一発ネタです。

続きません。

本当はアプリ配信前に出すつもりだったのですが、一足遅かったようです。(ちっ

アプリ内ではどうなっているか全く知らないで書いているのでアプリの内容は捏造です。

よろしくお願いします。


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一発ネタです。

続きません。

本当はアプリ配信前に出すつもりだったのですが、一足遅かったようです。(ちっ

アプリ内ではどうなっているか全く知らないで書いているのでアプリの内容は捏造です。

よろしくお願いします。




【ポケモンGO】どうせ配信始めたらこんな感じの漫画をコロコ◯で連載するんだろ!?

 新宿。

 人混みが溢れかえる夜八時半前。

 

 高谷タツミはスマホを片手に街灯に寄っかかっていた。

 起動しているのは今や誰もがダウンロードしている《ポケモンGO》。現実世界にいるポケモンをスマホを通して捕まえる、というアプリだ。

 

 タツミが新宿にいるのも、この《ポケモンGO》のイベントのレイドバトルがここで行われるという話を聞いてことだ。

 

 レイドバトルとは自分の手持ちのポケモンを一体出してその場にいる皆で戦うというもの。

 

 つまりは一匹の強いポケモンに大勢の人の自慢のポケモンで倒すという盛り上がることで定番のイベントだ。

 

 今回のイベントはボーマンダが新宿の夜を襲うというもので、それに参加するためにこの時間に新宿まできたタツミ。だが、実はタツミ自身、今回のイベントに不自然を感じていた。

 

(やっぱり、おかしい。イベント開始まであと五分しかないのに周りにプレーヤーが見当たらない)

 

 通常、この手のイベントには五分前には二百人強の人々が集まってスマホ片手に構えている。

 が、今回のイベント。誰もいない。

 違和感しかない。

 

(それに———)

 

 スマホをイジって画面を変える。

 表示されるのはとあるメール。

 

『《緊急イベント!新宿に現るボーマンダ!》

 突如、明日新宿にボーマンダが現れて混乱に陥れるという文書がポケモンGO本部に届いた。差出人はロケット団のサカキ。新宿の平和を守り抜こう!

場所:△◇◯の広場の……』

 

 今までイベントのお知らせをメールで送ってくることなんてなかった。

 なのに今回のメール。

 タツミは緊急イベントなのでそんなものかと思っていたが、こう違和感が続くと不自然に思えてくる。

 

(まあ、釣りだったらイベント開始五分待って帰ろう)

 

 そう決心すると一応調べておこうと掲示板やsnsで新宿でのイベントの話をしている人がいないか調べる。

 

 

 調べた結果、他の人にも届いていた。が、それらの人は新宿では無く、お台場だったり、八王子だったり、はたまた東京だけならず大阪や北海道の地域だったりする。

 

 ある程度調べると場所がマッチングしている人がいるけれども、一方でその地域は一人だけっていう人もいるみたいだ。タツミはそれに当てはまるみたいで、新宿という人がこんなにも通る場所なのにもかかわらずメールが届いたのは一人のようだった。

 

 まあ、見てなかった人もいるので断言はできないのだが。

 

 タツミは、レイドボスの詳細を掲示板に載せておいた。独り占めしたかったが、如何せんレイドボス故、一人では倒せない。

 

 ブブブブブッ、スマホが震える。

 

 急いでGOを開くと、お知らせに《近くにレイドボス出現中!》と書かれていた。

 スマホを片手にぐるりと回る。

 スマホの画面に映るポケモンを見逃さないように気をつけながら索敵。

 一周するが、姿は見えない。

 おかしいなと思ったところで、

 

 急に、影が月の光を遮断した。

 

 バッとスマホと共に空を見上げる。

 そこには旋回するボーマンダがいた。

 

 飛空を楽しんだボーマンダは優雅にビルの屋上のヘリポートに着陸する。

 

(見つけた! よし、とりあえずポケモンを出し—————————ん? ()()()()()()()()?)

 

 ギギギギギギと擬音語がつきそうな首の動きをしてスマホの画面から目を離してボーマンダがいたヘリポートを見た。

 

ボーマンダ は みみ を かいている ! ▽

 

 うーん?とタツミの思考が停止した。

 あれれれれ?おかしいなー?

 ボーマンダが現実にいるように見えるぞー?

 

 目を擦る。ボーマンダは火を吐いてた。

 ガオー。

 

 周囲はボーマンダがいることにきづいたようで、ざわめき出している。が、パニックにはなっていない。演出か何かだと思っているのだろう。だが、それは違うとタツミは考えていた。

 

 明確な理由などない。

 だが、違う気がするのだ。()()()()()()

 

 スマホの画面にはボーマンダの体力が表示されており、今まで見たことがないWARNINGの文字が表示されている。

 

 嫌な予感がした。

 

 瞬間、ボーマンダが咆哮する。

 

 ()()()()()()

 

 そこで皆ようやく気づいた。あれは生きている。

 何故とかそういう理由は必要無くて、人の生存本能が警報を鳴らし、逃げろ逃げろと発破をかけているからだ。

 

「…………あ、あぁ!!」

 

 ある男が一目散に逃げ出した。

 そこからはまるで雪崩のようだった。駅へ、タクシーへ、遠く離れた場所へ。

 まるでそれは徒競走。

 生き延びるために人は足を回し始めた。

 

 

 そんな中で一人、タツミはその場に立ち尽くしていた。

 本来は彼もその場から逃げ出すつもりだったのだが、突然のトラブルで優先事項が変更されたため、タツミは未だマラソンを始めた人々の邪魔にならないところで放心していた。

 

 逃げようとした。

 タツミは最初の男が逃げ出したその少しだけ前に走り出そうとしたのだ。そして、偶然手がスマホに当たった。

 

 で、そのスマホから出てきたのが上も下も白で統一し、通常黒のところを赤にラインを変えたボール———プレミアボール。

 はい?とタツミの変な声が出た。

 

 完璧なプレミアボールだ。

 質感、デザイン、大きさ共にまるで()()()()()

 

 もし本物ならば。

 何が出るかはわかりきっている。

 彼が《ポケモンGO》で捕まえたポケモンでプレミアボールを使ったのは一体のみ。

 彼の秘密兵器。

 たまたま捕まえることができた彼の切り札。

 あいつならば、ボーマンダにも遅れを取るとこはないだろう。

 

 夢心地になったままボールを拾い上げた。

 タツミの動悸が止まらない。

 恐怖?武者震い?緊張?

 

 否、歓喜。

 

 感極まったタツミはボールの開閉スイッチを押し込み、ボールをボーマンダの方へ投げつけたっ!!

 

 

「いけぇ!!ライコウ!!」

 

 

 雷撃が放たれた。

 

     ◇

 

 

 雷鳴轟き、形を成してそこに顕現する。

 真名は雷光。

 不死鳥に与えられしその身は、雷で出来ていた。

 人の子よ、刮目せよ。これぞ雷帝なり。

 

 

     ◇

 

 ボーマンダはビルから飛び立つと、炎を広場に放つ。

 広場が無人とはいえ火災が起き、近くのビルでは確実に残されてしまった人がいる。

 死を覚悟していた残された人々はその雷を見逃さなかった。

 

 "かみなり"

 命中率が低いが、威力が高いことで有名な技の一つ。

 それがボーマンダに当たって墜落させていた。

 

 それを行ったのは広場にいきなり現れた電撃を纏ったポケモン、ライコウ。トレーナーの姿は、逃げ遅れた人々からは見えない。

 

 落とされたボーマンダはすぐに起き上がった。体力はまだ残っている。ライコウはゆっくりとした足取りで間合いを詰めていった。

 二匹の距離が十五メートルになるあたりでライコウは止まった。

 沈黙が訪れる。

 

 先に動いたのはボーマンダ。

 "ドラゴンクロー"でライコウを引っ掻きに来る。が、それを"スパーク"で体に触れられる前に迎撃した。

 

 怯むボーマンダにライコウは容赦しない。そのまま近づくと"かみなりのキバ"で攻撃を仕掛ける。ボーマンダはそれを何とか"りゅうのいぶき"で牽制しながら態勢を立て直そうと後退する。

 

 が、後退した僅か左に"かみなり"が落ちた。外れてしまったが、ボーマンダにプレッシャーをかけるには十分な威力だった。

 

 怯えたものと踏み込んだもの。

 

 勝敗を決するのにそれ以上のものはない。

 ライコウはボーマンダの首に"かみつく"と、自らを避雷針にするように再び"かみなり"を繰り出した。

 

 霹靂。

 

 その衝撃と光は瞬間的に音と視界を新宿から奪った。

 全てが終わった時、新宿の広場にはライコウしか残っていなかった。

 

     ◇

 

「すっげぇ………」

 

 タツミの声が漏れる。

 レイドボスであるはずのボーマンダをあんな一瞬で、さらに圧倒して倒してしまった。

 

 呆然とするタツミの側にライコウは近づき、まるで頭を垂れるように座り込んだ。

 トレーナーとポケモン。

 その関係が生まれた瞬間でもあった。

 

 

———こうして、ライコウとタツミの冒険が始まった。

 

 

 それを見ていたのはスイクンを連れた少女のみ。

 去り際に、少女は少年を見ながらまるで、祝福するように告げた。

 

 

「ようこそ、伝説持ち(レジェンドホルダー)。この世界は少し厳しいよ?」

 




続きません。ええ、続かないとも。

打ち切りエンドです。

完。
次回作にご期待下さい。


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