この無敗の捜査官に祝福を!   作:ちょこ0720

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すいません。
察しの良い人なら分かってるかもしれませんがまたもや寝てました。
昼寝のつもりが寝過ごしました。
本当にすいませんでした。

それでは第二十五話どうぞ!


この無敗の捜査官と貧乏店主を!

俺はアクアを引き連れて、ある所へ向かっていた。

ダクネスには、美味しいクエストが出た際には直ぐに確保して貰えるよう、ギルドて待機してもらってる。

めぐみんは、朝からどこかへ出かけていった。

あいつは、たまにちょこちょこいなくなる時があるが何をしているのだろう。

エトは家で小説を書いている。

有馬さんは起きたら既に家にいなかった。

 

俺達のパーティーはバランスが悪い。

と言っても有馬さんやエトがいれば、大抵のことはどうにかなるだろう。

しかし、もしも二人ともいなかった場合はかなり辛い。

先日の冬将軍戦だって、有馬さんがいなければ確実に俺は死んでいた。

 

当面の問題としては、安定した火力である。

一発の火力であるなら、めぐみんで十分だ。

めぐみんの最大瞬間火力においては他のウィザードの追随を許さないが、とにもかくにも一発のみだ。

となると、俺がスキルを覚えるなりなんなりしないといけないのだが、剣を振り回してもやはり最弱職と呼ばれる冒険者では限界がある。

もう少しこう、メインの武器になるスキルが欲しいものだ。

そんな訳で、先日の雪精討伐で何気にレベルが上がった俺は、とある店の前にやってきていた。

 

「おし、着いたぞ。いいかアクア。今の内に言っておくが、絶対に暴れるなよ。喧嘩するなよ。魔法使うなよ。わかったか?」

 

そこは小さな、マジックアイテムを扱う魔道具店。

それを見ながら、アクアが俺の言葉に小さく首を傾げた。

 

「ちょっと、何で私がそんなことしなきゃなんないのよ。一度言っておきたいんだけど、カズマって私をなんだと思ってるの?私、チンピラや無法者じゃないなよ?女神よ?神様なのよ?」

 

俺の後ろで文句をたれるアクアを引き連れ、俺はドアを開けて中に入った。

ドアについてる小さな鐘が、カランカランと涼しげな音をたて、俺達の入店を店主に告げる。

 

「いらっしゃ...、ああっ!?」

 

「あああっ!?出たわねこのクソアンデット!あんた、こんなところで店なんて出してたの!?女神であるこの私ですら最近やっと家を手に入れたばかりなのに、あんたはお店の経営者ってわけ!?リッチーのくせに生意気よ!こんな店、神の名の下に燃やしていだいっ!?」

 

店に入るなり、いきなり俺の注意を忘れて暴れだしたアクアの頭をダガーの柄で軽く殴る。

そのまま後頭部を押さえてうずくまるアクアをよそに、俺は怯える店主に挨拶した。

 

「ようウィズ、久しぶり。約束通り来たぞ。...ってあれ?有馬さん何してるんですか?」

 

先客がいた。しかもよく知ってる人物だった。

 

「...カズマか。見ての通りここで本を読みながらウィズと話していた。」

 

...朝っぱらからいないと思ったらこんなとこにいたのか。

 

「...ところでお前達は何をしに来たんだ?」

 

「ああ、そうだった。ウィズ。以前言ってたろ?何かリッチーのスキル教えてくれるって。スキルポイントに余裕ができたからさ。何か教えてくれないか?」

 

「ぶっ!」

 

「何すんだこの野郎!」

 

俺の言葉にアクアが吹き出し、それが前にいた俺にモロにかかった。

 

「ちょっと、何考えてんのよカズマっ!リッチーのスキル?リッチーのスキルですって!?以前この女に名刺貰ってた時、一体何を話してるんだろうって思ったら!リッチーの持つスキルなんてろくでもない物ばっかりよ!そんな物覚えるなんてとんでもないわ!いい?リッチーってのはね、薄暗くてジメジメしたところが大好きな、いってみればなめくじの親戚みたいな連中なの」

 

「ひ、酷いっ!」

アクアのあんまりな決めつけにウィズが涙ぐみ、それを有馬さんが慰めている。

 

「いや、なめくじの親戚でも従兄弟でもいいんだけどさ。リッチーのスキルなんて普通は覚えられないだろ?そんなスキルを覚えられたら結構な戦力になるんじゃないかと思ってな?お前だって、有馬さんやエトがいなかったらやばい事ぐらいは分かってるだろ」

 

「むう...。女神としては、私の従者がリッチーのスキルなんて覚えることを見過ごす訳にはいかない所なんですけど...」

 

俺の言葉に、アクアがぶつぶつ言いながらも渋々と引き下がる。

そのアクアの呟きを聞き、ウィズが不安そうな顔で恐る恐る尋ねてきた。

 

「『女神としては』...?その、以前私を簡単にターンアンデットで消し去りかけたりしたのは...。ひょっとして、本物の女神様だったりするんですか?」

 

あ、ヤバイ。

流石にリッチーにもなれば、アクアが本物の女神だと分かるのか。

俺の方は未だに、アクアが女神だって事に疑問を持っているのだが。

 

「まあね。あなたはよそに言い触らしたりはしないでしょうから言っておくけど。私はアクア。そう、アクシズ教団で崇められている女神、アクアよ。控えなさいリッチー!」

 

「ヒイッ!?」

 

ウィズがこれ以上に無いぐらい怯えた顔で有馬さんの後ろに回り込んだ。

リッチーにとって、やはり神って存在は天敵に出くわしたようなものなのだろうか。

 

「...ウィズそこまで怯えなくても大丈夫だ。アンデットと女神は水と油みたいな関係かもしれないが」

 

なだめる有馬さんに、だがウィズは、

 

「い、いえその...。アクシズ教団の人は頭のおかしい人が多く、関わり合いにならない方がいいというのが世間の常識なので、アクシズ教団の元締めの女神様と聞いて...」

 

「何ですってぇっ!?」

 

「ごごごご、ごめんなさいっ!」

 

「...は、話が進まねえ...」

 

猛るアクアを引き剥がし、有馬さんに相手してもらえと追い払うと、アクアは素直に有馬さんの対面に座って何かを話し出した。

と、そんなアクアをちょっと気にしながら、気を取り直したウィズが、

 

「そう言えば、私、最近知ったのですが。カズマさん達があのベルディアさんを倒されたそうで。あの方は幹部の中でも剣の腕に関しては相当なものだったはずなのですが、スゴイですねえ」

 

「いや、倒したのは俺達じゃなくて有馬さん一人...ってあれ?あのベルディアさんって、なんかベルディアを知ってたみたいな口ぶりだな。あれか?同じアンデット仲間だから繋がりでもあったのか?」

 

俺のそんな疑問に、ウィズが世間話でもする様な気軽さで。

 

「ああ、言ってませんでしたっけ。私、魔王軍の幹部の一人ですから」

 

にこにこしながら、そんな事を。

...。

 

「確保ーっ!!」

 

有馬さんと話していたアクアが、ウィズに向かって襲いかかった!

 

「待ってーっ!アクア様、お願いします、話を聞いてください!」

 

取り押さえられたウィズが、アクアにのしかかられたまま悲鳴を上げる。

アクアが、いい仕事をしたとばかりに頬の汗を拭い、

 

「やったわねカズマ、貴将!さらに大金が入るわよ!」

 

嬉々とした表情でそんな事を言ってきた。

すると、有馬さんはアクアに近づき

 

「アクア、ウィズは魔王城の結界の維持の為に、頼まれただけだ。それにウィズには賞金はかかってない」

 

有馬さんの言葉に俺とアクアは顔を見合わせた。

 

「...良く分かんないけど、念のために退治しておくわね」

 

「待ってくださいアクア様ーっ!!」

 

アクアに取り押さえられながら喚くウィズ。

俺は魔法の詠唱を始めたアクアに、まあ待てと手を突き出し。

 

「えっと、何だ?つまりゲームとかによくある、幹部を全部倒すと魔王の城への道が開けるとか。そんな感じか?で、ウィズは、その結界とやらの維持だけ請け負ってると」

 

「げーむとやらは知りませんが、そういう事です!魔王さんに頼まれたんです、人里でお店を経営しながらのんびり暮らすのは止めないから、幹部として結界の維持だけ頼めないかって!魔王の幹部が人里でお店やってるなんて思わないだろうから、人間に倒されないだけでも十分助かるって!」

 

「つまり、あんたが生きてるだけで人類は魔王城に攻め込めないし、私達には十分迷惑って事ね。カズマ、貴将、退治しときましょう」

 

アクアの言葉にウィズが泣き出す。

 

「待って!待ってください、アクア様の力なら幹部の二、三人ぐらいで維持する結界なら破れるはずです!魔王の幹部は元々八人。私を倒したところで、後六人も幹部がいたなら流石のアクア様でも結界破りはできません、魔王城に攻め込むには、私を浄化したとしても、どのみちまだまだ幹部を倒さないといけませんし!せめて、アクア様が結界を破れる程度に幹部が減るまで、生かしておいてください...!私にはまだやるべき事があるんです...」

 

取り押さえられたまま泣き出すウィズに、流石のアクアも微妙な表情を浮かべた。

そのままチラチラと俺をうかがう。...俺に決めろってのか。

 

「ええっと。まあ、いいんじゃないのか?どのみち、今ウィズを浄化したって、その結界とやらがどうにかなる訳でもないんだろ?それにだ、本来なら幹部全員を倒さないと結界とやらは解けないはずが、アクアがいれば、幹部を全員倒さなくても結界が破れるんだろ?なら、ウィズ以外の幹部が誰かに倒されるまで、気長に待った方がいい。それに、有馬さんもウィズが幹部ってのを知ってて倒さなかったんだから問題無いだろ?」

 

というか、魔王だの幹部だの、有馬さんとエトがいなければ俺達みたいな未熟なパーティーにどうにかできると思えないし、そもそも、そんな危険な事に首を突っ込むつもりはない。

放っておけば、魔剣持ちのソードマスター、ミツルギみたいに特典を貰った連中が、魔王の幹部を減らしていってくれるだろう。

だが、ウィズがいる限りは、結界が破られ、魔王を先に倒される事だけはない。

俺が地球に帰るには、俺達の手で魔王を倒さなくてはならない。

なら、俺達が魔王を倒せるぐらいに強くなるまでは、今のままの方が良い。

そんな、俺の姑息な打算も露知らず、その言葉にウィズがぱあっと表情を明るくさせた。

 

「でも、良いのか?幹部って連中は一応ウィズの知り合いとかなんだろ?ベルディアを倒した俺達に恨みとか無いのか?」

 

俺の疑問にウィズがちょっとだけ悩み。

 

「...ベルディアさんとは、特に仲が良かったとか、そんな事も無かったですからね...。私が歩いていると、よく足元に自分の首を転がしてきて、スカートの中を覗こうとする人でした。幹部の中で私と仲の良かった方は一人しかいませんし、その方は...、まあ簡単に死ぬような方でも無いですから。...それに」

 

そう言った後、ウィズは。

 

「私は今でも、心だけは人間のつもりですしね」

 

と、ちょっとだけ寂しげに笑った。




本当にすいませんでした。
今回は少し長めにしてみました。
それではまた次回お会いしましょう!
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