シャフティング・マインド(凍結)   作:lock

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こんばんは。
話数としては区切りなのに、物語が全然区切れてなくて焦ってるlockです。
10話「嫉妬ーJealousー」を投稿します。


嫉妬ーJealousー

ユウトの転入から、明けて翌日。

1-2の生徒達は、窓側の席の者も含め、ほとんど全員が教室の廊下側に寄っていた。

無理もない。つい昨日、クラスの半数を病院送りにした男が、所々破けた制服を着て、鋭い目に苛立ちと殺気を(たぎ)らせながら窓際の席に座っているのだ。

近付こうものなら、一瞬でバラ肉にされてしまいそうな(あつ)を放つ彼に、近付いていけというのは少しどころではなく酷な事だと言えた。

病院から無事に復帰してきた男子生徒達は、憎々しげにユウト睨んでいたが、自分達の攻撃が全く当たらない事を思い知らされており、それ以上の行動は起こせないでいた。

するとその時。

 

「ユ~ウ~トーーーーー!!」

 

バアン!と勢いよく教室のドアが開け放たれ、彼らに驚く暇もあらばこそ、一つの人影がユウトめがけて跳びかかった。

人間とは思えない程のハイジャンプで、ドアからひとっ跳びにユウトの席まで急行する何者か。

彼女は空中で両腕を広げ、驚いているユウトへ頭から突っ込んだ。

ドンガッシャーン!

ド派手な音を立ててユウトは椅子ごと転倒し、ダイナミックなダイブをかましてきた犯人の下敷きになってしまった。

 

(あの馬鹿・・・!)

 

クラスの思考が一つになった瞬間である。

どこからどう見ても"超"不機嫌であった彼に向けて、人間バズーカなぞ直撃させてしまえば、どうなることか知れた物ではない。

中には、合掌している者すらいた。

・・・だが、いつまでたってもそれ以上の動きが見られない。

30秒程も経って、一人の勇敢な女子生徒が、恐る恐る窓の方へ近付いていった。

そっと、彼らが倒れている場所を覗き込んだ彼女が見たのは・・・

 

「すう、すう、はー。すすう、すう、はあぁー・・・」

 

顔をだらしなく弛緩させ、目を回したらしいユウトの匂いを一心に嗅ぐ、一人のネコミミ少女の姿。

 

「はああー・・・あーっ!もう!会いたかったよ会いたかったよユウトー!!」

 

ショートの茶髪を振り乱しながら、顔をゴシゴシユウトに擦りつけるネコミミ少女。

 

「ちょ、ちょっと何やってんのネコちゃん!?」

 

加藤(カトウ) 音娘(ネコ)―――このクラス随一のキラキラネームの持ち主であり、能力《猫神の恩恵(キャッツセンス)》を有する能力者。

可愛らしい顔に、能力の影響で付いている猫耳が似合うこともあって、学年のアイドル的存在として既に知れ渡りつつある。

実際、街中を歩くと、しょっちゅうスカウトマンが声を掛けてくるのである。彼女自身は心の底からウンザリしつつ、全て断っているのだが。

そんな彼女が、転入してきたばかりの、しかも男子生徒に全力で抱きついてスースーしてハーハーしているのだ、それは驚く。

そして、やっとユウトが気を持ち直した。

 

()ってえ・・・おい、まだその癖直ってねえのか、ネコ」

 

その声を(おぼろ)に聞いた男子生徒達が、ピクッと反応する。

 

「えー、別にいいじゃん。今更何言ってるのさー♪うりうり」

 

人差し指で、ユウトの頬をうりうりするネコ。

 

ピクピクッ。

 

「お前はそれで良くてもな、俺が困るんだよ。隙あらば飛び付いてきやがって」

 

ネコを押し退けようとするユウト。

 

ピクピクピクッ。

 

「むうー・・・別にいいじゃん。3年も離れ離れだったんだよ?ちゅーちゅーしないだけ、これでも我慢してるんだよ?ねえユウト~」

 

押し退けられまいと、全力でユウトの胴にしがみつくネコ。

 

ピクピクピク・・・ブチイッ!!

 

『オノレ・・・ユキサンバカリカ、ネコタンマデ・・・』

 

『ハナシキイテリャ、ドウヤラオサナナジミラシイナァ・・・ドウイウコトカ、シッカリセツメイシテモライタイナァ・・・?』

 

『スースー、ハーハー、ソノウエチューチュートカ・・・ウラヤマ、モトイジンセイコウカンシヤガレコノヤロウ・・・!』

 

教室の廊下側から、黒みを纏った(マインド)が立ち上る。

 

「やべっ・・・!」

 

ネコと床の間からすり抜け、素早く廊下へ逃げ出すユウト。

 

『『『『マチヤガレコラァァァーーーーーー!!』』』』

 

「誰が待つかあーーー!!」

 

彼らの愉快な鬼ごっこは、HRで教室にやってきた千夏がドン!と壁にヒビを入れるまで続いた。




ああ・・・最近、youtube観るのが楽しすぎてヤバイれす・・・
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