ヒロアカの第二期がもう少しで終わってしまいます。
第三期があることに期待したい。
今回は初めに緑谷と麗日、飯田の3人の軽いウルトラマンに対する話をした後屋内訓練に入ります。
ほぼ原作通りの流れ、しかし思いもしない者が登場します。
そして最後に一人ウルトラマンがちょっとだけ出ます。
初日の個性把握テストから1日が過ぎた次の日、高校生活2日目がスタートした。
ヒーロー科はヒーローを目指すための科と言っても、高校には変わりない。だから午前中は主に他の学校と同じような授業をやる。つまり国、社、数、理、英の5教科の勉強もキッチリとやるのだ。
そして午前の授業が平行に終わりお昼休みになって学生達は食堂にへと向かう。
雄英高校には学食がありメニューも豊富、その上ランチヒーローの肩書きを持つヒーローが料理してくれるので人気が高く毎日行列で混み合う。
そんな中、自分達の料理を持ち席についていた眼鏡をかけた如何にも優等生である
「緑谷君。君は昨日あの巨人の事を【ウルトラマン】と言ったが、あの巨人について何か知っているのか?」
「うん。でも僕もある人から聞いたんだけどね」
「ねェ、ねェ、デク君。あの巨人の事教えてよ!」
同じく食事していた麗日は目を輝かして尋ねてきた。それは前に出久が礼堂にウルトラマンの事を聞いてきたのと同じくらいに。
「う、うん。分かったよ」
出久は前に聞いたウルトラマンの事を話した。その内容は誰もが驚くことだった。あの巨人、ウルトラマンが別の星からきた宇宙人で、地球のために命を賭けて戦っていたことに。
「凄いね!別の星から地球を守るためにきたなんて!!まさに絵に描いたようなヒーローだよ!!」
麗日はウルトラマンの事を聞いてさらにテンションが上がった。
「だが、そうやって簡単に信じていいのか?」
その話の間に飯田がワイワイ話している2人とは違う意見を述べる。
「宇宙人なら侵略目的で来ている可能性もある。この間僕達を助けたのもあの巨人の策略だとしたら……」
全く関係のない星のためにタダで戦うなんて気前が良過ぎる。その後何かを要求することも十分にありえるという。……飯田の意見も一理あると言えるだろう。
「……でも僕はそうは思えないよ」
そんな不穏に成りつつあった空気の中緑谷が一年前の事を話し始めた。
「実は一年前初めてウルトラマンが現れた時、僕その場に居たんだ。怪物に街が壊されていてかっちゃん……爆豪君のことだけど、彼がその怪物に向かっていこうとしたのを僕が止めた時、その怪物が僕達に向かって攻撃しようとしたんだ。そんな時、ウルトラマンが僕達を助けてくれたんだ。それに壊された街も不思議な力で直してくれたんだ。だからウルトラマンは決して悪い人なんかじゃないと思うよ」
「……うちもそう思うよ」
緑谷の答えに麗日が同意の意見を述べ、そして自分もウルトラマンに助けられた時のことを語り出す。
「試験の時、デク君は気を失っていたから分からなかったと思うけど、あのロボットに踏み潰されそうだったところをこの間の巨人…うんん、ウルトラマンが助けてくれたもん」
試験でロボット、インペライザーが暴れ始めた時緑谷を助けようとして一緒に踏み潰されそうになっていたところをメビウスが助けたのだ。勿論その光景は飯田も見ている。
「それにデク君がさっき言ったようにそのロボットがうちらに攻撃しようとした時、あのウルトラマンは身を呈してうちらを護ってくれた。だからデク君と同じようにうちもウルトラマンを信じる」
「……そうだな。己の身を呈してまで護ってくれたのに信じないなんてヒーローとしてもあるまじき事だ」
その後3人は再び雑談をしながら昼食を食べた。
そしてお昼休みが終わり午後の授業が始まろうとしていた。
「ワ〜タ〜シ〜が〜」
「来t「普通にドアから来たー!」
赤いスーパーマンみたいな服装をしたオールマイトが普通にドアを開けて入って来た。クラスの生徒達は皆本物のオールマイトを目の前にして感動している。
ヒーロー科の午後の授業は【ヒーロー基礎学】。それはその名の通りヒーローの素地を作るために色々な事をし、ヒーロー科の科目の中でも最も単位が高い科目である。
「早速だが今日はこれーー『戦闘訓練』!そして其奴に伴って此方!入学前に送ってもらった個性届け。要望に沿って誂えたコスチューム!」
「コスチューム…」
「着替えたら即グランドβに集合!」
『ハーイ!』
そしてグランドβに一足先に来ていたオールマイトの前にある出入り口から人影が一人、また一人と出てくる。
そんな中一人だけ遅く来た者がいた。緑谷である。
彼のコスチュームは全身緑色で頭には二本の角のようなもの、そして口元には白いプロテクターのようなものがあった。
「あっ!?デク君!?」
「麗日さん。〜〜!!」
「格好いいね。地に足がついたって感じ」
「麗日さん…そ、それは…」
「要望ちゃんと書けばよかった。パツパツスーツに成っちゃったよ」
麗日のコスチュームはピンクが特徴で女の子らしく可愛いと思えるが、体にピッタリとしているのでその区切りが目立ってしまっている。ホワワンとしている本人だが流石に恥ずかしいらしく顔が赤くなっている。
「ヒーロー科最高」
背が低く紫色のコスチュームを着ている少年がグッジョブと親指を立てた。正直言って何を言っているだと思う。
「いいじゃないかみんな。格好いいぜ!…!?」
オールマイトは緑谷のコスチュームを見た。その特徴である角のようなものと口元のプロテクターのようなが自分に沿ったものだと察した。
「ーー(わかりやすい)!」
そのわかりやすさに笑いを堪えて手で口を塞いでいた。
そして授業を始めようとしたら白いロボットみたいな服装をした者が質問してきた。声からして飯田である。試験の時と同じ演習場であったのでまた市街地演習をするのかと質問してきた。
「いや、もう二歩先にいく。ヴィラン退治は主に屋外に見られるが、統計で言えば屋内の方が凶悪ヴィラン出現率が高いんだ」
「監禁、軟禁、裏商売……このヒーロー飽和社会において真に賢しいヴィランは
「そこで君らには二人一組、ヒーロー組とヴィラン組に別れて2vs2の屋内戦を行ってもらう」
「基礎訓練無しに?」
「その基礎を知るための実践さ。ただし今度はぶっ壊せばOKじゃないのがミソだ」
「勝敗のシステムはどうなります?」
「ぶっ飛ばしてもいいスか?」
「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか?」
「別れるとはどのような別れ方をすれば宜しいですか?」
「このマントヤバくない?」
次から次へと屋内訓練への質問をしてくる。だが一つだけ可笑しな質問があったような気がする。
「ン〜〜、聖徳太子ィー!」
暫くして落ち着いたオールマイトはなんとカンペ(カンニングペーパー)を読みながら説明を始めた。
設定としてヴィラン側がアジトである建物の何処かに核を隠しているから、ヒーロー側は制限時間内に見つけ出して処理するかヴィランを確保する事。
対してヴィラン側は制限時間内に核を守りきるかヒーロー側を捕まえる事で勝敗を別けるとの事。
そしてそのペアと対戦相手はくじ引きで決めるとの事である。適当な選び方に飯田が疑問に思うが、プロは他の事務所と共存する事がある事を緑谷が説明して納得した。
そして先ずはペア選びでA〜Jまでの8チームが出来た。そしてAチームは緑谷と麗日のペアである。麗日は「縁が合うね」と笑顔で頑張ろうと言ってくるが、緑谷は麗日とペアで緊張していた。
そして対戦相手はなんとDチーム爆豪、飯田ペアになった。
緑谷、麗日ペアがヒーロー。爆豪、飯田ペアがヴィランである。
「他の者はモニタールームに向かってくれそれじゃあ始めようか、有精卵ども」
ヴィランチームは核の場所を決めるために先に屋内に入っていった。
緑谷と麗日ペアはオールマイトから渡された建物の見取り図を見ていた。
「相澤先生と違って罰がないみたいだから安心して…ないね!?」
緑谷は見取り図を見ながらガクガク震えていた。まぁ無理もないだろう。相手はあの爆豪なのだから。
「やな奴だけど、自信も、目標も、体力も、個性も……僕なんかより何倍も凄いんだ。……でも、だから今は……負けたくないなって」
麗日は「男の因縁だ」と何か少し興味津々に言ってきた。緑谷はその事に戸惑ったが麗日はチームとして彼の思いを受け止めてくれた。
そしてAチームとDチームの屋内訓練が開始された。
二人は建物の中に入ると爆豪達がいるかを注意しながら慎重に進んだ。「ワン・フォー・オール」の調整が出来ない今下手に人に使ったりしたら殺してしまう危険性がある。だから今の自分の力と麗日の個性しかないのだ。少々厳しいかもしれないが仕方がない。
そんな時爆豪が奇襲を仕掛けてきた。緑谷が麗日を庇い何とか躱したが、そのせいで顔の左半分に擦りマスクが吹き飛んでしまった。
対に爆豪は躱された事で少しイライラしてしまったようだ。睨み付けるとそのまま突撃してきた。
「中断されねェ程度にぶっ殺してやるよォォ!!」
しかし緑谷が爆豪の突き出した右腕を掴みそのまま背負い投げをして地面に叩きつけた。幼馴染である緑谷は爆豪の癖を分かっていたため、そして彼も含めてノートに纏めておいたからこそ出来たことである。
「何時迄も出来損ないの『デク』じゃない。…僕は……頑張れって感じの『デク』だ!!」
それは麗日が自分の「デク」の印象を言った時の言葉である。それが今の彼の自信にも繋がっているのかもしれない。
だがその事が逆に爆豪をキレさせてしまった。
『おい爆豪君。状況を教えたまえ、どうなってる』
「黙って守備してろォ。ムカついてんだよ俺はァ…」
『気分を聞いているんじゃない。おい(ブチ)』
飯田からの無線が掛かってきたが、今の爆豪はそんなのに構っている暇はなかった為切ってしまい両方の掌を後ろへ向けた。
「麗日さん、行って!」
爆豪の行動を察知した緑谷は麗日に先に行くように言った。麗日は言われた通り移動した直後、爆豪は個性の爆破を利用して緑谷に突撃し左足で蹴りを入れたが、緑谷はそれを防御した。
「余所見か?余裕だなァ?」
緑谷はイレイザー・ヘッドの使っていた布を爆豪の片足に巻きつけた。そして、爆豪の次の動きを予想し、思っきり地面を蹴って右へ移動した。その予想は見事的中し攻撃をかわした。
爆豪はもう一度さっきのように突撃しようとしたが、緑谷はそれを察知し後ろへ逃げ出した。
「待て、コラデクー!」
爆豪も逃すまいと追うが角を曲がったら緑谷の姿はなかった。だがそれでも緑谷の後を追うために走り出した。
緑谷は建物の地形を利用して逃げ続け何とかしようと作戦を練ることにした。
爆豪は緑谷の追って転々と中をグルグル回っているが一向に見つからず、完全に見失ってしまった。そして痺れを切らしたのか叫び出した。
「なァおい!俺を騙してたんだろ?楽しかったかずっと?あァ!?随分派手な個性じゃねェか?」
「使ってこいよォ。…俺の方が上だからよォォ!!」
これは作戦なのかそれともただイラついているのか分からないが、緑谷を挑発してお引き出すことにした。
だがそんな軽い挑発で緑谷は姿を見せずイライラは段々エスカレートしていった。
一方緑谷は壁に背中をかけて息を整えていた。そして緑谷は今の爆豪の行動を見て「今やっている行動は爆豪が独断で飯田との連携が取れていない」事を推測した。
元々2人が相手にするとなると緑谷達が圧倒的に不利になる。2人で核の部屋へ行くと爆豪と飯田の2人と戦う事になる。かと言ってここで2人で戦うと時間切れになってしまう。そこで爆豪の性格上、真っ先に自分に攻撃してくる事を考え麗日に核の部屋を見つけ出して自分も合流する事にした。
あそこで麗日を先に行かせたのは、ここで足止めされて時間になるのを避け、麗日と上手く交流し核を回収する事だった。
「(僕がかっちゃんに勝つってのが前提の話だけど……。大丈夫掌にさえ気をつければいける!)」
「何処だァー!クソナードがァー!!」
そうして緑谷は過去に言った事を前言撤回すると強く心に決めた。
爆豪は建物の中を歩いているい時に昔の事を思い出していた。
子供の頃から自分は周りから「凄い、凄い」と言われて自分は誰よりも凄いと思っていた。
そして緑谷が無個性である事で「デクが一番凄くない」と思っていた。
だが子供の頃、何時ものように友達と一緒に山の中で遊んでいた時のこと。丸太の上を歩いていたら、足を滑らせて川へ落ちてしまった。
緑谷以外の友達の3人の内2人は心配したが、1人は爆豪は凄いから大丈夫だと言った。勿論爆豪は全然大丈夫だった。
(大丈夫だったんだ……何ともなかったんだァァ)
だが緑谷が降りてきて爆豪に手を差し伸べた。
『大丈夫?立てる?』
だが、緑谷のその優しさが爆豪のプライドを傷つけた。
無個性で、自分より下の筈の緑谷に心配されたのだから。
その上一年前の事件で敵に飲み込まれそうだったところを泣きそうな顔をして助けられたのだ。
それが気に入らなかった。だがこの戦いで自分の方が上だという事を証明させるようというのだ。
緑谷は未だ壁に身を潜めて隠れていた。そんな時麗日からの通信がきた。
『デク君…』
「麗日さん、どう?」
「飯田君に見つかっちゃた、ごめん。今ジリジリと…』
「場所は?」
『5階の真ん中フロア』
なんと核のある部屋は自分がいるところのほぼ真上だった。だが残り時間もあと僅かで6分を切った。
緑谷は此処だけ負けたくないと、体を起こして紐を持って爆豪が来るのを構えた。
だが後ろから気配を感じ振り向くと、そこには爆豪がいた。
「かっちゃん…」
「何で個性を使わねェ?使わなくても勝てるってかァ?舐めてんのか、デクよォ?」
緑谷は震えていたが、「やれる」と自分に言い聞かせて覚悟を決めた。
「もう…君を怖がるもんか!」
爆豪はイライラして歯を食いしばったが、すぐに口はニヤリと笑った。そして右腕を緑谷へと突き出した。
「俺の爆破は手のひらの汗腺からニトロみてェもんを出して爆破させてる。要望通りの設計なら、この龍手はそいつを内部に溜めて……」
そして爆破はピンに指をかける。
『爆破少年、ストップだ!殺す気か!?」
「当たんなきゃしなねェよォ!」
そして爆豪はピンを抜いた。すると物凄い爆風が壁や足元のコンクリートをえぐりながら緑谷に迫った。何とか緑谷には当たらなかったが、壁に直撃し爆発が起き物凄い振動が上の階の麗日や飯田、さらにはモニター室にいたオールマイトや生徒達まで襲った。
後ろの壁に大きな穴が空き、部屋が半壊近くになっていた。
緑谷は何とか無事だったが、ヒーロースーツの顔の部分は完全にさらけ出し、右腕の部分も肘から先がなくなっていた。
「そんなん…ありかよ…」
あまりの威力に緑谷は驚愕する。そんな中煙の中から爆豪が姿を現した。
「なぁ、個性使えよデク。全力のテメェを捩じ伏せる」
その顔は完全に狂気じみていた。
『爆豪少年、次それ撃ったら強制終了で君らの負けとする』
「ハァ!?」
『屋内戦において大規模な攻撃は、守るべき牙城の損害を招く。ヒーローとしては勿論、敵しても愚策だそれは。大幅減点だからな』
その言葉に完全にキレた爆豪は爆破を使って緑谷に突撃する。避ける暇がなかった緑谷はタイミングを見計らって右腕を出すが、爆豪は左手の爆破使って目くらまし兼ねて軌道をズラすと右手の爆破で勢いを殺しもう一度左手の爆破で緑谷を吹き飛ばした。
さらに一瞬の隙も作らずに緑谷の腕を掴んで地面にへと叩きつけた。
「テメェは俺より下だー!!」
完全に形成を逆転されてしまった緑谷は、まずを距離を取ろうと壁際まで逃げる。爆豪が詰め寄ろうとしたその時であった。
「ほぉ、この世界の人間は凄い力を持っているみたいだなぁ」
この2人とは別、さらには互いのペアでもない者の声が部屋の扉の方から聞こえた。そこには人間の成人と同じくらいの大きさをしているが、姿が異形だった。その者の最大の特徴は、鳥のようなデカイ頭をしている。
「あんだ、テメェは!」
「俺か?俺はガッツ星人“ボルグ“。貴様らを捕獲しに来た」
それはかつてウルトラセブンと戦い処刑しようとした「分身宇宙人ガッツ星人」であった。
緑谷は今の戦闘も含めいきなり現れた謎の宇宙人に対する困惑により息が荒くなっていた。対する爆豪は折角のチャンスを邪魔したボルグを睨み付けついた。
「けっ。ガッツだか何だか知らねェが、雑魚が目障りなんだよ!!」
爆豪はお構えなしに突っ込み拳を打ち込んだ。たが、一瞬のうちにボルグは姿を消し攻撃は空振りに終わった。
「どうした?この程度なのか?んん?」
「〜ッ!!舐めんじゃねェー!!」
完全に見下された態度を取られ爆豪はさらにがむしゃらに個性を使うが、「目に見えない動き」と言うよりは「瞬間移動」のような能力を使っているので攻撃が当たらないでいた。
「そう言えばさっき俺のことを雑魚と言ったがどうだ、その雑魚に脚らわれる気分は?」
そしてボルグが両腕を前に突き出すと紫色の光線がが放たれ鞭のように爆豪の体を縛り上げると宙にへと浮かせた。
「確かにお前の攻撃は強力だ。流石の俺も当たればひとたまりも無いだろう。
そして十字架のようなクリスタルが現れ爆豪を閉じ込めてしまった。それは嘗てウルトラマンメビウスやウルトラ兄弟を貼り付けたあの十字架である。
「かっちゃん!」
『クソ。出せ、出しやがれ!』
「無駄だ。その十字架からは出る事は出来ん。暫くの間そこで大人しくしてるんだな。……さて、次はお前の番だ」
爆豪を完全に捕らえたボルグは残る緑谷の方に振り返った。
『そいつを捕まえても無駄だ。そいつは「無個性」の「デク」なんだからよォ!!』
「……確かにこいつはさっきから能力を使わないでいるが、何かしらの能力がある筈。出なければ貴様と互角に渡り合えてないだろう」
『ッ!?俺とデクが互角だと!?巫山戯んなテメェ!!』
「少し静かにしてもらおうか」
「グアァー!!」
ボルグは再び両手から紫色の光線を出して爆豪に浴びて苦しめる。苦しむ姿を見てボルグは笑っていた。
「止めろォー!!」
緑谷が爆豪を助けるためにガッツ星人目掛けて走り出して拳を引き、「ワン・フォー・オール」を使った。
あまりの威力に建物が激しく揺れ、その部屋の窓ガラスは全て割れてしまい、さらには壁に巨大な穴が空いた。だがまだコントロールが上手く出来ていないため右腕が火傷のように黒ずんでしまった。緑谷はあまりの痛みに涙目になり負傷した右腕を抑えた。
「やはり能力を隠し持っていたな」
悶えていた緑谷の後ろから声が聞こえた。そして痛みに耐えながら後ろを見ると無傷のボルグが立っていた。
「しかしこれは凄い。そのガキと同じくらい素晴らしい能力だ。だがその腕を見る限りお前……力を上手く使えていないな」
図星である。
「その腕ではもうマトモに戦う事すら出来まい。だがお陰で捕獲しやすくなったな。そのまま大人しくしていろ」
「くっ(何とかしてあいつの気を逸らして麗日さんに報告しなくちゃ。それにこの訓練を見ているオールマイトが助けに来てくれる筈「助けを求めているなら無駄な事だ」…えっ)」
「この建物の中にはもう二人はいるようだが、そいつらの所には別の奴が行っている。今頃片付けている頃だ。それにこの中継を見ている奴らの部屋には特殊な結界を張ってあるからな。自力でそこから出ることは出来ない。つまり今お前達を助けに来る者はいないのだ」
「そ、そんな…」
麗日に連絡をして飯田を含め三人で戦えばなんとかなるかもしれない。オールマイトが来れば何とかしてなるかもしれない。そう思っていたがその考えは一瞬にして砕け散った。
「だが心配しなくてもいいぞ。その二人も他の奴らも全員捕獲するから寂しくはないぞ、ハハハハハ」
もう立っている事すら限界に近い。しかし麗日や飯田は勿論の事、オールマイトやクラスのみんなも助けに来ることが出来ない。最早絶望に等しい状況だ。
「では……捕獲させてもらうぞ」
ガッツ星人が両腕を前に突き出し爆豪を捕らえた紫色光線を緑谷に向けて放った。緑谷に避ける暇はなかった。
もうダメだと思い目を瞑ったその時、光線が当たる瞬間に何か人影のようなものが現れ緑谷を抱きかかえ彼を守った。
何かに抱かれている感覚を感じた緑谷が目を開けると、そこには胸と肩にプロテクターのようなものを装着し、額には緑色の小さなクリスタル、そして頭にはブーメランのようなものがある「ウルトラマン」のような紅い人がいた。
緑谷を助けたウルトラマンは誰か!?ガッツ星人が相手ならあの方に決まってます。
次回は麗日と飯田、そしてモニタールームの話を投稿しようと思います。
麗日と飯田の前に立ち塞がる宇宙人は誰か!?お楽しみに。
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