GATE:Modern Warfare   作:ゼミル

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協奏曲:Onstage/女優登場

 

 

 

 

 

 

 

()()()突入時刻>

 皇宮攻略部隊/『エキストラ』

 帝都・南苑宮

 

 

 

 

 

 

 

 

 会場各所の扉から投げ込まれた閃光手榴弾が晩餐会をぶち壊す鏑矢だった。

 

 銅鑼や怪異の雄叫びなど川のせせらぎに思える大音響と太陽を直視するよりも尚眩しい閃光が各所で連続した。その凄まじさは晩餐会の場を照らす燭台の灯火が少なからず吹き消されてしまった程である。

 

 突然の事態に会場に集まる出席者が男女問わず悲鳴をあげる。不運にも扉の近くに居た者などに至っては、間近で突如起きた閃光手榴弾の炸裂に視覚と聴覚を一時的に封じられたどころか脳そのものを揺さぶられて意識朦朧となってすらいる。

 

 そこへ潜入部隊の隊員達が次々と突入する。

 

 

「全員大人しくしろ! 抵抗する者には発砲する!」

 

 

 隊員は未だ混乱から覚めやらぬ出席者へ64式小銃やショットガンを突きつけ、服を掴んで無理矢理壁の方へと向かせ、或いは突き飛ばす。天井へ向けて威嚇射撃を行いながら追い立てる隊員もいる。

 

 中には果敢にも隊員へ抵抗を試みる出席者もいた。晩餐会の参加者には軍人上がりの青年貴族も多く含まれている。軍人としてのプライドと無粋な闖入者への怒り、そして蛮勇に突き動かされたお琴子出席者が隊員に掴みかかろうと試みる。

 

 無警告の発砲が短慮な行動の対価だった。

 

 掴み掛かろうとしてきた出席者を察知するなり、隊員は64式の銃口を向けるや躊躇いなく引き金を絞った。肩や腰へ立て続けに大口径ライフル弾を食らった軍人は吹き飛ばされるようにもんどり打って倒れた。それを見た各家の妻女から悲鳴が上がった。

 

 発生した銃声が、本来よりも大人しい事が分かる出席者は皆無だった。

 

 撃たれた出席者は弾を食らった部位を押さえてのた打ち回るが、その指の間から鉄錆色の液体が溢れる事は無い。発砲した隊員の足元に水色に染まったプラスチック製薬莢が転がった。

 

 隊員達が構える64式に装填されている弾薬は実弾(鉛玉)ではなく、訓練用のプラスチック弾(ブルーチップ)だ。

 

 実弾装填済みのマガジンと区別する為にプラスチック弾装填のマガジンには青いテープが巻いてある。訓練用とはいえ25メートル前後までならば実弾と大差無い弾道を描き、威力も金属板には通用しなくとも石膏ボード程度なら貫通する程度にはあるので、防具を着ていない生身相手なら当たり所によっては骨折か重度の打撲に到らしめられる。

 

 別の場所では同じく抵抗を試みた出席者がショットガンの一撃を喰らってのたうち回っていた。

 

 一部の隊員が装備するショットガンも暴動鎮圧用のビーンバッグ弾を装填している。

 

 こちらも名前の通りお手玉(ビーンバッグ)状の布製弾頭を発射し、命を奪う事無く対象を無力化する為の弾薬だ。布製故の柔らかさは衝撃を余すところなく人体へと伝える役割を果たし、有効距離で命中した際の威力はヘビー級の強烈なパンチに匹敵する。

 

 どちらも殺傷能力を最低限に抑えるべく設計された弾薬ではあるが、完全な非致死性とまでは言えず頭部や重要臓器周辺に着弾すれば命に関わるダメージを与えかねない事から、出席者に対して発砲する場合は可能な限りバイタルパートを外して撃つよう晩餐会会場の確保を担当する隊員達は厳命されている。

 

 勿論、そのような事情など撃たれる側は知る由も無い。

 

 緑の斑模様の服を着た男達が鉄の杖を向けると、破裂音がして抵抗する者が苦悶の表情で動けなくなる――

 

 直前に先んじて放り込まれた閃光手榴弾にただでさえ度肝を抜かれていたのもあって、実際にその瞬間を目の当たりにした多くの出席者が顔を恐怖に引き攣らせながら隊員の指示に従った。

 

 

「そこ、さっさと動け! 痛い目に遭いたくなければ指示に従え! 英雄気取りはこうなるぞ!」

 

 

 中には料理の並ぶ大机の上に飛び上がると、皿を次々と蹴飛ばしながら怒号を飛ばす隊員もいる。サングラスにスカーフで顔を隠しているのと言動も相まって映画の銀行強盗にしか見えない。

 

 その隊員は花束が活けられた近くの壷へ向けて64式を連射した。大人すらも納まりそうなサイズの陶器と花びらが立て続けに破片を散らし、その近くに居た出席者が悲鳴を上げて逃げ出す。やがて完全に砕け散った花瓶は花諸共無残な残骸の山に変わった。

 

 

「他にこうなりたい奴はいるか!?」

 

 

 銀行強盗スタイルの隊員の周りにいた出席者が雪崩を打って移動した。

 

 隊員は満足げに頷いた。やり過ぎだバカ、とそれを見ていた富田は頭を抱えたくなった。

  

 一部の隊員は当初の割り当て通りに入ってきた分厚い扉をさっさと閉めるや、扉の手すりに如何にも頑丈そうな鎖を巻き付け、これまた電動工具でも手こずりそうな巨大な南京錠で封鎖してしまう。封鎖を担当した隊員の一部は他にも背負った大型背嚢(リュック)に大荷物を詰め込んでいた。

 

 中には皇帝のみ着席が許される玉座が置かれた会場最奥の壇上から逃げ出そうと試みた出席者も居たが、いつの間にかそこにも出現した隊員によって彼らはすごすごと会場にUターンさせられた。

 

 最後に残った唯一封鎖されていない最も大きな扉も、銃を構えた隊員達が多く配置されているので通れる筈もなく、最早出席者に逃げ道は無い。

 

 銃声と悲鳴が収まり、会場内に集まった出席者全員が自衛隊員によって掌握された頃、その開け放たれた扉から堂々とした足取りで会場内へとその人物は姿を現した。

 

 

「あ、あれはまさか!」

 

「ピニャ殿下、なのか!?」

 

 

 

 

 皇帝モルトを弑した反逆者として帝都から姿を消したピニャ・コ・ラーダが、数週間ぶりに帝国貴族らの前に立っていたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<同時刻>

 ピニャ・コ・ラーダ/『主演女優』

 

 

 

 

 

 

 ピニャは、驚愕に目を見開く出席者らが犇めく会場内へとまっすぐ歩を進めた。

 

 彼女の両隣をそれぞれライフルを手に警戒するプライスとユーリが固めている。自衛隊とは毛色も人種も違うこの2人の実力が炎龍すら斃した伊丹に匹敵する事をピニャも把握していたから、安心して此の身を委ねる事が出来た。

 

 静寂に包まれた会場内に脚甲が大理石の床を叩く音を響かせながら全く足を緩める事無く、会場のど真ん中を突っ切るコースを進むピニャ。その後にデュランが、更にその後ろに護衛の隊員が続く。

 

 やがてピニャと出席者の集団との距離が数メートルまで迫ったかと思うと、パッと人の壁が割れた。

 

 睥睨するピニャの視線が出席者を舐める。彼女の視界に一瞬でも捉えられた出席者は老若男女問わず、恐れ戦くという表現に相応しい顔を浮かべて更に2、3歩よろめいた。

 

 

 

 

 

 

 ――()()は、一体誰だ?

 

 

 

 

 

 

 かつてのピニャを知る者は総じて緑の男達を引き連れて晩餐会に乱入した第3皇女……()第3皇女が自分達が知る人物と同一人物なのかと疑問を抱いた。それ程までに纏っている雰囲気も眼差しもかつてのピニャからかけ離れていた。

 

 ピニャという人物はあれほどまでに壮絶な気配を纏っていただろうか。

 

 大なり小なり面識を持っていた貴族の当主や子女達の記憶にあるピニャはもっとこう、美辞麗句に彩られた騎士物語にかぶれて理想という名の甘ったれた夢想を現実にしようと騎士ごっこを繰り返していたような、方向性は貴族子女の普通から幾分かけ離れてはいたが本質は彼女らと同類の生まれ持った地位に胡坐をかくお嬢様だった筈なのだが。

 

 今のピニャが放つ眼光のなんと冷たく、鋭く、底知れぬ恐ろしさよ!

 

 有り体に言って狂人の目つきであった。

 

 ただ気が触れているのではない。知性は限りなく理性を保ったまま、己が意思を貫く為ならあらゆる手段も犠牲も辞さないと確信させる、そんな目と気配をしていた。出席者らはそれを本能的に感じ取ったのである。

 

 

 

 

 

 

 脂汗を浮かべて後退るそんな彼・彼女らを前にしてピニャが抱いたのは喜悦だった。

 

 何時だって敵側に与した者達が地位や権力を封じ込まれ、己の一挙一動に慄く弱者として振舞う様を前にして歪んだ喜びを抱かずにいられる者は中々居ないものだ。それはピニャも例外ではない。

 

 同時に、愉悦に浸りかけた己自身を胸の中で叱責した。

 

 自分の立場と役柄を忘れてはいけない。自分がこの場に立っていられるのも全ては自衛隊の尽力に過ぎないのだから。

 

 会場に集まる出席者の顔ぶれはピニャが知る顔もあれば知らない顔もあった。知る顔の多くが、非講和派に属していた元老院の議員やその息女だった。

 

 その中には皇帝モルトの実弟であったブレンデッド・ソル・ランドール公爵とその娘のレディ・フレ・ランドールもいた。2人もまた他の出席者同様、信じられない物を見る目をピニャへと注いでいた。

 

 そうだ、それで良い。まずこの場に集まった彼らは恐怖を抱いてくれなければならない。

 

 今出席者に向けられている銃は前菜だ。まず身近で直接的な恐怖で以って彼らの行動を封じ、同時に注目を集める。

 

 ピニャの役回りはゾルザルの正当性を()()()()()()()()()()()()()()()()事である。それからメインの主役が舞台に上がる。そういう段取りだ。

 

 神の奇跡で割れた海を歩むが如く会場を縦断したピニャは壇上へ辿り着いた。そのまま玉座の前まで来ると振り返り、改めて出席者一同を見渡す。

 

 彼女の出現に動揺した参加者の間で再びざわめきが広がっているのを見て取ったピニャの手が腰元へと向かった。

 

 新調した薔薇騎士団の鎧に組み合わせるには場違いな、迷彩柄の大型ポーチが手に届きやすい位置で提げられている。それ以外にも腰の反対側には無線機用ポーチ、赤い髪の上には無線機と有線で接続されたヘッドセットが被さっていた。

 

 ポーチの中身、グロック26自動拳銃を引き抜いたピニャは天井へ向けて無造作に数回引き金を引いた。

 

 天井から破片がパラパラと降り注ぐ。64式やショットガンよりも軽くはあるが、それでも鼓膜を強烈に叩く乾いた発砲音に出席者らは短い悲鳴を漏らした。

 

 

「静粛にして頂こうか。妾はあまりこれの扱いには慣れておらぬのでな。優しいジエイタイの者達と違って急所を外して撃てる自信もないのでな」

 

 

 ピニャの警告に出席者一同は今度こそ恐怖で口を閉じた。

 

 

「お集まりの諸君。今宵は妾と亡き先帝である父モルトの為に集まってくれた事、まずはこの場を借りて感謝の言葉を述べさせて頂こう。

 そして諸君らはきっとこう思っている筈だ。『一体何の為に先帝を弑した娘がこの場に現れてこのような真似をしているのだろう』とな」

 

 

 にっこりとピニャは笑ったつもりだった。

 

 出席者の目には生者を呪う亡霊が哀れな犠牲者を嘲笑う時の笑みに映った。

 

 

「妾が諸君らに今求めるもの、それは口を閉じたまま目は開いて、()()()()()()()()()()()()()()()()()()……これだけだ」

 

 

 ピニャの要求に出席者らがまず抱いたのは困惑であった。近くの者と顔を見交わし合い、中には思わずといった口調で問いの言葉を投げかけた者すら現れた。

 

 

「それは真なのですか? 本当にそれだけの為に、ピニャ殿下はこのような事をされておられるのですか?」

 

「うむ真だぞ」

 

 

 その時、棒立ちになる出席者らを掻き分けてピニャへと向かってくる者がいた。すかさずプライスとユーリと隊員がその人物へ銃口を向ける。

 

 これ以上の接近は許さないというピニャの護衛役の意思表示を正しく認識したその出席者はしかし足は止めたものの、顔を強張らせながらも確固たる意志と覚悟を目に宿してただならぬ気配を放つようになったピニャと正面から向き合った。

 

 

「ピニャ殿下。真偽はともかく殿下は父君たる先帝陛下を弑された立場の身。その上喪に服すべく帝国各地から集まった忠臣や諸国の客人らにまでもこのような蛮行を行うなど、これでは誉れを失い更なる悪名ばかりが増えていく一方ですぞ!?」

 

「このような時でもなお妾の栄名を気遣ってくれるその心遣い、感謝するぞゴダセン卿」

 

 

 ゴダセンと呼ばれた元老院議員にして魔導師でもある重鎮の1人が身の危険も顧みず発した忠言に、ピニャは嬉しそうにしながらも妙な迫力を帯びた笑みを浮かべたまま告げてやる。

 

 

「だが心配する必要はないぞ。今の妾は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のでな」

 

「なっ……」

 

 

 絶句するゴダセン。助けを求めるように、ピニャの斜め後ろに立つデュランに視線を移す。

 

 

「デュラン陛下! 陛下もピニャ殿下をどうかお止め下され!」

 

「それは出来ぬ。見れば分かる通り儂もピニャ殿下の側に与する身なのでな。

 本来ならば何時牙を向けるかも知れない我ら諸国を恐れた皇帝の企てによりジエイタイへとぶつけられ、数多の将兵を失った連合諸王国軍の敗残者としてはこうしてピニャ殿下に手を貸しているのにも思う所はあるが……」

 

 

 言いながらデュランは、生身を模した左の義手を持ち上げた。

 

 特地の技術ではまず再現不可能な、手指を曲げ伸ばしして物すら持てる機能を持つ義手を見せつける。

 

 

「ジエイタイには色々と借りを押し付けられてしまったのでな。我々を謀った先帝も死んだのであれば、これ以上遺恨を引き摺るのもつまらんわい。

 そもそも儂はピニャ殿下以上にゾルザルは好いとらんのだ! 知っておるか? あの輩は自らの首と引き換えに土地と民の安泰を申し出た部族の長との約定を踏み躙るどころか、民には長が我が身惜しさに部族を売り渡したと空言を言い触らした上で長も民も等しく奴隷に堕としたのだぞ!」

 

 

 ゾルザルから奪還した紀子、その紀子の暗殺未遂騒ぎで帝国に滅ぼされたヴォーリアバニーの部族出身と判明したデリラとパルナ、潜入中に2人と同じあるヴォーリアバニーの奴隷と親交を深めた古田から集まった各視点の情報を整理・分析した結果、ヴォーリアバニーの部族を襲った悲劇の真相が解明された。

 

 敗北した国の民を奴隷にするのは特地では珍しくない行いではあるが、老いても尚武人であり一国の王であったデュランにとって、我が身を擲ってでも民を守ろうと降伏した指導者の尊厳を悪意で踏み躙ったゾルザルの所業は憤慨に値する唾棄すべきものであった。

 

 これがまかり通れば、デュランの祖国であるエルベ藩王国もまた同じ悲劇に襲われかねないのだから。

 

 しかも帝国の新たな皇帝の座に就こうとしているのはその約定を踏み躙った張本人である。

 

 武人としても、藩王国国王としても、このような事態を座視する訳にはいかなかったのだ。

 

 

「ゾルザル殿下がそのような事を?」

 

「そんな事をされたら我が国も同じようにされるやも……」

 

 

 再びざわめきが広がり出す。口々に不安を漏らし始めた者達は帝国の外から招待された他国や辺境部族の代表者である。

 

 再び乾いた音が会場に響き渡りどよめきを封じ込めた。今度は銃声ではなく、ピニャが両手を叩いた音だった。

 

 

「帝国の外よりはるばるこの場へ集まって頂いた諸国の客人方は安心して欲しい。

 妾はここに宣言しよう。妾が生きている間はそのような騙し討ちによって無関係な民を傷つけるような真似を帝国が行う事は絶対に許さぬと……そう()()に、()()にだ

 

 

 己の言葉を噛み締める様に繰り返した瞬間のピニャの顔に、得体の知れない恐ろしいものが通り過ぎていったのを出席者らは目撃した。

 

 それを貫く為であればどんな邪魔者であろうとあらゆる手段を以っての排除を辞さない、そんな壮絶な覚悟を垣間見たのだった。

 

 ――或いは仮にもしその誓いを破ってしまった時にはピニャ自身もまた等しく破滅してしまうのだと確信し、恐れているかのようにも見えた。

 

 

 

 

 

 

「殿下、貴女は一体……」

 

 

 その時、数名の隊員がかりで大型のテーブルがゴダセンの前へと運ばれてきた。

 

 警戒役の隊員がゴダセンに下がるよう指図し、入れ替わりに大型背嚢を背負った隊員達が運ばれたテーブル前に集まると、背中の荷物を降ろして背嚢の中身を台上に設置していく。

 

 軍用規格のノートパソコンとタブレット端末、野外無線機、受信用アンテナ、プロジェクター、受信用アンテナ――そのどれもが出席者らが初めて見る存在ばかり。

 

 加えて外部スピーカーとケーブルも取り出されそれぞれの機材に接続されていく。電源が入れられ機材間の接続が正常に行われているか確認。データリンク確立。送受信の電波感度良好。

 

 出席者らには自衛隊員達が何をしているかさっぱりだ。

 

 タブレット端末のアプリをチェックしていた隊員がピニャへ向けて親指を立てた拳を掲げた。

 

 次に無線機、ノートパソコンの操作を行っていた隊員もそれに続く。無線担当の隊員が挙げた拳に立てた指の数を1本から5本に増やした。

 

 

「主役と大道具搬入まで5分!」

 

「心得た、()()()()

 

 

 5分以内に確実に事を済ませねばならないという事だ。

 

 元より潜入してからは隠密裏に警備を排除してきたとはいえ、南苑宮での異変は遅かれ早かれ他の衛兵にも伝わり奪還の為の戦力が動員されるのも時間の問題である。

 

 

 

 

 

 

 

「本当にあの男から決定的な証言を引き出せるんだろうな?」

 

「その口で言わせてみせるとも。兄上の口を滑らせるのにうってつけの話題も妾は知っているのだ」

 

 

 

 

 

 さあ、一世一代の大舞台の始まりだ。

 

 目を閉じ、大きく息を吸い込み、覚悟と共に目を開いたピニャは無線機のプレスボタンを押し込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『演技とはふりをすること。上手くふりができたら観客は信じてくれる』 ――エマニュエル・アゼンバーグ

 

 

 




参考動画:7.62ミリ訓練弾の試射レビュー
ttps://www.youtube.com/watch?v=bu661mClr9g


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