ロキ・ファミリアには【ファミコン】の最強幼女がいるそうです 作:京狼婢娜姫
フィン達のいるテントを出てから、ゲッカはある場所へ向かっていた。
目的の後ろ姿を見付ければ、足の回転を早くしてその背中に飛び付く。
「アイズおねぇーちゃんっ!!」
「………ん」
どことなく困った表情のアイズが見つめるのは、ティオナに追い掛けられるレフィーヤの姿。
あぁ、と小さく呟いたゲッカに気付いたのか、ティオナはついに少女を捕まえて、こちらに向かってくる。
「ゲッカも一緒に寝ようっ!」
「?まだ早いよー?」
「そうじゃないですよ……」
抱えられたままのレフィーヤがボソリと言葉を漏らすと、後ろからもうひとつの足音が。
「……何をやってるの?」
「あ、ティオネお姉ちゃん!一緒に寝る?」
「ちょっと待ってて。アイズ、団長との話は終わった?」
「うん…でもまだ、話し合ってた」
「そんなに忙しいならテント張る暇は無さそうね……?」
その言葉を聞いて歩くそ笑むティオネに、首をかしげながらアイズが問う。
「ティオネ…それ…」
「私と団長専用よ?お邪魔虫は近寄らないように。見付けたら叩き潰しちゃうから」
当たり前のように言い切る彼女に、横を通り掛かったラウルが余計なことを言ってしまった。
「男は皆本営で雑魚寝っすよ?」
刹那。
ティオネの手が彼の頭を鷲掴みにし、力を込める。
「あ?何ですって?」
「お、男は皆交代でって決まったんす!!」
ミシ、と音を立てて歪んでいた頭蓋骨がパッと離されもとに戻る。
ラウルがうずくまるのを横目に彼女は団長ぉ~!!なんて叫んでいる。
「じゃあ一緒ね?」
「ラウルお兄ちゃん、大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫っす……多分」
アイズの背中から声を掛けるゲッカに、ちゃんと返事をするのは兄としての威厳を保ちたいからか。
「コラ、遊んでんじゃねぇーよ」
ぁああ、と恥ずかしさがぶり返し唸るレフィーヤを抱えたティオナが微笑む中、後ろから弱い蹴りが出された。
「いったぁ……くない?」
「本気で蹴るバカが居るかアホ。ちんたら遊んでんじゃねーよ、バカが」
上から見てくる狼の青年、ベートにむっ、と顔を歪めるが、すぐにイタズラ好きの子供の顔になる。
そして、アイズの後方へ回り、引っ付いたままのゲッカの耳に何事かを囁いた。
「……ん!良いよ!!」
それを聞き終えて、笑う幼女はアイズの背中から降り、Lv7の身体能力とフィン以上に小柄な体で青年の背後へ回り込む。
「よいしょっ!!」
「っ!?てめっ、何する気だ!?」
そのまま大きく飛び、金の少女より高い背中に乗っかると耳元で。
「……早く告白しちゃいなよ、ツンデレお兄ちゃん!!……いや、ヘタレ狼っ!!!」
「~~~~~~~~~~~~~っ!?」
大音量で叫んだ。
妹のような存在に知られた事で顔が赤くなると同時、優れた聴覚が使い物になりそうなほどの音に小さく体が揺らめく。
「これでいいの?」
「うん、ありがと!!」
「あ、そうだ。アイズお姉ちゃん、何か食べるのなぁい?お腹減っちゃった」
お腹。
そのワードに反応し、立ち上がる者が一人。
「そうよっ!胃袋から落とせばいいんだわっ!」
炊事場、炊事場っ♪と上機嫌に歩いていくティオネに続いて、ティオナと彼女に手を引かれるアイズ、そしてその後ろにはレフィーヤが着いていく。
「……ゲッカは行かねえのかよ」
「…ベートお兄ちゃんの耳触らせて欲しい」
「断る」
返答に満足せず、頬を膨らませるゲッカはじゃあ尻尾は?と聞き返す。
「ダメに決まってんだろ、チビ」
「むぅ……ケチ……といやっ!」
「おいこらっ!?」
ピョンっ!!と高く飛び上がると、肩車の姿勢になるように調整。
着地。
目標を目の前に確認。
「ふわふわぁ……♪」
「やめっ、くすぐってえんだよっ」
「もうちょっとだけ……」
「……大丈夫っすか?」
「_____ッ、_______はっ_____はぁぁ……」
その後、ベートが返答出来なくなるまでもふったとか。
ベート君(笑)回でした。
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