転生者は何を思う   作:獣耳が大好きな新月

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さぁ、転生の時間だ
プロローグ1


あるところに一人の少年がいた。

その少年に親と呼ばれる人はいない。

少年は幼い頃に親に捨てられた。

それも借金が返せなくなったという理由で。

売られた少年はとある場所に買い取られあること(・・・・)を教えられた。

それは……人を殺す(・・・・)術だ。

最初に教えられたのはナイフの使い方。

次に実践しそれが終わったら今度は森に同じ境遇の子供と共に入れられ子供同士で殺し合わされた。

それを突破したごく少数は銃の使い方を教えられた。

それが終われば今度は実践に出されそれに生き残った者は今度暗殺術を覚えさせられる。

それが終われば今度も実践。

だが、少年はここでミスを犯した。

暗殺対象だった少女を殺さなかったのだ。

それ故に捕まり今度はその少女側の兵として闘った。

だが、少年はそれで良かったと思った。

例え人を殺す事を強いられたとしても、彼女と過ごせればそれで良かった。

彼女がいればそれで良かった。

だが、少女は死んだ。

殺したのは、少女の実の父。

殺したのは、少女の祖国。

殺したのは、少女が愛したこの国。

少年はそれに絶望した。

少年はゲリラとしてこの国と戦う事を決めた。

8歳だった少年が13歳になる頃、この紛争は終わった。

だが、ゲリラとして戦っていた少年は紛争が終わった後も傭兵として戦い続けていた。

そしてー。

 

『ゴースト4どうした?』

「こちらゴースト4。特に問題はない」

『そうか、ゴースト4はその場で待機。テロが起こり次第行動を開始せよ』

「ゴースト4了解」

ブツッと通信が途切れる音がしたのを確認してからヘッドセットを外した。

少年が傭兵として過ごして1年、14歳になった時少年は対テロ組織『グレイヴ』に勧誘された。

そして、グレイヴに入って1年が経った今、ゴースト4と呼ばれた少年は任務で日本に来ていた。

今の時代、表面上は平和な国が多いがその実裏では怪しげな取引などがされている。

そして、その裏で得た情報によるとここ日本でテロが起きるらしい。

らしいというのも不確定情報だからなのだが少年はそれを承知の上でここ日本で待機していた。

そして、少年は日本で過ごしているのだが問題がある。

それはー。

「ねぇねぇ君。いい加減機嫌直してよー」

「オレは元からこうだ」

「君可愛いのになー」

現地の人ーだいたい高校2年生の少女ーに捕まっていることだ。

少年は捕まった後の行動などは熟知しているがこのような状況にどうしたら良いのかは全く知らないのだ。

だが、この少女は離せと何度も少年が言っていても頑なに話そうとしない。

そして、少女と共に近くのデパートに入って、テロに遭遇した。

 

『ゴースト4、状況は?』

「敵は5人、内武装しているのは4人だが、1人はスイッチを持っている。BOM(爆弾)がある可能性が高い」

『了解した。ゴースト4は合図があるまで待機』

「ゴースト4了解」

テロリストの目を盗み本部と連絡した少年は人質たちの様子を見ていく。

怯えている者、状況を理解していない者、喚いている者、泣いている者など様々だ。

少年は彼らを一瞥すると自分をここに連れてきた少女の方を見る。

そこには怯えて身体を震わせている少女がいた。

少年は彼女を見て何かを考えた後、彼女を抱きしめた。

安心させるように抱き締めながら頭を撫でると少女は落ち着きを取り戻す。

そして、再び少年の通信機が震えた。

少年はこっそりと通信機を取り出して通信する。

『ゴースト4!状況が変化した!支給応答せよ』

「こちらゴースト4、何があった」

『奴らが国に金を要求したが……支払わなければ5分おきに人質を殺す(・・・・・・・・・・)だそうだ』

「……その連絡が来てから何分だ?」

『2分。だからあと3分だ』

「了解した。3分後に行動を開始できるようにしてくれ」

『待てゴースト4!!まさか!!』

「そのまさかだ」

そう少年が言うと通信機の向こう側の人が少し考えてから

『解った。そちらに合わせる』

「了解した」

通信を切ると目の前にいつの間にか少女がいた。

聞かれたと少年は背筋に冷たい物が走る。

「今の……何?」

「知らなくていいことだ」

少女が何かを言いたそうに口を開いたとき、テロリストが部屋の中に入ってきた。

少年はさりげなく出入り口の近くにさりげなく移動するとテロリストは少年の腕を掴んだ。

「来い」

一言そう言うと少年を引っ張りながら男たちは外へ出て行った。

だが、この時少年が彼女に説明してから行けば未来は変わったかもしれないが少年がそれを知ることはなかった。

 

テロリストが集まっている場所に連れてこられた少年はさりげない動作でズボンの中に入れてある通信機を2回押した。

そして、電話が鳴ると同時に少年が動いた。

近くにいた男の銃を奪いスイッチを撃つ。そして、それと同時に男の仲間をどんどん撃っていく。

戦闘不能にさせるだけだが、男たちはそれでもこちらを殺そうとしてくる。

仕方ないと少年は呟くと男たちの左胸を撃っていく。

だが、それと同時に隠れていたらしきテロリストが銃を構えてこちらを狙ってくるが少年は男たちが引き鉄を引く前に男たちを撃ち殺していく。

そうしていると少年の仲間たちが入ってくる。

もう少しだと少年が思った時後ろから足音が聞こえた。

空いていた扉からこちらに入ってきたのは、さっきまで一緒にいた少女だった。

「な、何で?」

「こういうことだ」

そう少年は言うとまだこちらを殺そうとしてくるテロリストに向かって引き鉄を容赦なく引いていく。

その途中で少女の胸に赤い光があることに気づいた。

まずいと少年が動くがもう遅い。

少年の前で少女が撃たれた。

そして、少年は気がつく。

柱の爆弾の数字が動いていることに。

5個だけならまだここにいる人は無事だが、6個全ての爆弾が爆発すれば、ここにいる人全てが死ぬ事になる。

少年は少女の近くにある爆弾の解除を始める。

すると、少女が少年の上に覆い被さってきた。

「何をしている?」

「最後に……こう……した……くて」

「そうか」

それだけ言うと少年は爆弾の解除を再開する。

残り10秒でようやく一つ目の爆弾が解除できたが他は不可能だ。

少女は弱々しい息だがまだ生きている。

少年は少女を守ろうとしたがここで自分の胸に破片が刺さっているのを感じた。

もう、爆弾が爆発し始めたのかと少年は思った。

せめて、死ぬのなら、あの娘(・・・)の墓に行ってから死にたい。

そう思って少年は……死んだ。

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