本当に申し訳ございません。
「...ッ!?」
俺はアクセルの街の近くの草原に仰向けになった。
「体のラグが多い。もっと上半身と下半身のラグを減らせ」
俺を草原に転がした張本人が来た。
「自分でも精一杯のつもりなんですけど...」
どうしてこうなったんだっけか...
とある日の昼下がり皆がゆっくりと過ごしているリビングのような場所で唐突に有馬さんが
「カズマ、少し手合わせをしよう。このパーティーでもし俺やエトがいなければカズマが敵にダメージを与えなくてはならなくなるからな」
と言った。
俺としては有馬さんやエトがいない時はクエストに行きたくないんだが、有馬さんの言ってることは最もだ。
めぐみんは確かに火力は申し分無いが兎に角一発きりなのだ。そんな一発きりの火力を頼っていたら、ダンジョンのような狭い場所で積むし、ボスのために温存していては道中で全滅しかねない。
次にアクアだが
「女神が武器を振り回すなんてありえないんですけどー」
とか言っていたので恐らく頼りにはならないだろう。
というか回復役を前線に立たせるなんてゲームでもしない。
最後にダクネスだが、コイツに関しては攻撃が当たらないので論外だ。
確かに役職だけならどのパーティーにも見劣りしないほど立派だろう。
しかし、上の条件を見てこの三人が如何に頼りにならないかはよく分かっただろう。
そこで、俺に白羽の矢がたったわけだ。
「それで、何をするんですか?」
「すでにクエストは請けてあるから街の外に出よう」
そう言って有馬さんと俺。そして、ついていきたいと言ったアクア、めぐみん、ダクネスで街の外に出ていった。
「...」
天気は快晴。気温も丁度良くなんの問題もない。そう、なんの問題もないのだ。ただし、有馬さんがジャイアント・トードの群れに紛れて俺に向かって武器を構えていること以外は。
「...あのぉ〜、有馬さん?なんでジャイアント・トードの群れに紛れて俺に武器を構えてるんですか?」
「ジャイアント・トードだけでは訓練にはならないだろ?」
なにさも当然のように言ってるんですか!?
ジャイアント・トードだけでもかなり手一杯なのにさらに有馬さんとかどんな無理ゲーですか!?
「あぁ、ジャイアント・トードの群れ。突っ込んだらどれだけやられるか、粘液でベトベトにされるかもしれない。考えただけで興奮してきた!」
「何バカなこと言ってるんですか!?」
「私はもうカエルは懲り懲りよ。女神であるこの私が二度とあんな目にはあってはいけないわ」
「ど、どんな目にあったのだ!?あ、あくまでも仲間として把握しておきたいだけだからな!」
外野はお気楽でいいなぁ。こちとらジャイアント・トードの群れプラス俺の知る中で一番の化け物を相手取らなくちゃならないんだぞ!
「さて、いくぞ」
そう言うと、ジャイアント・トードが一斉に俺に向かって向かってきた!
というか有馬さんがさも当然のようにジャイアント・トードの指揮を執ってるんですけど!?
ジャイアント・トードの動きは前のクエストでそれなりに把握できてはいるが、流石に群れとなると話は別だ。
それに、隙を狙っては有馬さんがナルカミで腕や足といった致命傷にはならないが、動きが鈍るようなところばかりをついてくる。
確かに手合わせをしようとは言われたがこれじゃあ一方的な暴力の気がする。
そして、俺が動けなくなると有馬さんがアクアの元に連れていき回復させてまた戦うの繰り返しだ。
なぜだか俺が回復してる最中はジャイアント・トードは静かに俺達を見ていた。
やはり、有馬さんが統率しているんじゃないかと疑うレベルだ。
そのやりとりを数十回続けてようやく訓練は終わった。
「お、終わった〜」
「お、お疲れ様です」
「流石に厳しそうね。私じゃなくてよかったわ」
「貴将殿!次は私に!どうか私にあの訓練を頼む!」
うん。やはり外野がうるさい。めぐみんくらいしか俺をいたわってくれていない。
「じゃあカズマ、また明日やるぞ」
俺に休みはしばらくないようだ。
カズマを強化します。
せめて一等捜査官くらいには...