今回はAクラスの皆にウルトラマンの誕生秘密と光の国の歴史を教えていきます。
このタイトル感想で次回予告を考えてくださったリバード様のタイトルを採用しました。ありがとうございます。
それではどうぞ。
Aクラスの副担任になった礼堂光輝であったが、担任の相澤先生の発言によって一時間目の授業を使ってのウルトラマンの説明…基ウルトラマン講座をする事になった。
「ではまず緑谷君以外にウルトラマンの事を知っている人はいるかな?」
緑谷君には俺が簡単に説明したからある程度は分かるが、他に知っている人がいるかもしれないからな。この質問に麗日お茶子と飯田天哉が手を上げた。
「僕は緑谷君から聞いて教えてもらいました」
「うちもデク君から聞きました」
この二人は緑谷君とは特に仲がいい上にいつも一緒にいるからやっぱり知っていたか。
「成る程。他に知っている人はいるかな?」
その後は誰も手を上げず静寂が訪れる。
「成る程、分かった。殆どの子が知らないみたいだからまずウルトラマンとはなんなのかを教えよう」
前に緑谷君に説明したウルトラマンとはなんなのかを説明する。
ウルトラマンはこの地球(別世界の地球だけどね)から約300万光年も離れたM78星雲…通称【光の国】またの名を【ウルトラの星】と言われる遠い星から地球を守るためにやって来た異星人、宇宙人である事。
地球を守るために今まで多くのウルトラマンが地球のために戦ってくれた事。地球上では活動時間に限りがあり、それがたった3分間だけな事。
そして異星人である彼等が何故そこまでして地球のために戦ってくれた理由…
…これらを一通り説明した。知らなかった子達はこの説明を聞いて驚いていた。
「ウルトラマンって宇宙人だったのかよ!?しかも宇宙を飛んでってマジ半端ねェ」
「うん。それ今まで沢山のウルトラマンが戦ってくれたんだね」
「待てよ、沢山って事は一年前やUSJで見たウルトラマン以外にももっといるって事か!?」
「でもよ、違う星の人でしかも3分しか戦えないのに俺達の為に身体張って戦ってたなんて…クゥゥ【男】って感じがするぜ!」
「それに私達人間を【愛して】いただき守ってくださった…なんと慈悲深く素晴らしい方々なのでしょう」
「そのウルトラマンの中には女っているのか!?」
興奮する者もいればウルトラマンの心の広さと優しさに感激する者と色々な反応をとるけど…最後のは何だそれ。特に関係はないでしょ!しかも女だとウルトラ|
「よしこれでウルトラマンの基本的な事は分かったね。じゃあ次はウルトラマン誕生日の秘密と彼等の故郷【光の国】ついて説明するよ」
ウルトラマンがどうやって生まれたのか、どうしてこんな力を持っているのか、そして今まで光の国でどんな事があったのかを教えよう。
「でもここは口で話すより直接見てもらった方が分かりやすいかもしれないね。ハヤタさん力を貸してほしいのですがお願い出来ますか?」
「勿論だ」
これは流石に俺には出来ないからウルトラマンであるハヤタさんにお願いする。生徒達は「見てもらう」って言葉がイマイチ理解出来ていないみたいで殆どが疑問符を浮かべている。そんな彼等をよそにハヤタさんは右手を上げると掌から光が溢れ出し教室全体を包み込む。
光が治るとそこは壮大な宇宙が広がっていた。生徒達だけでなく相澤先生もこの事態は想定外だったらしく戸惑っていた。
宇宙には空気がないからいきなりそこに出たら誰だって戸惑うか。少し反省しよう。
「みんな落ち着くんだ」
「これは映像だから問題ない」
ハヤタさんとダンさんの説明を聞いて呼吸が出来ることを確認すると直ぐに皆落ち着いた。
すると映像が変わり一つの星が映し出された。それは何万年も前の光の国の姿だった。沢山の人がいた。それこそウルトラマン達の御先祖様達である。
ウルトラマン達の御先祖様は地球人と全く同じ姿をしていた。ただ文明は地球より大きく進歩していて高層ビルがいくつも並んでおり、誰も皆笑顔で争いがなく平和に暮らしていた。
「ヘェ〜、ウルトラマン達も昔は俺達と同じ感じだったんだ。なんか意外だな」
「それになんか凄ェ未来的な街だな。俺等の街もそのうちこんなになるのかなァ」
「でも私達と同じだったらどうやってウルトラマンになれるようになのかしら?」
「それは…この映像を見てほしい」
その平和な星に最大のピンチが訪れる。なんと星を照らしていた太陽が原因不明の爆発を起こしてしまい消滅してしまったのだ。太陽が無くなった事により光が無くなり一日中真っ暗な夜の世界にへとなってしまった。
光を失い星は死に絶えようとしていたが彼らの先祖は諦めらなかった。自分達の発達した技術を用いて人工太陽である【プラズマ・スパーク】を創り上げた。
これにより彼等の星はなんとか窮地を脱した。
…しかしその光は人が浴びるにはあまりにも強すぎた。
その光を浴びた先祖達は身体が突然変異を起こし、人の身体は超人へと変わった。
これがウルトラ一族の……ウルトラマン誕生の瞬間だった。
彼等は手に入れたその力を私利私欲の為ではなく宇宙の平和の為に使う事を決めた。そして「宇宙警備隊」と言う組織が作られた。
「その力を宇宙の平和の為に使う…正に僕達の鑑とも言える」
「飯田君は真面目やねェ〜」
しかしそれから数万年後そんな平和な星に危機が訪れる。
光り輝く空が急に暗くなり始めた。原因は突如現れた黒雲である。そしてその中から自分達と同じくらいの黒い巨人が現れる。
その宇宙人は嘗てこの宇宙を支配した【レイブラッド星人】、【ジュダ】に並ぶ存在【暗黒宇宙大皇帝エンペラ星人】であった。
エンペラ星人は全てを闇に染め上げる為にこの光輝くウルトラの星を滅ぼそうと傘下の多くの怪獣や宇宙人と共に攻め込んで来たのだ。
故郷と住人達を守ろうと宇宙警備隊のメンバーはそれぞれ怪獣、宇宙人と戦闘を開始。その中の一人、若く強い期待のエース、後に「ウルトラの父」と言われる二本の角を生やしたウルトラマン【ウルトラマンケン】がエンペラ星人との一騎打ちを試みた。
死闘の果てケンとエンペラ星人は右脇に傷を負い相打ちに終わった。エンペラ星人は思わぬ深手を負い撤退、多くの犠牲者を出したものの何とか勝利することが出来た。これが後に「ウルトラ大戦争」又「ウルティメイトウォーズ」と呼ばれるようになった。
そしてケンはこの戦いの功績が認められウルトラ警備隊の初代隊長に任命された。
「ウルトラマンの故郷でこんな事があったなんて…」
「あんなに沢山の怪獣と宇宙人を部下にしていた上に、そいつら全員連れて攻め込んで来たんだもんな」
「それにあの黒い巨人の力は映像だと分かっていても直に受けているかのようだった」
「確かにあの黒い巨人の闇は俺のダークシャドウとは比べ物にならない程の力を感じさせられた」
「でもあれだけの怪獣や宇宙人を相手に一歩も引かないで立ち向かって行くところ凄かったよなぁ」
「あぁ。特にあの角の生えたウルトラマンの戦っている姿「男」って感じがしたぜェ」
皆反応はそれぞれだが黒い巨人【エンペラ星人】の力に恐怖していた。何万もの部下の怪獣、宇宙人を連れて一つの星に攻めて来たのだから無理はない。まだそんな大戦争を経験した事がない子供達には刺激が強かったと思ったが、屋内戦闘での宇宙人の襲撃に一昨日のUSJでのヴィランの襲撃を切り抜けた事だけあって肝が据わっていたみたいで恐怖は感じられなかった。やっぱりこの子達は強い人間になるだろう。
「あ〜あ、俺もウルトラマンみたいな強い力が欲しいぜ。そうしたらヴィランなんかバンバンやっつけられるのによォ!」
「強い力…か…」
その言葉にハヤタさん達は顔を伏せてしまう。
「…光輝すまないが変わってくれないか?」
「えっ?別に構いませんけど」
深刻そうな顔をして…これから一体何を話すんだろう?
「皆…これから見せるものは君達には心を痛めてしまう事かもしれないが君達のこれからの為にも見せようと思う……この星の真実を」
「真実?」
「実はこの【ウルトラ大戦】の後、さらに最悪な事が起きた」
映像が変わりある建物の中が映し出されその先に光輝く物ーーーーーウルトラの星最大の宝【プラズマ・スパーク】があった。そしてその【プラズマ・スパーク】に近づく一つの人影が現れた。
あれ!?これってもしかして!?
そしてそのウルトラマンがその光に手を伸ばし触れた途端、【プラズマ・スパーク】の光に耐えられず身体が不安定になってしまった。カラータイマーも「ピコン、ピコン」と赤く点滅し始める。
「これは?」
「このウルトラマンはもっと強い力を求め【プラズマ・スパーク】の力を独り占めしようとしたのだ。しかし【プラズマ・スパーク】の力は彼の力を大きく上回っていた為その光に触れた瞬間、身を滅ぼしてしまった」
「そして星の最大の罪を犯した彼は星を永久追放されてしまったのだ」
そのウルトラマンはウルトラの星を追放され宇宙を漂流して小さい小惑星で動けなくなっていた。そんな時エンペラ星人と同等の存在であった【レイブラッド星人】の魂が現れる。
レイブラッド星人は肉体はずっと昔に滅びたがその精神だけは生き続けていたのだ。
『今お前に力を与えてやる』
そしてレイブラッド星人はそのウルトラマンの身体の中にへと入り込もうとする。そのウルトラマンも抵抗しようとしたが体力の消耗により抵抗も虚しくあっという間に完全に身体に入り込んでしまった。
そしてそのウルトラマンの姿は豹変してしまった。
身体の銀色の部分が黒く塗り潰され、両手の指が鋭く尖り、目が真っ赤に染まり鋭く吊り上がり青いカラータイマーが紫になっていた。
ここに暗黒にして光の国が生んだ最強最悪のウルトラマン【ウルトラマンベリアル】が誕生した。
そして彼は100体の怪獣を操る事が出来る最強のアイテム【ギガバトルナイザー】を手に入れた。
「100体の怪獣を手に入れた彼は光の国に復讐を果たそうとしたんだ」
ベリアルは光の国には降り立つと100体の怪獣を召喚。そして辺り一帯を破壊し始めた。ウルトラマン達は止めようと奮闘するもエンペラ星人との戦いのせいで押し切られていた。
ベリアルはその合間にも【プラズマ・タワー】の中へと進んでいた。その途中に重傷を負ったウルトラマン達に目をやった。その内の一人のウルトラマンがベリアルに立ち向かうが目もくれずその奥にいた一人の女性のウルトラマン、いやウルトラウーマンをギガバトルナイザーで吹き飛ばした。
『マリー、俺は光の国を征服し銀河の王になってやる!』
『貴方の思い通りにはさせません!』
『どうかな?』
ベリアルがギガバトルナイザーを振り上げた瞬間ウルトラマンケンが間に入りマリーを守った。
『止せベリアル、この星はお前の故郷だぞ!』
『故郷ォ?フン、知らねェなァ。そんなもん滅ぼしてやる。俺はお前らへの復讐の為に帰って来たんだ!』
しかしベリアルはそれに耳を貸さずギガバトルナイザーを振り回しケンを振り払いベリアル・ショットで吹き飛ばした。
「あんな強いウルトラマンさえも歯が立たないとは…あのウルトラマン相当強いぞ」
「ヤベェよ、ヤベェよ。このままじゃ殺られちまうぞ!!」
皆がエンペラ星人と相打ったウルトラマンケンでさえ蹴散らすベリアルの強さに恐怖する。
そしてベリアルがトドメを刺そうとして次の瞬間、上空から眩い光が現れる。その場にいた者達はあまりの輝きに眩しくて動きを止めた。その隙に一筋の光のカッターがベリアルを弾き飛ばした。ベリアルの手から離れたギガバトルナイザーは地面にへと突き刺さる。
光が地面に降り立つとそこには赤いマントを付けた一人のウルトラマンがいたが、他のウルトラマン達と見た目が違かった。
彼こそは【キング星】と呼ばれる場所にたった一人で住んでいると言われている伝説の超人【ウルトラマンキング】である。
『ベリアル…光の国を汚す者よ』
ベリアルは何とか立ち上がるがキングは超能力を使って動きを封じ込めそのまま上空にへと持ち上げる。
『闇の中で罪の報いを受けるがいい!』
散らばっていた瓦礫を集めベリアルの周りを囲い大きな岩の塊【宇宙牢獄】となってベリアルを閉じ込めた。
『永遠に』
こうしてベリアルは宇宙牢獄にへと幽閉されギガバトルナイザーは【炎の谷】と呼ばれる場所に封印されたところで映像は終わった。
「…これが我々の星の真実だ」
「…ウルトラマンの星にこんな事があったなんて…」
「まさかウルトラマンが悪に染まちまうなんて…」
「…とても信じ難い事ですわ」
皆衝撃を受けた。正義の味方であるはずのウルトラマンが悪の道に堕ちてしまったのだからこの世界で言うならヒーローがヴィランになってしまう事になる。
「君達には衝撃的だったと思うが、これも君達の為だった」
「僕達の…」
「君達はヒーローになる為に強くなろうとしている。それはいいことだと思う。しかし唯強くなろうとしてはいけない。強さだけを求めればいずれ道を踏み外してしまう事もあり得る」
そうだ。実際ベリアルはもっと強くなろうとした結果、自らの身を滅ぼし悪へと堕ち道を踏み外してしまい宇宙を征服しようとした。
「君達から見れば我々は完璧かもしれないがそれは間違いだ。悩む事もあれば、過ちを犯してしまう事もある」
「この世に完璧な存在は居ない。故に君達は日々努力し明日を目指しているのだろ?」
その言葉に皆「ハッ」とした顔をする。
「君達の求める強さとは何なのか、そして何のために強くなるのかよく考えてほしい」
「そうすれば君達は我々を超えるヒーローになれるだろう」
「ほ、本当ですか!?」
「あぁ。我々のいた世界の人間も我々に負けないくらい強い心を持っていた」
「人間には我々を超える可能性を秘めている。勿論君達にもそれはある」
その言葉の聞いて先程とは一変して皆顔色が明るくなった。ウルトラマンからそんな事を言われたら嬉しかったのだろう。俺もそんな事言われたら同じ気持ちになると思う。
「君達はまだヒーローの卵。だから悩む事もあるし、迷ってしまう事もあるだろう。しかしその感情に負けてはいけない」
「今の君達は言わば可能性の塊だ。その可能性をどうするかは君達次第。日々己を高める為に努力するように」
『はい!』
キーンコーン、カーンコーン
皆の返事と共にチャイムが鳴って授業が終わった。
「時間か。お二人共初日からご苦労様でした」
「いやいや、礼を言われるような事はしていないよ」
「我々は彼等のこれからを応援してやっただけだ」
「1時間目はここまでだ。2時間目からはいつも通りの授業に戻る、気を抜くんじゃねェぞ。」
相澤先生はハヤタさんとダンさんに御礼を言うと教室を出た。それじゃあ俺も戻るとするかな。
「礼堂さん」
部屋を出ようとしたらいきなり呼び止められてしまった。後ろを向くと緑谷君がいた。
「今回はウルトラマンの事教えてくれてありがとうございます。あの〜、出来ればまた教えていただけないでしょうか?」
どうやら今回の話を聞いてウルトラマンの事をもっと知りたくなってしまったようだ。でも同じ男してその気持ちは分かる。
「あ!それ俺もいいスか?」
「ウチもウルトラマンのもっともっと知りたい!」
「僕もだ。ヒーローを目指す者として是非とも見本としておきたい」
緑谷君に続いて他の子達も言ってきた。まさかここまで大人気になるとは。それもこの世界だからなのかな?
「分かったよ。じゃあまたいつか授業でやろう」
その言葉に質問してきた子達は皆「ヤッター」と叫ぶ者もいれば「よし」とガッツポーズする者もいた。
「でも先ずは次の授業の準備をしないとね」
そう。まだ1時間目が終わったばかり。直ぐに次の授業が始まる。それを聞いて皆急いで次の授業の準備を始めた。
俺は教師を出て廊下を歩きながら次のウルトラマンの授業について考えていた。
今回は光の国の歴史を教えたからな。順番から言ってやっぱり次は初代ウルトラマンの事についてかな。
でも先ずは体育祭に向けての準備をしなくてはいけないな。この体育祭一体どうなるんだろ?
光の国の裏歴史まで教えたのはただ強さだけを求めてはいけない事を理解してもらいたかったからです。これをきっかけに考え方を変わってもらいたいです。(主に爆豪とか爆豪とか)
次回は出久とオールマイトの会話に礼堂を入れての話となります。出来れば体育祭開始までいきたいと思っております。
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