ロキ・ファミリアには【ファミコン】の最強幼女がいるそうです 作:京狼婢娜姫
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「アイズお姉ちゃんもティオネお姉ちゃんもティオナお姉ちゃんもベートお兄ちゃんもラウルお兄ちゃんもリーネお姉ちゃんもアキお姉ちゃんもレフィーヤお姉ちゃんもリヴェリアお母さんもガレスおじいちゃんもフィン……お兄ちゃん?も誰もあげません!」
これはロキ・ファミリアでの少し不思議な少女のお話____
だったんだけど……?
「前衛、盾構えぇ___ッ!!」
場所はダンジョン49階層大荒野(モイトラ)
目の前に迫る大量のモンスターを見て、誰かが怯えたように盾を構え衝撃を待つ。
「密集陣形を崩すなっ!!後衛隊は攻撃を続行!」
ロキ・ファミリア団長、小人族(パルゥム)フィン・ディムナの声が響くが、一際大きなフォモールが一角の前衛を吹き飛ばし、その体駆を陣形の中へと捻入れた。
「キャッ!?」
「___ベートっ、穴を埋めろ!!」
「ちっ、なにやってやがる!」
守られていた魔導師の少女が攻撃で砕けた地面に座り込み、それをみた団長の指示で狼人(ウェアウルフ)の青年が走り出す。
しかし届く前にモンスターの棍棒が振り上げられ、口から小さく吐息が漏れた。
「え……?」
紛れもない疑問の吐息が、だ。
彼女の目に映るのは、銀の閃きを片手に目の前の化物を葬りさる少女、【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタインと、小さな体駆に合わない大きな刃物を持って空気を切る少女__否、正しく幼女の姿。
彼女の無駄に見える動作は、空気の鎌を産み出し遠くの怪物を切り飛ばす。
「すげぇ……」
漏れた声に一瞬意識を取られれば、もうそこに憧景の少女はすでに戦地奥へと飛び出していた。
残っているのは可愛い義妹の姿。
「レフィーヤお姉ちゃん、大丈夫?」
優しく手を差し出してくれる、自分よりずっとずっとずっと強い、愛しい義妹の姿。
「大丈夫、です」
悔しくて下を向いてしまえば、あっさりと手を引っ込めてくれる。
___ああ、もう。そんな『優しさ』を見せられてしまったら。
『姉』として立ち上がるしかないじゃない_____っ!
少し引けた腰に力を入れ、杖に体重を乗せる。
「戻れ、アイズ!!」
声で後ろを向いたレフィーヤの目には、団長が振る旗の後ろで今まさに詠唱を終えようとする王族(ハイエルフ)の師が目に入る。
「っ!!」
モンスターに足をつけ、一瞬ためると思いっきり後方へ翔ぶアイズの目には、限界まで広がった魔法円が紅く輝き魔力を溜め込んでいる様子が入る。
「【我が名はアールヴ】!!」
詠唱の終盤に差し掛かり、目を開いたリヴェリアの目には、怪物の大群と求めた新たな世界が目に入る。
「【レア・ラーヴァテイン】!!」
魔法の緋に目を焼かれ、再び開いた者の目には_____
『オォオオオオオオオッッッ!!!』
勝利を確信させる、静かな焼け野原が映った。
肩の力を抜き、剣に着いた血を払う少女の横に、小さな姿が並ぶ。
「お疲れ、アイズお姉ちゃんっ!」
「……うん、『ゲッカ』もお疲れ様」
ゲッカ・キルノ。
それがこの幼女の名であり、そして彼女こそが、オラリオに大きな波乱をもたらした『英雄』である。
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