を鞭のようにしならせ、巨大兵に向かって振るうと水は巨大兵の体を切り裂いた。

 

「はぁ…はぁ……これで15体目……」

 

ジュビアが膝に手をつき、大量に汗をかいていて疲労しているのは目に見えていた。

際限なく現れる巨大兵に魔力と体力が追いつかないのだ。

そんな疲労困憊のジュビアの背後に巨大兵が武器を上げ、振り下ろそうとしていた。

 

「しまっ……!」

 

「鉄竜棍!!」

 

ジュビアのピンチに現れたのはガジルだったが、その腹は何倍にも膨れ上がっていた。

敵全てが金属なのでガジルは調子に乗って戦うより食べまくった結果だ。

 

「あ、ありがとうございます。ガジル君」

 

「げぷっ…気をつけろよ……ぷっふぅ……」

 

ガジルが悪態をつきながらジュビアに言うが、ところどころにゲップが混じり、全然締まらない。

 

「ガジル。あとどれくらい戦える」

 

「よ、余裕……だ……うぷっ」

 

「わかった、引っ込んでろ」

 

カミナは刀を構え、多くの巨大兵を見据える。

 

「やってみるか」

 

巨大兵の口が開き、ビームの収束を始める。

 

「チッ」

 

「ま、任せろ……滅竜奥義、堅魔・鉄竜鱗壁!!」

 

ガジルがカミナの前に出て、腕をクロスし魔法を発見すると、クロスした腕を中心に鉄竜の鱗が何枚も重なりながら広がり、3人を覆うように大きな盾が出来上がった。

巨大兵から一斉にビームを放つが、ガジルの盾は全てを弾く。

 

「何だ。こんなものがあったならさっさと使え」

 

「魔力をガンガン持ってかれるから、滅多に使わねぇよ……うぷっ!」

 

「そうか、これで時間が稼げるな」

 

カミナは両手を合掌し、ブツブツと何かを呟く。

全ての巨大兵がビームを出し終えた瞬間、盾は鱗が剥がれるように崩れ、そこには右手を巨大兵に向けたカミナがいた。

 

「白符」

 

カミナの手から白い光が放たれ、全ての巨大兵がひるんだ。

 

「天嵐」

 

次に左手から嵐を巻き起こし、巨大兵を巻き込む。

さらに風を出しながら、雷が迸る右手を突き出す。

 

「白雷」

 

そして右手を上左手を下にして嵐と雷が合わさり、大きな竜巻となる。

 

「合体魔法 、白雷天の激昂!」

 

白い竜巻は雷を撒き散らしながら、巨大兵を巻き込み破壊していく。

 

「1人で合体魔法を?いったいどれだけの技術が……」

 

ジュビアはカミナの凄まじい技術に慄いた。

 

「ジュビア、ガジルにつかまっていろ。ガジル、しっかり踏ん張っていろよ」

 

「は、はい!」

 

「げぷっ……」

 

カミナはさらに魔力を込め、嵐をさらに大きく、さらに激しいものにしていく。

嵐は広間全体に広がり、壁を穿つ、天井を破壊する。

 

「きゃああああぁっ!!!」

 

「うぉっ!ぐぅっ!!」

 

その嵐の風はカミナの後ろにいた2人まで巻き込み、飛ばされないようになんとか持ちこたえる。

やがて嵐は収まり、2人の目に入ったのは驚きの光景だった。

 

「ふぅ……こんなものか」

 

「こんなに……」

 

「マジかよ……」

 

カミナは汗を少しかき、疲れた表情をしていたがまだまだ余裕がありそうだ。

広間の壁は全て破壊され、天井はほぼ剥がされていた。

 

「これでもう巨大なやつは出てこないだろう。ここで待機するぞ」

 

「そんな!今すぐグレイ様たちのところに行きましょう!!」

 

「俺たちの役目は退路の確保だ。見た感じ出口はここにしかない」

 

「そ、それは……ハァ……わかりました」

 

ジュビアはしぶしぶと了承し、その場に座り込んだ。

カミナは座り込む2人を見て、扉の先を見た。

 

(あとはお前たち次第だぞ。ハルト)

 

 

○

ナツとグレイは次々と迫り来る敵を怒涛の攻めで全て倒していった。

 

「オラオラオラオラオラッ!!!!」

 

「ウオォォォォォッ!!!!」

 

ナツは鉄拳を何度も打ち付け、グレイは氷の槍を連続で出し続ける。

 

「「ハァハァハァ……」」

 

全ての敵を倒した2人は肩で息をし、体に傷が多く出来ている。

しかしまた壁が開き、そこから敵が多く現れる。

 

「くそっ!まだ来んのかよ……」

 

「なんだぁ?もう疲れたのかよ?」

 

「んなわけねぇだろ!!」

 

グレイが限りなく現れる敵にうんざりしたように言うとナツがからかう。

するとナツが何かを思い出した。

 

「おい。ハルトが言ってたこと覚えてるか?」

 

「あ?何のことだよ?」

 

「1年くらい前に俺ら2人でハルトと戦ったろうが。そん時だよ」

 

「ああ……あの時か。それがどうしたんだよ?」

 

「ハルトは『相反する力はうまく使えばより強力な武器になるかもしれない』って言ってた」

 

「だから、それが……なるほどそういうことか」

 

ナツが何か言いたいのかようやくわかったグレイはナツど同様、悪い笑みを浮かべる。

 

「やるぞ!グレイ!!」

 

「指図してんじゃねえよ!ナツ!!」

 

グレイが魔力を解放し、辺り一面に氷を作り出す。

それは氷柱となり敵の行く手を阻む。

 

「今度はこっちだ!!」

 

ナツは上空に跳び上がり、魔力を高める。

 

「火竜の……」

 

「ちょっ、.待て……」

 

「煌炎!!」

 

ナツはまだ下にいるグレイを無視して高温度の火球を下に叩きつける。

すると氷は一斉に溶け、その場で凄まじい爆発が起きた。

 

「かーかっかっ!!どうだ!!!」

 

「どうだ!、じゃねえよ!!」

 

「痛って!?」

 

ナツは仁王立ちになり笑うがグレイが頭を叩く。

 

「何すんだ!」

 

「もうちょっと待てよ!巻き込まれて死ぬところだったわ!!」

 

グレイが指を指す方には氷の壁ができており、なんとか凌ぎ切ったようだ。

ナツとグレイはその場で連携技を繰り出したのだ。

グレイが辺り一面の気温を一気に下げ、ナツが高温の熱を与えることで空気が一気に膨張し爆発を起こしたのだ。

 

「いいじゃねえか。無事だったんだから」

 

「よかねぇよっ!!」

 

2人が言い争ってる時に氷の破片を踏む音が聞こえる。

振り向くとそこには黒いスーツを着た長身でガタイの良い男が立っていた。

 

「ナツ」

 

「おう、わかってる」

 

2人はさっきまでのふざけた空気を切り替え、その男を見据える。

 

「コードネーム『コーサーM型』。これより目標を駆逐する」

 

 

○

「タウロス!お願い!!」

 

「Moooooo!!!」

 

ルーシィが鞭でメタルフレームの武器を掴み、その隙にタウロスに指示を出し周りの敵を含めて吹き飛ばす。

 

「こっちだよー」

 

「こっちでごじゃる!」

 

ハッピーとマタムネは縦横無尽に飛び回り敵を翻弄して同士討ちさせている。

 

「覇竜の断刀!!」

 

ハルトは魔力の手刀で周りの敵を一気に切り裂く。

 

「数が多いな……一気に蹴散らす!覇竜の螺旋拳!!」

 

回転を加えた拳は風圧を生み出し、通路にいた敵を吹き飛ばした。

 

「こんなもんか」

 

「ハルトー!こっちは終わったよ!!」

 

「おう。こっちもだ」

 

「えへへ♪」

 

「ルーシィ。だいぶ機嫌がいいね」

 

「えーそんなことないわよー♪」

 

ルーシィは手を振り、敵を倒し終えたの知らせながら達成感に満たされていた。

ラナに弱いと言われたが自分はハルトと共に戦えていることに喜んでいたのだ

 

「しっかし、この壁をどうにかしないと先に進めないな」

 

「道はこの一本しかないもんね」

 

「……とりあえず殴るか」

 

「え!?(ナツみたいな考え方!?)」

 

ハルトが拳を構え殴ろうとした瞬間、道を塞いでいた壁が上に上がり始めた。

 

「開いたでごじゃる!」

 

「敵を倒したら先に進めるんだね!」

 

マタムネとハッピーが喜ぶなか、先の道が見えてきたがそこには黒スーツに身を包む女性が立っていた。

 

「誰?」

 

「敵なのかしら?」

 

「でも今までヒト型のはいたでごじゃるが人間みたいなのはいなかったでごじゃる」

 

ルーシィたちが話しているなか、ハルトはその女性を険しい目つきで見ていた。

 

「あ、あのー…あなたどこから来たの?」

 

ルーシィが眉一つ動かさない女性に勇気を出して話しかけると女性は右腕をゆっくりと上げて、ハルトたちに向ける。

そしてその腕は一瞬で開き、中から銃口が覗いている。

 

「え?」

 

「くそ!!」

 

「発射」

 

その銃口から青の光線が何発も同時に打ち出され、ハルトたちに向かう。

一瞬で何発も打ち出された光線はハルトたちを襲い、煙が上がる。

 

「コードネーム『コーサーF型』。敵の殲滅を開始する」

 

コーサーは銃口を向けたまま、動かず煙の中を覗く。

煙が晴れるとそこには覇竜の剛腕を展開していたハルトがルーシィたちの前に立っていた。

 

「あ、ありがとう。ハルト」

 

「ルーシィ、お前は下がってろ」

 

ハルトは敵の攻撃力、さらに何か不気味なものをコーサーから感じ取り。ルーシィを巻き込まないためにそう言ったが、その言葉はルーシィの胸に悔しさを広がせた。

 

「そんな……!私だって戦えるわ!!」

 

「おい!待て!」

 

ルーシィはハルトの言葉に無視してコーサーの前に立つ。

 

「開け!獅子宮の扉!レオ!!」

 

「姫に呼ばれて騎士参上!!」

 

ルーシィは現時点で最強のロキを呼び出した。

 

「感激だよ、ルーシィ。僕を呼んでくれるなんて」

 

「今はそんなのいいから、アイツを倒して!」

 

ロキは少しションボリしたが改めて敵に対面したが、その顔を悲痛そうに歪めた。

 

「ふぅ…僕は大体の女性には優しくするつもりだけど今回はルーシィの願いだから、ごめんね」

 

「ちょっと!あれはロボット!人じゃないの!!」

 

ロキが相手が女性ということでいつもの口説きに入り、ルーシィが怒る。

 

「そうなのかい?なら遠慮は要らないね!!」

 

ロキは両拳に魔力を込めて近づき、コーサーの腹に一撃を食らわす。

 

「っ!?これは……また硬い女の子だね!」

 

「だから!人じゃないって言ってるでしょ!!」

 

コーサーはロキの猛攻を捌きながら銃を放とうとするがロキもそれをさせない。

 

『対象の行動パターンを把握。撃退パターンを選択』

 

ロキがまた殴りかかるが、その拳をまるで知ってたかのようにコーサーは掴んだ。

 

「くっ!?」

 

「殲滅を開始する」

 

コーサーはロキの腕を引き、体勢を崩したところに腹に膝蹴りを入れた。

 

「カハッ!!」

 

よろめくロキに追撃を加えようとするコーサーにハルトが阻止する。

 

「覇竜の剛拳!!」

 

ハルトの拳を難なく受け止めたコーサーは2人を投げ飛ばした。

 

「あの子、結構やるね」

 

「まるで俺たちの動きがわかってるみたいだ」

 

コーサーは視線を対峙しているハルトたちではなく、ルーシィに向け駆け出す。

 

「っ!させるか!!覇竜の飛燕拳!!」

 

連続で打ち出された飛燕拳を何発か受けてコーサーは動きが止まる。

その隙にロキが背後に回った。

 

「レグルスインパクト!!」

 

コーサーの腹にロキの拳がめり込む。

コーサーの体はくの字に吹き飛んだ。

倒れたコーサーは顔色一つ変えずに立ち上がろうとするが片膝をついてしまう。

 

「ハルト!ロキ!あともうちょっとだよ!!」

 

ルーシィがコーサーはもう動けないと思いつき、ハルトとロキに声をかける。

 

「覇竜の……」

 

「レグルス……」

 

ハルトは口を膨らまし、ロキは腰に拳を構える。

 

「咆哮ォ!!!」

 

「ブラスト!!!」

 

大出力の咆哮とロキの魔力光線がコーサーに放たれた瞬間、コーサーの背中ぎ左右に開き百を超える砲門が現れ、一斉に打ち出された。

 

(こんな狭い空間でそんな広域攻撃なんてしたら……ルーシィ!!)

 

ハルトは打ち出された光線が打ち出される中、即座にすぐ後ろにいるルーシィが防御ができないことに気づき、咆哮を撃ちやめてルーシィのほうに駆け出す。

手が届きそうになったが光線が縦横無尽に壁や天井にあたり爆発を起こした。

 

「ゲホッ!ゴホッ…….!ルーシィ!!どこだ!!」

 

瓦礫の下から出てきたハルトは咳き込みながらルーシィの名前を叫ぶ。

 

「は、ハルト……」

 

「ルーシィ!」

 

ルーシィの声が聞こえ、そっちに向かうとルーシィはコーサーに捕まって銃を頭に突きつけられていた。

 

「ご、ごめんなさ……」

 

「ハルト・アーウェングス。この女を殺されたくなければ言うことを聞きなさい」

 

ルーシィが話そうとするとコーサーが遮る。

 

「………わかった」

 

「まず武装解除をしなさい」

 

ハルトはルーシィを守るために了承し、魔力を解いた。

 

「ルーシィ・ハートフィリア、星霊を閉門しなさい」

 

ルーシィはハルトたちの近くに立っていたロキに目を向けた。

 

「いいよ。僕がいなくてもハルトが守ってくれるさ」

 

「ごめん、ロキ」

 

ロキは光の粒子になって星霊界に帰っていた。

コーサーは新たに来たメタルフレームにルーシィの拘束を任せてハルトの前に来た。

 

「ハルト・アーウェングス。貴方に聞きたいことがあります。」

 

「なんだ?」

 

「魔神族の兵器は何処にありますか?」

 

「……何を言ってるんだ?」

 

(魔神族?兵器?なんの話?)

 

コーサーがハルトに聞いたことはルーシィにとっては初めて聞いた言葉だった。

コーサーは知らないと言ったハルトの顔を殴る。

 

「ハルト!!」

 

ルーシィがハルトの名前を叫ぶが、ハルトは手で大丈夫と答える。

 

「もう一度聞きます。魔神族の兵器はどこにありますか?」

 

「知らないって言って……グッ!?」

 

ハルトの言葉が最後まで言えずに顔を何度も殴られる。

 

「やめてよ!知らないって言ってるじゃない!!」

 

「いいえ、ハルト・アーウェングスは知っているはずです。記録では貴方は5年前のフラスタ戦争に参加していたのですから」

 

「フラスタ戦争って……何のこと?」

 

「ルーシィ!お前には関係ない、ぐあっ!!」

 

「ハルト!!」

 

「言わないのであれば体に聞くまでです」

 

ハルトを殴る鈍い音が響く。

 

 

○

ハルトがコーサーに尋問されているころ、マタムネとハッピーはコーサーが光線を放った時に爆発で吹き飛ばされハルトたちと離れ離れになってしまい、大量のスパイダーとメタルフレームに追われていた。

 

「ギャーー!!!」

 

「助けてでごじゃるぅぅぅぅっ!!!」

 

スパイダーたちは追いながら銃を乱射してくる。

 

「アアァァァァッ!!?かすったでごじゃるぅぅっ!!」

 

「マタムネー!!急いでー!!」

 

涙目になりながらも逃げるマタムネたちの前にメタルフレームが現れた。

 

「「ギャーーー!!!」」

 

2人が互いに抱きしめて叫ぶと、メタルフレームの頭は吹き飛んだ。

 

「へ?」

 

「ごじゃる?」

 

そして、その後ろから現れたのはカルバートとアルバスだった。

 

「なんだ、猫どもか」

 

「「カルバートーーー!!!」」

 

「近づくな。気持ち悪い」

 

「ぷぎゃ!」

 

「むぎゅ!」

 

現れたカルバートに感動した2人は勢いに任せて、抱きつこうとしたがカルバートははたき落した。

 

「エルザたちのペットの猫たちじゃないか。無下にしたらダメだろう」

 

「動物が苦手なんだよ」

 

「ペットじゃないでごじゃる……」

 

アルバスがカルバートに注意するがどこかずれてる。

そんなコントみたいなことをしているとマタムネたちを追っていた敵が追いついてきた。

 

「兄貴!!」

 

「わかってる!!」

 

アルバスは手を広げ、青白い光を出すと敵の武器のみがアルバスの手に集まり、その隙にカルバートが銃を乱射して敵を掃討した。

 

「あっという間だ……」

 

「すごいでごじゃる」

 

2人の連携に舌を巻く2人にカルバートが話しかける。

 

「お前らどこから来た?アーウェングスと一緒じゃないのか?」

 

それを聞いてマタムネとハッピーはハッとした顔になった。

 

「そうだ!」

 

「ハルトたちはコーサーという女性と戦っているでごじゃる!!」

 

「コーサーだと!!」

 

「不味いな……応援に行くぞ」

 

 

マタムネたちの案内でハルトのいるところに急ぐ。

 

 

○

鈍い音が絶え間なく響く。

コーサーはずっと同じ質問し、ハルトはそれに対して知らないの一点張りで、鋼鉄を簡単に破る力を持つコーサーの力で殴られるハルトは顔中が血だらけだ。

途中からメタルフレームに腕を掴まられ、無理やり立たされながら殴られていた。

 

「ハァ……ハァ……ハァ……ゴフっ……」

 

ハルトは息が荒く、口から血が垂れる。

 

「お願い……!もうやめてよ!ハルトが死んじゃう!!」

 

ルーシィが止めるように懇願するが、コーサー無視してハルトを殴られ続ける。

 

「ここまで強情だとは思いませんでした」

 

「ガッ!?ゴホッ…!ゴホッ…!」

 

コーサーは最後にハルトの腹を殴り、ハルトの口から血が吐き出される。

 

(アタシにもっと力があれば……!もっと力があればコーサーに捕まることなんてなかったのに!ハルトを助けることだってできたのに……!)

 

ルーシィは激しく後悔していたラナの言う通り自分は弱い。

現に自分が弱いせいでハルトは傷だらけになっている。

弱い自分に心底嫌になる。

しかし自分を責めてもハルトが尋問されるのは止まらない。

 

「少し趣向を変えますか」

 

コーサーは捕らえられているルーシィの前にやってくる。

 

「な、何をする気だ……?」

 

「貴方は自分がどれだけ傷ついても口を割らない。なら……」

 

コーサーは手から剣を出す。

しかもその剣は熱を帯びており、赤く光っている。

 

「貴方はルーシィ・ハートフィリアが傷つくのは耐えられますか?」

 

「よ、よせっ!!ルーシィに手を出すな!!」

 

「なら魔神族の兵器のありかを言いなさい」

 

「それは……!」

 

「できないのであればルーシィ・ハートフィリアを傷つけます」

 

「やめ…!「大丈夫だよ。ハルト」ルーシィ!?」

 

ルーシィの目から涙が流れる。

 

「ごめんね……アタシが捕まったからハルトがそんなに傷ついちゃったし……言いたくないことも言わさせられそうになってる……大丈夫よ!アタシが耐えればいいんだから!」

 

ルーシィは笑って見せるがそれはハルトを心配させないように無理して笑っているのがハルトにはわかっていた。

 

「やめろルーシィ!お前には関係ない!!おいコーサー!!兵器のありかを教えるだからルーシィには何もするな!!」

 

「そうですか。ならルーシィ・ハートフィリアに手を出すのはやめましょう」

 

「ダメよハルト!!それは言いたくないことなんでしょ!?」

 

ルーシィがそう言うがコーサーは関係がないと、ハルトに近づく。

 

「では魔神族の兵器はどこにありますか?」

 

「あれは……古代都市フラスタの中にある…ロシュール遺跡に…」

 

ハルトが言い切ろうとした瞬間ルーシィを捕まえていたメタルフレームの頭が撃ち抜かれてルーシィは解放され、コーサーがそっちに振り向いた瞬間にハルトを拘束していたメタルフレームも破壊された。

 

「無事か、アーウェングス」

 

「カルバートさん!!」

 

ルーシィがカルバートの名前を喜んで呼ぶ。

 

「カルバート・マキナ、また貴方ですか。貴方はいつも私の邪魔を……」

 

「覇竜の……螺旋拳!」

 

ハルトはフラつきながらコーサーの後ろに立ち、背後から拳を突き立てた。

 

「ガガガ……」

 

コーサーは口から煙を出して鈍い機械音を出して倒れた。

ハルトも崩れ落ちるように膝をついた。

 

「ハルト!!」

 

ルーシィはすぐさまハルトの元に駆け寄った。

 

「大丈夫か……ルーシィ?」

 

ルーシィはハルトに駆け寄ると涙を流していた。

 

「ごめんね……ハルト。ごめんね……」

 

「ルーシィ……」

 

「アタシが弱いから……こんなに傷ついて……ごめんね」

 

ルーシィは涙を流し。謝りながら心に誓った。

必ず強くなると。

 

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