GATE:Modern Warfare   作:ゼミル

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wash out:洗い落す
washout:大失敗、落第者


10:Washout/ロンデル滞在記(3)

 

 

<夕刻>

 伊丹耀司

 ロンデル・マリナの店

 

 

 

 

 

 こじんまりとした店内を沈黙と驚愕の空気が支配していた。

 

 元凶であるアルペジオは空になったスープ皿を手に立ち尽くしながら、その表情からは長年続いたお通じのお悩みが解消された直後を思わせる爽快感を漂わせていた。

 

 対して皿の中身を頭からぶっかけられた被害者の片割れレレイ。スープの雫を汚れた髪から滴らせ、これ以上ない無表情のままプルプルと小刻みに震わせて伊丹の膝の上から立ち上がる。

 

 極寒零度の眼光がアルペジオへと向いた。表情から感情は窺えなくてもその目を見ればレレイのはらわたが急速に煮え滾りつつあるのは明らかだ。

 

 義姉も負けじと睨み返す。周囲は血の繋がらない姉妹の間に火花を幻視した。

 

 数秒もすれば全兵器(オールウェポンズ)自由攻撃(フリー)ならぬ全魔法自由(オールマジック)攻撃(フリー)な仁義なき姉妹喧嘩が勃発しようという一触即発の空気を断ち切ったのは、アルペジオの蛮行のもう1人の被害者である伊丹の諦めを含んだ声だった。

 

 

「うわぁこれシミ落ちるかなぁ」

 

 

 赤黄色をした甘薯(サツマイモ)のスープの滝はレレイと密着していた伊丹にも降りかかっている。

 

 纏っていた純白のローブと比べれば濃緑の自衛隊制服は汚れが目立ち難い方だ。またレレイと違い頭からスープを被っていない分、顔や頭髪もスープまみれの憂き目には合っていない。

 

 それでも伊丹の衣服にも傍目に見て分かる程度の大きなシミが出来ている。首から下の素肌に不快な湿り気が伝い落ちる感触もした。襟元から服の下にまでスープが侵入しているのだ。

 

 上衣だけでなくその下のワイシャツやネクタイまでスープの色が侵食しつつあり、染色が分かりやすい分むしろそちらの方が被害甚大と言えよう。

 

 その上ドロドロの、つまりそれだけ濃厚なスープは芳香も相応で、放置しておけばどんどん残り香が染み付いて取れなくなってしまうのは明らかだ。

 

 その声にレレイの震えが止まる。伊丹に振り返った彼女の瞳に浮かんでいた光は煮え滾る怒りから、普段の理知的な輝きに戻っていた。

 

 

「服の汚れは迅速に処置をすれば被害を軽減可能。一旦戻り、着替える事を推奨する」

 

「そうねぇ。じゃあ私の家に戻って服を洗うというのはどうかしら? 皆さんが泊まってらっしゃる宿は研究街区の外でしょうから少し遠いでしょうし、それだと時間もかかるでしょう」

 

「では此の身が2人の着替えを宿まで取りに戻ろう」

 

「あ、じゃあ私もヤオに付いて行きます」

 

 

 ミモザの提案にヤオが賛同し、自衛隊の被服類をよく知る栗林が同行を立候補。一足早く店から出て行くトランジスタグラマ女性自衛官と肉感系ダークエルフ。

 

 レレイも、伊丹の手を掴むと強引に彼を引っ張って足早に店の出入り口に向かった。慌てて伊丹も足を動かし、テュカとロゥリィ、そして2人の後を追いかける。

 

 唯一アルペジオだけはその場に立ち尽くしたままだ。

 

 レレイをよく知るつもりの姉としては、一見感情も表情も(あと胸も)平坦だがその実割と喧嘩っ早い妹の事だ、ここまで挑発されればレレイもその気になるだろうから後は妹が色気づいている間に研鑽した魔法を披露し姉としての威厳を取り戻す……

 

 別にそこまで考えた上で行動した訳ではない。

 

 スープを頭からぶっかけた事自体は衝動的行為に過ぎなかった。それでもレレイの行動はアルペジオには意外なものであった。だからこうして虚を突かれたアルペジオは動けずにいるのだ。

 

 男を連れてきた事に嫉妬して妹の晴れの姿をぶち壊しにしておきながら、その被害者である妹は激情に駆られた姉とは対照的に内助の功を見せつけているという、この対比。

 

 一部始終を目撃していた客達の視線を感じる。呆れや軽蔑といった感情が向けられているのはきっと気のせいではあるまい。

 

 すると店の出入り口前に辿り着いたところでレレイが振り返ったかと思うと、元KGBな寒い国の指導者もかくやの極寒の吹雪を思わせるまなざしでもって、所在なく立ち尽くすアルペジオをまっすぐに見据えた。

 

 

「それから……このケジメは後で必ず清算してもらう」

 

 

 副音声:逃げたらぶっ殺す。便所に隠れていても必ず探し出してぶっ殺す。

 

 

「は、はひ」

 

 

 この日、アルペジオは初めて妹に対して恐怖を抱いた。

 

 

 

 

 

 

 

 ミモザとアルペジオの居宅は生活空間が2階に位置している。

 

 1階は生活空間に通じる細い階段を挟みこむ形でこれまたこじんまりとした物置と炊事場という配置だ。

 

 頭まで洗わねばならないぐらい被害甚大なレレイは水場に、伊丹は物置という配置に分かれてスープの汚れを落としにかかる。その為には上に着ているもの全てを脱がなければならなかった。

 

 

「うへぇ。本当に落ちるのかこれ」

 

 

 しかめっ面が浮かぶ。制服の上着からワイシャツ、その下のTシャツまでバッチリと汚れが広がっていた。特にワイシャツとTシャツは白色なだけに茶がかった赤色のシミがよく目立つ。

 

 物置に持ち込んだ木桶に汲んだ水と手ぬぐいでまず体についた汚れから落とす。スープの油分によるベタベタとした不快感が取れたら次は服だ。

 

 肩と胸、襟元の徽章を外すと紛失を防ぐ為に物置の片隅に置かれた机の上へ分けておく。拳銃入りのヒップホルスターと鞘に収めたコンバットナイフ、袖に隠していた折り畳みナイフも徽章の隣に並べた。

 

 物置も2階のミモザとアルペジオの部屋同様、分厚い本と標本箱と羊皮紙の束が所狭しと人の高さ近くまで積まれていて従来の面積以上に狭苦しい。

 

 埃とカビの臭いがわずかに鼻につく物置の空気を入れ替えるべく窓の戸板を開け放てば、地平線に隠れようとしている夕日の光と離れた表通りから流れてくる判然とした賑わいの音が物置内へ射し込んでくる。

 

 机とセットで物置に放置されていた古ぼけた椅子に腰を下ろし、足元に桶を配置すると背中を丸め、シミの部分を水につけては布でゴシゴシ擦るを繰り返す。本の山の中で水仕事とか湿気とか大丈夫かな? と一瞬思ったもののその手は止めない。

 

 洗剤が欲しいが、生憎特地では貴族や金のある商人の家でしか使われていない贅沢品の類であり、赤貧に喘ぐ金欠魔導師見習いの家にそんな物は置いていなかった。

 

 一応探査班の物資に石鹸もあるにはあるが、それも宿に置いてきた高機動車の中である。

 

 

「これ、クリーニング代官費で落としてくんねーかなぁ」

 

 

 思わず溜息。兵器類にかける予算は増えても自衛官の制服のクリーニング代も自腹なのだ。官舎のコピー用紙やトイレットペーパーまで隊員の自腹としきりにネタにされてきた自衛隊は伊達ではない。

 

 クリーニング代云々を抜きにしてもアルヌスからここまで滞在日数を抜いても最低でも数週間をかけての道のりだ。当然復路も同等の時間がかかる訳で、アルヌスに帰り着く頃には制服のシミは完全に定着して2度と取れなくなっているのは想像に難くない。

 

 

「血の汚れよりはマシと考えるしかないか……」

 

 

 などと自分に言い聞かせながらスープのシミと格闘していると物置の扉を叩く音がした。

 

 レレイの頭と服を洗う手伝いをしているテュカかロゥリィか、栗林とヤオが代えの服を持って戻って来たにしては早いなと思いながら伊丹はノックに応える。

 

 

「どうぞー」

 

「し、失礼しまーす……」

 

 

 入ってきたのはアルペジオだった。両手には湯気を立てる桶が抱えられている。

 

 

「あの、水よりはこっちの方が良いかと思って持ってきたんだけど」

 

「そりゃどうもありがとうございます」

 

 

 椅子から立ち上がるとお湯の入った桶を受け取ろうとした伊丹だが、アルペジオはポカンとまた立ち尽くし桶を抱えたまま動かない。

 

 改めて述べるまでもないが、現在の伊丹は上半身裸という格好のままだ。代えの衣服が手元に無いのだから隠しようがない。

 

 

 

 

 

 

 

 一方、アルペジオ視点。

 

 御年24歳となる彼女は気の強さが滲み出る美貌と男の欲望を誘って止まない抜群の3サイズの持ち主ながら、周囲の男性からは鉄のアルフェ(アルペジオ)と称される程に深い異性関係を築けずに過ごしてきた恋愛素人であった。

 

 中にはアルペジオにプロポーズを試みた友人のエルフ男性もいたものの、なよっとした優男で男としての魅力に大きく欠けていたので断ったほどだ。

 

 また学問の都ロンデル、それも学徒ばかり集まる研究街区の男性らは、導師号を目指す者の象徴であるローブ姿ばかりで肌の露出というものも少ない。

 

 そこに伊丹の登場である。久しぶりに再会した妹が紹介した男は一見特地の美的感覚においても冴えない見た目であったが、その下に隠れていた真の姿にアルペジオは今この場で直面していた。

 

 すなわち細身だがしっかりと筋肉のラインが浮かび上がる肉体を覆う幾多もの古傷。

 

 古傷は男の勲章と称されるが、それなら伊丹の肉体は体中が勲章で彩られていると言っても過言ではない。目の前の伊丹の姿は百の言葉以上に彼の経歴を雄弁に語っていた。

 

 そんな伊丹の肉体にアルペジオは目を奪われずにはいられなかった。

 

 周囲の異性に男としての魅力を感じず、故に男を知らず、男と深い付き合いをした事が無いアルペジオにとって、分厚い制服のベールを脱ぎ捨て戦場の経験豊富な猛者の雄としての姿となった伊丹は劇物に等しかったのだ。

 

 相手は妹の男である。ジロジロと見つめてはいけないものと頭は理解している筈なのに目が離せない。胸の鼓動が激しさを増し、勝手に顔が熱くなっていくのをアルペジオは自覚した。

 

 

「アルペジオさん?」

 

 

 伊丹に声を掛けられてようやくアルペジオの理性が主導権を取り戻した。

 

 慌ててお湯入りの木桶を伊丹に手渡した彼女の顔は今や耳まで真っ赤だ。

 

 

「は、はいこれどうぞ!」

 

「ど、どうも」

 

 

 伊丹は伊丹でレレイの姉の奇行に戸惑った様子である。

 

 早速水からお湯に切り替えて服のシミ抜きを再開しようとした伊丹だったが、扉前の気配が立ち去らないのを不思議に感じ、再びアルペジオに向き直る。

 

 

「あのー、何か?」

 

「……私もイタミさんの服、洗うの手伝わせてもらえませんか」

 

「いやぁ俺のなんかよりレレイの方を手伝ってあげた方が良いと思いますけど」

 

「最初はそのつもりだったんですけど、その……聖下はまだいいんですけど、一緒に居たエルフの子の目が怖くてですね」

 

「ああ成程……」

 

 

 どうやらアルペジオは食堂での蛮行の結果テュカの怒りも買ってしまったようだ。

 

 当然と言えば当然である。クレティで仲良く一夜を―正確には一昼夜―共にしてから、彼女達の距離は物理的にも精神的にも更に縮んでいた。そんなレレイの晴れ着を台無しにしたとなれば、テュカの性格を考えると相手がレレイの姉でもそりゃ怒りを覚えるだろう。

 

 かく言う伊丹も、レレイ共々フォーマル用の大事な装いを台無しにしてくれたアルペジオに対し思う所はあったが、レレイやテュカほど明確な怒りは覚えていなかった。

 

 ただし仮にアルペジオの行いが明確に命を害するような所業であったならば、伊丹も躊躇う事無く実力行使に出ていたのは間違いない。

 

 ともあれ1人で上着シャツTシャツ一式を手洗いするのは大変なのも事実。諍いは脇に置いといて素直にアルペジオの手を借りる事にする。

 

 汚れた部分をお湯に浸しては手ぬぐいで吸う水の音と布の擦過音が物置内を支配する中、桶を挟んでシャツの染み抜きをしていたアルペジオがおもむろに口を開いた。

 

 

「レレイとダークエルフの女性が言ってましたけど、イタミさんは卿の称号を賜られた貴族様なんですよね」

 

「ええまぁ一応は。って言っても自衛隊の仕事ばっかりで貴族らしい事はぜーんぜんした事ないんですけどね」

 

「いえいえいえそんなご謙遜を。他所の国……じゃなくて『門』の向こうだから他所の世界? ともかく、貴族の地位だけでなくダークエルフの名誉族長なんて称号まで賜るなんて、よっぽど凄い功績を為されたんですよね。その辺りの事、是非詳しいお話を聞かせて頂ければ嬉しいのですが……?」

 

 

 絵に描いたような媚びた笑顔と猫撫で声であった。

 

 以前ピニャに招待されての園遊会で代わる代わる話しかけて来た薔薇騎士団員(ハニートラップ)達そっくりの笑顔に隠した邪まな気配漂わせるアルペジオに、引き攣りかけた顔を苦笑の表情で誤魔化す伊丹。

 

 しかし血が繋がっていないこんな人間でも、一応れっきとしたレレイの義姉である。スープをせっかくの制服にぶちまけてくれた相手であっても悪人ではなさそうなので中々邪険にも対応し辛い。

 

 園遊会と違って2人きりの狭い空間、窓を除けば唯一の出口である扉もアルペジオの背後という配置なのでさりげなく逃げ出す事も不可能な状況だ。

 

 

 

 

 

 伊丹は考えを巡らす。お飾りの名前だけとは言え貴族や名誉族長の称号を与えられたきっかけである炎龍退治の顛末にはレレイも深く関わっている。

 

 出来ればレレイ本人の口からアルペジオに説明した方が良いのかもしれないが、炎龍と新生龍撃破の情報は自衛隊の工作で積極的に流布されている以上、遅かれ早かれロンデルにも伝わる。わざわざ隠す必要は薄い。

 

 そう判断した伊丹は、素直に何を遂げてこうなったかアルペジオへ語ってやる事にした。

 

 無論、厳重に隠蔽が留意されているプライスとユーリの存在は除いてである。対戦車ロケット砲ですら数発見舞っても斃れなかった炎龍を、神業的な狙撃でもってたった一弾で仕留めたプライスの功績を丸々横取りする形になるのは非常に心苦しいが、本人の同意を得た上での止むを得ない決断である。

 

 

「まぁ大した事じゃないんですけど」

 

「ふむふむ」

 

「色々と事情がありましてですね」

 

「ほうほう」

 

「炎龍を退治したんですよ。あとついでに新生龍も2頭。レレイ達と一緒に」

 

「なるほどぉ炎龍をですかぁ。それはそれは凄い……………………へ?」

 

 

 伊丹の背後にある窓から差し込む夕日に照らされたアルペジオの顔が、間抜けな感じで硬直する。

 

 

「炎龍って、古代龍のあの炎龍?」

 

「この世界に何頭ぐらい生息してるのかは分かりませんけど、一応その古代龍の炎龍です」

 

「いやいやそんな冗談はよして下さいよ。いくら可愛くて天才の妹が一緒だったからってそんな」

 

 

 アルペジオの口ぶりは特地の人々の一般的な認識そのままだと伊丹も理解していたので、気分を害したりはしなかった。

 

 むしろ本人は自覚していないのだろう、ポロリと零れた妹への賞賛の言葉にアルペジオがレレイに抱く本心が透けて見え、伊丹は安堵と微笑ましさを覚えた。

 

 曖昧な笑みを維持したままアルペジオの様子を伺う。腹を立てて発言の訂正を求めようとも嘘であると告白する事もなく、ただ表情を変えず見つめ返してくる伊丹の様子に、アルペジオの猜疑の念も信憑へと一気に転じた。

 

 

「嘘! 本当!?」

 

「炎龍が倒されて、レレイもその手助けをしてくれたのは本当の事ですよ」

 

 

 炎龍を討った決定打は存在を消された老兵であり、どちらかといえば手助けになったのは対双子の新生龍戦の方なんですけどね。心の中で付け足す。

 

 どちらにせよレレイがロゥリィやヤオ、栗林と一緒に命を賭けて炎龍退治に参加し、実際に対峙して戦いを生き延びたのは事実だ。賞賛されて然るべき立場なのは間違いない。

 

 ありえない、と顔全体で心境を表現しているアルペジオを見た伊丹は、特地で炎龍がどれほどの存在として認識されてきたのか再確認させられた。

 

 我が事ながら、幹部自衛官連中が最低でも陸空の機甲部隊を動員しなければ撃破困難と戦力算定した炎龍をだ。たった歩兵数個分隊規模の異種族混成部隊が生身で、しかも新生龍×2のおまけつきで倒せたものだ。

 

 しみじみ思い返していた伊丹の背中を、不意に悪寒が通り抜けた。

 

 上半身裸で過ごしたせいで思っていた以上に体が冷えてしまったのか?

 

 ――否。悪寒と一言で表現するには足りなかった。

 

 瞬時に神経が沸騰し、アドレナリンが分泌され、筋肉が強張り、思考速度が瞬間的に加速する。肉体にこのような反応が齎される機会は極々限られており、大概は戦場で銃口や、ナイフや、対戦車ロケット砲といった物騒な代物を敵対的な人物から向けられた時に限定されていた。

 

 すなわち武器を持ち伊丹に殺意を持った敵が殺そうとしてきた場合に、だ。

 

 伊丹の目と脳細胞が瞬間的に眼前の風景の映像分析処理を行う。

 

 ()

 

 オレンジ色を帯びた斜陽の光に照らされた物置内に伊丹とアルペジオ以外の影が出現していた。伊丹の背後に位置する窓の外に何者かがいつの間にか立っていたのだ。

 

 背中に目を持たない伊丹には何者かを直接視認出来ないが、何者かが背負った夕日によって生じた長く伸びた人型のシルエットは伊丹の視界の端に捉える事が出来た。

 

 棒人形じみたその影絵は何かを握った右手を伊丹に向けてまっすぐ伸ばしている。

 

 その特徴的な姿勢は伊丹にとって見慣れたもので。

 

 がちり、と微かに聞こえた硬質な動作音も伊丹が聞き慣れたある音によく似ていた。

 

 

 

 

 

 ――引き金を絞った事によって撃鉄が解放される音。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『背中に気をつけろ。ためらわず撃て。弾を切らすな。ドラゴンには絶対、関わるな』 ――『シャドウラン』

 

 

 




一体何時から暗殺者が来ないと錯覚していた?(鬼畜眼鏡並感)
なお相手はジェイク・アーミテージ枠だった模様。

執筆の糧となりますので感想よろしくお願いします。

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