FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS 作:マーベルチョコ
第74話 ルーシィの特訓!1日目
ルーシィはギルド中を探し回っていた。
ある人に会って、どうしても頼みたいことがあるからだ。
「あっ!ルーちゃん!どうしたの?そんなに慌てて?」
ルーシィと仲がいい友達、チームシャドウギアの1人、レビィだ。
レビィが話しかけるとルーシィは気づき、レビィの肩を掴んで焦っているように問いかけた。
「レビィちゃん!!カミナさん知らない!!?」
「えっ?か、カミナ?さっき見たけど……」
ルーシィの勢いに少し引いてしまった。
「どこ行ったの!?」
「今外に出たけど……」
「そうなの!?ありがとう!!」
ルーシィは急いで外に出て、カミナを追っていた。
「な、なんだったんだろう……?」
残されたレビィだけが呆然としていた。
○
ルーシィは街を走り回ってカミナを探していた。
そして漸く仕事に向かうカミナを見つけた。
「カミナさん!!」
「ハートフィリアか、どうした?」
「いや、あの、できればそっちじゃなくて、ルーシィって呼んでくれたほうが嬉しいんですけど……」
ルーシィの実家は大手の企業なのでハートフィリアの名は有名なのだ。
だから、ルーシィはあまりそっちの名前を言って欲しくない。
「それで何の用だ。ハートフィリア」
「が、ガン無視なのね……んんっ……えっと実は……私を鍛えて欲しいんです!!!お願いします!!!」
「無理だ。忙しい」
ルーシィが頭を勢いよく下げてカミナに頼むが
ルーシィが頭を勢いよく下げてカミナに頼むが即座に断れる。
「へ?……あっ!ちょっと待って!」
ルーシィは一瞬呆けてしまい、カミナはその隙にどこかに行こうとして気づいたルーシィは慌ててカミナのマントを掴んで、止めようとするがカミナは気にもしないで先に進む。
「ちょっ、ちょっと待ってくださいよー!!」
「………はぁ、突然どうしたんだ?」
カミナは立ち止まり、振り返る。
「アタシ強くなりたいんです!!」
「何故だ?」
「強くなって……大切な人を守りたいんです」
「ハルトか?」
カミナにそう言われたルーシィはいつものことながら顔を赤くするが、慌てるのではなく少し俯く。
「機械兵での件はハルトから聞いている。お前が気にすることはない。あれは敵の意図に気づけなかったアイツが悪い」
「そんなことはない!ハルトはアタシが捕まったからそのせいで……」
「それでもだ。お前が気にすることはない」
カミナは頑なにルーシィを鍛えるのを嫌がる。
しかしルーシィは決心した目でカミナを強く見る。
「いいえ、それじゃいけないの。弱いままじゃハルトの側に立てない。守られてばかりじゃダメなの。だから強くなりたい!!」
「………」
ルーシィの覚悟を決めた目を見て、カミナは少し考える。
「………お前は何の魔法を使う?」
「え?星霊魔法ですけど……」
「そうか。とりあえず今日は仕事が入っている。明日の朝までには帰ってくるから、広間で待ってろ」
「え、それって……」
「返事はどうした?」
「は、はい!ありがとうございます!!」
ルーシィは頭を下げ、カミナは仕事に向かった。
カミナにはルーシィの姿が重なって見えた。
(一緒だな。あの時と……)
カミナは5年前のことを僅かに思い出した。
○
「へー、カミナに修行してくれって頼んだんだ」
「うん!これからその修行が始まるんだ。だから気合い入れないと!」
朝のギルドで朝食を食べながら、ルーシィとレビィが話している。
「頑張ってね!アタシもカミナに修行付き合ってもらったけど相当キツいよ」
「え!?レビィちゃん、カミナさんに鍛えてもらったの?」
「うん!魔法文字(マジックスクリプト)教えてくれたのカミナなんだ」
「へーそうなんだ……」
「何の話をしているんだ?」
そこにエルザが会話に参加した。
「あっ、エルザ。ルーちゃんがカミナに鍛えて貰うんだって」
「そうなのか、頑張るんだぞ。カミナは仲間だからと言って甘いことはさせないからな」
「エルザも鍛えてもらったの?」
「ああ、私の場合は鍛えてもらったと言うより剣の修行を手伝って貰ったぐらいだが、あれは苛烈を極めるものだったな……」
エルザはどこか遠くを見つめ、レビィは昔のことを思い出したのかため息をついて、昔の大変さがルーシィには伺えた。
「と、とりあえず頑張らなきゃ!じゃっ、アタシ行くね!!」
ルーシィは気合いを入れてギルドを出て行った。
そしてルーシィと入れ違いで入ってきたのはハルトとマタムネで、ハルトは周りを見渡す。
「よう!ハルト!!どうしたんだ?」
「いや、まあな。ルーシィ知らないか?」
ナツが話しかけ、ハルトは少し恥ずかしそうにそう言うとさっきまでルーシィと話してたエルザがハルトに話しかける。
「ルーシィなら出かけたぞ」
「お、おう。そっか……そうか……」
それを聞いたハルトは少し元気をなくした。
「ハルト、元気ないでごじゃるな〜そんなにいなくて残念でごじゃるか?」
「べ、別にルーシィがいなくて元気がないなんて……」
「誰もルーシィ殿のことなんて言ってないでごじゃる」
「ぐっ……」
ハルトはしまったと思い、顔を赤くしてると周りの仲間が揶揄ってきた。
それにやられすぎたハルトはついにキレてギルドで爆発が起きてしまい、マカロフの悲鳴が朝から響いた。
○
ルーシィが中央に大きな木がそびえ立つ広間に来るとそこには既にカミナがいた。
「遅い」
「す、すみません!」
ルーシィが謝るがカミナは無視してルーシィの前に立つ。
「これからお前に教えるのは星霊魔法の応用だ」
「応用?」
「魔力を高めるのは日頃の鍛錬でどうとでもなるが、魔法の使い方はそうじゃない。考えつき、それを使えるようになるのに長い年月が必要になる。それは全ての魔法に当てはまる」
魔法は先人たちが長い年月をかけて編み出したものだ。
「俺には昔、星霊魔法を使う仲間がいた」
「エミリアさん?」
「………何故そう思った?」
「えっ、いや、なんとなく………」
「そうか……」
カミナはルーシィが何故そう思ったのかはわからないが、何故かルーシィとエミリアが重なって見えてしまった。
「確かにお前が言う通り、その仲間はエミリアだ。俺は星霊魔法を使ったことがないから詳しくはわからないが、エミリアの使っていた星霊魔法の応用は俺の魔法を参考にしてできたものだ。これからお前に教えるのもそれだ」
「は、はい!」
カミナは手を横に出し、魔法を使う。
「破道の八、岩山」
大きな岩石を出して、指さし、
「これをここから……」
カミナは街灯のポールを指さす。
「あそこまで運べ」
「はい!」
ルーシィはさっそく岩を掴んで持ち運ぼうとするがビクともしない。
「ふぐぐぐ……!」
「何やってるんだ」
「え…これを運ぼうと……」
「そのままやってどうする。魔法を使うんだ」
「あっ、そうか。じゃあ力が強いタウロスを召喚して……」
ルーシィはタウロスの鍵を取り出して構えるが、カミナが止める。
「ちなみに星霊を呼び出さずにだ」
「えぇっ!?それじゃあ、どうやって……」
「エミリアが使っていた魔法は星霊の力を一部借りて自身の力に変える魔法だ」
「自分の力に?」
「そうだ。エミリアはお前と同様星霊は強かったが自分自身は弱かった」
「うぐっ……!はっきり言われた」
ルーシィはカミナに遠回しに弱いと言われて軽く傷つく。
「そこでエミリアは星霊の力を一部自分の力に変えることを思いついた。お前も同じ星霊魔導士ならできるだろう。やってみろ」
「はい!」
ルーシィは鍵を見つめる。
(タウロスの力を自分のものに!)
意識を集中して、岩を引っ張る!
「ふぐぐぐ……!!」
しかしやっぱりピクリとも動かない。
カミナはそんなルーシィを黙って
そして何度も引っ張ったり、押しても動かず、夕暮れになった。
「今日はここまでだ。もう帰れ」
「そ、そんな!アタシ!まだやれます!!」
「馬鹿が、自分の体力の限界もわからないのか。星霊の魔力を自分のものにしようとして魔力を集中させているから体力の限界が早い」
カミナはルーシィに近づき肩を押すとルーシィは力が抜けたように後ろ向きに倒れた。
「きゃっ……!」
「ほらな。早く帰って明日に備えろ」
「は、はい……」
「ちなみに俺が教えれるのは3日間だけだ。その後は長期の仕事に出発する。それまでにできれば会得しろ」
「そんなぁ……」
ルーシィが疲れで意識が朦朧とする中、カミナは岩の前に立ち、ルーシィに声をかける。
「ハートフィリア」
「ルーシィです……」
「お前が会得しようとしている魔法はこういうものだ。破道の四、白雷」
カミナは白い雷のレーザーを打ち出す白雷を打ち出さず、手に留めて纏わせ、岩に触れる。
「白雷掌」
雷は岩全体に行き渡り、岩を破壊した。
「これが魔法の力を自身のものにするものだ。アビリティ系とホルダー系の違いはあるが原理は同じだが、お前の持つ星霊魔法はホルダー系の中でも特別なものだ。魔法自体が生きているとハッキリと分かる魔法だからな。そこが目標の魔法を会得するポイントだ。わかったか?ハートフィリ……」
カミナが振り返ると、ルーシィは疲れで地面に寝てしまっていた。
カミナはため息を吐いて、念話をある男に飛ばした。
○
ルーシィは僅かに目を開けてまどろむ中、自分がどういう状態かハッキリすることができなかった。
次第に意識がハッキリとしてきて自分が誰かに背負われていることがわかった。
すぐに離れないといけないとわかっても背中から伝わる暖かさにまた意識が少し遠のく。
「あ、ルーシィ殿起きたでごじゃる」
「マタムネ……?なんで……」
ルーシィが意識が遠のく中、マタムネの顔が目に入る。
「目覚ましたか、ルーシィ」
背負っていたのはハルトで、それに気づいたルーシィは一気に意識がハッキリし、慌てる。
「ハルト!?なんで……きゃっ!!」
「うおっ!あぶねっ!?動くなってまだ体が上手く動けないんだから」
「ご、ごめんね……」
そのままハルトはルーシィを背負ってルーシィの自宅に向かう。
その間ハルトたちは黙ったままだが、ルーシィが口を開いた。
「ねぇ、ハルト」
「ん、どうした?」
「ごめんね」
「突然謝ってどうしたんだよ?」
ルーシィの口調はひどく落ち込んだものだった。
「この前の戦いでアタシのせいでハルトがケガしちゃったから……」
「あん時も言ったけど、別にルーシィのせいじゃねえよ」
「ううん……アタシのせいだよ。アタシが弱いから……」
その場に重い空気が漂う。
ルーシィは落ち込んだ表情で、ハルトとマタムネは困った表情をする。
「ルーシィはさ、弱くないって」
「え?」
「弱いやつは自分を強くしようなんて考えねぇよ」
「え?なんでそれを……」
ルーシィは周りのみんなに黙って魔力を高める修行を行なっていたのだ。
それを聞いてハルトは笑って答える。
「そりゃいつも一緒にいるからな。お前が頑張ってることも知ってた」
それを聞いてルーシィは嬉しくなる。
好きな人が自分の努力を知っていてくれたからだ。
「機械軍に攻め込む時、ラナ殿はルーシィ殿を連れて行くことを強く反対していたでごじゃる。だけどハルトがルーシィ殿は自分の身を守れる強くて頼れる仲間だって言ってたでごじゃるよ」
マタムネの言葉にルーシィは驚くと同時に、嬉しくなった。
自分はハルトの隣に立てるように強くなると心に決め、それをハルトに認められていたのだ。
「だから、ルーシィ。カミナの修行辛いけど頑張れよ!」
「……グスッ……うん!」
ルーシィはハルトに笑顔で返事をしたと同時に心の罪悪感がなくなった。
そして、これからもハルトと共に頑張っていこうと改めて決めた。
「えへへ♪ハルト!」
「うおっ!?きゅ、急に抱きつくなよ!」
「だって今体が上手く動かせないんだもん。だからしっかり掴まらないといけないでしょ?」
ルーシィは嬉しくなってハルトに強く掴まり、ハルトは背中に押し当てられる胸の感触に顔を赤くしてしまう。
「青春でごじゃるな〜」
3人が歩くのを夜空が照らしており、それはルーシィを応援しているようだった。