転生者は何を思う   作:獣耳が大好きな新月

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覚悟ないだそうですよ?

side智春

 

遂に昨日高町とテスタロッサが出会った。

そして、闘いになったんだけど、結果は惨敗だった。

宮永君も良いとこまで言ったんだけど英雄(踏み台)のせいで負けた。

そして、姉さんも本格的に原作に介入し始めた。

ただ、春日部さんとカシムは今だに僕らに協力をしない。

最近では春日部さんとカシムが僕らの家と八神さんの家に帰ってこない日の方が多くなってきた。

何をやっているのか聞いてみたけどはぐらかされてばかりだし。

後、昨日家に帰ったらデバイスが完成していた。

インテリジェントデバイスで名前はまだ決めてない。

杖だけでなく刀にも変形するし他にも様々な機能が搭載されている。

カルテット曰くこのデバイスは現代のデバイス技術の数十年先を進んでいるらしい。

カシム、ちょっとは自重しなよ。

あっ、さすがにラムダ・ドライバは付いてなかったけどその代わり『アジャイル・スラスタ』が搭載されていてこれは視線誘導を用いて制御するらしい。

だけど欠点としてこのデバイス、最大稼働時間が数十秒しかない。

アジャイル・スラスタは僕の魔力を使って充電をしてそれを一気に使うという一見便利に見えるが実際はそこまで便利じゃない。

カシムは使いようによっては最強だ。と言っていたけどこれは無理があると思う。

そんなことを考えていたらいつの間にか授業が終わっていた。

さようならと先生が言い僕も帰りの準備を始める。

「夏目!」

「どうしたんだい?宮永君」

「今日もあれ行くか?」

「うん。そのつもり」

そっかーと彼は安心したように言う。

 

夜になり僕と姉さんは集合場所に向かう。

原作では高町さんとテスタロッサさんが戦った場所……らしい。

「ジュエルシードが発動したね」

僕はそう言いながらデバイスーレイヴンを右手に刀モードで持つ。

セットアップを今日初めて使ったけどこの肩と腰についてるのは何だろう?動くのに支障は無いけどなんか気になる。

「来たよ!フェイトちゃんとなのはちゃん!」

姉さんの声で僕らはその方向を見る。

もう戦い始めてたのか。

そして、僕らは見ていることしかできずそのまま原作通りに次元振動が起きる。

でも、これは

「原作より……強い!!」

「くそっ!!」

振動だけで建物が崩れていく。

こんなの………どうすればいいんだよ!!

テスタロッサさんが生身でジュエルシードへ向かおうとする。

自殺行為だ!!

くそっ。

もう打つ手は無いのか?!

いや、あきらめるな!

その時、何かがジュエルシードに当たり光の柱を出す。

なんだ!?これは!?

 

サイド美咲

 

あの時に見た光の柱がジュエルシードを包む。

魔力反応を見るけど当然のことながらカシム君は見つけられなかった。

しばらくすると光の柱は消えそこには封印されたジュエルシードが転がっていた。

アルフと言っていた使い魔はそれを見てジュエルシードを取った後フェイトちゃんを回収してそのまま何処かへ転移してしまった。

 

side智春

 

あれからしばらくの時間が過ぎた。

高町さんのデバイスの自己修復が完了したから今日からまた再開するそうだ。

正直に言って僕はびびっている。

前の時と同じように次元震が起きたらとつい考えてしまう。

それと、もう一つは原作より敵が強化されてる可能性と転生者がいる可能性だ。

正直に言って僕は逃げたい。

このまま捨てて逃げ出したいけどそれをしたら後悔する気がする。

 

今度のジュエルシードの反応があったのは港だ。

コンテナなどがある場所で何の願いも叶えていない魔力を放出しているだけのジュエルシードを封印し、再び高町とテスタロッサさんが戦おうとした時、その2人の間に現れた人がそれを止める。

「ストップだ!この場所での戦闘は危険すぎる!」

全身が真っ黒な少年は僕らにそう告げる。

 

あの後フェイトちゃんは使い魔とともに逃げ、僕らは管理局の船で大人しく事情聴取と説明を受けていた。

そして、後は管理局がやるから君たちは関わらなくてもいいというリンディさんの言葉に宮永君がキレた。

まぁ、諸々の事情もあり、僕と宮永君はこれまで通りジュエルシード探索に参加。

高町さんは家族に相談して、許可をもらってくるらしい。

姉さんも参加するらしい。

まぁ、本人は将来管理局に就職するらしいけど。

将来っかカシムはどうするんだろ?

故郷はなくなって殺すことしか知らない。

幼い頃から戦場でしか生きてこなかった。

戦うこと以外のことを知らない彼はどうするんだろう。

 

sideカシム

 

「……駄目。血の匂いで追えない」

「そうか」

春日部でも追えないとなるとしばらくは転生者を見張るしかないか。

だが、誰を見張る?

オレが今把握してるだけでも20人は超えている。

その中で死んだのは10人。

それもこの街にいるやつだけ。

なら誰だ?

奴はおそらく殺しを楽しんでいる。

そして、今回の現場に魔力の残留が残っていることから殺し合いをしていたことになる。

だとすると、奴は転生者が一人だけでは楽しめないと思ったはず。

そして、最近夏目たちは集団行ー。

次の狙いがあいつらなら奴を倒す(殺す)なら見張るのは

「春日部、夏目の匂いを辿ってくれ」

「……智春の?」

「ああ、奴は次におそらく夏目たちを狙う」

 

side智春

 

管理局と協力することになった僕たちは今テスタロッサさんと高町さんの戦闘を見ているのだが。

「……これ、どっちが悪役なんだろう?」

そんな僕の言葉にユーノたちは苦笑いをする。

今僕の見ている画面では高町さんがスターライトブレイカーを抵抗できないテスタロッサさんに撃った場面が映っている。

なるほど、姉さんはよく高町さんのことを魔砲少女と呼んでいたが間違いじゃないね。

見ているこっちの顔色が全員青いよ。

高町さんがハキハキとそれ撃つからユーノ君とか顔色真っ青だよ!!

あの姉さんもこれを見て身体を震わせてるし!

恐るべし、魔砲少女。

決着がつきテスタロッサさんのデバイスがジュエルシードを吐き出した時、閃光が僕らの目の前を覆った。

 

眼が覚めるとアースラの医務室だった。

何でも敵の黒幕がテスタロッサさんとアースラに向けて魔法を撃ったらしい。

そして、その衝撃で僕は体制を崩して机の角に頭をぶつけたらしい。

っていうか、

「クロノ!僕らはどこに向かってるの!」

「時の庭園というプレシア・テスタロッサがいる場所だ」

いつの間にクライマックスに入ってたし!

そして、いつの間に無印の大事な部分に入ってたし!

「さようなら失敗作。貴女との家族ごっこも楽しかったけどしょせんは失敗作。本物には遠く及ばないわ」

その言葉を最後にモニターの画面が途切れた。

宮永君と高町さんの手が震えている。

あっ、これは僕も巻き込まれるパターンですね。

 

sideプレシア

 

ふぅ。とため息を吐く。

娘のためにとは言えこんな本心ではない言葉を吐くことになるなんてね。

でもね、こうするしかないのよフェイト。

貴女とアリシア、どちらも守るにはこれしかないのよ。

私は机の上に置いてある写真立てを倒す。

「後はカシムがこっちに来てアレを起動させー」

「ー悪いけどさ〜それは出来ないんだな〜」

後ろから右胸を貫かれた。

「悪いけどさ〜。俺の目的のためにお前はもうちょい生かしておいてやるよ」

「……目……的……?」

「まだ喋れるのかよ、まぁ、冥土の土産に教えてやるよ」

意識が朦朧としてくるけどそれを気合いで繋ぎとめる。

「殺し合いだ」

その言葉を聞いて私の意識は途切れた。

 

side智春

 

何でも原作と違いゴーレムなどが一切ないらしくプレシアの元まで行こうとした時

「まってくれ!」

宮永君の声が聞こえた。

そこにはさっきまで心ここに在らずのテスタロッサさんが宮永君と共にいた。

「私も、連れて行ってください」

「だが」

「私は母さんに伝えなければいけないことがあります」

テスタロッサさんの目には高町さんを沸騰させる何かがあった。

クロノもそれを感じたのかため息をはいたあとテスタロッサさんの同行を許可した。

そして、プレシアのいる場所に行くとそこには、

「おう、遅かったな」

倒れたプレシアに銃を向けている男がいた。

「そして、さようなら」

テスタロッサさんの声が聞こえる。

だがその声も虚しく引き鉄は引かれ放たれた銃弾はプレシアを貫いた。

その光景に誰もが反応できなかった。

テスタロッサさんの泣き声が聞こえる。

そして、それと同時に宮永君が飛び出す。

魔力放出と変換素質の炎熱を加えた鋭い斬撃が男に向かう。

「なんだ〜その斬撃は!!」

男がプレシアの体から何かを引抜く。

そんな、あの特典はまさか!

「あん。クックははははは」

「何がおかしい!!」

「いや、このババアに残ったのはこれかよ」

「なんの話だ!!!!!」

「そのババアはよ娘を助けるために嘘をわざと娘に向かって言ったんだよ」

その言葉にこの場にいるものの動きが一瞬止まる。

「本当は娘のことが好きで好きでたまらないのによー!!」

その一瞬の硬直の間に放っていた蹴りが宮永君を吹き飛ばす。

その光景に僕らは正気を取り戻す。

そして、それぞれ自分のデバイスを使って男に魔法を放つが

「無駄だよ。お前らじゃあ俺に傷はつけられない(・・・・・・・・・・・・・・・・)

男の手前でそのすべての魔法が止まった。

「なっ!?」

「初めて見るか?執務官。これがラムダ・ドライバだよ!!」

その言葉と同時に止まっていた魔法が全て返ってくる。

まずい。そう思うと同時に僕は転がるように避けるけど避けられなかった砲撃に当たり男の近くにまで飛ばされてしまう。

「智春君!!」

姉さんの声が聞こえる。

不味いのは知ってるけど、これは無理だ!!

「じゃあな、坊主」

その声と共に剣が僕の首めがけて振るわれる。

不思議と、その様子がゆっくり見える。

死ぬ?誰が?

死ぬ?僕が?こんな人の命を玩具のように扱う奴に?殺される?

ふざけるな!!まだ僕は何もしていない!

何もしていないのに、ここで死ねるもんか!!

「まだだぁ!」

『声紋チェック。……マスター、チハル確認。心拍数上昇』

デバイスが起動していることに驚く。

今までどんなことをしてもAIは起動しなかった。

それが、なぜ今になって?

TAROS(Transfer And Response ”Omni-Sphere")起動』

剣が僕の首に近づいてくる。

でも、今の僕はそれを無視して次の行動をする。

「アジャイル・スラスタは使用者の脳波と視線誘導により方向や向きを変える」

思い出すのはカシムの説明。

「最大稼働させると数十秒しか使えないがその代わり爆発的な機動力を発揮させることができる」

だが、とカシムは僕の身体に手を当てて

「今のお前の身体では最大稼働はするな。身体への負担が大きすぎる」

心の中でカシムに謝る。

今は、その最大稼働が必要なんだ!!

頭の中で何かが弾けた。

視界がクリアになる。そして、次の自分の行動が解る。

視線を剣とは真逆の場所に向けて頭で高速で移動するのを想像する。

すると、僕の身体はバリアジャケットについているアジャイル・スラスタにより爆発的な加速力で視線の先へ移動する。

身体への負担が一気に僕へ押し寄せる。

男を見ると僕を見て面白そうな玩具を見つけた子供のような顔をした。

それを見ても僕は冷静だった。

不思議と今の僕はそれを見てもなんとも思わなかった。

頭の中にあるのは次の行動。

そして、男の次の行動に対する脳内シュミレートだけ。

「行くぜ!!」

男が剣を構えて突っ込んでくる。

それをアジャイル・スラスタを使って大きくかわす。

ラムダ・ドライバによる付加効果を付けたあの剣はかするだけでも今の僕には致命傷になる。

一撃必殺の武器を持つ相手、こちらはその相手に対する対抗策は一切ない。

せいぜい時間稼ぎしかできない。

「逃げてばかりじゃ……」

男の鋭い突きが僕に迫る。

「……勝てねぇぞ!!」

だけど、相手がこちらを攻撃することにのみ集中している今ならある(・・・・・・・・・・・・・・)!!

デバイスの耐久度を信じて突きを逸らしながらアジャイル・スラスタを再び最大稼働で使用する。

逸らした時に出来た少しの隙間をアジャイル・スラスタの爆発的な加速力で通る。

そして、このままアジャイル・スラスタの向きを視線と脳波で強引に変える。

旋回、そしてそのまま空いた背中に魔力弾を放つ。

すると、さっきのように止まらずそのまま男に当たる。

追撃しようとした時、ピーという音がデバイスから聞こえた。

アジャイル・スラスタの貯蔵魔力が切れた合図だ。

時間切れ!!急いで体勢を立て直そうとした時膝をつく。

アジャイル・スラスタの最大稼働。それに加えて無茶な軌道変化、最初に受けた魔力ダメージ。

意識があるのが不思議なほどだ。

さっきまでの感覚はもう無い。

万事休すか。そう思った時男の剣が吹き飛んだ。

えっ!?と思った。

今、あの剣はラムダ・ドライバによって切れ味と防御力がかなり上がっている。

吹き飛ぶはずがない。

なのに吹き飛ぶなんてこと、出来るはずが……!?

いや、出来る。同じラムダ・ドライバならそれは可能だ。

痛む身体を気合いで動かしてその方向を見る。

誰かいる。でも、陰でよく見えない。

歩いてこちらに来ている。

そして、男がその姿を見た時一瞬目を見開いた。

「生けてたのか会いたかったぜ〜カシム(・・・)!!」

光が影の方に当たりその姿を照らす。

白い髪とバリアジャケット越しでも細いとわかる手足。

その手には銃を持っている。

間違いないあれはカシムだ!!

「お前こそ、頭を撃ったはずなのに生きているとはなガウルン」

「昔の怪我でな頭に鉄板を埋め込んでいたのさ」

そうかとカシムは他人事のように言う。

「まさかお前が管理局と手を組んでいたとはな」

「違う。オレが手を貸していたのはお前が殺したプレシア女史(・・・・・・)だ」

その言葉に僕らは驚愕する。

何で、カシムがプレシアに協力を?

するとガウルンと呼ばれた男はなるほどなと頷いた後カシムに向けて言葉を言う。

「お前、やっぱり『ウィスパード』か」

「肯定だ」

ウィスパード。その単語を知っているということはあいつはカシムの関係者?いやクロノの驚愕していることから管理局も知っているのか。

「アル、ラムダ・ドライバを使うぞ」

了解(ラジャ)

「良いぜ良いぜ!カシム!!」

男の右手に魔力が集まる。

「全員衝撃に備えろ!!」

クロノの言葉でハッとなり近くのロープで体を固定する。

カシムの左手にも同じ現象が起こっている。

それだけじゃない。多分、感だけど両方ラムダ・ドライバも使ってる。

そして、二人同時に攻撃をする!!

「カシムゥゥゥゥゥゥ!!」

「ガウルンー!!」

二人が突き出した拳はぶつかる直前に透明な壁で止まる。

ラムダ・ドライバの障壁!!

だけどその一瞬の拮抗はカシムの勝ちでカシムの突き出した左手がガウルンに当たる……直前でカシムの動きが止まった。

なんで?そう思っているとガウルンは転移魔法を使いどこかに転移する。

 

sideカシム

 

あのままガウルンにアレを出したらプレシアの死体も無くなるところだった。

だけど、今ので

[肯定です軍曹殿、例のあれは起動を確認。無事にアリシア・テスタロッサの蘇生に入りました]

[ウイルスと救難信号は?]

[全て計画通りに]

[そうか、ならあとは手筈通りに]

アルと念話で会話した後夏目たちの方を見る。

とりあえず、全員無事か。

そのまま転移しようとした時管理局員が待ってくれと言ってくる。

だが、オレはそれを無視して構わず術式を組む。

そして、完成すると共に夏目にアリシアのことを伝えて転移する。




PT事件が終わった。
だが、その時、僕の中にあったのは解決した喜びではなく一人の人間を誤解し、更には助けられなかった無力感だけだった。
それを受け止めるだけで今の僕は精一杯だった。
次回『無印終了と覚悟を決める日だそうですよ?』












『予告』空白期からタイトルの最後の〜だそうですよ?が無くなります。
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