転生者は何を思う   作:獣耳が大好きな新月

19 / 24
最ー憧れー強

sideカシム

八神たちと温泉旅行に行き新しい友達ができた一週間後。

オレは今

「お願いだ!俺を鍛えてくれ!!」

赤いバリアジャケットを羽織っている転生者に土下座されている。

 

一時間前

 

「久しぶりにレイヴンの様子でも見に行くか」

そう呟いてオレは窓から夏目家に文字通り跳ぶ。

夏目家は八神家の隣にある、そのため夏目家に行くためにオレは玄関を使わずこのように窓から夏目家に入る。

「カシム君。またそこから来たんだねぇ〜」

「夏目には会いにくいからな」

そう言ってオレは机の上にあるレイヴンをメンテナンスモードにする。

「そう言えばそれカルテットも『お手上げ』って言ってたっけ」

「そうだな。ある意味かなり高性能に仕上げたからな」

「それが『アジャイル・スラスタ』ですか?」

カルテットに聞かれオレは仕方なく美咲とカルテットにアジャイル・スラスタについて教える。

するとカルテットは溜息をついて頭を抱え始めた。

「すまない。これからある物を取りに行かないと」

「そっか。じゃあね久しぶりに話せて良かった」

 

ある物ー春日部のデバイスととある物をアーテから転送してもらったオレは結界を解除してそのまま家に帰ろうとして再び結界が張られたことを感じた。

「……なるほど、転生者か」

「なるほど。転生者のことを知っていたかならー」

後ろの奴の言葉を聞く前に本能がオレの身体を動かす。

「ー死ね!!」

何処からか現れた無数の剣がオレに降ってくる。

それを咄嗟に全て逸らす。

そして、内心でアルを置いてきたことを後悔する。

結界の効果なのかアルを呼んでも来る気配は無い。

いや、おそらくあいつのことだ忘れたことを怒っているから来るはずはないな。

溜息を吐いてポーチからバタフライナイフと糸を出す。

再び無数の剣がオレに降ってくるが無駄だ!!

ナイフと糸を巧妙に使いあいつに全て弾き飛ばす。

こういうことをされたのは初めてなのか慌てて回避し始める。

「クク。所詮は俺の敵じゃ」

「獲物を前に舌舐めずり三流のすることだ」

何!?という声とともに蹴飛ばす。

すると面白いくらいに飛んでいく。

「くそ、舐めるなよ!!」

「来い、相手をしてやる」

相手をあえて覆ってやる。

それが策なのも知らずに敵はどんどんこっちに剣を飛ばしてくる。

だが、それは結果として奴の元に戻っていく。オレの手によって。

「くそ!!なら『身体は剣で出来ている!!』」

奴が詠唱を始める。

「『血潮は鉄で心は硝子』」

それと同時に嫌な予感がオレを支配する。

「『幾たびの戦場をかけ不敗』」

だから、オレのとる行動はただ一つ。

奴が呪文に集中している間に倒す!!

「『そう、ー』」

あいつの呪文が完成する前にオレは奴の頭を蹴る。

だが、咄嗟に気づいたようでバックステップで避けられる。

だが、それで良い(・・・・・)

突如奴の身体が揺れる。

オレがやったことは簡単だ。

顎の先を掠めるように強く蹴って脳震盪を引き起こした。

そして、奴は起きてすぐに弟子にしてくれ!!と言ってきた。

 

回想終了

 

「拒否する」

「何でもするし、弱音は吐かねぇから!!」

「了解した。オレの訓練は厳しいぞそれでも良いのか?」

「ああ!!」

「違う!!イエス・サーだ!!」

「イエス・サー!!!!」

こうして、オレに実験台(弟子)ができた。

とりあえず今日は遅いから帰らせたが。

 

そして、今日からこいつを鍛えることにした。

場所?そんなのは山に決まっている。

だが、こうしていると自分が対テロ組織の新兵だった時を思い出す。

あの時と同じ訓練をこいつにさせる。

それで耐えれたらこのまま鍛える。

耐えられなかったら、まぁ、矯正からか。

返す?そんなのはオレの辞書にない!!

今あいつー赤弓翔というらしい。ーにこの山を走らせている。

だが、最初に比べてペースは落ちている。

「タラタラ走るな!!良いか!!今のお前は人間以下だ!!名も無き◯◯だ!!悔しいか!?ならば行動で示せこのうすのろの◯◯◯◯!!」

その言葉と共に翔のペースが上がっていく。

かれこれ2時間はやっているが今だに耐えている。

これは……すごいな。

 

side翔

 

俺は最初自分は特別だと思っていた。

だから俺はモテるし特別な力だって貰えた。

俺は最強なんだ!!と天狗になっていた。

そして、原作キャラを見つけようと思い歩いていたら転生者がいた。

だから俺はそいつも倒せると慢心していた。

その結果は惨敗だった。

だけど、俺の頭にはこれまでのような逆ギレの言葉はなく。

ただ、賞賛の言葉だけあった。

だから、俺はこの人に憧れた(弟子入りをしようと思った)

そして、その人からの初めての訓練は辛い。

ペースを落とそうとすれば罵倒が飛んでくる。

でも、それでも俺はこの訓練に耐える。

それが、俺をもっともっと強くすることにつながるはずだ!!

 

sideカシム

 

その後も翔は一切の弱音を吐くことなくオレの訓練を受け続けた。

かれこれ訓練を開始して一ヶ月が経った。

もうすぐ夏休みとやらが終わるらしい。

そのため一週間前から訓練を泊まりがけでやっている。

「いいか!!オレの楽しみはお前の苦しむ顔を見ることだ!!」

「ハァハァハァ」

「どうした!?まさかここで終わりなのか!?最初に言ったはずだ!!お前は泣くことも笑うことも許さんと!!」

「サー!!イエッサー!!」

「どうした!?足が止まっているぞ!!」

「ハァハァハァ……サー!!イエッサー!!」

翔が次の匍匐前進に入った。

「泣くことも笑うことも許さん!!弱音を吐くことなどもってのほかだ!!」

翔がオレの作った試作自立起動型人型デバイス『カリス』との近接戦闘訓練に入る。

「わざと負けて同情を引きたいか!!わざと当たって注目を浴びたいか!!この負け犬根性の◯◯◯◯!!良いか!!この訓練に生き残れた時お前は初めて◯◯◯◯以下の◯◯◯◯から兵器となる!!」

そして、いよいよ最後の大詰めこいつの投影魔術とやらの訓練に入る。

「まずは基本的なものからやれ!!初めから宝具の投影!?貴様には初心者並みのネジがお似合いだ!!悔しいか!?ならばツベコベ言わず俺を納得させる投影をしてみせろ!!」

 

訓練が全て終わる頃には太陽は完全に沈み真っ暗になっていた。

「ありがとうございました」

「ああ、ちゃんと帰れよ」

フラフラとした足取りで翔は家へと向かっていく。

最後までやったことに驚いたが

「少し、寂しくなるな」

 

side智春

 

夏休みが明け、始業式の日。

僕らは憂鬱の気分になっていた。

だってそうだろ?踏み台と合わなかったのに何で二人の踏み台に会わなくちゃいけないんだよ!!

そう思いながら姉さんとともに教室に入って、姉さん共々固まった。

僕らは夢でも見ているのかな?

「赤弓くん。変わったー」

「そうかな?でもそういう上代さんは前髪切ったんじゃない?」

「えっ」

「その髪型も似合ってるけど俺的には夏休み前の君の方が魅力的だったな」

「そっ、そんなに褒めても何も出ないけど!!」

赤弓くん(踏み台1)が踏み台じゃなくなっている!!

いや、何があったんだよ!!あの慢心の塊で俺が全てだ!!の彼は何があってそうなったんだよ!!

この光景に高町さんたちも唖然としている。

すると赤弓くんは僕らの近くまで来た。

また、何か言うのか?と身構えるよりも何があったかの方に意識が向いてしまう。

すると赤弓くんは僕らの前に来て

「すまなかった!!」

完璧な土下座をした。

…………………………………………………。

うん。凄い綺麗な土下座だ。

手の位置も頭の角度も何もかもが完璧。

凄い、凄いよ赤弓くん!!

でもね、何があったんだよ彼に!!

 

sideカシム

 

「むっ。調子に乗って少女漫画(・・・・)のヒーローのようなセリフを息を吸うように言えるように調教してしまった(教育してしまった)。」

オレはふと学校の方に目を向けて

「まぁ、良いか」

と呟き八神が帰ってくるまで銃のメンテナンスをする。

この後、銃のメンテナンスをしているオレに八神がハリセンで頭を叩くことになる。




人に完璧や完全などない。
それは当たり前のことだ。
でも、それを僕は失念していた。
何が身近な人たちを救う正義の味方になるだ!!
結局、救えても、助けられてもいないじゃないか!!
次回『襲ーはじまりー撃』
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。