FAIRYTAIL SEVEN KNIGHTS   作:マーベルチョコ

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第97話 乙女合戦

ルーシィたちはナツを追うべく、ニルヴァーナの光の柱に向かって走っていると川に辿り着いた。

そこには……

 

「ハルト!!」

 

ハルトが何故か服が脱げた状態でイカダの上に倒れていた。

ルーシィがハルトを呼んでも反応しない。

 

「なんでこんなところに……」

 

「でも気絶しているようだね。よかった……」

 

レインは何故ここにいるのか不思議がり、ヒビキはハルトの意識がないこと確認し、安心した。

 

「待ってて!今助けるから……」

 

「その必要はないゾ〜」

 

ルーシィが川に入って、ハルトを助けにいこうとすると対岸から声が聞こえてきた。

ルーシィが声がするほうを見るとそこにはエンジェルが立っていた。

 

「エンジェル!?」

 

「そうだゾ。ハルトはこっちが貰うから助ける必要なんかないゾ」

 

エンジェルが平然にそう言うとルーシィは否定する。

 

「何言ってんのよ!!ハルトはアタシたちの仲間よ!!」

 

「ふーん。まっ、ニルヴァーナが手に入ればそんなの関係ないゾ」

 

ヒビキが言った通り、ニルヴァーナがあれば人の善悪を操れるので、ハルトを六魔将軍の一員にすることなんて簡単だ。

 

「それにハルトは私の体がイイって言ってたゾ♪」

 

「ハ?」

 

ルーシィの声が少し低くなった。

 

「何言ってんのよ。ハルトがそんなこと言うわけないじゃない」

 

「ハルト自身が言ってなくても体が言ってたゾ」

 

「体がって何言ってんのよ。馬鹿じゃないの?」

 

ルーシィの体から黒いオーラみたいのが出ているようにレインたちには見えた。

 

「ル、ルーシィさん……怖いです」

 

「レイン君、覚えておくといいよ。女性は怒らせると怖いんだ……」

 

ルーシィに怯えるレインにヒビキはどこか哀愁を漂わせながら語った。

 

「それに体が全てじゃないでしょ」

 

「フフ……経験もない小娘がよく言うゾ♪」

 

「ぐ……」

 

「経験ってなんですか?」

 

「うーん……まだレイン君には早いかな?」

 

ジェミニは変身した人物の情報を全てわかる。

一度変身されたルーシィのそういう情報も分かってしまう。

 

「か、体が何よ!!アタシのほうがハルトのこと好きなんだから!!!」

 

「言葉ではなんとでも言えるゾ。やっぱり大人の恋愛ならそういうこともしておかないといけないゾ♪」

 

ルーシィが少し声を荒げて言うがエンジェルは余裕の表情で返す。

ルーシィは気絶しているハルトの体を横目でチラッと見るとその体にはキスマークがチラホラと見える。

 

「おいしかったゾ♪」

 

「う〜……」

 

ルーシィがやや不利になったその時、

 

「大丈夫でごじゃるよ!!ルーシィ殿!!」

 

「えっ!?マタムネ!!」

 

「あのネコいつのまに……」

 

木に吊るされていたマタムネが口の布を解いてルーシィに向かって話した。

 

「ハルトとエンジェル殿は本番はヤっていないでごじゃる!ルーシィ殿を挑発しているだけでごじゃる!!」

 

「なんでそんなことわかるんだゾ!!見えていなかったくせに!!」

 

「せっしゃくらいになると音を聞くだけで、何が起こってるかわかるでごじゃる!!ちょっと興奮しちゃったから鼻血がヤバイでごじゃるが!!」

 

マタムネが強気でそう豪語するが、それを言った瞬間、周りの空気が少し冷めたように感じた。

 

「……なんでこんな空気になるでごじゃる?」

 

「マタムネ……」

 

「やっぱりサイテーだゾ」

 

一瞬白ける空気だがルーシィが仕切り直す。

 

「と、とにかく!ハルトは渡さないんだから!!」

 

「アンタと私の魔力じゃ差がありすぎるゾ」

 

「1人じゃないさ」

 

ルーシィが啖呵を切るが、エンジェルは余裕の笑みを浮かべる。

しかしヒビキとレインがルーシィの前に一緒にエンジェルに立ちふさがる。

 

「ルーシィ、君はハルト君を助けに行ってくれ。僕たちがエンジェルを押さえるから」

 

「任せてください!」

 

「うん!」

 

「生意気だゾ。開け、彫刻具宮の扉、カエルム」

 

エンジェルはカエルムを召喚し、砲台にし、ルーシィたちに向かって魔力砲を放つ。

 

「水竜の鱗!!」

 

それをレインの水の滅竜魔法、盾の魔法で防ぐ。

 

「今だ!!」

 

「ハルト!!」

 

「開け。双子宮の扉、ジェミニ」

 

「二体同時!?」

 

レインがカエルムの攻撃を防いでいる間にルーシィがハルトに目掛けて走るが、エンジェルは同時にもう一体召喚する。

ルーシィはエンジェルが二体同時に召喚したことに驚き、足を止める。

 

「ならこっちも……!!開け!金牛宮の扉!!タウロス!!」

 

「MOOOOOO!!!」

 

ルーシィはタウロスを召喚して、ジェミニと対抗させるがエンジェルはタウロスを見るとほくそ笑む。

 

「ジェミニ」

 

「「ピーリ、ピーリ」」

 

エンジェルがジェミニに指示を出すと、ジェミニはルーシィに変身した。

 

「馬鹿だね。ここにいる人に変身しても意味がない」

 

「フフ…本当にそうかな?」

 

ヒビキがエンジェルにそう言うが偽ルーシィは怪しく笑うと、突然服をたくし上げ、ルーシィの大きな胸がプルンと揺れながら現れ、男たちに見せる。

 

「「おおっ!!!」」

 

「ちょっと!何してんのよ!!?」

 

「見ちゃダメだよー」

 

「そうね」

 

「うわっ!ミント、シャルル!見えないよ!!」

 

「ちょっ!?何が起こってるでごじゃる!?今なんかオッパイが揺れる音がしたでごじゃるが!!!」

 

「マタムネ、ある意味すごいね……」

 

ヒビキとタウロスは突然のことに興奮し、シャルルとミントが見える前にレインの目を塞ぎ、マタムネはその驚異的な聴力で何が起こったか瞬時に判断した。

マタムネを助けに来たハッピーは少し呆れた。

 

「カエルム」

 

エンジェルはカエルムを呼ぶと、カエルムは砲台をレインにではなくタウロスに向けて、砲撃を放った。

 

「MOOO!?」

 

「タウロス!!」

 

「ル、ルーシィさん……すまない」

 

タウロスは強烈な一撃により強制的に星霊界に帰らさせる。

 

「なら……開け!人馬宮の扉!!サジタリウス!!」

 

「もしもーし!!」

 

「へえ〜本当に黄道十二門の鍵をたくさん持っているんだ。……生意気だゾ」

 

エンジェルの目が少し薄くなってルーシィを見る。

 

「サジタリウス!あの女に攻撃!!」

 

「了解であります!!」

 

「カエルム」

 

サジタリウスが矢を放つがカエルムが盾に変形して簡単に防ぐ。

 

「霊槍スイレーン!第二形態!!『群れ(ショール)』!!!」

 

レインが神器、霊槍スイレーンを形態変化させて攻撃するがそれもカエルムによって防がれる。

 

「そんな弱い攻撃じゃカエルムは壊さないゾ」

 

「くっ……」

 

「あそこまで星霊を使えこなせるなんて……」

 

レインは悔しそうにし、ヒビキはエンジェルの星霊の扱いに舌を巻く。

 

「これだけじゃないゾ。ジェミニ」

 

「うん、サジタリウス!」

 

偽ルーシィがサジタリウスを呼ぶと突然サジタリウスはヒビキに向かって矢を放った。

 

「がっ!?」

 

「ヒビキさん!!」

 

「ちょっとこの馬!!裏切り!!?」

 

突然のサジタリウスの攻撃に驚くレインたち。

サジタリウスも何が起こっているかわからなかった。

 

「ちょっとサジタリウス!!何してるの!?」

 

「いや、それがしの体が勝手に……」

 

「どういうこと!?」

 

ルーシィが戸惑いながりヒビキを手当てをしていると偽ルーシィがまた話し出す。

 

「サジタリウス〜そこにはいる子供と猫たちも打っちゃって」

 

「アンタ何言って……」

 

するとサジタリウスはレインたちとハッピーたちに向かって連続で矢を放った。

 

「水竜の鱗!!」

 

「何するのよ!!」

 

「危ないよー!」

 

「い、いや、それがしは……」

 

レインは咄嗟に防ぎ、シャルルとミントはサジタリウスに向かって非難を浴びせる。

 

「あ、危なかった〜」

 

「ハ、ハッピー殿…せっしゃを盾にするのはひどいでごじゃる……」

 

ハッピーは咄嗟に吊るさせれているマタムネを盾にして矢を避けるが、マタムネは必死に体を揺らして矢を交わすが一発額に当たってしまった。

 

(もしかしてアタシの星霊を操ってる……?)

 

「レイン!ウェンディを連れて逃げて!!コイツやばい!!」

 

「は、はい!!」

 

「言われなくてもそうするわよ!!」

 

「オーケ〜!」

 

「サジタリウス強制閉門!!」

 

「申し訳ないからでしてもしもし……」

 

シャルルは気絶しているウェンディをミントはレインを抱えて、空に飛んで行った。

ルーシィはこれ以上サジタリウスを操られないために強制閉門するが、

 

「開け。人馬宮の扉、サジタリウス」

 

「もしもーし!!ってあれ?」

 

偽ルーシィがなんとさしの鍵を取り出し、サジタリウスを召喚したのだ。

 

「うそ!?」

 

「サジタリウス。あの飛んでいる猫と子供を殺して!!」

 

「しかし、それがしは……」

 

「強制閉門!!!」

 

「無駄無駄。アタシが召喚したサジタリウスだもん」

 

ルーシィがサジタリウスに向かって強制閉門をするが、召喚したのは偽ルーシィであるためにそれが効かない。

 

「そんな……」

 

「サジタリウス、早くしてよ!!」

 

「いや、だからそれがしは……」

 

「オーナーの言うことがきけないの?」

 

偽ルーシィが睨むとサジタリウスの体はゆっくりと弓矢をレインたちに向ける。

 

「サジタリウス!やめて!!」

 

「そ、それがしは……」

 

「早く殺して!!」

 

「くううぅぅっ!!」

 

サジタリウスは悔しそうにしながらも体が偽ルーシィをオーナーと認めて、命令を実行してしまった。

 

「もしもーし!!!!」

 

「レイン!!!」

 

サジタリウスは矢を放ってしまい、ルーシィがレインに向かって叫ぶと、レインは即座に反応した。

 

「水竜の鱗!!!」

 

盾で防ぎながらレインたちは逃げていく。

 

「もう何やってんのよ!!役立たず!!」

 

「うぅ……それがしは……」

 

サジタリウスは悔しそうに膝をつく。

 

「ジェミニ、もういいゾ。ニルヴァーナが起動したってことはあの子の必要はなくなったってことだゾ。神器は後で回収すればいいし」

 

「「なーんだ」」

 

「うおっ!?」

 

ジェミニが元の姿に戻るとサジタリウスは星霊界に帰って行った。

 

「さてと、それじゃあ邪魔者には死んでもらうゾ。カエルム」

 

カエルムがエンジェルの指示で連射モードになり、ルーシィたちに照準を合わせる。

 

「撃て、だゾ」

 

「ルーシィ殿ー!!」

 

「きゃっ!!」

 

ルーシィたちに弾丸が当たる前に解放されたマタムネとハッピーがルーシィとヒビキに抱きつき、木の陰に隠れた。

 

「マタムネ!!」

 

「ルーシィ殿無事でごじゃるか!?」

 

「う、うん。ありがとう……無事だから胸から離れなさい」

 

マタムネはルーシィを助けるどさくさに紛れてルーシィの胸に顔を埋めていた。

ルーシィはマタムネを引き剥がし、木の陰からエンジェルを伺うが顔を出した瞬間、カエルムの連射が放たれて前に出れない。

 

「カエルムの攻撃のせいで前に出れない……どうしよう」

 

「せっしゃに任せるでごじゃる!!」

 

「オイラも行くよ!!」

 

マタムネとハッピーが上空に飛び出し、エンジェルに向かって行く。

 

「行くでごじゃる!!」

 

「あいさー!!!」

 

「ジェミニ」

 

木刀を構えたマタムネとハッピーが急スピードで向かっていくとエンジェルはカエルムを使わず、ジェミニに指示を出し、ジェミニは変身する。

 

「アイスメイク、シールド!!」

 

「「イターー!!!」」

 

ジェミニはグレイに変身してエンジェルの前に盾を作る。

 

「マタムネ!!ハッピー!!」

 

「ふん」

 

「「ぽげー!!!」」

 

偽グレイはマタムネとハッピーを氷漬けにしてしまった。

 

「さて、これからじっくりと料理してあげるゾ。ルーシィちゃん♡」

 

エンジェルは隠れているルーシィを妖しい目で見た。

 

(ハルトもヒビキも戦えない。アタシが何とかしなくちゃ!!)

 

ルーシィは覚悟を決めて、エンジェルの前に姿を現わす。

 

「フフ……追い詰められてヤケになった?カエルム」

 

カエルムがルーシィに向かって連射を放つが、ルーシィはアクエリアスの魔力を借りて水のバリアで防ぐ。

 

「本当に星霊の魔力を行使できるのか……そんな高等魔法ができるなんて生意気だゾ」

 

「これでアンタの星霊の攻撃は効かないわ!!」

 

「どうかな?カエルム」

 

カエルムは単発の砲台になったが、その砲身は今までで一番長い。

 

「カエルム・ロングバレルバージョン。やっちゃっていいゾ」

 

カエルムの砲身に魔力が集まり一直線の高魔力砲が放たれた。

 

「きゃあっ!!」

 

ルーシィの水のバリアをいとも簡単に貫くが、ルーシィは咄嗟に横に飛び退いた。

しかしカエルムの攻撃は地面をえぐり、その部分が煙が上がるほどだった。

ルーシィはそれを見て、恐怖で体が震えてしまう。

 

「例え応用魔法が使えても意味がないゾ。地力が違う」

 

エンジェルは震えるルーシィを静かに見つめる。

その目には殺意があることはルーシィにもわかった。

 

「さーて、ルーシィちゃん。これからゆっくり料理してやるゾ♡」

 

エンジェルは可愛く、軽く言うがルーシィには悪魔の言葉に聞こえた。




第91話の霊槍スイレーンの形態を少し変えました。
ご指摘ありがとうございました。
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