次回は3つ目の姿がお披露目となります。しかも相手は見るからに最強クラスの怪獣です。(ネタバレになるかもしれないので名前は伏せておきます)
光に包まれて目を開けると、ある建物の屋上にいた。ここが異世界か。やっぱり異世界といえども、俺がいた世界とあまり変わりはないようだ。まずはここがどこの世界なのか調べよう。
ひとまず街中に出てみると何やら人だかりが。何だろうっと思ってみるとそこには怪物のような格好をした奴と、体が木の皮で覆われた男が戦っているいた。
(……はてェ?何処かで見たことがあるようなぁ?)
そんな事を考えていると怪物にトドメを刺すのか大技みたいなのを出そうとしていたが、突如現れた角の生える巨大な女性に怪物は蹴られてノックアウトした。あの女性も何処かで…。
「本日デビューと相成りました、Mt.レディーと申します。以後お見"しり"置きを」
敵を倒しやけにお尻を向けて強調させた。男たちがカメラを撮っている。
(Mt.レディー?何処かで聞いたことあるようなぁ?……‼︎思い出した確かにあれは「僕のヒーローアカデミア」に出てきたヒーローだ!という事はここはもしかして「僕のヒーローアカデミア」の世界か!? )
確か最近アニメになった漫画で色々と話題になった作品だ。俺もアニメを見ていたからそこそこまではわかるんだけど、全ては知らないんだよなぁ。
「所であの怪物や巨大な女性達は何なんだ?」
タロウがさっきの暴れていた奴や、そいつを倒した女性、戦っていた人達の事を質問してきた。
「あっはい。この世界では個性、所謂特殊な力をを持った人間がいるんです。水を操ったり、体を変化させたり、あの女性のように体を巨大化ことも出来ます」
「ヘェ〜、何かの能力を持った人間かぁ。中々面白れ〜世界じゃねぇか。」
ゼロが興味深そうに言う。確かに普通の人間に能力なんてないんだから。
「でも、その個性を使って犯罪を犯す奴らもいるんだ。そいつらを確か
「自分の力の持つ可能性を間違った方向へ向けて犯罪を犯す奴もいるのか…。」
80が嘆かわしそうに言う。元学校の先生だったし、担当がマイナスエネルギーの起こる原因でもある「自分の秘めた可能性を間違った方へと使っている」のだから。
(でも確かにこの場面はアニメの第1話にあった。てっ事はこの後ヘドロの敵が現れるってことか)
確かに主人公の緑谷出久がヘドロ敵に襲われているところをオールマイトに助けてもらって、そこから彼の秘密を知ってことが始まりとなり色々なことが起きるんだよなぁ。
緑谷出久はヒーローに憧れていた。その中でも人気ナンバー1であり平和の象徴と言われているオールマイトの言うヒーローのようになりたいと小さい頃から思っていた。
だが中々個性が出ないことで親と一緒に病院に行って医師にみてもらって帰ってきた答えは残酷なものだった。
『何の個性もない』
この世代では珍しい「無個性」所謂「何の個性もない人」と言われた。彼はその日の夜泣いた。大好きなオールマイトの動画を見らがら泣いた。自分もいつかオールマイトみたいなヒーローになりたいと思っていたのに、自分には何の個性もないのがあまりにもショックがデカかった。それがきっかけで学校とかでバカにされ、同世代の子から虐められる事もあった。
そんなこんなで月日が流れて中学3年になり卒業が近づき、高校受験が近づいていたある日、体をヘドロに変える個性を持つヴィラン(以降ヘドロヴィラン)に捕まり体を乗っ取られようとしていた時に、ある人物の声が聞こえた。
『もう大丈夫だ、少年。…私が来た……』
それは憧れのヒーローであるオールマイトだった。そして『
気を失った緑谷は誰かに起こされて目を覚ますと目の前にオールマイトがいた。あまりの驚きに後退した。そして嬉しさにサインを頼もうとして手元のノートに書いてもらおうと思ったら、してあったりとさっきから驚いてばかりだ。オールマイトペットボトルに詰めたヘドロヴィランを警察に届けようとしていた。だが緑谷はオールマイトにまだ話したいことがいっぱいあった。
そしてオールマイトはすごい脚力で空を飛んだ。しかし緑谷が咄嗟にオールマイトの足にしがみついていたのだ。離れるように言うが今2人は空を飛んでいるので離れるに離れないでいた。そのままオールマイトと共にある建物の屋上に降りた。
そこで彼はオールマイトに「個性のない人間でもヒーローになれるか」と聞いた時、突如オールマイトから煙が出て彼を覆った。それに気づいていない緑谷は淡々と話を続け「僕もなれますか」と言おうとオールマイトを見ると、そこにいたのはオールマイトでは無くガリガリの痩せた男だった。
彼は何が起こったのか全く分からずオールマイトの偽物か思ったがそこにいたのはオールマイト本人だった。
『よくプールとかで腹筋力み続けている人がいるだろ?あれさぁ』
そう。その状態こそがみんなが知っていてヒーローであるオールマイトの姿だったのだ。
そのあまりの射撃に緑谷は「嘘だァーーー!」と絶叫した。それもそうだ。あの憧れで恐れ知らずでみんなを助けてくれる最高のヒーローの本当の姿が、細いガリガリの男だったなんて。
実は5年前の敵との戦いで負った傷で度重なる手術と後遺症で憔悴してしまい、彼のヒーローとしての活動時間は1日約3時間が限界となっていたのだ。
この事は世間には公表しないようにと彼が頼んだので一部の人間しか知らない。その理由は「平和の象徴」が悪に屈してはいけないと言う己の信念。そして自分が笑うのはヒーローの重圧、そして内に湧く恐怖から己をあざ笑うためであった。
『プロはいつでも命懸け、「個性が無くても成り立つ」とは軽々しく口には出せない』
その理由は言葉を聞いた緑谷は黙ってしまった。
確かにプロはいつだって命懸け。死ぬかことも覚悟の上で活動しているのだ。個性がなくてもヒーローになれるとは一概には言えない。
オールマイトは立ち上がると扉へと向かい開けた。
『人を助けるなら警察官という手もある。それも立派な仕事だ』
『夢を見る事は悪いことじゃない、だが現実も見ないといけない』
オールマイトはそれだけ言うと扉閉めた。
確かに警察官も立派な仕事であるし、現実を見ないといけない。そんな事は分かっている。分かってはいるが「ヒーローになりたい」、小さい頃からの夢を簡単に捨てられるはずがなかった。
そんな時、街で爆発が起きた。敵が暴れていると思い現場に向かおうとしたが、さっきオールマイトに言われたことを思い出しトボトボ歩き出した。
階段を下りているオールマイトは捕まえたヘドロ敵を警察に届けようとポケットの中を覗いたが、ヘドロヴィランを詰めたペットボトルがなかった。
そんな中を町で爆発が起きた。
そこにはヘドロヴィランが緑谷の幼馴染である爆豪勝己に襲いかかって飲み込まれようとしている。
「こんな奴にィ俺が飲まれるかーー!!」
ヒーロー達は何とか爆豪を助け出そうとするが、下手に手を出せば爆豪が傷ついてしまうから迂闊に手を出せないでいた。
今この場にいるヒーロー達ではお手上げだった。そのため爆豪には悪いがヘドロヴィランに有利な個性も持ったヒーローの到着を待つ事にした。
そんな中ガリガリ状態のオールマイトが現場に到着した。そして現場をみて後悔した。活動時間ばかりに気を取られていて敵を詰めたペットボトルを落としてしまった自分のミスだと。そして自分を責めた。「情けない、情けない」と。
一方緑谷は自分が作った「将来の為の分析ノート」を見らがら街を歩くいていた。
自分には個性がない。そんな事は分かっていた。分かっていたからこそ見ないようにしていた、目を背けていた。そんな事を考えているとある人とぶつかってしまった。
「ご、ごめんなさい。ちゃんと前見てなかったもので」
「別に気にしてないよ。君、名前は?」
「緑谷出久です…」
「俺は光輝、礼堂光輝」
これがヒーローに憧れる少年と、宇宙から来たヒーローウルトラマンに変身する事が出来る青年との出会いだった。
最後に敵が持っていた6枚のカードで光、闇、風、地、水、火ってなんだか遊戯王のモンスターの属性と同じことに気づきました。