side耀
無事に(無事にと言えるかは不明)旅館に辿り着いた私たちはさっそく疲れを取るために温泉に浸かろうとしたのだが、
「えぇー、良いじゃんいいじゃん!!カシムもこっちでさ!!」
「断る!お前と居ると疲れが取れない!!」
「カシムのケチー!!」
本来転生者であるカシムたちの年代は女性の裸とかに興味津々のはずだが、カシムは違う。
1に命令、2に行動、3に殺しのカシムは人間の三大欲求にかなり疎い。
だが、それでもカシムは日々の行動……アストルフォに遊ばれたり風呂に突撃されたり裸でカシムに抱きつきいらぬ誤解をカシムに私たちが向けたりなどがあった。
この事からカシムはアストルフォを苦手としている。
苦手としているだけで嫌いではない。
なんとも不思議な光景だ。
後最近分かったけどカシムは涙に弱い。
だけどそんなことも知らないアストルフォはカシムを無理やり連れてこようとする。
結局カシムはアストルフォの泣き落としに負け女湯に入っている。
だが、ここで不思議なことがある。
何でカシムは体にタオル巻いてるの?
まさか実は女の子でしたーとか?それともお湯を被ると女の子になる体質?
はやてもそれが気になったようで葵を説得している。
カシムは相変わらず何かを確認するように外に意識を向けている。
やるなら今しかない。
そう思っているとアストルフォがカシムに近づいてー。
「そーい!!」
タオルを思いっきり私たちの方に投げた。
………………はい?
一瞬私の思考が飛んだ。
……何やってんのこの娘は?
それよりも、カシムの姿を見てー。
固まった。
そこには美少女がいた。
濡れた白い髪と幼い身体。
それらが奇跡的な調和を見せたその姿はまるで天使のようでー。
そこまで考えて私の顔は真っ赤に染まる。
「何や!この気持ちは!この、このカシム君の姿を見て私どうなったん?」
「こ、これは凄いな」
「カシムくん、凄い」
「ギガヤベェなこれ」
「さ、流石にこれは僕もやばいね」
「超グッジョブ!!」
「はぁ、だから嫌だったんだ。裸を見られるのは」
ていうか、カシム、裸を見られたんだから恥ずかしがろうよ。
というか、シグナムの胸を見ても何も思わないの?
「……?シグナムの胸?そんなのただのー」
ー贅肉だろ?
その言葉で私たち女性陣は固まった。
そして、夜になってみんなが寝ようと準備し始めて。
「何やってるんだ?はやて?」
「これはなヴィータ。まくらなげをするためのフィールドを作ってんねん」
何でもカシムの言葉に堪忍袋の尾が切れたはやてが自分でそれを倒すんだそうだ。
そして、カシムがこの部屋に入ってきてはやてがカシムに向かってまくらを投げた。
だがカシムはそれを宙返りして躱すって凄い。
カシムの身体能力は高いと知ってたけどここまでだなんて思ってもいなかった。
その後カシムがはやてをフルボッコにしてこの戦争は幕を閉じた。
後は頼むとだけ告げカシムは部屋から出て行った。
後に残ったのは避難していたシグナムとヴィータ、アストルフォと気絶しているシャマルと葵、はやてだけだった。
sideカシム
昼は温泉にゆっくり浸かれなかったためこの時間に再び入る。
だけど、本当の目的はー。
「何の用だ?ガウルン」
「やっぱ気づきやがったか」
ガウルンに会うためだ。
あの時オレが外を見ていたのは光信号を覚えるためだった。
結局アストルフォに邪魔されたが。
「あの光信号はお前がオレに教えた物だ」
「確かにな」
「用件は?」
そう言うとガウルンはオレの方を向き言った。
「どうだ?俺と一緒に管理局を潰さないか?」