「ふぃ~、これでよし」
目の前にはでかい氷像。
「なかなか良いね!」
「お、チルノじゃねーか」
振り向くと空から魔理沙が降りてきた。
「うわ、白黒だ」
「よう!なんかチルノっぽく無いな?」
「気のせいじゃない?その背中に背負ってる袋は何が入ってるの?」
「これはあれだ、パチュリーから借りた本が大量にだな」
「ふーん?でも、魔法の森から来たように見えたけど?」
「……なあ、
「……珍しい青い蛙だよ。…見せないからね!これはあたいのもんだ!」
「へいへい」
「かくいう魔理沙もなんか服が
「まあな。そういう気分なんだぜ」
「ふーん」
この魔理沙、もしかしなくても。
「ま、私は用事があるし、じゃあな!」
バビュンと何処かへ飛んでいく魔理沙。
あの袋、中身が動いてた気がする。ま、良いか。関係ないし。
と、見慣れた緑の影
「あ、大ちゃん!おーい!」
「あ、チルノちゃん!」
大ちゃんが降りてくる。
「大ちゃん!今日は何して遊ぶ?」
「えっとねぇ。……?貴女、誰?」
「え?何言ってるのさ、あたいはチルノだよ」
「違う、貴女はチルノちゃんじゃない!チルノちゃんは何処なの!?」
「だ、大ちゃん…」
大ちゃんが周りを見回し、氷像を見つける。
「氷像……中にチルノちゃんが!?」
「あたいは、凍って無い、よ?」
大ちゃんがキッとあたしを睨む。
「速くこの氷を溶かしなさい!チルノちゃんの偽者!」
「っ!」
そう、あたしは『偽者』。自分で分かってる。
『チルノ』の髪は緑色じゃない。
『チルノ』の服は黄色くない。
だけど、あたしはチルノでいたい。
だから『本物』のチルノを倒した。
なのに、なのに!
「速くしなさい!」
「……のに…」
「え?」
「信じてたのに…!」
「な、何を」
「大ちゃんならあたしを認めてくれるって信じてたのに!『偽者』でもチルノとして見てくれるって信じてたのに!!!」
「えっ」
「あたいはチルノだ!あたいがチルノだ!それを認めてくれないなら!あんたなんか!大ちゃんじゃない!」
スペルカードを取り出す。
「え…や、やめ…」
「嫌だ!凍符『フリーズアトモ…』」
「神霊『夢想封印』!」
空から降ってきた大量の光の珠があたしを打ちのめす。
「うぎゃあ!」
「全く、チルノじゃないなら大人しく消えてなさい」
「う……うぅ…きゅぅぅ…」
結局、あたしは、チルノには成れなかった。
~○~○~○~○~○~
「ありがとうございます、霊夢さん!」
「良いのよ。あんた確か炎出せたわよね?」
「あ、はい」
「なら良いわ。無いと思うけど、あんたも偽者には気を付けなさいよ?今回はそういう異変みたいだし」
「分かりました。……服、変えたんですか?青いですけど」
「ん、そういう気分だからね。『あんた、誰?』『私は博麗 霊夢よ』ってね」
~○~○~○~○~○~
「総領娘様、これどうするんですか?」
「というか本当に総領娘様のせいですか、これ?」
「そうよ。衣玖が二人なのも」「私が増えてるのも」「「全部私のせい」」
「ちょっと、あんたは偽物でしょうが」
「そうだけど似たようなもんじゃない」
「…治るんですか、これ」
「治らないと面倒な事になりそうなんですが」
「あぁ、それなら大丈夫」「ちょっと漏れた気質が暴走してるだけだし」「明日には元通り」「下界ではそれぞれに理由を付けて勝手に納得するでしょ」「自律人形だったり分身だったり残像だったりね」
「「それなら良いんですが」」
と、こんな感じ。
要するに黄昏系統の同キャラ対戦に適当にシナリオ付けただけ。
オチなんて考えてなかったから、この設定は自分でもなかなか良いと思ってるよ?うん。