sideカシム
ガウルンの放った砲撃魔法をラムダ・ドライバの力場で防ぐ。
だが、その間に後ろに双子が移動してくるが
「やらせない!!」
「悪いけど、カシム君はやらせない」
夏目と美咲によってその攻撃は防がれる。
「良いぜ!良いぜ!!」
「ガウルン!!」
ガウルンが病院の方から移動し始める。
ガウルンを逃さないようにオレは夏目たちを置いていき念話で赤弓を呼び戻しながらガウルンを追う。
幸いここはもう結界の中だ、手加減はしなくていい。
「アル、
『
非殺傷設定が解除されたのを確認してナイフを投げる。
だがそれはラムダ・ドライバの力場で防がれてしまう。
「アル!!モードボクサーだ!!」
『了解しました軍曹殿』
アルの形がリボルバーから
「アル!!ラムダ・ドライバを攻撃に転用」
『
ラムダ・ドライバを攻撃に転用した瞬間、ガウルンがこちらを見た。
「行っくぜぇぇぇぇ!!カシィムゥー!!」
「ガウルン!!」
放った弾とガウルンの力場が拮抗する瞬間、ガウルンの姿が消えた。
「逃がすか!!」
ガウルンのいる地点に向けてボクサーモードの魔力弾を放つ。
ガウルンはそれを避ける。
くそ!!このままじゃジリ貧だ!!
「ほらほら!!どうしたよ!!カシィムゥ!!」
「ガウルン!!」
side智春
「この程度ですか?」
「拍子抜けです」
目の前で余裕を見せている双子ちゃんがそう言ってくる。
だけど、ぼくらはそれを言い返せない。
彼女たちは僕たちを攻撃しながら話してる。
ラムダ・ドライバが無くてもこれだけの技量を持つ彼女達に僕は恐怖してしまった。
「それでは、終わらせましょう」
「わかりました」
そう言うと双子は攻撃を止めて空を飛んだ。
「逃さない!!」
「まって智春君!!」
姉さんの声が聞こえるけどそれを無視して彼女たちに向かっていく。
「コネクティブメイ!!」
「アクセプション!」
その言葉と共に双子のバリアジャケットが変わる。
左肩のところにあった盾が背中に行きそこから光の翼を広げる。
それと同時に首筋を悪寒が通った。
咄嗟に首の近くにレイヴンを戻すと衝撃が走った。
何が!?
一瞬で目の前にいたはずの双子が消えていた。
なんだ!?あの速さは!?
「防ぎましたか、しかし」
「これで!終わり!!」
見えないけど悪寒が首と左胸、足に走る。
死ぬのか?そう思った時、身体の中で……何かが弾けた。
視界がクリアになりさっきまで見えなかった双子の動きが見える。
「そこだ!!」
レイヴンをガンモードにして打つ。
すると双子がかわすような動きを見せた。
よし!!このままいける!!
レイヴンを刀に戻すとアジャイル・スラスタを使う。
「うおぉぉー!!」
凄まじい負荷が体にかかる。
それでも!!
この一撃は、届かせる!!
「行っけぇー!!」
「無駄だ、雑種よ」
だけど、その一撃は届かなかった。
何故なら僕の体には今、
「がはっ!?」
無数の宝具が刺さっているのだから。
下で姉さんが何かを言っているけど聞こえない。
あれ?何で病院の屋上の床が僕の目の前に?
ああ、そっか、僕は
「我こそがオリ主なのだ、雑種はそこで倒れてろ」
sideカシム
五分前。
何回めかの攻撃をガウルンにする。
お互い一撃一撃が必殺。
それを防ぎ捌き、いなしていく。
「楽しいなぁ!カシム!!」
「ガウルン!!」
お互いのナイフがぶつかり合う。
戦闘経験は同じ、戦闘技術は奴の方が上。
ラムダ・ドライバの使い方はオレの方が上。
魔導師としての力は奴の方がはるかに上回っている。
総合的に言えばあいつの方が強い。
だけど、オレには負けられない理由が……ある!!
「ガウルンー!!」
「なに!?」
ナイフを右手だけで掴みそのまま投げる。
ここだ!!ここで奴を仕留める!!
ラムダ・ドライバの力場をナイフに集中させる。
そのとき、レイヴンから危険信号がアルに送られてきた。
それを聞き夏目とガウルン、どちらを優先すべきかを考え夏目を優先することにした。
送られてきた座標に向かうとそこには無数の武器に体を貫かれている夏目がいた。
幸い急所は外れていたが危険なのに変わりはない。
すぐに止血と応急手当てと申し訳程度の治癒魔法をかける。
「ほう、何時ぞやの奴ではないか?」
「これをやったのは……お前か?金ピカ」
「我を愚弄するかならば」
金ピカの背後に金色の波紋が現れる。
そこから薄っすらと見えるのは膨大な魔力を内包した武器。
それを見ると同時に頭の中に聞いたことも見たこともない知識が入ってくる。
それによってあれは全て宝具という武器であることが分かった。
「死ね!!」
宝具がオレに向けて射出される。
それをオレはラムダ・ドライバの力場で防ぐ。
すると、奴は今度鎖をオレに向けて撃ってくる。
あれに捕まるな!!とオレの中の本能が言ってくる。
紙一重で鎖の拘束を躱す。
だが、それと同時に再び宝具が降り注いでくる。
それを何個か掴んでは投げて掴んでは投げてを繰り返す。
この金ピカ!!なんだ!?
すると、病院の屋上に濃い紫色をした三角形の魔法陣が現れた。
嫌な予感がする。
その予感は正しくそこから、八神と八神姉、闇の書が現れた。
[カシム!!]
春日部から念話が届く。
[どうした?]
[ごめん!!こっちも襲撃を受けててそっちに行けない]
[分かった]
春日部からの念話が切れたことを確認してから屋上に向かって走る。
先ほどの攻撃で屋上から落ちてしまったのだから仕方ないが。
屋上に着くと金ピカが守護騎士のリンカーコアを手に持って闇の書に近づいていた。
止めさせようとして八神の目が赤くなっているのに気づいた。
「八神!!」
「……カシム……君?」
「この雑種が!!」
近くを見ると茶髪少女たちが鎖で拘束されていた。
よそ見をしていたら後ろから何かがくる。
背中を守るようにラムダ・ドライバの力場を作る。
何個かは弾いたが、2個ほど腹に刺さった。
刺さった奴を抜き、治癒魔法で止血しながら八神の元へ向かう。
「この、雑種如きが!!」
「なめるな!!」
最短ルートを遮るように降ってくる宝具を躱しつつ八神のところに行く。
そして、八神の近くにガウルンが転移した。
構えた右手にはラムダ・ドライバの力場が集中しているのが分かる。
八神は、やらせない!!
その時、オレの中で何かが弾けた。
視界と思考がクリアになっていく。
意識を自己に没頭させながら進む。
本来ならやり直しのきかないこの能力は使わないが時間がない。
意識を足に向ける。
イメージするのはチーターのような脚力を持つ自分の足。そして、それを本来なら少しづつ流していくのだが時間がない。
一気に流す!!
自分の足が書き換わっていくのを感じながらもどんどん早くなっていく自分の足に驚く。
そして、書き換えが終わった。
さっきまでの速さなど比ではない脚力で八神の元に向かい八神とガウルンの間に入る。
「アル!!ラムダ・ドライバを防御に転用!!」
『……
ラムダ・ドライバ同士の力場がぶつかり合う。
だが、その拮抗は長く続かなかった。
前方に集中していたのだから当たり前だ。
後ろへの警戒を完全に怠っていた。
後ろからオレの身体を無数の宝具が貫く。
それと同時にラムダ・ドライバの力場が消える。
それに目を見開く。
そのままガウルンの拳がオレの胸に当たる。
衝撃がオレの心臓を止める。
……まだ……だ。
強引に体を動かし中国拳法を利用した蘇生をする。
「ゴホッ」
口から血反吐を吐く。
「……八神、……早く……病室……に……もど……れ」
「……カシム……君……?」
戸惑っている八神の声が薄っすらと聞こえる。
八神を落ち着かせようとして歩こうとすると何かで滑り倒れてしまう。
?床は赤かったのか?
いや、違うこれはオレの血だ。
「死………種」
その声とともに身体を再び宝具が貫きオレは八神の泣き声を聞くとともにー。
side春日部
屋上に着くとそこは、地獄だった。
カシムが無数の宝具に貫かれていた。
それをやった金ピカに攻撃しようとして、悪寒が走った。
その元凶は、泣いているはやて。
闇の書がページをめくって新しいリンカーコアを吸収していくってあれは私には分かる。
あれは守護騎士たちだ!!
『………………』
何を言っているのか恐怖で分からないけど何かやばそうなきがする!
すると突如はやての周辺が紫色の光で見えなくなる。
「また、目覚めてしまった」
光が収まるとそこには銀髪の美人さんがいた。
おそらく、あれが闇の書の管制人格!!
「……主の友人と同士よしばらくの間、眠っていろ」
すると、カシムと智春の身体がまるで闇の書に吸い込まれるように消えていく。
「お前達もだ、同士の友と主の姉よ」
その言葉と同時に私は底知れぬ安堵感と眠気に負けてしまった。
side智春
「起きて起きて智春君!!学校に遅刻するよ!!」
「……むにゅう」
姉さんが何かを言っているけど、それを無視して眠りの中に着く。
「仕方ないな、美咲オレが起こす」
「ごめんねカシム君」
「別に良い」
そして、急に僕は目覚めなきゃと思った。
あれ?何だろう?とても嫌な予感がする。
その予感は正しく目を開けるとそこには……
「何してるのさ!!」
「……?起こそうとしただけだ」
「そんなことされたら永眠しちゃうよ!!」
そうなのか?と言いつつカシムは僕に制服を投げてくる。
「今日から彼女と共に登校するんだろ?」
その言葉を聞き僕は固まった。
彼女?僕に彼女なんていたかな?
「はぁ、フェイト・テスタロッサがもうすぐ来るぞ」
「何でため息ついたの!!」
そうじゃないか、僕は一週間前にテスタロッサさんに告白して付き合うことになったんだった。
なんで忘れてたんだろう?
ズキっと頭が痛くなった。
「どうした?」
「何でもないよカシム!!」
side耀
「耀?耀起きろ」
「後五分」
「はぁ、起きないと目玉焼きなしだな」
「それは困る!!」
カシムの言葉に私はガバッと起きる。
「ゆっくりしてから来いよ」
そう言ってカシムは私に
あれ?カシムって私に笑顔を見せたことあったっけ?
微笑みは何回も見たけど……?
何を考えているんだろう?私は。
カシムの誕生日に私はカシムに告白して恋人同士になったんじゃないか。
まだ、寝足りないのかな。
ここが、
side葵
去年のクリスマス。
はやての足が治った記念すべき日。
私はそれに違和感を感じたけど、考えない。
だって、
「あっ、そうか今日はカシム君が泊まりに来る日やからそんなに張り切ってるんやね」
「なっ、何言ってるの?はやて?」
「慌てすぎやで葵ちゃん」
はぅと顔を私は真っ赤にする。
その時、ピンポーンとチャイムが鳴る。
「あっ!?流石に待たせるのは不味いよね!!私行くよ!!」
「あっ!?葵ちゃんそれはないで!!」
私ははやてが何かを言ってくるのを無視して玄関まで走る。
「お待たせ!カシム君!」
「別に待っていないが」
そこにはお洒落な服を着たカシム君がいた。
「それに、オレは
ズキっと頭が痛くなったけど、私はカシム君の言葉に嬉しくなってついその手を掴んでしまう。
そうだ、去年のクリスマス私とはやてはカシム君に告白して二人で付き合うことになったんだ。
私はカシム君の手を引きながら家の中に入る。
手を繋ぐ時に
sideカシム
目が覚めると先程までの死にかけの身体では無く元の身体になっていた。
そして、火薬の匂いがするこの場所は間違いない。
ここは
「どうしたの?カシム?」
「フ、フローラ?」
居るとは思っていた。
でも、会えるはずがない。
だって彼女はもう、
フローラ。
俺の名付け親で、そしてオレの前世で唯一好きになった
「早く行かないと駄目だよカシム」
「えっ?」
「忘れたのですか?今日はカシムが私の護衛に正式になる日ですよ?」
その言葉に何かが引っかかったがそんなことはどうでも良い。
オレには、フローラさえ居れば、それでいい。
ふと、頭の中で何人かの人が浮かんだ。
そして、最後に
過去に戻ることはできない。
オレは過去に想いを馳せる人がいた。
過去を見て未来を見なかった。
未来に想いを馳せる人がいた。
僕は好きな人とのこうだったら良いという未来を見て。
私は好きな人との日常を見る。
そして、私は幸せな幻想に浸る。
でも、これは夢だ。
それをオレは、僕は、私は、私は知ってる。
だからオレは
だから僕は、
だから私は、
だから私は、
次回『現ーいまー実』