FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

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第84話 雷竜猛攻

ハルトを中心にランダムに浮遊する雷球。

ハルトは警戒して身構え、ラクサスは不敵な笑みを浮かべる。

 

「滅竜奥義 真・神鳴殿。今度はこっちから行くぜハルト」

 

その瞬間ラクサスは雷となって次々とランダムに、雷球に移った。

その速さは今までのものと比べるものではなくハルトの目では追いつけてなかった。

 

「こっちだ!!」

 

「がっ!?」

 

ハルトの背後から攻撃し、すぐさま別の雷球に移る。

ハルトに攻撃しては離れ、雷球に移ってまた攻撃する。

その速さに翻弄されるハルトは攻めあぐねていた。

 

「ハハハッ!!!俺の速さについてこれねぇか!!ハルト!!!」

 

「ぐうぅっ………!」

 

攻撃するが全てかわされ、防ぐだけの時間が過ぎていった。

 

「今の俺の速さは今までの5倍だ!!ついてくるところが目ですら追えねぇだろ!!!」

 

ラクサスがその速さに乗った拳がハルトの顔に入った瞬間、ハルトはその腕を掴んだ。

 

「!!」

 

「捕まえたぞ!!」

 

「チッ!!」

 

ラクサスはハルトに掴まれたまま雷球に飛び込み、縦横無尽に移動する。

ハルトの体に凄まじい電撃が流れるが意地でも掴まる。

 

「放せ!!」

 

「これなら速さなんて関係ねぇよな!!覇竜の螺旋拳!!!」

 

「がはっ!!」

 

回転を加えた螺旋拳の衝撃はラクサスの体を貫き、ラクサスの体勢が崩れ投げ出されるようにハルトは地面に転がり、ラクサスはハルトから離れたところで膝をつく。

 

「がはっ!ゴホッ……!くそっ!」

 

ラクサスの口から血がこぼれ、苦しそうだがなんとか立ち上がり手をハルトに向ける。

ハルトは身構えるが背後から細い電気が流れる。

 

「っ!なんだ!?」

 

後ろを向くとハルトの背後にあった雷球からその電気は伸びてラクサスの手に繋がっており、ハルトの体を貫通しているが何も影響がない。

 

「滅竜奥義!麒麟雷道!!!」

 

ピシャアアアアアンッ!!!!

 

一瞬光り、雷が落ちた音がしたと思うとラクサスはハルトの後ろに立っており、ハルトの体中が火傷だらけで煙が上がり大きなダメージだけが残っていて、ハルトは何が起こったかわからなかった。

 

「が……あ……」

 

「効くだろ?俺の麒麟雷道は一瞬自分の体を雷にして相手を貫く技だ。一定の条件じゃなきゃできねえが上手くいったぜ」

 

その速さは光の速度と同等。

人間が反応できるはずもなく、ハルトはふらつく。

 

「まだ倒れねえか!だが、これで終わりだ!!」

 

ラクサスはトドメを刺そうとハルトに向かって拳を振るう。

ハルトは朦朧とする意識の中、ラクサスが向かってくるのが見えて防がないといけないのに体が動かない。

あと数センチで拳がぶつかりそうな時に突然声が響いた。

 

『ハルト!!』

 

「アアアァァァッ!!!」

 

「何!?ぐはっ!!」

 

突然ハルトは叫んでラクサスの攻撃をかわし、顔面に拳を叩きこんだ。

突然のことに驚いたラクサスはもろにくらいたたらを踏んで後ろに下がる。

 

「何が……っ!!」

 

「ハァー…!ハァー…!ハァー…!」

 

ラクサスが一瞬何が起こったか分からず前を見るとさっきより魔力を大きくしたハルトが息を荒くして、立っているのも辛そうなのにその目の闘志が消えていないのが目に入った。

 

「そうだよな……そうじゃなきゃ面白くねぇ!!」

 

ラクサスも雷を滾らせ、再びハルトとぶつかる。

 

「「ウオオオォォォォォォォッ!!!!!」」

 

二人のひたすら殴る、蹴るの応酬にカルディア大聖堂の天井に徐々にヒビが入る。

ハルトの魔力とラクサスの雷が攻撃する度に辺りに衝撃波として飛び交う。

 

「覇竜の鉤爪!!」

 

「ぐっ!……雷竜の顎!!!」

 

ハルトの蹴りが当たるがラクサスはそれを我慢し、ハルトの脳天に拳を振り下ろす。

 

「がっ!!」

 

「フンッ!!」

 

ラクサスは足を振り下ろし踏みつけようとするがハルトが足を掴んで阻止する。

 

「覇竜の鎚角!!!」

 

「がはっ!!」

 

アッパーがラクサスの体に深々と突き刺さり、いったん離れた二人は同時にブレスの魔力を貯める。

 

「覇竜の……」

 

「雷竜の……」

 

「「咆哮オォッ!!!!」」

 

二つの咆哮がぶつかり、辺りは光に包まれた。

煙が晴れるとハルトとラクサスは互いにボロボロの状態で膝をついているが、ハルトの怪我のほうが大きい。

 

「まだだ……まだ終わってねぇぞハルト!」

 

ラクサスは両手で魔力を貯めて巨大な球体を作り両手を握って打ち出すように構え、ハルトも魔力を球体に練り込む。

 

「滅竜奥義……!!」

 

「付加(エンチャント)……!!」

 

「雷帝竜砲ォッ!!!!!」

 

「竜戟弾ッ!!!!!」

 

ラクサスの魔力弾とハルトの拳がぶつかる。

高密度の雷球はハルトの竜戟弾を押しており、ハルトは徐々に押されていく。

 

「ぐうぅ……!!!」

 

「これで終わりだ!!!ハルトォォッ!!!!」

 

ラクサスはさらに魔力を送り、雷帝竜砲の勢いは増す。

ハルトの拳は雷でぶつかっている部分から火傷を負っていくが、それでも押し込んでいく。

 

「オオオォォォォォォォッ!!!!!」

 

ハルトの拳は雷帝竜砲を貫き、ラクサスに突き刺さる。

 

「ゴフッ!!!」

 

「オラアァァァァァッ!!!!」

 

ハルトはラクサスごとカルディア大聖堂の天井に叩きつけ、天井を破壊して下に落ちる。

 

「「ハルト!!」」

 

「ぐっ……うぅ……」

 

ハルトは地面に受け身をとれずに落ちてうずくまり、覇王モードもダメージで解けたしまった。

ラクサスの落ちたところはラクサスが落ちたことで煙が上がり見えない。

 

「ラクサスを倒したのか……?」

 

「くぅーーっ!!俺が戦いたかったのになぁっ!!ハルト!!次は俺と戦え!!」

 

ハルトはふらつく体でなんとか立ち上がり、これで終わったと思った瞬間、煙の中から砂利を踏む音が聞こえる。

ハルトは信じられないような表情で煙を見ていると、雷が発せられ煙を吹き飛ばす。

そこにはボロボロの傷だらけの姿になって苦しそうなラクサスが立っていた。

 

「嘘だろっ……!?」

 

「ハァ……ハァ……今のは効いたぜ……ハルト。だけど……俺はまだ倒れてねぇぞ!!!来いよ!!!まだ勝負は終わっちゃいねえっ!!!」

 

「ラクサス!!もう止めろ!!!これ以上やると怪我どころでは済まなくなる!!!」

 

「うるせえっ!!!雑魚は黙ってろっ!!!」

 

必殺の技を防がれたハルトは戦慄し、ラクサスはまだ治らない闘志を燃えたぎらせる。

これ以上の戦闘は死人が出てしまうと思ったエルザは止めるために間にに入るが、治らないラクサスはエルザの顔に向かって雷を放つ。

 

「しまっ……!!」

 

「エルザ!!」

 

ダメージであまり動けないエルザの顔に雷が迫り、直撃しそうになった瞬間、ミストガンが間に入ってラクサスの雷を顔で受け止めた。

ミストガンの顔を覆っていた布は全て焼け落ち、その素顔が露わになった。

 

「ジェ……!」

 

「ジェラール!!?お前…生きて……」

 

青色の髪に右目に入れ墨がある男。

長くエルザを苦しめ、ゼレフに心酔してしまい大罪を犯した男、ジェラールだった。

 

 

レビィは一人ギルドに残りみんなの帰りを待っていた。

 

「神鳴殿……街中を襲う雷の魔水晶ラクリマ……雷神の裁き……もう時間がない……でも大丈夫だよね!!ナツやガジルもいるし、何よりハルトもいるんだから負けるはずないよね!!」

 

するとギルドにある人物が訪ねに来た。

 

「マカロフはどこ?」

 

妖精の尻尾専属治療医、ポーリュシカだった。

 

「ポーリュシカさん!?何でここに!!」

 

「カミナに連れられて来たんだけどね。アイツはどこかに行ったよ。それよりマカロフはどこにいるかとい聞いてるの」

 

「あっ…はい!こっちです!!」

 

レビィに案内されマカロフが寝ている医務室に案内され、容態を見て、ゆっくりと口を開く。

 

「ラクサスを連れて来なさい」

 

「え?」

 

「祖父の危篤も知らずに遊び回っているあの子を連れて来なさい」

 

「え……ちょっと……マスターが危篤なんて……そんな大げさな……」

 

レビィが冗談だと思い、そう言うがポーリュシカは涙を流しレビィに懇願する。

 

「いいからお願い。この人は、もう長くない」

 

 

ミストガンの顔がジェラールと瓜二つでここにいるはずでジェラールと思ったが彼がここにいるのはあり得ないのだ。

楽園の塔を爆破したときに彼は自身を犠牲にして死んでしまったのだ。

 

「ジェ、ジェラール……」

 

「エルザ…あなたにだけは、見られたくなかった」

 

「え?」

 

「彼は君たちが知っているジェラール・フェルナンデスじゃない。似ているが、別人だ」

 

ミストガンはそう言い残し、その場から消えるように姿を消した。

 

「だぁーーっ!!!ややこしいっ!!!どうなってんだ!!!」

 

「ジェラール………」

 

「らしくねぇ顔しんてんじゃねえぞ!!エルザ!!」

 

呆然とするエルザに向かって雷を放つラクサス。

ハルトはエルザの前に出て、雷を剛腕で受け止めた。

 

「エルザ!!ミストガンのことは後にしろっ!!!」

 

「っ!す、すまない!!」

 

「お前は外の神鳴殿をなんとかしてくれ!!もう時間がねえっ!!!」

 

時間を見ると神鳴殿発動まで残り15分を切っていた。

 

「わかった!任せてくれ!!(とりあえずミストガンのことは後回しだ!) ナツ!!一緒に来い!!」

 

「嫌だ!!俺はラクサスと戦うんだ!!」

 

「なっ……!」

 

エルザがナツの我儘に呆れているとラクサスが再び動いた。

 

「勝手なことしてんじゃねぇぞ!!」

 

ラクサスはジャンプして、エルザに向かって雷の槍を投げようとするがハルトがブレスを放ち邪魔をする。

 

「覇竜の咆哮ォッ!!!」

 

「チィッ!!」

 

ラクサスは自身に雷を纏ってブレスを避けて再び対峙する。

 

「エルザ!!ナツはオレに任せてお前は早く行け!!!」

 

「わかった!!」

 

エルザは外に出て行くが、ラクサスはそれを横目で追うだけで無視した。

 

「ハルトよォ……エルザに神鳴殿が止められると思ってんのかァ?アァッ!!?」

 

「エルザなら止めれる。俺は……お前を止める!!」

 

ハルトは拳を構え、魔力を滾らせる。

ラクサスはエルザが神鳴殿を止めようとすることに怒りがわき立ち、全身から雷が溢れ出る。

 

「やってみろハルトオォォォォッ!!!!」

 

「行くぞラクサスァァァスッ!!!!」

 

二人は同時に飛び出し、拳を構える。

 

「「オオオォォォォォォォッ!!!!!」」

 

二人がぶつかりそうになった瞬間、突然ハルトの体から発せられていた魔力が霧散してしまった。

 

「な……!?があっ……!!」

 

突然のことに驚いたハルトにラクサスの拳が顔面に当たり、地面にリバウンドしながら吹き飛ばされた。

 

「ハァ……ハァ……くそっ……時間切れかよ……!!」

 

ハルトの覇王モードは強力な強化技だが、ハルトの体に負担をかけてしまい、体の限界を超えると強制的に解けてしまうのだ。

さらに……

 

「チクショッ……ぐう……うぅ……!!」

 

ハルトの体から煙が出てきて、苦しそうにしている。

許容量を超えた魔力を使ったため体にフィードバックが来てるのだ。

苦しそうにしているハルトにラクサスが近づく。

 

「オイ、なんだよ……俺を止めんじゃねえのか!!?」

 

「がはっ……!!ごほっ……!!」

 

ラクサスは足に雷を纏ってハルトを何度も踏みつけて痛みつけ、ハルトの首を掴み締め上げる。

 

「これで終わりだハルトッ!!」

 

ラクサスの腕に雷が集まり、ハルトに放たれようとした瞬間……

 

「火竜の翼撃!!!」

 

炎の翼撃がラクサスとハルトの間に入り、ラクサスとハルトを引き離す。

 

「こっからは俺が相手だ!!!」

 

ナツが手から炎を出してラクサスと対峙する。

 

「ナツ……」

 

「ハルトの代わりだ!今度はオレが戦う!!」

 

「邪魔だァッ!!ナツゥッ!!」

 

「火竜の……咆哮!!!!」

 

ナツは頭を振りながらブレスを放ち、ラクサスとの間に炎の壁を作る。

 

「ハルト!!オレがラクサスと戦う!!それでいいな!!!」

 

「ナツ……今のお前じゃラクサスは……」

 

「そんなの関係ねえっ!!!テッペンとるチャンスだろうが!!!」

 

ハルトはナツとナツの炎を見てそれに賭けることにした。

 

「ナツ……」

 

「なんだよ!!オレはラクサスと戦うからな!!!」

 

「よく聞け!ラクサスの弱点を教える!!」

 

「!!」

 

エルザが神鳴殿を落とすために多くの剣を召喚し、構えるがその数は50程だ。

 

「ハァ…ハァ…体力が……」

 

ラクサスとの戦闘でダメージを受けて、召喚できる数が少ない。

 

「このままでは……」

 

「手伝うぞ……」

 

後ろから声がかけられて振り向くと傷だらけのハルトがフラつきながらカルディア大聖堂から出てきた。

 

「ハルト!!ラクサスはどうした!?」

 

「ナツに任せた……」

 

「ナツに!?今のラクサスの力は知っているだろう!!ナツには無理だ!!」

 

「今の俺じゃ無理だ。ラクサスに勝てねえ……だけどナツなら勝てるかもしれない」

 

ハルトが中が燃えているカルディア大聖堂を見る。

 

「信じよう。アイツなら勝てる」

 

 

ラクサスが雷で炎を掻き消し、ナツを睨む。

 

「ナツ……邪魔すんじゃねえぞ。テメェのことは少し気に入ってるがハルトとの戦いを邪魔すんじゃねぇっ!!」

 

ラクサスは怒りで血管が浮き上がるほどでナツに怒鳴るがナツはニヒルに笑って睨む。

 

「なんだよラクサス……ハルトがいなくて寂しいのかよ」

 

「アァッ!?」

 

ナツの体が炎に包まれ、そのすがたはまさに今のナツの闘志を表しているようだった。

 

「ハルトに代わって、オレがお前を倒す」

 

「このガキが………」

 

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