昨晩はどうしても早く寝ないといけなくて、投稿できなかったlockです。
11話「反省ーReflectionー」を投稿します。
「お前らな・・・ケンカが悪いとは言わん。だが頻度を考えろ、頻度を。毎朝説教食らいたいのか?」
チナツは呆れ顔で、クラスを見回した。
「節度を持って行動頼むぜ?壊れたところ一晩で直すの、結構骨折れるんだからよ」
そう、昨日能力の暴発であちこちが壊れたはずの教室は、一晩で完全に修復されていたのだ。
2048年の技術が成せる
出席簿を開いたチナツが、何故か名字ではなく名前で出席を取っていく。
「ネコ!」
「はいっ!」
ユウトの前席、先ほどユウトに抱きついてきたネコミミ少女が元気な返事をする。
何故、昨日ユウトが登校してきた際にあの情熱的な抱きつきが無かったのかと言うと、昨日は体調不良で休んでいたらしい。
「ユウト!」
「はーい」
ユウトは気のない返事である。
「ユキ!」
「はい」
クラスのマドンナ・ユキは、実に優等生らしい模範的な返事。
実際、彼女はこのクラスのクラス委員を務めている。責任感のある生徒という事であろう。
(っていうか、体は平気なのか・・・?)
ユウトは、ちらりと右隣を見る。
ユキは、昨日の朝と変わらぬ様子でそこに座っていた。
実技演習室で倒れていたときの苦悶の表情も、今は欠片も見えない。
するとユキが視線に気付き、ユウトの方を見た。
そして、出席を取っているチナツに聞こえないよう、
「なあに?」
バッ!!とユウトは勢いよく顔を背けた。
どうやら彼には、ウィスパーボイスへの耐性が無かったらしい。
ユキは、頭上に?マークを浮かべている。
「さーて、お前ら」
出席を取り終わったチナツが、出席簿をパタンと閉じた。
「昨日のケンカについてだが」
その言葉に、クラス全員がビクッと反応する。
と言うのも、『教員の監督外における能力の使用』は、かなり大きな校則違反なのだ。
それを知りつつもユウトの挑発に乗っかってしまった男子達、そして彼らを止められなかった女子達に課せられるであろうペナルティの重さ・多さは、彼らを青ざめさせるに十分なものだった。
不安の視線を浴びるチナツは、
「そのケンカにおける双方の勝因と敗因を、客観的に分析していこうと思う」
・・・はい?
「ん?なんだ、その『ちょっと何言ってるかわかんないですね』みたいなツラは。早い話が反省会だよ、反省会」
「え、あの、先生・・・」
男子の一人が、手を上げて発言する。
「反省って、ケンカの勝敗に関してなんですか?その・・・校則違反のペナルティとか、その辺は・・・?」
「ん、なんだ?ペナルティ付けてほしいのか?」
いえいえ
チナツは、満足そうな顔で頷いた。
「だろ?おーし、じゃあ早速始めるか!ユウト!こいつらの敗因はなんだ!?」
チナツお得意の傍若無人さで
ユウトは突然話が振られた事に驚きつつも答えた。
「んーと、知識不足・・・かな?4月だと、まだ能力同士の作用とか、その辺はやってないんだろ?」
チナツはなるほどなるほど、と頷き、今度は教壇近くの男子に質問した。
「ライト!ユウトの勝因は、どこにあると思う!?」
「え、ええ?」
突然指名されて慌てている、ツンツンした髪の男子生徒。
名は
昨日、その能力でユウトの行動を封じ込めようとした生徒だった。
「能力を上手く使ったから・・・?ギリのタイミングで俺の目の前にテレポートしてきて、それから―――」
「ブー!」
チナツが、そこで発言を中断させる。
「違うぞ、ライト。お前は・・・お前達は、一つ大きな勘違いをしてる」
「勘違い?」
「そうだ。だろ?ユウト」
チナツは、視線を再びユウトの方へ向ける。
ユウトに、クラスの視線が集まる。
ユウトは
「昨日解き損ねてた誤解なんだけどな?・・・俺の能力は、テレポートじゃ無い」
クラスにざわめきが走る。
「っていうか・・・俺あの時、能力なんて使ってなかったぞ?」
一瞬の静寂。そして、
「「「「はああーーーーー!!?」」」」
驚愕の声が、クラスを覆った。
カトウって、音がCat(キャット)に似てません?
・・・苦しいかなぁ。