FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

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第85話 孤独な雷鳴

ハルトとエルザが神鳴殿を止めるためラクリマを破壊しようとするが問題が起きてしまった。

 

「ハルト……いくつラクリマを壊せる?」

 

「よくて80個ぐらいだな……魔力の残りが少ない。お前は」

 

「……私も似たようなものだ。だがラクリマは全てで300個。二人合わせても足りないぞ」

 

「限界を超えるしかねえな」

 

「もちろんだ」

 

二人は決死の覚悟で臨んでいた。

 

 

ナツは炎の塊をラクサスにぶつけるが、ラクサスはそれを防ぎ、ナツに向かって叫ぶ。

 

「テメェにだってわかるだろ、ナツ!!! 今、このギルドがどれだけふぬけた状況か!!! ハルトもだ!!!アイツもギルドと一緒に腑抜けちまった!!!オレはこのギルドを変える!!!その為にマスターにならなきゃいけねェんだよ!!!」

 

ラクサスは神鳴殿発動までの時間を見る。

 

「何してやがんだジジイは!!!街がどうなっても構わねえよかよ!!!」

 

ラクサスがそう叫ぶがどこか焦っているようだった。

 

「そんなに焦んなよラクサス」

 

「!」

 

「どうせ何も起きねえから」

 

「何だと?」

 

ナツは自信を持った表情で話す。

 

「街を壊したってお前には何の得もねえ。今から引く引けなくて焦ってんだろ?」

 

ラクサスは図星をつかれたような表情になる。

 

「意地を通すのも楽じゃねえな!!!ラクサス!!!!」

 

ナツは拳に炎を灯し、ラクサスに突撃する。

 

「てめぇが知ったような口を……!!!ぐふっ……!!?(ハルトの攻撃が……!!)」

 

ラクサスはナツを迎え打とうとするがハルトに殴られたところを抑えて、片膝をつく。

 

「火竜の鉄拳!!!」

 

「がはっ!!」

 

ナツの拳はラクサスの頬に当たり、後ろに下がらせる。

 

「大丈夫さハルトたちが止めてくれる」

 

 

神鳴殿のラクリマは段々と魔力が蓄積され、雷を鳴らす。

 

「59……ハァ…ハァ…60……同時に破壊するには……まだ……くそっ魔力が……」

 

エルザが苦しそうに武器を展開させるがもう限界がきていた。

 

「こっちも使える魔力が少ねえ……くっ……」

 

ハルトは苦しそうに片膝をつき、体から煙が上がる。

 

「ハルト!あつっ!」

 

エルザが肩に手を乗せ触ると鎧越しでも熱さが伝わるほどハルトの体は熱くなっていた。

 

「ハァ……ハァ……くそっ……!!」

 

カルディア大聖堂から激しい戦いの音が聞こえてきて、ハルトはカルディア大聖堂のほうを見て強敵ラクサスに挑むナツを応戦する。

 

「勝てよ、ナツ!!」

 

 

「オラアァァァァッ!!!」

 

「チック……ショ……!!」

 

ラクサスが圧倒的な力でナツが押されていると思われた戦況はそれとは逆にナツの怒涛の攻めにより、ラクサスは防戦一方だった。

 

(今になってハルトの攻撃が効いてきやがった……!)

 

「火竜の翼撃!!!」

 

ラクサスはハルトとの戦いが後になって体に影響を与えてきて、先ほどのキレは全くない。

ナツの攻撃をもろに受けたラクサスは後ろに下がり、雷をナツに浴びせる。

 

「あんまり調子に乗るんじゃねえぞ!!」

 

「ぐあぁっ!!」

 

ナツは雷を浴びても、立ち上がってラクサスに向かっていく。

 

「火竜の鉤爪!!!」

 

炎の蹴りをラクサスは防ぎ、足首を掴んで柱に投げつけるとナツの顔を柱ごと殴る。

 

「らぁっ!!」

 

「ぎぃっ!!」

 

ラクサスは残り時間を横目で確認すると残り1分を切っていた。

その隙にナツはラクサスの顔に回し蹴りを放った。

 

「何も起きねえ!!!」

 

「黙れ……」

 

ナツの自信のある言葉の裏腹にラクサスはどこか焦りが見え始める。

 

 

ハルトとエルザが残りのラクリマをどうやって破壊するか焦り始めると頭の中に声が聞こえた。

 

『おい!!!みんな聞こえるか!!?一大事だ!!!空を見ろ!!!!』

 

「この声は……」

 

「ウォーレンか!!」

 

妖精の尻尾の魔導士の一人、ウォーレンが念話でマグノリア中にいる仲間に話しかける。

 

『くたばってる奴は起きろ!!!あの空に浮かんでいる物をありったけの魔力で破壊するんだ!!!一つ残らずだ!!!あれはこの街を襲うラクサスの魔法だ!!時間がねえ!!!全員でやるんだ!!!!』

 

「ウォーレン。お前……なぜ神鳴殿の事を……」

 

ウォーレンが知るはずがないことをエルザが不思議がっているともう一つの声がエルザに響く。

 

『その声はエルザか!?無事だったのか!?』

 

『エルザだって!?』

 

『石から戻ったのか』

 

『おおっ!!!』

 

「グレイか!!ナイスだ!!!」

 

『ウォーレンを偶然見つけてな』

 

ハルトはグレイがウォーレンを使って仲間に神鳴殿を知らせたことを褒める。

 

『オイ……エルザが無事ってことは他の子たちは!?』

 

『レビィは……!!?』

 

『みんな無事よ。安心しなさい』

 

『私も無事よ、アルザック』

 

『よかった……』

 

石にされたみんなを救うために戦った者たちがカナたちの声を聞いて安心した声を出す。

 

『すまねえ、オレの念話テレパシーはギルドまでは届かねえ。とにかくこれが聞こえてる奴だけでいい!!あの空に浮いているものを……』

 

『ウォーレンてめぇ……オレに何したか忘れたのかよ』

 

『マックス!!!』

 

そこに怒りがこもった声がきこえてくる。

その声はマックスでバトルオブフェアリーテイルのルールのせいとはいえ、ウォーレンに倒されたのだ。

 

『あん時はすまなかったよ…だって、女の子を助ける為に必死で……』

 

(オウ!!そうだ!!聞こえるかアルザック!!』

 

『テメェもだ!!ニギー!! ちくしょう!!』

 

『さすがにトノは許せねえぞ!!』

 

それをはじめにあっちこっちから怒鳴り声が聞こえてくる。

そしてとうとう我慢ができなくなり、グレイが怒鳴った。

 

『ケンカなら後でやれ!!!』

 

『『『『『お前が言うな!!!!』』』』』

 

しかしそれは戦ったグレイも同じでみんなから怒鳴られる。

 

『今は時間がねえ!!!空に浮いてんの壊せ!!!』

 

「よ…よせ!!あれには生体リンク魔法が……」

 

「それに人数が足りねえ!!一人一個じゃ足りねえぞ!!!」

 

『俺がいる』

 

「!!」

 

また一人、声が聞こえてきてその声にハルトはとても聞き覚えがあった。

 

「カミナか!!!」

 

『ああ、そうだ。俺が西側の100個を壊す』

 

これで人数が揃った。

 

『ビジター、テメェそこ動くなよォ!!!』

 

 

『マカオ、おめぇにゃ無理だ、寝てな!!!』

 

 

『んだとぉワカバ!! ジジィのくせにハシャギすぎだよ!!!』

 

 

『とっととあれ壊して、ギルドに帰るぞ!!!

 

「お前たち……」

 

やはり戦い、お互いを潰しあっても信頼できる仲間。

そのことにエルザは嬉しくなる。

みんなが神鳴殿を破壊しようと息をあわせる。

 

「北の100個は私とハルトがやる!!!みなは南と東を中心に全部撃破だ!!!」

 

「一個も残すなよォ!!!」

 

ドガガガがガガガッ!!!!!

 

その瞬間、神鳴殿のラクリマ全てに魔法、攻撃が放たれ、ラクリマは一つ残らず破壊された。

 

「よしっ!!!」

 

「やった……か」

 

そして生体リンク魔法が発動し、ラクリマを破壊した全員に強力な雷が落とされ、あっちこっちから悲鳴が響きわたった。

 

「まったくお前たちと言うやつは何という無茶を……」

 

「まぁ……お互い様って事で」

 

ラクサスと神鳴殿のダメージでピクリとも動けないハルトとエルザは笑いあう。

 

『ふふ……本当……いいギルドだな。私たちは……』

 

『あぁ…そうだな……』

 

『ラクサスが反抗期じゃなかったらもっとな』

 

『あははは、言えてらぁ』

 

『アルザック、大丈夫か?』

 

『ドロイ? う…うん、ありがとう』

 

そんな念話テレパシー越しの楽しげな会話が、マグノリアの街に響いていったのであった。

 

 

神鳴殿機能停止

 

ラクサスとナツが戦うカルディア大聖堂にフェアリーテイル のメンバーが神鳴殿のラクリマを破壊し、機能停止にした知らせがラクサスの目に入った。

 

「な、心配なかったろ」

 

ナツの言葉が耳に入らないほどラクサスは驚愕する。

 

「ギルドを変える必要なんてねえ。みんな同じ輪の中にいるんだぞ。その輪に入ろうとしねェ奴がどうやってマスターになるんだ!?ラクサス!!」

 

ナツにそう言われ、ラクサスは何かに耐える様に震え、雄叫びを上げて怒りの雷を落とす。

 

「支配だ」

 

全身から雷がほとばしり、まさしくラクサスの怒りを表していた。

 

「……いい加減にしろよラクサス!妖精の尻尾はもうお前のものにはならねえ」

 

「なるさ…そう……駆け引きなど初めから不要だった……全てを力に任せればよかったのだ!!!圧倒的なこの力こそがオレのアイデンティティーなのだからなァ!!!!」

 

雷はラクサスの怒りとともに激しくなり、辺りを荒らす。

しかしナツもラクサスの自分勝手な言い分に怒りを燃やす。

 

「そいつをへし折ってやれば諦めがつくんだなラクサス!!!!」

 

ナツは炎を拳に灯し、ラクサスを殴るが、

 

「火竜の鉄拳!!!!」

 

ラクサスはそれを受けても薄らい笑みを浮かべる。

 

「まずは貴様だ。くくく……」

 

ラクサスはナツに向かって手を向ける。

 

「雷竜の放電!!!!」

 

「ぐはぁ!!!」

 

「かかってこい妖精の尻尾!!!オレが全てを飲み込んでやる!!!!」

 

ナツは雷で打たれ吹き飛び、ラクサスは容赦なく追い討ちをかける。

さっきまではナツが優勢だったがラクサスの猛攻に形成は完全に逆転してしまった。

 

「ボルトショットォ!!!」

 

「うがぁ!!!」

 

雷球をくらったナツは倒れるが立ち上がる。

しかしその体はダメージで震えている。

 

「つ……強ェな…やっぱり……くっ!う……!」

 

ナツはダメージに耐えられず、その場に倒れてしまう

 

「雷竜のォ……」

 

ラクサスの腕に大きな雷がほとばしり、ゆっくりと上げる。

その雷の大きさにナツの頬に汗が流れる。

 

「剛雷!!!!」

 

振り下ろされた腕とともに雷は天井を破壊しながらナツに落とされる。

落とされた床は粉々に砕けちり、そこにはナツの姿がなかった。

 

「フフ……フハハハハハハハッ!!!!!ナツぅ……このギルド最強は誰だ?」

 

ラクサスはナツに問いかけるが答えるナツもいない。

 

「ハハハハハッ!!!!粉々になっちまったら答えられねーか!!!」

 

ラクサスの笑い声だけが響き渡り、絶望的な空気が流れるが、そこにある男が現れる。

 

「仲間……じゃなかったのか?それを消して喜んでるとァどうかしてるぜ」

 

「ア?」

 

「まあ、消えてねえがな。こいつを消すのはオレの役目だからよォ」

 

そこに現れたのはガジル。

しかもその手にはナツが抱えられていた。

 

「ガジル……んがっ!」

 

ガジルは抱えていたナツその場に落とした。

 

「また獲物が一匹……ククク………消えろ消えろォ!!!オレの前に立つ者は全て消えるがいいっ!!!!」

 

最早狂人とも言えるラクサスに、ボロボロのナツはまだたちむかう。

 

「ラクサスはオレがやる……引っ込んでろ」

 

「コイツには個人的な借りがあるんだヨ」

 

ガジルは以前、ジェットとドロイに呼び出され、ファントム戦の時の仕返しをされ自分なりの罪滅ぼしをしたときに、ラクサスが現れ一方的に嬲られたのだ。

 

「だが奴の強さは本物のバケモンだ。あのアーウェングスがやられちまったんだからな……気に入らねえがやるしかねえだろ。共闘だ」

 

「!!!」

 

ガジルの口から信じられない言葉が出て驚くナツだが、すぐに反対した。

 

「じよっ……冗談じゃねえ!!ラクサスはオレが倒すんだ!!!つーかオマエとなんか組めるかよ!!!」

 

「よく見ろ。あれがてめえの知ってるラクサスか?」

 

ガジルにそう言われ、ラクサスを見るがラクサスは完全に暴走しており、ナツが知っているラクサスではなかった。

 

「………」

 

「あれはギルドの敵だ!!!ギルドを守るためにここで止めなきゃならねえ!!!他の奴らは神鳴殿の反撃で全員動けねえ。今ここで奴を止めねえとどうなるかわかってんのか!?」

 

ナツは神妙な顔になり考える。

 

「お前がギルドを守る?」

 

「守ろうが壊そうがオレの勝手だろーが!!!」

 

ナツは前にギルドを壊した本人とは思えない言葉に軽く引っかかり、ガジルは恥ずかしそうに反論する。

 

「この空に竜は一頭でいいんじゃなかったのか?」

 

「当たり前だ。てめえを倒したら次はアーウェングスだ。だが、こうも雷がうるせえと空も飛べねえ」

 

二人はニヒルに笑いながら、ラクサスに対峙する。

 

「行くぞ!!!!」

 

ここに三頭の竜の戦いの幕が上がった。

 

 

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