FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

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第91話 六魔将軍

ナツは一人で樹海に続く道を走っていた。

 

「見えてきた!!樹海だ!!!」

 

「待てよ!!ナツ!!!」

 

「やだねーっ!!」

 

「一人で先走るんじゃない!!」

 

「ちょっ……ちょっと、みんな……足早すぎ……!!」

 

先走るナツにグレイとエルザが追いついて行くが、体力が化け物並にある三人にルーシィはバテながら走って行く。

 

「お姫様抱っこしてあげようか?」

 

「僕は手を繋いであげる」

 

「俺から離れんじゃねーよ」

 

「ウザイ!!!」

 

「ルーシィ殿モテモテでごじゃるな」

 

「そんなんじゃないわよ!!」

 

「やっとナツさんたちに追いついた!」

 

「レイン、足早いね〜」

 

「ウェンディ!!モタモタしないの!!!」

 

「だってぇ〜!」

 

「オイラも頑張るからね!!」

 

すると全員に影がかかる。

 

「!!」

 

「何!?」

 

それは青い天馬が誇るクリスティーナがナツたちの上空を飛んでいた。

 

「おお!あれが魔導爆撃艇クリスティーナ!!!」

 

「すげぇっ!!!」

 

「あれが噂の……天馬!!!」

 

全員がクリスティーナを見上げていると、突然クリスティーナのいたるところから爆発が起きた。

 

「え!?」

 

「そんな……」

 

「クリスティーナが……!!?」

 

そしてついにはナツたちの目の前で墜落してしまった。

 

「落とされたァ!!!?」

 

「どうなっている!?」

 

全員が唖然とする中、クリスティーナが落ちて爆煙が上がる中を誰かが歩いてくる。

 

「誰か出てくる!」

 

「ひえー!」

 

「ウェンディ!」

 

ウェンディは恐れて岩陰に隠れ、その他の全員が身構える。

そして現れたのは………

 

「六魔将軍!!!!!」

 

なんと自分たちが探していた敵、六魔将軍だったのだ。

六魔将軍は邪悪な雰囲気を出しながらナツを見る。

 

「うじどもが……群がりおって」

 

「君たちの考えはお見通しだゾ」

 

「ハルト、ジュラに一夜をやっつけたぞ。ドーダ」

 

「そんな……!!」

 

「何!?」

 

「バカな!!!」

 

それぞれの実力者であるハルトたちが倒されたことに全員が動揺してしまう。

 

「動揺しているな? 聞こえるぞ」

 

「仕事は速ェ方がいい。それにアンタら…邪魔なんだよ」

 

「お金は人を強くするデスネ。いい事を教えましょう、〝世の中は金が全「お前は黙ってろ、ホットアイ」」

 

「まさかそっちから現れるとわな」

 

睨み合いが続き、ナツとグレイが動かない両者にしびれを切らして、六魔将軍に突貫する。

 

「探す手間がはぶけたぜー!!!」

 

「ナツ、グレイ!!」

 

「レーサー、やれ」

 

ブレインがレーサーにそう言うと、レーサーの姿が消え、ナツとグレイの目の前に現れ、顔に強烈な蹴りを放つ。

 

「なっ!!」

 

「モォタァ!!」

 

「ぐはっ!!」

 

「がっ!!」

 

「「ナツ!!グレイ!!……えっ?」」

 

「バーカ!」

 

「えっ!ちょっ……何これ!!?」

 

「クスッ……」

 

ルーシィが二人になり、全く同じように驚くと片方のルーシィが鞭を構え、本当のルーシィに攻撃し、それをエンジェルが面白そうに見る。

 

「行くぞシェリー!!」

 

「はい!!」

 

リオンとシェリーがホットアイに走って行くが、ホットアイは目を開き魔法を発動する。

 

「愛など無くとも金さえあれば!!! デスネ」

 

「きゃああっ!」

 

「な…何だ!!?地面がっ!!!」

 

リオンとシェリーが立っていた地面が流動し、めくり上がりリオンたちを巻き込みながら崩れる。

 

「がっ」

 

「うあっ」

 

「ばっ」

 

そしてトライメンズも、レーサーのスピードの前に倒される。

 

「舞え!!剣たちよ!!!」

 

エルザは天輪の鎧を換装しコブラに向かって手に持つ剣と空中に浮かぶ剣を操りながら振るうがコブラはそれをまるで太刀筋がわかるかのように避ける。

 

「聞こえてんだよ。その動きがなあ!!!」

 

「ぐっ!!」

 

コブラが剣のすきを狙い、エルザに蹴りを放つが、エルザはそれをなんとか防ぐ。

 

「何寝てんだこの野郎!!!」

 

ナツが浮かぶ絨毯に座りながら寝ているミッドナイトに向かってブレスを放つが、ミッドナイトの目の前で不自然に曲がり、ミッドナイトだけをかわしてしまう。

 

「はあっ!!?」

 

「やめろ。ミッドナイトを起こすと怖えー」

 

「がはっ!」

 

再び、ナツの近くに瞬時に現れたレーサーがナツを蹴り上げる。

 

「「ナツ!」」

 

「なっ!?」

 

「ほらよ!」

 

「ぐあぁっ!」

 

グレイがナツを呼ぶと、また隣にグレイの偽物が現れ、驚いたグレイは防御も出来ずに攻撃を食らってしまう。

 

「ひぃい…」

 

「うわあぁ……」

 

次々と六魔将軍の手によって倒されていく連合軍にレインとウェンディは立ちすくむだけだった

その中でもエルザは一人、六魔将軍のメンバーと互角に戦っていた。

 

「はあっ!!!」

 

しかし、エルザの剣をコブラは軽々と避けてしまう。

そして頭上に現れたレーサーがエルザに攻撃するがそれをかろうじて避け、レーサーに剣を振るうがまた避けられてしまう。

 

「ほお……これがエルザ・スカーレットか」

 

ブレインは六魔将軍2人同時に戦って引けを取らないエルザを感心した目で見ていた。

 

「見えた、デスネ!!」

 

ホットアイがエルザの隙をついて地面を流動させ、足場を奪い、そこにレーサーが速さを乗せた蹴りをエルザに放つ。

 

「はァ!!!!」

 

「くっ!」

 

エルザはその蹴りを受け止めるが、

 

「聞こえるんだよ。その動き」

 

「!!!」

 

いつのまにか横に立っていたコブラにエルザは瞬時に反応できず、コブラの毒蛇キュベリオスに腕を噛まれてしまった。

 

「はぁ!!」

 

「そいつの毒はすぐには死なねえ……苦しみながら息絶えるがいい……」

 

「う…あ……」

 

キュベリオスの毒によって、ついにエルザまでもが倒れてしまった。

 

「うう……」

 

「強ェ…」

 

「これが…六魔将軍オラシオンセイス……」

 

「はあ…はあ……」

 

呻き声を上げながら倒れる連合軍にブレインは髑髏の杖を向ける。

 

「ゴミどもめ。まとめて消え去るがよい」

 

ブレインの杖に怨霊のような邪悪な魔力が集められる。

 

「な……なんですの? この魔力……」

 

「大気が震えている」

 

「まずい…」

 

「この状態であんなの喰らったら……」

 

何とか回避しようとするが、ダメージによって思ったとおりに動くことが出来ない。

 

「常闇回旋曲(ダークロンド)」

 

ナツたちに向かって闇の魔力が放たれ、直撃しそうになった瞬間、

 

「水竜の鱗!!」

 

ナツたちの前に逆三角形の水の大きな盾が現れ、ブレインの攻撃を防いだ。

 

「!!」

 

「え!」

 

「何が起きたんだ……」

 

「これって……」

 

ナツたちは自分たちの後ろを見るとレインが両手を前に突き出していた。

 

「皆さん!大丈夫ですか!!」

 

「レイン!」

 

「お前……水竜って、まさか…!」

 

レインは緊張した表情でナツたちに声をかけ、ナツは驚いていた。

 

「あの子供か……レーサー」

 

「あいよ」

 

その瞬間、レーサーは目にも留まらぬ速さでレインの頭上に現れ、蹴りを放つ。

 

「わっ!水竜の鱗!!」

 

ブレインの攻撃を防いだ盾よりふた回り程小さい盾がレインの頭上に現れ、レーサーの攻撃を防ぐ。

 

「チッ!反射神経はいいみたいだな!!」

 

レーサーは再び高速で動き、レインの背後に回り、蹴りを放つとレインは盾を後ろに回すが、その瞬間レーサーの姿はまた消え、レインの頭上に現れ、蹴りをいれた。

 

「オラッ!!」

 

「うあっ!!」

 

「レイン!」

 

流石に今度は反応出来ずに蹴り飛ばされてしまうレインを見て、岩に隠れていたウェンディは顔を出してしまう。

 

「む?あの娘は……まさかウェンディか!!」

 

「!!」

 

「えっ…?え?」

 

ウェンディの顔を見た瞬間、ブレインは驚き、邪悪な笑みを浮かべる。

 

「どうしたんデスか?ブレイン」

 

「知り合いか?」

 

「間違いない。天空の巫女」

 

「天空の……」

 

「巫女?」

 

「なにそれぇ〜……」

 

聞きなれない言葉にナツたちも疑問符を浮かべ、ウェンディは怯えてしまい、また岩陰に隠れる。

 

「これは良いものを拾った。来い」

 

ブレインの杖から帯状の魔力が伸び、ウェンディを捕まえ、ブレインの元に引き寄せる。

 

「きゃあ!!」

 

「「ウェンディ!!」」

 

「シャルル!!ミント!!」

 

ウェンディが必死に手を伸ばし、シャルルとミントが追いかけるが追いつかない。

すると帯状の魔力が途中でスパッと切られた。

 

「!!」

 

驚くブレインが目を向けるとさっき蹴られたレインが槍を構えて立っていた。

 

「ウェンディに何をするんだ!!」

 

「レイン!!」

 

「ガキが……」

 

ブレインは少し怒りをにじませると杖をレインに向け、魔力を放とうとするが、それよりも早くレインは槍を構えて叫ぶ。

 

「霊槍スイレーン!第二形態!!」

 

「なに!?まさかのその槍は……!!」

 

「『群れ(ショール)』!!!」

 

レインの持つ槍が光り輝き、空中に浮かび上がると数百本の魚をモチーフにした刃に分裂した。

 

「いけ!!!」

 

レインの合図で刃は一斉にブレインたちを襲った。

 

「っ!!ミッドナイト!!!」

 

数百本の刃を防ぐ手は持っていなかったブレインは焦り、ミッドナイトを呼び起こすと、今まで眠っていたミッドナイトがゆっくりと目を開く。

そして数百本の刃はブレインたちに直撃し、刃の衝撃が強いのか辺りが土煙が立ち込める。

 

「ハア……ハア……大丈夫?ウェンディ?」

 

「うぅ…怖かったよ〜!」

 

「わっ!ウェンディ!!……ごめんね。もっと僕が強かったら」

 

「ううん……大丈夫だよ。ありがとう……」

 

ウェンディは少し涙を流しながら、レインに抱きつき、レインがウェンディを慰め、倒れていた連合軍のメンバーは一人で六魔将軍を圧倒したレインに驚いた。

 

「すごいな。あのコ、一人で六魔将軍を倒しちまったぜ」

 

「年上の貫禄がなくなっちゃうね」

 

感心したように呟き、みんなが安心したような表情になる。

レインの攻撃は衝撃が強く、今だに土煙が立ち込めていると煙の中から聞きたくない声が響く。

 

「勝手に倒されたことにしないでほしいな」

 

「!!」

 

「なっ!」

 

「そんな……!!」

 

立ち込めていた煙が一斉に螺旋を描くように上空に舞い上がり、晴れるとそこには無傷のブレインたちが立っていた。

そして先まで寝ていたミッドナイトが起きており、ブレインたちを守るように立っていた。

 

「そんな……!攻撃は当たったはずなのに!!」

 

「攻撃?あれのことかい?」

 

ミッドナイトが目を向ける先にはレインの霊槍スイレーンが変形した刃が左右にブレインたちを避けるように地面に刺さっていた。

 

「ならもう一度……!水竜の……!!」

 

「おっと」

 

レインがもう一度攻撃しようとすると、ミッドナイトがレインに手を向け、レインの服が勝手に動き出しレインに絡まり首をしめる。

 

「あっ…!が……!!」

 

「レイン!お願い、やめて!!」

 

苦しむレインにウェンディは泣きそうになりながらミッドナイトに頼むがミッドナイトは怪しく笑みを浮かべるだけだ。

 

「レインを助けるぞ!!」

 

「おう!!」

 

ナツたちがダメージから回復し、立ち上がってレインを助けに行こうとするが、

 

「無駄、デスネ!!」

 

ホットアイが地面を流動させて邪魔をする。

 

「邪魔すんじゃ…ねえっ!!!」

 

グレイは流動する地面を氷で凍らせて固定する。

 

「なんと!!」

 

「行け!ナツ!!!」

 

「オウ!!!」

 

ナツが氷の中を走っていき、レインを苦しめているミッドナイトに迫るが、

 

「無駄だァ……その動きも聞こえているぞ」

 

「なっ…!?がはっ!!」

 

いつのまにか頭上にいたコブラが、ナツの顔を思いっきり殴りつけて、止める。

 

「この…!火竜の……!!」

 

「遅えェッ!!!」

 

「ぐあっ…!!」

 

ナツがコブラに反撃しようとするがレーサーがまた瞬時に現れ、ナツの鳩尾に蹴りを入れ、吹き飛ばす。

 

「ナツ!!」

 

「終わり….デスネ!!」

 

ホットアイが再び地面を隆起させ、グレイがまた固定しようとするがその範囲はさっきの何倍も広い。

 

「ひろっ……!うわあああっ!!!」

 

「キャーー!!」

 

「わあああっ!!」

 

ホットアイの魔法で巻き込まれたルーシィたちも土が覆い被さり身動きが取れなくなる。

 

「そ、そんな……」

 

「うああああっ!!!」

 

「っ!レイン!!」

 

せっかく皆がレインを助けるために動いてくれたのに六魔将軍がそれを邪魔してしまう。

そうしている間にもレインを締める力が強くなり、レインを苦しめる。

すると、数百本の刃はまた輝き、一本の槍に戻り、ブレインがその槍に近づく。

 

「まさか貴様のようなガキが神器をもっているとはな」

 

「じ、神器……?」

 

ルーシィが聞きなれない言葉に疑問符を浮かべると、ブレインは機嫌がいいのか説明をしてくれた。

 

「なんだ知らんのか?まぁいい……無知なお前たちに説明してやろう。神器とは古代人が聖戦の際に使った武器のことだ。それぞれに特殊な力があり所有者の能力を何倍にも引き上げる」

 

「せ…聖戦って……おとぎ話だろ…」

 

レンがそう言うのは理由がある。

聖戦とは災厄を振り撒く巨悪に七つの種族が戦ったとされる話で、今では廃れたおとぎ話のようなものだ。

 

「本当におとぎ話かな?」

 

「なんだと…?」

 

「まあいい。この至宝が手に入るのだからな!」

 

ブレインが槍を手にして持ち上げようとするが全く持ち上がらない。

 

「何?」

 

ブレインは苦しめられているレインを見て気づいた。

 

「所有者が決まっていると持てもしないか……ミッドナイト、殺せ」

 

「はい、父上」

 

無慈悲なブレインの命令にミッドナイトは手に力を込めて、レインを締め上げる。

 

「ぐああああっ!!!」

 

「いやぁっ!!やめてぇ!!!」

 

「レインをはな…せぇ!」

 

ナツが立ち上がろうとするが土が上に覆いかぶさり立ち上がれない。

とうとうレインの意識が失われそうになった瞬間、突然ミッドナイトの魔法が解け、レインが倒れるがそれを支える男が現れた。

 

「悪い、遅れた」

 

覇王ハルトが怒りをあらわにして参上した。

 




霊槍スイレーン…レインが持つ神器。二頭の龍が槍に巻きついた意匠
が施されている蒼色の槍。
レインが自身の母親である水竜シーペントに譲っても
らった。
神器…古代人が造った伝説の武器。一つの武器に一つの能力があり、
所有者の能力をさらに引き出す。武器一つで国が争うほどだと
も言われている。現在の技術では複製するどころか造ることも
できない。
聖戦…災厄を振り撒く巨悪に七つの種族が立ち向かったおとぎ話。
色々な学者が調べ、最近では実際にあったのではないかと言う
説が上がっている。
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