シャフティング・マインド(凍結)   作:lock

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どうも皆様、初めまして。lockと申します。
この度私、小説の投稿を始めることになりました。
タグにもありますが、この小説には文章力があまり籠っておりません。
この1話だけでも読んでいただけると有り難いですが、もしつまらないと思われたら、遠慮なく低評価をお願いします(Mじゃないですよww)。
それではどうぞ。


既視感ーDéjà Vuー

そこは、騒がしかった。

爆発音、金属音、破裂音、破壊音、破壊音、破壊音―――――――

悲鳴があちこちで上がる。呻き声がコーラスを奏でる。鼓膜が破れそうなほど、とにかく音が充満していた。

――――俺、は……

少年は(すす)だらけでうつぶせになったまま、右手を握りしめる。

―――止め、る…

ゆっくり、ゆっくりと体が起き上がっていく。芋虫のように無様に、だが確実に。

 

「絶、対に…」

 

掠れた声が、誰にも届かない言葉を紡ぐ。

少年はふらつきながら立ち上がり、顔を上げた。

そこには、紅い空。見事なまでの、美しい夕焼け。

そして、そこにあってはならない存在。

たなびく黄金と虚ろな気配を携えた、細いシルエット。それは悠然と、まるで諦観を決め込む神のように静かに、ただこちらを見下ろしていた。

彼の目に、炎が揺らめくような光が宿った。

 

「殺してやる……!!」

 

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約30年前、ある場所に5人の人間が現れた。

一人は喜んでいた。

一人は怒っていた。

一人は心配していた。

一人は予測していた。

一人は信じていた。

彼らは何を告げることもなく、その体を霧散させ、粒子へと還ってしまった。

だが、その粒子は消滅しなかった。

増殖と拡散を続けながら世界中へ広がっていき、いつしか大気は、その粒子で満ちあふれるようになっていた。

そして、それに見初められた者達―――全人類の約10パーセントが、超常の力を持つ、所謂(いわゆる)【超能力者】と呼ばれるような存在になった。

これが、新たな世界の始まり。この短い前日譚が、全ての起源。

世界に異能の力が生まれた、その発端である。

そしてその力を使いこなし、役立てる事を目的とした学園が、世界中に建てられた。

日本では、全国の鉱物、原子力などの資源やテクノロジー、世界各国の情勢などの情報が集まる実験都市、《神威(カムイ)市》。

そこに、世界でも例を見ない、最早一つの町レベルの規模で建てられた、日本では唯一の超能力者養成施設にして学園。

その学び舎の名は、国立「神威総合制御学園」。

通称―――《異能学園》。

西暦は2048年、季節は春。その学園にも、また新たな生徒たちが入学する。

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「ここ、か…」

 

4月中頃、麗らかな春の日差しで満ちた廊下。

彼は一人で、1-2とプレートが付いた教室の前に立っていた。

中からは、男女の楽しげな談笑の声が響いてくる。

彼はドアに手を掛け、ガラッと開ける。HR(ホームルーム)を待っているらしく、皆席に座っていた。教室内の声が少し収まり、視線が彼に集中し…

一瞬で、かつ一斉にそのほとんど全てが逸らされた。あからさまに空気が一変する。

 

『おい、なんだあいつ!』

 

『ないない!まさかあんなのが転校生?!絶対ない!』

 

『うわ、なんか睨んでんよ…絶対《攻撃性》だろあれ……』

 

彼を遠巻きに見て、こそこそと話をする彼らの反応も、半ば仕方の無い事だった。

目を合わせたら殺すと言わんばかりの鋭い視線。右耳には十字架のピアスを付け、襟のボタンは取れている。髪は乱れ、極め付けは、左頬にくっきりと刻まれた切り傷の痕。

彼―――ユウトのその風貌は、誰がどう見ても“不良”のそれだった。

しかしユウトは気にする素振りも無く、唯一空席の、自分のものらしい席に向かって歩き出す。

窓際の最後列。一般的に見れば悪くないポジションだと言えたが、彼にしてみればどこでも大体同じだった。

ちらちらと送られる視線を無視し、椅子に座って外を眺めだす。彼にとっては、いつもの事。

誰も自分に寄りつかない。誰も自分を横目でしか見ようとしない。そして結局、誰も自分に話しかけようとはしない。

 

「ねえ、キミ」

 

それが彼にとっての“日常”―――

 

「キミだよキミ!無視しない!」

 

だった(・・・)

ユウトの顔が窓とは逆、右方向に向けられる。隣の席の主らしい彼女は、目の前に、それこそ文字通り彼のすぐ目前に、顔を接近させていた。

超至近距離で彼と彼女の目が合う。普通ならばどちらも慌てて目を逸らすところだが、その時、その事を彼らが理解するより早く―――時間が止まった。

彼ら以外は完全に静止した、そう思えてしまうほど、彼らにはその一瞬が計り知れないほどに長く感じた。

極度に引き伸ばされた時間が、まるで彼らのみを世界から切り取ったように。

お互いにお互いしか見ることが出来ず、お互いの存在を疑うかのように、唯々(ただただ)お互いを認識し続けた。

 

彼は思った。  (いつか…)     ずっとずっと、別の時間で。

彼女は思った。 (どこかで…)    遠い遠い、遙かな場所で。

感じたような、そんな感覚だと。

 

永遠に思えた一瞬が終わり、周りの世界が動き出す。いつしか、クラスの視線はユウトに向けられてはいなかった。

そして顔は至近距離のままに、彼女は再び口を開く。冗談を言うような、それでいて少し困った様な笑顔を浮かべて、彼女は彼に問いかけた。

 

「えっと…キミ、誰だったっけ?」




もしよろしければ、感想や改善点などを教えていただくととてもありがたいです。
まだハーメルンの機能にも慣れていないので、「こんな機能便利だよ!」というのもありましたら、ぜひお願いします。
一応、毎日このくらいの時間に投稿する予定ですので、よろしくお願いいたします。
では、お目汚し失礼しました。

(7/24修正)ルビの振り忘れ、誤字を修正しました
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