ブラック・ブレット もう一発の銃弾   作:八咫勾玉

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大変長らくお待たせしましたぁぁぁぁ!!(待ってる人がいるか知りませんが)


いろいろと生活環境が変わり悪戦苦闘していて書けませんでした


では本編へどうぞ!!




第九話

バイクを走らせること数分、病院へと着くと蓮太郎は手術室へと運び込まれ緊急手術が始まった。

黎はベンチへと腰を下ろし木更と桜香の到着と手術が終わるのを待った。しばらくして桜香が木更と共に到着すると木更が声をかけてきた。

 

「黎さん!!里見くんは無事ですか!?」

「今緊急手術が行われている……一応、病院に着く前に応急処置として止血をしたから出血はある程度抑えられたはずだが傷口が広いから何とも言えん……」

「そ、そうですか……」

 

木更は手術室の扉の前で点滅している手術中の文字を見ながら両手を合わせ目をつむり祈るように立ち尽くしていた。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

手術中のライトが消え手術室の扉が開く。蓮太郎はストレッチャーに乗せられ数人の看護師と数本の管に繋がれた状態で病室へと連れて行かれた。執刀医も出てきて説明を受け蓮太郎の病室へと足を向けた。病室では蓮太郎が寝ていたが起きそうにないため黎と桜香はその場を後にした。

 

 

 

 

それから1日後、黎と桜香は蓮太郎の病室へと来ていた。が、先客がいた。もちろん木更だ。木更は蓮太郎が寝ているベッドの横でリンゴの皮を剥いていた。

やがて蓮太郎が目を覚ました。

 

「……よう、木更さん」

 

木更はぎゅっと目をつむって唇を噛みまつげをふるわせると、瞳に涙を滲ませながら懸命に微笑んだ。

 

「お帰りなさい、里見くん」

 

「無事だったかお前も悪運がいいみたいだな」

 

蓮太郎はその声に目を見開きながらも苦笑する

 

「まだ地獄みたいだな」

 

「ええ、そうよ」

 

蓮太郎はサイドテーブルを見た。

 

「……リンゴ、剥いていたんだな木更さん」

 

木更は袖で目元を拭った。

 

「食べる?」

 

「いや、なんにも食べてないはずなのに、あんまお腹すいてねぇよ」

 

億劫がる体に命令して首を窓側に向けるとそこには椅子に腰掛けている黎とその膝の上に座る桜香がいた。

黎は窓の外に顔を向けており、澄んだ夜空には鋭角な月が覗いていた。黎は蓮太郎の視線に気づき顔を向けた。

 

「それでも少しは腹に入れとけよ」

 

「………わかりました」

 

蓮太郎はベッドをリクライニングにすると木更からリンゴをもらい少しづつ口に含み咀嚼をする。病室にはリンゴを食べるシャクシャクとした咀嚼音がしばらく響く。

リンゴを食べ終えると蓮太郎は木更の方に振り返り訪ねる。

 

「俺は、どれくらい寝てた?」

 

「丸一日と三時間くらい。大手術だったわ。黎さんが応急処置したけど傷口が広くて最低限しか止血出来てなかったみたいで…。一度は医者もさじを投げかけたそうよ。でも、君の心臓、最後の最後でトクントクンって動き出した。生きることをあきらめなかったの、偉いわ」

 

木更は人差し指でつつ、と蓮太郎の胸元をなぞると心臓の上で二回タップした。蓮太郎は少しどぎまぎする。すると近くから「うっうん」と咳払いの音がして二人はとっさに音のする方に振り向くと黎がバツの悪そうな顔で二人を見ていた。

 

「あ……邪魔なら出て行くが?」

 

黎がそう言うと二人は顔を赤くしとっさに離れた。木更は顔をうつ向かせながらモジモジと内腿を擦り合わせ、蓮太郎は右手で頬をポリポリと掻きながら目は右往左往していた。


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