読み返してみて、「なんだこの駄文は・・・」とかいう感じに肩を落としているlockです。
4話「探求ーSearchー」を投稿します。
神威学園の総面積は、7.23平方キロメートルと小さな町ほどもあり、その中には複数の施設が立ち並んでいる。
中央で一際高くそびえるビルは「中央制御塔」。≪中央塔≫と別称される。
北西には、小学生から高校生までが通って勉学に励む校舎。ここがピンポイントで≪学園≫と呼ばれることも多い。
北東エリアは寮になっている。実家が遠い児童、生徒は、ここで生活し、学園に通っているのだ。
南東には商業エリア。多くのチェーン店が看板を連ねる大型ショッピングセンターや飲食街があり、買いたいと思うものは、ほとんどここで手に入る。
そして南西には、各種研究施設ともう一つ。
優れた治癒能力者たちが日々働く、学園の保健室―――≪神威病院≫が、日夜多くの患者の治療を行っているのだ。
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神威病院の一部屋、『休養室』とある部屋の中。
50以上もあるだろうか、やたらと多いベッドの間を、数名のナースが忙しそうに歩き回っている。
いくつかのベッドには軽い火傷を負った、数名の男子生徒が横たえられていた。
「全く、どうして新学期始まって1か月も経たずにこんなにけが人が出るんだか・・・怪我は極力しないように注意しなさいと始業式であれだけ言ったのに、聞いてなかったのかしら、この子たちは?」
椅子に座って何やら書き付けている初老の女性が、その後ろに立つチナツに小言を入れている。
「悪いねー、ママさん。ウチに来た転入生が、中々に世話好きだったもんでさ」
「なーにが『世話』なもんかね・・・全くこんなやり方、危なっかしいったらありゃしない」
チナツは『ママさん』と呼んだが、誰の母親というわけでもない。
神威病院院長兼、神威学園養護教諭長という肩書と、
「でも、こっちの方が余程効果あったと思うぜ。
「要らん物を追求して、怪我しちまったら元も子もありゃしないよ、この育て下手!」
へらへらとふざけるようにしていたチナツだったが、急に真面目な表情になって訊ねた。
「それでママさん、こいつらはどんぐらいで復帰できる?」
「ま、あと6時間ってとこかね。電気の坊やだけはもうちょっと掛かるだろうけど。」
『他の能力を妨害する』という特性を持っている彼の電流だが、それは『味方の能力の恩恵を受けづらい』という欠点でもあった。
故に、能力による治癒も遅れてしまうという訳なのである。
「そんだけ時間があれば十分だな・・・ありがとよ、ママさん」
「子供たちに無理させるんじゃないよ、チナツ」
チナツは手をひらひらと振りながら、休養室から去っていった。
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「で、質問の続きなんだけど」
学園の南東、商業エリア。
気絶したクラスメイト達を運んだ―――と言っても、校舎の前で停車していた搬送車までだが―――ユウト達は、1-2担任であるところのチナツに
『教室も生徒もこんなんじゃ、どっちにしろ授業はできないし・・・今日の授業はもう十分だろ。かいさーん!』
と告げられ、ほとんど女子だけになってしまった1-2の生徒たちは、三々五々散っていった。
だがユウトはユキに呼び止められ、商業エリアへの同行をすることになった。・・・というか、半ば強制的にさせられ、そして今に至る。
ユキは、紙パック入りのオレンジジュースを飲んでいるユウトに鋭い視線を向けた。
「おお、怖い怖い・・・なんだ、黒萩?」
「どうしてあんなことしたの?」
「あんなことって?」
「男の子たちを挑発して、能力を暴発させて・・・怪我までさせて。どうしてそんなことする必要があったの?」
ユウトは、ちょっと考えるようにしてから、からっとした調子で言った。
「そりゃあ単純に、あいつらがムカついたからやっただけだよ。ヘタレた男ども見てると、無性にイライラしてくるんだ」
「・・・嘘でしょ」
「・・・え?」
「あの時の叶君、全然怒った表情じゃなかった。むしろ、なんていうか・・・ちょっと焦ってるように見えたよ」
ユウトはバリバリと頭を掻き、困ったように笑った。
「よく見てんじゃん」
「・・・教えて。なんであんなことしたの?」
再三、ユキは問う。
ユウトは真剣な顔でしばらく考え、
「あのヘタレどもが目を覚ましたら、そいつらと一緒に話すよ」
そう結論を出した。
「・・・分かった。絶対だよ?」
ユキは白銀の髪を揺らし、笑った。
「あ、そうだ。ヘタレで思い出したんだけど」
「ん、なんだ?」
「あの時、『美人なクラスメイトと付き合いたいなら』とか言ってたよね?」
「ああ、そんなことも言ったかな。事実だと思うぞ?」
「えっと、うん、あのさ・・・」
ユキは下を向き、もじもじとしている。
「なんだよ、勿体ぶるなよ」
「・・・その『美人』って、やっぱりアズサちゃんのこと?」
「・・・・・・はい?」
ユウトは間抜けな面で、
「だってアズサちゃん、ちっちゃくて可愛いし、顔とかすごく小顔なのに、目はぱっちりしてる上に綺麗なライトブラウンで・・・席だって、叶君の前でしょ?もしかして、もう目を付けたとか?」
「いや待て待て、ちょっと待て!」
ユウトはひとまず、暴走気味のユキの推論を
心なしか、彼女の頬は紅潮しているようにも見える。
「まず誰だよアズサって!俺は何の説明も無しに『とりあえず先に教室行ってて~』的な感じであの担任に教室行かされて、まだクラスの名簿すら貰ってないんだよ!」
「え、そうなの?」
「それとなんだ『目を付けた』って!それじゃまるで、俺が女を
「男の人は、みんなオオカミさんなんじゃないの?」
「それは一部の方々の偏見だ!どこで聞いたそんなもん!」
「アズサちゃんから借りたマンガに書いてたよ、『オオカミは、時に喰らい合う運命にある。その様は、まさに過酷。だが時には、見るものを惹きつける美しさをも・・・』」
「止めろ、それ以上朗読すんな!耳が腐る!」
耳に両手を当て、必死でユキの朗読を聞くまいとするユウト。
そんな様子を見て、ユキはプッと噴き出した。
「・・・何か可笑しいか?」
「プッ、ククク・・・あははは!可笑しいよ、すっごく可笑しい!」
「え、マジ?結構恥ずかしいんだけど・・・どの辺が?」
顔を赤くして、ドギマギしながら聞くユウト。
それを見たユキは、更に大きな声で笑い出した。
「あはは、全部可笑しいよ!不良みたいな恰好なのに全然不良っぽくないし!ツッコミなんて入れてくるし、必死で耳塞いだりするし!」
ユキは人目も気にせずけたけた笑い続け、終いにはゴホゴホせき込んでやっと笑いを止めた。
「あー、笑った笑った!こんなに笑ったの久しぶりだよ!」
「こっちはすごく恥かいただけだぞ・・・どうしてくれんだ、このハズさ」
ユウトの顔は、熟れたトマトのように真っ赤に染まっていた。
「・・・最初から、何となく思ってたんだ。ああ、この人は見た目とは違う人だな、って」
ユキは急に真面目な表情を浮かばせ、話し始めた。
「どうしてそう思ったのか、自分でもよく分からない。でも・・・今話してみて、ますますそう思えてきたよ。叶君は悪い人じゃない、って」
ユキはユウトの目を真っ直ぐに見た。
蒼い瞳が、黒の瞳の奥を覗き込もうとする。
まるで、探求心に満ち溢れた子猫のように。
ユウトは言葉に詰まり、何も言えなくなってしまった。
「ねえ、叶君」
「・・・なんだ?」
「どうして叶君は、そんな恰好をしているの?」
「そんな恰好、って?」
「なんで十字架のピアスなんか付けてるの?なんで目が鋭いの?なんで不愛想なフリなんかしてたの?」
矢継ぎ早に、それも楽しそうに質問を繰り出すユキ。
ユウトは苦笑した。
「質問が多すぎだろ。欲張りすぎるやつには、答えてやらない」
「えー、ケチー」
ユウトは、人差し指を立てて示した。
「一つだけなら答えてやる」
「一つだけ、かあ・・・それじゃあ―――」
だが、ユキが問いを口にするより早く。
「随分仲良くなったみたいだな、お二人さん」
「「!?」」
二人の前に突如として現れたチナツは、
「楽しい時間を過ごしているところ申し訳ないんだが・・・ユウト、ちょっとついて来てくれないか?」
と、親指で自分の後ろ―――黒塗りの大型バイクを指さした。
なんだろう。
文字数は増えたけど、内容が相変わらず・・・