今回はUSJでの出来事です。原作であった起こったことは大まかに説明してその後は殆どがオリジナルです。今回なんと過去最多の10000文字を超えました。
戦闘描写が曖昧かもしれませんが許してください。どう説明していいのか難しくて…
それではどうぞ。
光輝は只今街中で店の前にあるテレビを見ている。そこにはオールマイトの活躍が画面いっぱいに映し出されている。
「【オールマイト僅か1時間で事件を三件解決】ね。本当に凄いな」
『あぁ、まさか1時間で三件の事件を解決されるとは…』
この事に多くのウルトラマン達が感心する。しかしその最中光輝はある事に
「(あれ?このオールマイトが三件の事件解決した日、何かあったような?)」
何かあったようで必死に思い出そうとするが全然思い出せない。
『光輝、また邪悪な気配を感じる』
「ッ!?また雄英の近くですか?」
『いや違う。今回は雄英高校から少し離れているようだ』
えっ!?今回は雄英から離れているのか!…ん?待てよ、雄英の本校から離れて行う授業…。
ッ!そうだ、思い出した!確かオールマイトが三つの事件を解決した日の午後Aクラスの子達はUSJでヴィラン達の襲撃を受けた日じゃないか!どうしてそんな重要な事を忘れていたんだ。
『しかも今回は今までの奴らとは違う。もっと強大な物を感じる』
て事は今回の襲撃事件にヴィラン連合の奴らに黒幕が潜んでいるって事!?クソッ、俺がもっと早くUSJ事件の事を思い出していれば…。
『光輝悔やむのは後だ。今は早く彼等の元へと向かうべきだ!』
確かに悔やむのは後回しだ。今は早く緑谷君をAクラスのみんなを助けに行かなくては!
『光輝、今回は俺に行かせてくれ。久々に体を動かしたいんだ』
…なんか動機があれだけど今回は桁違いにヤバイみたいだから彼の意見を承諾した。人気のない路地裏に入り誰もいない事を確認した後目の部分が黄色になっている眼鏡を取り出す。
「デェア!」
眼鏡を装着すると光に包まれ変身が完了しその場から超高速で気配がした方へ一目散に飛び出した。
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この日の午後の授業はは災害訓練のためにUSJにやってきたけど、中に入って13号の話を聞いている時に、下の広場に黒い霧のような物が現れた。
そしてその中から沢山の人が出てきた。
緑谷は峰田と蛙吹と一緒に水中ゾーンにへと飛ばされ水中に潜んでいる大量のヴィランの前にピンチに陥るが、緑谷の作戦によってその状況を打破する事に成功する。
その後中央広場へ移動すると相澤先生が脳が剥き出しになっている大柄なヴィランにボゴボコにされていた。それを緑谷は助けに行こうとするが、蛙吹と峰田に止められる。そこへA組の皆をバラバラにした黒い霧を纏った敵が現れた。
「死柄木弔」
「黒霧、13号は殺ったのか?」
「行動不能にはできたものの、散らし損ねた生徒がいまして……1名逃げられました」
「…は?」
それを聞いた手で顔を隠している敵はいきなり首を掻き始めた。そしてそれは段々エスカレートしていき、呻き声を上げ始めた。
「黒霧…お前……お前がワープゲートじゃなかったら粉々にしたよ」
「自分に任せておけと言っておきながらその様とは、呆れたものだ」
死柄木と言われた男の隣にいた黒い服をきていた男は黒霧と言う男を嘲笑うかのように馬鹿にした。黒霧は唇を噛み締めるが、事実なので何も言い返せないでいた。
「……流石に何十人のプロ相手じゃ敵わない。ゲームオーバーだ。あ〜あ、今回はゲームオーバーだ、帰ろうか?」
何といきなり帰ると言いましたのだ。帰ってくれるのなら助かる訳だから生徒達にはありがたい事である。しかしどうも腑に落ちない。彼らの目的はオールマイトを殺す為に此処に侵入して来た。なのに帰る?ゲームオーバー?まるでゲーム感覚で考えているのだ。
「何を言っている。「平和の象徴」と言うやつを殺す為にあのデカブツを連れてきたのだろ?なのに実践させないで帰るのか?」
「……仕方がないだろ。応援を呼ばれたらこっちに勝ち目はないんだ。…だから今回は帰るしかないだろ?」
「…ふん、まぁいい。だがタダで帰るのではつまらん」
「…そうだなぁ。平和の象徴としての教児を少しでも、へし折ってから帰ろう!!」
顔を手で覆われている男が自分達…いや蛙吹目掛けて走り出し、掌を蛙吹の顔に触れようとする。相澤先生の肘が砕けた瞬間を見ていたので、蛙吹も崩壊する光景が頭を横切る。
手が蛙吹の顔に触れる瞬間に手が止まった。大柄のヴィランに重傷を負っていた相澤先生が何とか個性を発動して死柄木の個性を消した。
僅かに隙が出来た事で緑谷は死柄木に渾身の一撃を放つ。すると攻撃を放った腕は折れていなかった。腕が折れていない事に驚きがあったが、それ以上に力を制御出来た事に喜びがあった。
しかしその感情も一瞬して消える。何と脳無と呼ばれた大男が自身の体を盾にして受けて止めていたのだ。そして死柄木の命令により脳無の拳が緑谷の顔に殴り掛かる。逃げようにも左腕を掴まれている為できない。蛙吹と峰田の方も死柄木の魔の手がすぐそこまで来ていた。もうダメだ、そう思った瞬間に扉が吹っ飛んだ。
「もう大丈夫。……私が来た!」
ギリギリのところでオールマイトが到着した。生徒達は皆歓喜した、その中には緑谷も含まれていたが、しかし彼は気づいた。オールマイトは……笑っていなかった。
いつも笑顔でみんなを助けてくれるヒーローが今回は笑っていない。その顔から激しい怒りが伝わってくる。
まずオールマイトは負傷を負った相澤先生を助け、死柄木達の近くにいた緑谷達を抱え離れる。風圧の影響で死柄木を覆っていた手袋が外れると突然弱気となり「ごめんなさい…ごめんなさい」と連呼しながら取れた手を再び顔に付けると落ち着きを取り戻す。
そして脳無とのバトルが始まりオールマイトが一本背負いで地面に叩きつけたかに見えたが予想外の黒霧のワープによって苦戦を強いられピンチになるオールマイト。
そんな時ヴィランを倒した爆豪、切島、轟が助けに駆けつけた。
「攻略させた上にほぼ全員無傷かよ。…凄いな、最近の子供は」
「敵連合と言っても所詮は名も知らない奴らの寄せ集めだ。こうなる事は大方予想できていた」
3人の駆けつけによって窮地を脱したが、脳無が持つ再生の個性に皆驚愕し黒霧を奪還する為、脳無が黒霧を捉えていた爆豪に物凄いスピードで迫る。だがその爆豪を庇ってオールマイトがダメージを受ける。
皆オールマイトを援護しようとするが本人がそれを止め、地面を蹴り脳無にへと突っ込み互いの拳がぶつかり合う。そして互いの拳と拳による殴り合いとなる。
拳同士がぶつかり合う衝撃で風圧が起き誰も近づく事が出来ない状況にへとなった。最初は互角であったがオールマイトの100%を超えた連続パンチによって次第に脳無が押され始め、最後に渾身の一撃によって天井を突き破りその彼方にへと飛んで行った。
「やはり強化改造したとは言え所詮この程度か」
この事に死柄木と黒霧は動揺していたが黒服の男はこの結果を見通していたようで落ち着いている。
「おいおい…どういう事だ?全然弱ってないじゃないか。あいつ俺には嘘を「いや、そうでもないぞ」…何?」
「どうした?来ないのか?クリアとか何とか言って……出来るものならしてみろよ」
オールマイトは鋭い目つきで睨みつける。死柄木は恐怖のあまり後退し震え出している。その光景に皆気圧されていたーーーーーー約一人、緑谷を除いて。
「(あれは虚勢だ。土埃に紛れてるけど、変身する時の蒸気みたいなものが出てる)」
この場にいる者の中で唯一自分だけが知っているオールマイトの秘密。
「(迷え。後少しでも時間を稼げば「強がりはよしたからどうだ?」ッ!?)」
「返って見苦しいだけだぞ」
死柄木と黒霧が動揺している中、彼らの隣にいた黒い男が声を上げた。その言葉に緑谷以外の生徒達は「は?何言ってんのコイツ?」みたいな顔をしていた。
「おい、何言ってんだよ。オールマイトは
「そうか。だったら何故動かない」
その言葉の意味が分からないで皆に疑問符が浮かぶ。
「…分からないか?なら言い方を変えてやろう。何故お前はーーー
その言葉にその場にいる全員が理解し旋律する。オールマイトは勿論の事、緑谷や爆豪達学生、そして死柄木と黒霧もである。
「あの脳無という奴を倒したお前なら、我々を倒すは造作もないだろ?お前を殺すために造った奴を倒したんだからな。それなのに何故お前は動こうとせず……煽りを入れる?」
確かに脳無がオールマイト殺しの秘密兵器であったのなら、個性では兎も角パワーなら脳無以下である事には間違いない。それなのにオールマイトはその場から動こうとしないで煽りを入れている。オールマイトはその問いに答えない、答える事が出来ない。
「分かっているぞ。貴様は今の戦闘で力を使い果たしたのだろ。もう立っているもやっとの状態じゃないのか?」
「(くっ…)」
「…黙っているところを見ると図星のようだな」
「……そうか…そうだったのか…もう動けないのか。……やっぱり情報は正しかったって事かァ(ニヤリ)」
「どうだ。今の奴ならお前でも簡単に殺れるんじゃないのか?それに他にもまだ使えそうな奴らが残っている。…チャンスじゃないのか?」
「彼の言う通りです、死柄木弔。もし今の事が本当ならこれは千載一遇のチャンス。後数分もすれば増援が来てしまいます。生徒達は他の連中に任せて我々3人で
「……そうだな……動けないのなら何も恐れる事はない。……何よりーーーー脳無の仇だ!」
死柄木と黒霧がオールマイトに襲い掛かる時、緑谷が「ワン・フォー・オール」を使って助けに入り拳を打ち込もうとする。
だが黒霧が個性を使って死柄木の手を緑谷の顔前に出す。死柄木の手が緑谷の顔に触れようとしていた時…
ドン!
……銃声が鳴り響き銃弾が死柄木の手を撃ち抜いた。
「遅くなったね。すぐ動ける者を掻き集めて来た」
応援を呼びに行った飯田によって雄英の教師達が駆けつけに来てくれた。それにAクラスの生徒達は皆喜びでいっぱいだった。
まだ戦えるヴィラン達は一斉に教師達に攻撃を開始するがプレゼント・マイクの個性「ヴォイス」によって一瞬にして行動不能となる。中には気絶する者も。
さらには仮面のような顔をしたエクトプラズムが口から煙のような物を出すとそれが数人のエクトプラズムになりヴィラン達を殴り倒していく。
その隙に教師達が生徒達を保護しようとする。
「あぁ、来ちゃった。帰って出直すか黒ぎ「バン」ッ!?」
再び銃弾が死柄木の腕、脚に命中する。それを黒霧が守るようにして包み込む。個性でワープしようとするが13号によって吸い込まれそうになる。次第にその体が引き寄せられ始めたその時。彼らの近くにいた黒服の男が掌を13号に向けた。
「ハッ!」
黒服が声を上げると13号と抱えていた瀬呂が吹き飛ばされた。それは眼に見えない衝撃波であった。
「助かりました。さぁ、貴方も早く!此処は引きましょう!」
戦況が圧倒的に不利になった事で退却しようと黒霧が男に呼びかける。
「いや、まだ終わっていないぞ」
だが男はそれを拒否した。
「何を言っているのです。オールマイトだけでなく、あれだけのプロヒーローがいるのです。流石に部が悪過ぎます。此処は引くしか…」
「それはどうかな?」
男は手に持っていた風船の1つを取る。そしてそれを手から離して飛ばした。するとその風船が破裂して、赤い空間が出現する。
しかもその赤い空間の中に人の様な者が地上を見下ろしている。
赤が特徴で、体の至る所に金色のプロテクターみたいなものを付け、緑色の目が恐怖を唆る。
「行け、【エース・キラー】」
それは嘗てウルトラマンエース、ウルトラマンメビウスを苦しめた【異次元超人エース・キラー】であった。
エース・キラーは異次元の隙間から飛び降りて教師達のいる階段前に着地する。そして肩をほぐすかのように首を回し、両腕を前後運動させる。
「また変なのが出てきたぞ!」
「でも大丈夫だよ。何てったってこっちには先生達がいるんだから」
先手必勝とばかりにプレゼント・マイクが個性を使って大声を出すが、エース・キラーは無反応のまま。まるで聞いていない事に皆驚く。
「おいおい、効いてないのかヨ!?どんな耳してんだアイツ」
そしてやがて立ちっぱなしだったエース・キラーは走り出した。教師達も生徒に被害が及ばないようにその場からエース・キラーに向かって走り出した。
戦闘音が離れた場所にいる緑谷や死柄木達にも聞こえていた。
「さて、高みの見物といくか。お前、黒霧と言ったな。お前の力でエース・キラーの近くまで移動しろ。それとそこにいる奴ら以外の
「…その前に一つお聞きしたい。先程現れたエース・キラーとは貴方が言っていた秘策ですか?」
「…そうだ」
「そうですか。…しかし何故わざわざ散り散りにした生徒達を一箇所に集めるのですか?それにその場所には複数のプロヒーロー達がいます。ここは貴方の秘策任せて我々は「黙れ」ッ!?」
「俺はお前の意見を聞いているんじゃない。お前は俺の言う通りにしていればいいのだ」
黒服の男の殺意の篭った眼差しを向けられた黒霧は今までにない程の恐怖に駆られ何も反論できなくなり、個性を使い死柄木と一緒にエース・キラーのいる場所へワープした。
Aクラスのみんながいる近くにワープゲートが二箇所開く。新手かと緊張が走るが中から出てきたのは散り散りになったメンバー達であった。皆が無事だった事に大いに喜んだがそれも束の間、別の場所にもう一つワープゲートが出現し中から死柄木、黒霧、黒服の男の3人が現れる。そしてワープした者たちの目に飛び込んできたのは…エース・キラーが一人で複数のプロヒーロー相手に一歩も引かずに戦っている光景だった。
「複数のプロヒーロー相手に互角に渡り合っているとは…」
「見たか。俺の秘策はお前達が用意した脳無なんかとは比べ物にならんのだ」
その言葉に死柄木は歯を食い縛り、今にも殺しにかかりそうな目で黒服の男を睨みつけた。だがエクトプラズムの個性もあって数によって押され始めてきた。
「やはり今のままでは無理か。なら仕方がない。エース・キラー、ウルトラ兄弟の技を使え」
エース・キラーは言われると両方の人差し指と中指で、蟹さんバサミのような形をとって自身のおでこにつけた。
するもそこから緑色の光線が発射された。ウルトラセブンが使える技「エメリウム光線」である。
教師達は咄嗟に躱すが遠距離の攻撃も出来ることに驚いた。エース・キラーは休む暇も与えないかのように追撃で腕を十字に組みウルトラマンの必殺技「スペシウム光線」を発射しようとする。
それをミッドナイトが持っていた鞭を腕にへと絡ませて封じ、その隙にプレゼント・マイクとスナイプが声と銃で攻撃をする。
「…おいおい、全然ダメじゃないかよ。…何が秘策だよ。所詮お前のオモチャもあの程度かよ…」
死柄木がさっきの仕返しとばかりに悪口を言う。だが黒服の男は全く気にする様子はない。
「まだまだ。今のはほんのウォーミングアップ、本番はこれからだ。ヴィラン達よ、お前達に渡した物の出番がきたぞ」
それは襲撃を掛ける少し前…
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『…よし、これだけ集まれば充分だろ』
『それですね。皆さん、これより我々はオールマイトを殺す為襲撃を掛けます。いいですね?』
『オォーー!!』
『それでは『待て』?何ですか?』
『襲撃を掛ける前に貴様等に渡して置くものがある』
男は左手に持っている複数の風船の内、黒い風船を右手に持ち変えると風船は「パン!」と破裂した。そして中から黒い霧のような塊が出現しそれが死柄木、黒霧、そして黒服の男以外のヴィラン達の体の中に入り込んだ。
『な、何だこりゃ!?』
『やだ、体に入ったんだけど』
『おい、一体何だよこれ!』
『一々喚くな。心配せずとも体には特に害はない』
確かに体に入り込んだがなんの変化もないし気分も悪くない。
『それはオールマイトとやらを殺す為に必要なものだ』
『どういう事だ、それ?』
『いずれ分かる事だ、フフフフフフフフフ』
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「…行け、【ガディバ】」
男は指をパチンと鳴らす。すると今まで戦っていたヴィランの体から黒い何かが出てきた。
「な、何だこれッ!?…グ…ウワァーーー!!」
1人のヴィランが悲鳴を上げると他のヴィラン達も次々に悲鳴を上げ、黒い何が全て出ると力尽きたようにその場に倒れた。
そして、その黒いものは次第に一箇所に集まり1つの塊となった。そしてそれはエースキラーの胸にある緑色のクリスタルから中に入り込んだ。
しかし見た目は何も変化はみられない為唖然としていたがそれは間違いであった。
「エース・キラー、「
その命令を受けるとエース・キラーは教師達に向かって強烈な拳を打ち込んだ。それはオールマイトの技、TEXAS SMASHだった。その風圧の衝撃波が教師達、そして近くにいた生徒達まで襲った。
「もう一度「
エース・キラーは再びオールマイトの技を使い教師達を怯ませる。
「今のエース・キラーが使えるのはそれだけじゃないぞ」
男が言うと今度は両足にジェットブースターみたいな物が出て来て、それを使って高速でプレゼント・マイクに接近し蹴り飛ばした。それは飯田の個性…「エンジン」のようであった。目の前に移動し強烈な蹴りを食らわす
「あれは僕の個性か!?如何してアイツが!?」
何故ヴィランが己の個性を使えるのか不思議でしょうがなかった。その困惑する様子を見て黒服の男は不気味な笑いをしながら答えた。
「フフフ、教えてやる。嘗てエース・キラーはウルトラ兄弟の力やメビウスの技をコピーして強くなったのだ。それと同じようにヴィラン共にガディバを憑依させ、お前達の能力や戦闘のデータを集めさせたのだ。そしてそのデータを元にお前達の技をエース・キラーに全てコピーさせた。今のこいつはその名も「ヒーロー・キラー」だ」
ヴィラン達を利用しこの場で戦った数十人の生徒達の個性をコピーしエース・キラーは新たに、ヒーロー・キラーとなった。
エース・キラー…いやヒーロー・キラーは体から電気を走らせて地面に手を置くと、地面を伝わって教師達がいる場所へと電気が一直線に流れる。これは上鳴の個性「帯電」である。
『ウワァーー!!』
強烈な電撃を喰らい苦痛の叫びを上げ、攻撃が止むと地面に倒れた。
「フン、他愛もない。ヒーロー・キラー、トドメをさせ!」
その命令にヒーロー・キラーは足を進めジリジリと近づいてくる。動こうとしようとするが体が痺れて動けない。もうダメかと思ったその時…
「オラァー、死ねェー!!」
…入り口に向かっていたメンバーの内の1人爆豪が右手の大振りを繰り出し、ヒーロー・キラーに攻撃しようとする。ヒーロー・キラーは自分の体に手を触れると空中へと浮き上がって回避した。爆豪の腕はそのまま地面に激突し大きな爆発が起きた。
それを後から来たメンバーが合流(緑谷は切島と轟に体を支えられている)し、空中に浮いているヒーロー・キラーを見る。
「…アイツ宙に浮いている」
「て事は飛ぶ個性か何かか?」
始めて見た者ならそう思うだろうがそれは間違いだ。
「いや、ヒーロー・キラーはお前達の個性と言う能力をコピーさせている。つまりはお前達の能力を使っているのだ」
「でもよ、俺達の中で空を飛べる個性の奴っていたか?」
たしかにAクラスに空を飛ぶ個性を使う者はいない。
「ッ!そうか分かった。アイツは空を飛んでいるじゃなく、自分の重力を操って浮いている。つまり今使っているのは麗日さんの個性だ!」
緑谷の推測は正しい。ヒーロー・キラーは浮く前自分の体に手で触れていた。それは指に付いている肉球に触れる事で物や人を浮かせる事が出来る麗日の個性「無重力」である。それを聞いて皆納得する。
「…けど、だったらまだ勝機はあるかもな」
「は?どう言う事だよ?」
「…アイツはさっき「俺達の個性をコピーさせた」と言った。つまりデメリットの方もコピーされているはずだ」
そう、その個性は「使い過ぎると酔ってしまう」と言う最大のデメリットがあるだからいずれ酔ってしまうだろうと予測するが敵はそんな甘くなかった。
「フフフ、愚か者め」
「ッ!何だと!?」
「そんな事予測出来ていないとでも思っていたのか?確かにヒーロー・キラーはお前達の能力をコピーさせた。だがその能力にも何らかのデメリットがある事が調べて分かっている。だからそのデメリットの部分は取り除きコピーさせたのだ」
ヴィラン達に憑依させたガディバは改造されており、相手の個性のコピーさせ、その個性のデメリットをなくすように強化されていた。
つまりコピーされた個性は使っても何のリスクもなく使い放題である。今のヒーロー・キラーは無敵に等しい。その事に皆驚きを隠せないでいた。
「さらに言うなら、こいつは
ヒーローキラーは体から紫色の丸いボールのような物を出現させ取り出した。
「あれは峰田君の個性!?」
ヒーロー・キラーはそのボールを手に取り投げ飛ばし爆豪の腕にへとくっ付いた。
「何だ!?こんな物ォォ!!」
爆豪は剥がそうと手で掴むが全く取れない。しかも掴んだ手もくっ付いて取れなくなってしまった。
「駄目だよ、かっちゃん。峰田君の個性は自分以外の物にくっ付いて剥がれなくなっちゃうんだ」
その言葉を出すが既に遅し。ヒーロー・キラーはさらにボールを投げ飛ばし次々と爆豪にくっ付いてき身動きが取れない状態になった。
「これで終わりだと思うなよ」
ヒーロー・キラーは右手を前に出し掌を上に向ける。そして何かを潰すかのように思いっきり握る。すると爆豪にくっ付いていたボールが大爆発を起こした。ボールは次々に爆発していき爆炎が上がる。その中から吹き飛び重傷を負った爆豪が地面にへと叩きつけられる。
「かっちゃん!」
「おい、どういう事だよ?峰田の個性ってくっ付くだけで何な風に爆発はしない筈だぞ」
峰田の個性は頭に付いているボールのような物で色んな物や人にくっ付き取れなくさせ、対して自分にはくっ付かずブニブニ跳ねる個性。故に爆発させる力はない。
その筈なのにボールは爆発して爆豪に重傷を負わせた。それが不思議でならない。すると黒服の男が口を開く。
「言っただろ……ただ使えるだけじゃないと」
「ヒーロー・キラーはお前達の力を同時に使う事ができる。つまり能力を組み合わせる事も自由にできると言う訳だ」
「因みに今組み合わせたのはそいつの爆破とあの紫色のチビの力だ。しかしどうだ、小僧?自分の力にやられる気分は?」
黒服の男は仰向けになっている爆豪を見下すように笑う。爆豪本人はその事に歯を食いしばりながら男を睨みつける。
「そして貴様等は自分達の力によって死んでいくのだ。どうだ?自分達の力が敵に使われる気分は?フハハハハハ!」
黒服の男は高笑いをする。そんな中轟が爆豪を助けようと個性を発動させようとする。だがそれを黒服の男は気付いていた。
「ヒーロー・キラー!」
ヒーロー・キラーは命令を受けると右脚を前に出し地面を踏みつける。すると氷が発生し、緑谷、爆豪、轟、切島を凍りつかせた。轟の個性によって。しかも自身が耐えられる冷気以上だったため氷を使う事が出来ない。
轟の持つ
「これで邪魔は居なくなった。ヒーロー・キラー、その小僧を始末しろ」
ヒーロー・キラーは倒れている爆豪にへと足を進める。みんな動こうするがダメージにより体が動けずにいた。
爆豪はダメージ+凍りつかされた事で動けずヒーロー・キラーをただ睨みつける事しか出来なかった。
目の前まで来たヒーロー・キラーは右腕を振り上げ切島の個性で腕を硬化させ鋭くさせる。
「ク、クソが…」
「殺れ、ヒーロー・キラー!」
そして爆豪の心臓目掛けて一気に振り下ろす。
「止めろォォー!!」
緑谷の叫びがUSJ全体に響きわたる。もう誰もがダメだと思ったその時……
「デェーリャァー!!!」
…突如声が聞こえると何か物凄いスピードでヒーロー・キラーにへと接近して赤く燃え上がる足で思いっきり蹴り飛ばした。ヒーロー・キラーは近くにあった森林にへと吹き飛んだ。その吹き飛ばした何かはその場に着地する。
「待たせたな!」
そこには赤と青が主体のボディに黄色い目、頭に付いている二つのブーメラン、胸にはプロテクターと青く輝くクリスタルーカラータイマーがあった。
「貴様は!?」
「こっからは俺が相手だぜ!」
若きウルトラ戦士、ウルトラマンゼロここに推参!
次回はゼロとエース・キラー、いやヒーロー・キラーとのバトルから始めます。
ヒロアカの3期が始まりましたね。これからヒーローとヴィランの戦いが本格的になってくる事でしょう。そして8月には映画も…今年はヒロアカ祭りですね。