side奏
『なるほど。次の日曜日にこっちへ来るのか』
「はい。その時はよろしくお願いします」
『肯定だ』
その言葉と同時に通信をやめる。
一息ついてからカレンダーを見る。
「次の、日曜日だよね?」
しばらく休暇を取ってない奏はこれを機に2日『地球』で過ごそうと思っています。
「でも、気づいて欲しかったです」
そう、今回はカシム君と仲良くなることを目的とした旅行。
でも、カシム君は……気づかないよね。
むー。自分でも気付かないうちにほおが膨らみます。
でもでもこの2日で距離を縮められたら……良い……ですよね。
早く次の日曜日にならないかなぁ?って思いながら今日も奏は職務を全うします。
sideカシム
「いい加減機嫌を直せ美咲」
「……ツーン」
「姉さん。これは自業自得だよ」
美咲に料理対決だ!!と突然言われ智春と共にやってみたがその結果美咲が拗ねてしまった。
「そもそも姉さんは料理ができないんだからこうなることは分かってたでしょ?」
「……それでもさ。智春は私の札を挙げるべきだと思うよ!!」
「それは無理」
何デー!!と美咲が智春に向かって拳を放つ。
ここ数週間の間ではよく見かける光景だ。
『軍曹殿。これは何をしているのでしょうか?』
突如アルがオレに聞いてくる。
「これは一種の演習だ。自分の持てるもの全てを使うことで反省点などを見つける」
『そうですか』
最近アルとの仲も概ね良好だ。
だが、それとは別でもう一つ。
「春日部、そろそろ足が限界なのだが」
「……もう少しだけ」
「さっきもそう言っていた気がするが」
「それは気のせい」
春日部がオレの膝を枕にしているため全く動けない。
「そう言えばカシム」
「どうした?智春」
「これ、カシム宛の手紙」
「オレ宛か?後で見ておく」
ここ置いとくよと机の上に白色の封筒が置かれる。
最近は色々なことが起こりすぎて疲れる。
街に美咲達と行けば銀髪や金髪に襲われついこの間は智春が誘拐に巻き込まれた。
唯一心と身体が休めるのは八神家と夜の通話時間だけだな。
「そう言えば、カシム聞いたよ〜奏ちゃんとデートするんだってね」
「?デート?デートとは何だ?」
『軍曹殿。デートとは戦争のことです』
「違う違う、そっちのデートじゃなくて普通の男女で遊びに行く方のデート」
「それならば肯定だ」
すると春日部がわざとらしく足をつねる。
さっきから動いていないためものすごく、痛い。
「春日部、痛い」
「……唐変木」
それだけ言うと春日部は猫のようにオレの膝から降りて自分の部屋に向かう。
「アル。唐変木の意味を」
『
「むっ。そうなのか。ならば善処する」
余談だが、この後カシムは寝る間も惜しんで考えるが結局分からなずにモヤモヤとしたまま朝を迎えた。
昨日見忘れたが確かオレ宛に手紙が届いていたはず。
案の定昨日智春が置いていた場所にあった。
手紙の封を切りトラップなどがないことを確認してから封筒から手紙を出す。
手紙を読んでいくとそこに書かれていたのは私立聖祥大附属小学校に2年後の春から編入してく欲しいとのことだった。
下にアーテと書かれていたということはあの幼女か。
それにしても、学校とは何をするとこなのだ?
明日、氷川に聞いてみるか。
集合場所に遅れないように行くとそこには氷川がいた……のだが、
「何故柱に隠れている?」
「……これだけ人がいると落ち着かなくて」
「まぁ、良いか。どこに行くんだ?」
そう言うと氷川に手を握られ「こっちです」とそのまま引かれ遊園地の方に向かっていく。
side智春
カシムがデートに行っている間僕は来たくもない場所に来てしまった。
まぁ、来たというよりはどちらかと言えば拉致だけど。
月村家とバニングス家を甘く見ていた。
まさか、ここまでやるなんて。
そう思いながら高町達と共にいる『宮永輝』を見る。
何処からどう見てもバニングスに好かれているのに気づかない。
カシムもだけど僕の周りには鈍感が多い。
そう考えていたら猫が僕の頭に乗ってきて猫パンチやらひっかくやらをしてくる。
今日の僕は不幸なのかな?
side美咲
おぉ、やるねぇ〜奏ちゃん。
カシム君の手をがっちし掴んじゃってるよ〜。
その様子を私は葵と耀ちゃんと共に見る。
というか、さっきから2人の後ろに黒いオーラが出てるんですけどー。
確かにさー私もあれを見てイラっときたけどさー。我慢してるよー。多分。
でも家帰って来たらちょっとー甘えようかなとは思ってるけど。
うん?もしかして私の休日ってこれで終わる系?
こんなリア充を観察するだけで?
……ヤダァ〜。
こんな休日、過ごしたくなかったよ!!