こんなんばっか書いてるから進まないんだよ。
とある少しだけ未来の話。
ミッドチルダで開催された毎年恒例の歌唱大会。
それに参加した一夏達となのは達。
これは、その時のお話。
『ありがとうございましたー!』
『それでは続きましてエントリナンバー54番、織斑一夏さん!お願いします!』
「・・・いくか」
一夏はこの日為に調整したバリアジャケットを見に纏い、この日のために書き上げた曲を携えてステージに立つ。
その衣装は自らのデバイスをステージ衣装としてあしらっているようにも見え、それでいて美しい衣装だった。
(シンフォギアライブ2018の悠木碧さんの衣装)
「それでは聴いてください・・・「キミだけに」」
<戦姫絶唱シンフォギアXV 立花響の「キミだけに」>
「日が落ちて風が変わる 街灯がそっと点く」
この日は観客として見ていたレヴィ達マテリアルズは普段の一夏とは違う雰囲気を感じ取っていた。
今まで聴いたことがない歌を歌っている一夏に圧倒されている。
ー 不安なこと 孤独なこと 紛らわすかのように ー
心の中に抱え込んでいた全てを今まで紛らわしていた。
ー わたしも怖かった 一人が怖かった ー
これを伝えたら、今まで通りで居られなくなるかも知れないから。
1人になるのが怖かった。
ー 夜の闇の鏡 過去を映すから ー
夜になる度に心の鏡が自分の過去を映して苦しめる。
ー わたしの右手は わたしのココロは わたしの全部は 未来の為にあると ー
自分の右手は、ココロは、全部はあの子の為にあると教えてくれた。
ー ・・・だけど、壊してばっかりだ ー
だけど、壊してばかりしか出来なかった。
ー そんな胸の痛み 優しく包むように ー
けど胸の中の痛みに苦しむ、そんな自分をキミは優しく包んでくれた。
ー 「寂しくない夜を見に行こう」と ー
そんなキミと見る夜はワタシの寂しさをかき消してくれた。
ー 銀河が降るような 星の丘でぎゅっと ー
銀河が降ってくるような星空を丘の上で見てぎゅっとココロに響いていた。
ー 握り返した君の手を・・・君の手に ー
ぎゅっと握り返した君の手でワタシは。
ー 泣いちゃいけないのに・・・ ー
泣いてしまったんだ・・・。
「イチカ・・・この歌ってあの頃の・・・」
「レヴィ、どういう事だ?」
「昔、イチカを連れて流れ星を見に行ったんだよ。あの頃のイチカ、アイツを見返したいという思いだけで頑張ってたから・・・あの時に色々限界だったのか泣いちゃったんだよねイチカ・・・」
「イチカが泣く事なんて今までありましたか?」
「いえありませんでした・・・それだけ張り詰めていたのでしょう・・・」
ー オンボロで カッコ悪い 弱虫なヒーローだ ー
いつだってボロボロでカッコ悪いヒーローだった。
ー いつだって ピンチじゃなきゃ 君の涙気づけない ー
いつも君がピンチの時じゃなきゃ君の流す涙に気づけなかった。
ー 「ちょっと行ってくる」の 台詞で傷つけて ー
ちょっと行ってくるね、それだけの言葉で君を傷つけしまう。
ー 守らせる隙さえ あげられなかった ー
キミがワタシを守る隙さえ、ワタシはあげられなかった。
ー 生まれてきたこと 「ありがとう」と言う 君の全霊が わたしを立たせたんだ ー
君がこの世に生まれてきたから出会えたんだ、だから「ありがとう」という君の全霊の言葉がワタシをいつだって立たせてきた。
一夏はこのフレーズを歌った瞬間今まで暗い、哀しみの表情から一変して太陽のような明るい表情を浮かべた。
その表情はレヴィがいつも見せる表情と似ていた。
ー 永愛…返事をしなきゃだね ー
永遠の愛という返事を君にしなきゃだね。
ー 難しいことは わたしは馬鹿だから 上手に言えるかわからないけど ー
ワタシは鈍感だから、君の気持ちに気づけなかったバカだから、君に上手に伝わるかは分からないけど。
ー 星の数ぶんの 一つに今いるよ ー
星の数だけある可能性、その一つに今いるんだ。
ー 一緒の時を生きてるよ…手を繋ぎ こんな奇跡なんて…! ー
一緒の時を手を繋いで生きる、こんなことでもワタシには奇跡だった。
一夏は1度目を閉じる。
今までレヴィと共に歩んできた道のり、共に背中合わせで戦った記憶、そして、レヴィと出会ったあの日の記憶。
それが流星のように過ぎ去っていく。
ー わたしの右手は わたしのココロは わたしの全部は 未来-みらい-の為にあるよ ー
ワタシの右手は、ワタシのココロは、ワタシの全部は貴方と共に歩む未来の為にあるんだ。
ー …永遠-とわ-を 誓わせて欲しいんだ ー
キミと永遠に歩ませてくださいと誓わせて欲しいんだ。
ー 君の名が付いた その二文字の時を… また明日ね!と言える日常を…! ー
キミと歩む未来という名の二文字の時を、また明日ねと言える平和な日常を。
ー 陽だまりの中で 花を立ち咲かせて 一緒に夢を響かせて…響かせて! ー
キミという陽だまりの中で立ち咲き尽くす花として一緒に夢を響かせて。
「共に生きてゆこう・・・!」
少し長めのイントロ。
そこで一夏は口を開く。
今ここで言うと決めていた。
大切な陽だまりに太陽としての告白を!!!
「レヴィ!俺は・・・!お前が・・・!大好きだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!だから、俺と永遠を誓わせてください!!!」
『『『「「「何ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」」」』』』
突然のとびきりの愛の告白。
それを聞いた観客や参加者、審査員は驚いた。
しかし、レヴィだけは違った。
ずっと気づいていた。
この歌は・・・この歌の歌詞はきっと・・・!
「イチカァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!ボクも・・・大好きだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
『『『「「「こっちもだとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」」」』』』
まさかの告白返しに会場は大騒動。
千冬達は口を開けたままポカーンとしていた。
そんな会場の様子を他所に一夏は最後のフレーズを歌った。
「オンボロで カッコ悪い ヒーローだっていいんだ」
レヴィを、彼女を守る為ならカッコ悪くてもヒーローになるんだ。
「目の前の たった一つ 守ることが出来れば」
それが俺の永愛の誓いだから・・・。
はい、やってしまいました。
一世一代の大告白、キミだけにを聴いた時からこれだけは書きたいと思っていました。