転生者は何を思う   作:獣耳が大好きな新月

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拒ーきれつー絶

side智春

 

今僕は今回の襲撃を計画したであろう人物のもとに向かっている。

あの手際、そして、撤退のタイミングさらにはアジャイル・スラスタの弱点を知っている。

ここまで来れば誰がやったのか分かる。

「どうした?夏目」

「何で!なんでこんなことをした!!」

カシムは僕が何を言っているか分からないような顔をする。

分からない?あんな風に傷つけたくせに!?

「何を言っているかオレにはわからないが」

「わからないだって!!昨日君はあの人たちと会ってたんだろ!!」

「何を言っている?落ちつー」

「ふざけるな!!」

カシム肩を掴んで壁に押し付ける。

「昨日!!君が差し向けたと思われる人と戦った!!その結果姉さんも高町さんもテスタロッサさんも傷ついた!!何でこんなことを!!そんなに、そんなに管理局が嫌いなのか!!」

僕自身もう止まれなくなっていた。

「智春君どうしたの!!」

珍しく慌てたような顔をした姉さんが上がってくる。

でも、それでも!!

「どうせ!!この数日僕らの目の前に来なかったのは彼女たちと結託していたからだろ!!」

この、何も言わなかった奴に、この怒りをぶつけないと気が済まない。

姉さんがこっちの部屋に入ってくる。

「何とか言えよ!!カシム!!」

「…………それは……お前が弱かったからだろ?」

「なっ!?」

その言葉は今の僕にとって地雷のような物だった。

この場にいる僕と姉さんの動きが止まる。

「お前たちが弱かったから傷ついた。違うのか?」

顔を俯かせたままカシムは言葉を続ける。

「レイヴンだって、お前は使いこなせていない」

カシムの声は僕の怒りを上げていく。

「はっきり言ってやるお前たちは三流以前のレベルだ。まだ赤弓の方が(・・・・・)強い」

その言葉で僕はカシムに殴りかかった。

だが、その拳はカシムの右手に受け止められそのまま僕の視界が変わる。

気づいたら天井が上にあった。

「前にも言ったはずだ。お前らではオレに勝てないと」

何も含まれていない声でカシムは僕に告げる。

「……これだけは教えてカシム君」

姉さんの声が聞こえる。普段の誰かを弄り回す声と違って真剣な声。

「貴方は私たちの敵?味方?」

「もう、答えはわかってるはずだ」

それは言外に僕らの敵と言ってるようなものだ。

「カルテットセットアップ!!」

「アル、ラムダ・ドライバを攻撃に転用」

何時の間にか姉さんの後ろにいたカシムは姉さんを気絶させた。

「レイヴン!!」

僕の中で何かが弾けた。

それと同時にアジャイル・スラスタを最大稼働させてカシムに向かう。

「カシムー!!」

だが、その攻撃は完璧にいなされてそして、

「言ったはずだ、お前らではー」

僕のみぞに鋭い衝撃が走った。

「ーオレに勝てないと」

その声と共に僕の意識は無くなった。

 

sideカシム

 

智春が眠ったのを確認してヴィータから闇の書を送ってもらい二人の魔力を食わせる。

本来ならオレは傍観しているつもりだった。

ここ数日いなくなっていたのもガウルンを見つけるためだった。

だが、見つからなかった。

この部屋には武器を取りに来ただけなんだが、まさか拒絶されるなんてな。

だが、それでもオレは後悔していない。

昔に戻るだけだ。

目の前にいるのは全員敵。

信じられるのは自分と手元の武器だけ。

そんな毎日に戻るだけだ。

だから、大丈夫だ。

カルテットとレイヴンを少し弄る。

これで、こいつらはさらに強くなる。

今回のこの件はある意味でラッキーだ。

この二人は潜在能力はとても高いが向上心が全くなかった。

最近だと智春に向上心が出てきたが美咲は全くと言っていいほど向上心なんてものは無かった。

だから、こうすれば恐らく良いはずだ。

だが、これでオレは夏目たちに会うことはできなくなった。

だが、不思議と何も感じなかった。

なるほど、これがガウルンの言っていたまともになれないということか。

確かにな。

オレは慣れすぎている。

何かを失うことにも……何かを消すことも。

恐らく、オレはあの時に人間として大事なものを失ってしまったのだろう。

殺すか殺されるかの世界。

これからオレが進むかもしれない道はそういう道だ。

「ありがとう。夏目、美咲お前らと居れて一時的にだがまともになれた」

そう呟いて出る。

この二人のおかげで難航していた闇の書のページがかなり進んだ。

 

八神家に戻るとそこには八神以外の全員が揃っていた。

「どうだった?」

「……」

無言でヴィータに闇の書を投げる。

丁寧にしろよとか小言を言いながらヴィータは闇の書を開けてさっきより増えたページを見てオレがしたことを理解したのか良いのかよと言ってくる。

「肯定だ。それにこうすれば、ガウルンとの戦いの時に荷物がいなくなる」

そう言うとヴィータたちは悲しそうな顔をした後次のリンカーコア蒐集についての話を始めた。

今は修行だと言って赤弓を連れて行っている。

赤弓もこういう風に自分の成長具合が分かるのは嬉しいらしく珍しくテンションが上がっていた。

「とりあえず、カシムは暫く主といるということでいいのか?」

「肯定だ」

「カシム。はやてのこと、頼んだぜ」

「分かっている」

すまないな、夏目、美咲、氷川これが、オレの選んだ道だ。

この場にいるものにはすでに言ってある。

オレは……再び人を殺す。

最悪の敵ーガウルンを殺す。

あいつは殺さないと止まらない。

だから、殺す。

 

side奏

 

美咲ちゃんからの電話でカシム君が敵になったのを奏は聞きました。

奏は原作を知らないけどこれは不味いというのはなんとなく分かる。

だけど、闇の書というのは管理局でも危険とされているロストギア。

奏は何故カシム君がそっちに行ったのか理解できない。

でも、理解できない場所が数多くあった。

カシム君が二人を突き放すように言った言葉の数々。

普段のカシム君ならこんなことを言わないはず。

でも、言った。

それは、何でだろ?

奏がそれを考えていると上司から一枚の辞令を渡された。

その内容は、アースらへの転属とするとのことだった。

その後奏が顔を真っ青にして叫んだのは言わなくても分かるよね?




失ってはならないものがあった。
それを守るためにオレは目の前にある小さいものを捨てていった。
そのせいで結局は全てを失うことになると分かっていてもするしかなかった。
気づいても気づかぬふりをし続けてそして、何時かは相応の裁きを受ける。
その日までオレはー。
次回『対ーおもいー立』
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