FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

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第79話 神鳴殿

ラクサスの思念体が消えた後、ナツが叫んで不満を爆発させた。

 

「くそっ!!オレと勝負もしねえで何が最強だ!!マスターの座だ!!!」

 

「マスターの座など正直どうでもよい」

 

「いいのかよ!!」

 

ナツはあっさりとマカロフがあっさりとマスターの座を渡すことにツッコむが、マカロフは神妙な顔つきになる。

 

「だが……ラクサスに妖精の尻尾を託す訳にはいかん。この席に座るにはあまりにも軽い。信念と心が浮いておる」

 

「でもこのままじゃ……みんなが砂になっちゃう」

 

ハッピーが石になったルーシィたちを心配そうに見る。

マスターの座を渡さないと決めても何も問題の解決になっていない。

 

「ええい!!誰かラクサスを倒せる奴はおらんのかっ!!!」

 

「オレとハルトがいんだろうがっ!!!」

 

「ここから出られないんじゃどうしようもねえだろう」

 

「つーかハルトはここに居たままでいいのかよ!!!あんなこと言われてよ!!!」

 

ラクサスがハルトを恨んでいるのかわからないが特別敵視しているように感じた。

 

「ここで燻ったままで終わるわけねえだろ……アイツとは決着をつける」

 

ハルトは真剣な眼差しでそう言った。

その時カウンターからガサゴソと物音を立てる音が聞こえ、そこを向くと鉄製の食器を食べるガジルがカウンターから現れた。

 

「ガジルー!!!」

 

「食器食べんなー!!」

 

「も…もしや行ってくれるのか?」

 

「あの野郎には借りもある。まあ……任せな」

 

「おおっ!!!」

 

ガジルが颯爽とギルドから出ようとする。

が……

 

ゴチーン!!

 

「………」

 

「お前もかーっ!!!!」

 

「な…何だこれはー!!!?」

 

ガジルもフリードの術式に阻まれ出れなかったのだ。

 

「『あの野郎には借りもある。まあ……任せな』……プッ!恥ずかしいでごじゃる!!」

 

「鉄竜棍!!」

 

「ニギャーーー!!!」

 

 

○

その後も雷神衆は次々と残りのメンバーを打ち倒して行く。

エバーグリーンは鱗粉魔法で一気に爆破して撃破する。

 

「あ〜ら弱いのね」

 

ビックスローは自身が操る魔法で追い回し魔力のビームでトドメを刺す。

 

「弱い奴は仲間じゃないよ。なァベイビィ!!!」

 

フリードは自身が書いた術式を利用し、討ち残りが無いように確実に倒していく。

 

「バトルオブフェアリーテイル ……残り三人か……」

 

 

○

「残り三人だけじゃと!!?……三人?」

 

マカロフはナツとガジルが言い合いをしてハルトが呆れながら止めるのを見て気づいてしまった。

 

「こいつらだけじゃとーーっ!!?」

 

「せっしゃとハッピー殿は頭数に入ってなかったのでごじゃるかーー!!!」

 

「そんなーー!!!」

 

雷神衆や同士討ちのせいでハルトたち以外の戦える魔導士はもう残っておらず、もうここまでかとマカロフが諦めかけた瞬間、ナツが動いた。

 

「仕方ねぇ。エルザを復活させるか!!あーぁ、せっかくエルザを見返すチャンスだったのになァ」

 

「何!!?ちょっ……ちょっと待たんかいっ!!お前……どうやって……!!?」

 

エバーグリーンの石化の魔法は強力なのはマスターであるマカロフはよくわかっており、解除するにはエバーグリーンを倒すか、カミナのような凄腕の解除魔導士しかないと考えていた。

しかもあのナツが解くというのだ。

驚きが隠せない。

 

「燃やしたら溶けんじゃね?石の部分とか」

 

「やめーーーい!!!!」

 

「アホか!!!そんなことしたら壊れちまうだろうが!!!!」

 

やっぱりナツはアホだった。

即座にマカロフとハルトが止めようとするが、ナツは止まらない。

 

「やってみなきゃわかんねえだろ?」

 

「わかるわ!!!やめろって!!!エルザを殺す気か!!!」

 

「ナツ!!火でこするでないっ!!!」

 

「つーかテメェ……手つきエロいぞ……」

 

するとエルザの石像にヒビが僅かに入る。

 

「しまったー!!!割れたー!!!ノリだノリー!!!ハッピーノリー!!!」

 

「あいさー!!!」

 

「馬鹿野郎!!!そんなんでくっつくか!!?オレの鉄をテメェの炎で溶かして溶接するんだ!!!」

 

「落ち着けお前ら!!!取り敢えずタイムマシーンに乗って過去に行ってだな……!!!」

 

「「お前が落ち着け!!!」」

 

「貴様らーーーっ!!!」

 

エルザに入ったヒビはどんどん大きくなり、全身に行き渡る。

 

「ひぁーーーっ!!!ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!!!!」

 

そして大きな音と共に割れたと思ったが、割れると生身のエルザが石化が解かれ目を覚ました。

 

「……熱い。貴様かナツ。何をするかーーー!!!」

 

「ぐほぉ!!」

 

「ギヒャ!!」

 

「なんで!!?」

 

エルザはナツが何か良からぬことをしたと簡単に予想ができ、ナツを殴り飛ばし、ガジルとハルトが巻き添えをくらった。

 

「エルザ殿が復活したでごじゃる!!!」

 

「エルザ……しかしなぜ……」

 

「それが私にも……もしかしたらこの右眼のおかげかもしれませんが……」

 

エルザの右眼は楽園の塔で過酷な仕打ちを受け、右眼を失っており妖精の尻尾専属医であるポーリュシカのおかげで本物と変わらない義眼を右眼に入れていた。

その義眼のおかげで魔法の効果を半減したのだ。

 

「エルザ…….今の状況わかる?」

 

「ああ……すべて耳に入っていた。あとハルト、ギルドにタイムマシーンはないぞ」

 

「お、おう。マジでツッコンで来るんだな……」

 

こうして妖精の尻尾最強の女魔導士であるエルザが復活した。

 

(いける!!!反撃のときじゃ!!!!)

 

マカロフが勝機を見いだした瞬間、フェアリーテイル 側の残り人数がエルザが復活し、四人になった数が五人になった。

 

「!!」

 

「増えたでごじゃる」

 

「誰だ!?」

 

ステージの上を見るが誰も石化を解かれていない。

するとハルトが鼻を動かして何かの匂いを感づいた。

 

「アイツだな」

 

「どうしたでごじゃるハルト?」

 

「こんな独特の魔力の匂いアイツしかいない。妖精の尻尾もう一人の最強候補、ミストガン」

 

着々と反撃の準備は整ってきた。

 

「反撃開始じゃ!!!」

 

「ここからが本番でごじゃる!!!」

 

「行けーー!!!」

 

 

○

カルディア大聖堂で待つラクサスにもその知らせが届いていた。

 

「エルザとミストガンが参戦か……だがアイツ等は敵じゃねえ。早く参加してこい……ハルト!」

 

 

○

エルザが街に出てラクサスたちを探しにいき、ハルトたちはやっぱりギルドから出られず待機していた。

 

「そーいや、なんでハルトはミストガンってわかったんだよ?」

 

「アイツの魔力は何か独特なんだよな。鼻が覚えてたんだよ」

 

「そうかハルトって魔法や魔力の匂いにはすごく効くもんね」

 

しばらくするとエルザとエバーグリーンが戦闘を始めた知らせが届いた。

 

「おお!!」

 

「エバーグリーンとの戦いが始まったでごじゃる!!」

 

「エルザが負けるはずがないよ!!」

 

するとすぐにルーシィたちの石化が解かれた。

 

『!!!』

 

「あれ?何これ?」

 

「ジュビアはどうしたのでしょう?」

 

「私たち……」

 

「んん?」

 

「おおっ!!!!」

 

「元に戻ったーーーっ!!!」

 

突然の状況に石化していたルーシィたちは戸惑い、ハルトは石化が解かれたことに喜ぶ。

 

「ルーシィ!!!」

 

「ハルト!」

 

ハルトはステージに上がり、ルーシィを抱きしめる。

 

「キャッ!ハ…ハルト!?そ、そんな……こんな人前で……」

 

「よかった……!!」

 

「は、ハルトさん……!!人前でそんな大胆な……!!」

 

「キャーッ!!ルーちゃん大胆だね!!」

 

周りの女性陣は顔を赤くしたり、茶化したりして、ルーシィも顔を赤くして恥ずかしそうにしてるが内心ではすごく喜んでいた。

 

[エルザVSエバーグリーン]

[勝者エルザ]

 

(よくやったエルザ!人質は解放された……さぁ、どうするラクサス?)

 

 

○

ラクサスはエバーグリーンがエルザに敗れ、苛立っていた。

 

「クソがぁ………!!なんでエバがエルザごときにやられんだよ!!ア?いつからそんなに弱くなったァ!!エバァ!!!!」

 

「エルザが強すぎるんだ。オレかビックスローが行くべきだった」

 

「なぜ戻ってきたフリード?」

 

苛つくラクサスの背後からフリードが現れる。

 

「ゲームセットだからな。人質が解放されたらマスターはもう動かない」

 

確かにマカロフには人質が解放されたことにより、ラクサスと争う理由がなくなった。

しかしラクサスは止まらない。

 

ズギャァッ!!!!

 

ラクサスがフリードを睨むとフリードのすぐ横を雷が走り、地面をえぐる。

 

「ラクサス……」

 

「終わってねえよ。ついてこれねえなら消えろ。オレの妖精の尻尾には必要ねぇ」

 

フリードはラクサスの暴走に戦慄した。

 

 

○

石化されたルーシィたちに今の状況をマカロフが説明した。

 

「バトルオブフェアリーテイル !?」

 

「ラクサスがそんなことを?」

 

「……がそれももう終わりじゃ。お前たちが石から戻ればラクサスのくだらん遊びに付き合う事もあるまい。ラクサスめ……今回ばかりはただではすまさんぞ」

 

マカロフは少し安心した表情で話しながら、厳しい目つきになった。

そこにナツが待ったをかけた。

 

「ちょっと待ってくれ。確かに仲間同士って戦わなきゃなんねーってのはどうかと思ったけどよ……妖精の尻尾最強を決めるっていうラクサスの意見には賛成するしかねえだろ」

 

「そーでもねえだろ」

 

ナツの滅茶苦茶な意見にハルトが即否定する。

 

「まあ……あんまりラクサスを怒らねーでくれって事だ。じっちゃん」

 

マカロフは今だにラクサスが仕出かしたことはいつものケンカだと思ってるナツに呆れてしまう。

 

「つーわけで!第2回バトルオブフェアリーテイル !開催すんぞ!!全員かかってこいやー!!!」

 

『はいい!!!?』

 

「やめーーーい!!!」

 

ナツと突拍子もない提案に全員が驚く。

 

「だってオレたち何もしてねーじゃん!バトルするしかねぇだろ!!」

 

「ちょっ、ちょっと!アンタが言うとシャレになんないのよ」

 

「じゃっ!さっそく俺と戦おうぜ!!ハルト!!」

 

「俺かよ」

 

ナツが無理やりハルトに戦いを挑んで、ルーシィが止めようとするとナツがルーシィに狙いを変えてバトルしようとしてハルトに殴られるなどのいつもの風景が戻ってきた。

それを少し離れたところからガジルが見ており、ジュビアが話しかけた。

 

「どうしたのガジルくん?」

 

「別に……」

 

「楽しいギルドだよね」

 

「イかれてるぜ」

 

そんな時、ギルドの入り口に黒い幕みたいのがかかる。

 

「あれ?何かしら?」

 

「ん?」

 

ミラが気づき、全員がそっちを見るとそこには雷があしらわれたドクロマークが浮かび上がり、ギルド中にそのドクロマークが現れる。

 

『聞こえるかジジィ。そしてギルドの奴らよ』

 

「ラクサスか……」

 

そのマークからラクサスの声が発せられ全員が警戒して聞く。

 

『ルールが一つ消えちまったからな…今から新しいルールを追加する。バトル・オブ・フェアリーテイルを続行する為に、オレは〝神鳴殿〟を起動させた』

 

「神鳴殿じゃと!!?」

 

「正気か!ラクサス!!」

 

ラクサスの言葉に焦りを見せるマカロフとハルト。

 

『残り1時間10分。さあ、オレたちに勝てるかな?それともリタイアするか? マスター。ははははっ!!!』

 

ドクロマークが全て消え、マカロフは激昂する。

 

「何を考えておるラクサス!!!関係のない者たちまで巻き込むつもりかっ!!!……んぐっ!!?」

 

「!!!」

 

「どーしたじーさん!!?」

 

「どうしたの!?」

 

「うう……!!」

 

突然マカロフへ胸を押さえ苦しみ出したマカロフは蹲り、倒れてしまった。

 

「大変!!いつものお薬!!」

 

「こんな時に……!!」

 

「マスターしっかりしてください!!」

 

「大変……!!みんな……外が!!」

 

薬を持ってきたミラが外を指差し、焦ったように知らせる。

 

ギルドのベランダから外を眺めると雷を帯びている魔水晶が街を囲うように円になって浮いていた。

 

「何だあれ?」

 

「あれが“神鳴殿”だ」

 

「あれが……」

 

「神鳴殿は元々対軍用魔法と街を守るための魔法なんだ」

 

「対軍?」

 

「俺たち妖精の尻尾は闇ギルドと戦うことが多いからな。恨みを買って反撃されることを考えたじーさんがカミナ、ラクサスをもとに作った魔法だ」

 

「でも今街を囲ってるじゃないか」

 

カナが神鳴殿を指差し、そう言う。

 

「ああ、これは間違った使い方だ」

 

「もし発動したらどうなっちゃうの?」

 

ルーシィがハルトに恐る恐る聞くとハルトは神妙そうな表情をする。

 

「街中に雷が落ちる」

 

全員の表情が強張る。

 

「そんなことさせないわ!!アタシが撃ち落として……!」

 

「やめろビスカ」

 

「なんで止めるのよ!ハルト!!」

 

ビスカがライフルで撃ち落とそうとするがハルトに止められる。

 

「あれは生体リンク魔法もかかってる。破壊したら充電されてる魔力がそのまま破壊した奴に雷となって落ちるようになってる」

 

「じゃあ破壊することもできないの!!?」

 

「そんなの少し我慢して……!」

 

「一発で生死を彷徨うほどの魔力だぞ!全部約300個……ここにいるメンバーで撃ち落とせる数じゃない!」

 

「じゃあラクサスをやるしかない!!行くよっ!!」

 

「あたし……できるだけ街の人を避難させてみる!!」

 

「雷神衆もまだ二人いる!!気をつけるんだよ!!!」

 

カナたちがそれぞれラクサスを止めるため動きだした。

ハルトは神鳴殿を見つめて拳を強く握る。

 

「ラクサス……お前がなんでこんなことをはじめたかはわからねえが

やり過ぎだろうが馬鹿野郎!!!」

 

 

○

「神鳴殿を使うなんて……ここまでやる事は……」

 

フリードが起動した神鳴殿を見ながら戸惑う。

 

「ここまで?オレの限界はオレが決める」

 

ラクサスは怒りでか僅かに体に雷を纏う。

 

「これは潰し合いだぁ!!!どちらかが全滅するまで戦いはおわらねえ!!!!」

 

 

○

ギルドから外に出られないナツは術式の壁を殴って、出ようとするがビクともしない。

 

「だぁーーー!!!なんで出られねんだよ!!!」

 

「ナツ、落ち着け!!」

 

「落ち着いてられっかよ!!!」

 

「殴っても変わらねえだろうが!!」

 

「ナツ、ハルト!大丈夫!私なんとかできるかもしれない!!」

 

お互い苛ついているのか言い合いしてるなかにレビィが間に入る。

 

「どうにかできるのか?」

 

「本当か!?レビィ!!」

 

「うん!術式でしょ?同じ文字魔法の一種ならなんとかできるよ!!

私……あなたたちならラクサスを止められるって信じてるから」

 

いよいよ竜たちが動き出す。

 

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